IOCカナダ委員、東京五輪は今年開催か中止のどちらかと言及

 国際オリンピック委員会(IOC)委員のディック・パウンド氏が10日CBCニュースネットワークにケベック州モントリオールからリモートで生出演し、東京オリンピック開催について語った

 パウンド氏によると「きょうまでの時点では、日本と公衆衛生当局とオリンピックムーブメントとの間で交わされているすべての情報によると、オリンピックは7月23日に開催されるだろう」との見解を示した。ただ「何が起こるかわからない、予測不可能な状況でもある」と付け加えた。

 到着時の検査や外部との接触を断つバブル方式の導入などの感染対策は現時点では満足のいくものになっており「危険性はOKの範囲内」で、東京へ行くことに問題はないと思っている「私自身は自分のチケットを購入した」と語った。

 IOCトーマス・バッハ会長が訪日を中止した理由を聞かれると「どうなっているのかはっきりとしたことはわからない」と述べ、訪日は日本の人々と世界中のオリンピック選手にIOCの確信を示すものであるが「日本が緊急事態宣言を延長したことを受けての判断だろう」と推測した。緊急事態宣言中に海外から要人が入国することは国民によい印象を与えないだろうし、解除されればすぐにでも来日すると思うと語った。

 観客動員について判断が延期されたことについては「おそらく関係者は観客を入れて開催している世界中のすべてのスポーツイベントをチェックして、どのくらいの観客を受け入れられるかを図っているだろう」と語った。

 日本国民の59パーセントが中止、もしくは延期を希望していると日本の世論調査について聞かれると「可能な限りの、そして最も科学的な根拠に基づいた情報によって決定しなければならない」と述べた。日本国内でワクチン接種が進み、人の流入について対応できることがわかってくると日本国民も開催にもっと自信が持てるようになるのではないかと思うとの考えを示した。

 「私は当局がオリンピック選手やチーム関係者の入国を安全なものとするあらゆる必要な手段を取ることを計画していると確信している」と語り、東京五輪は「7月23日に開催されるか、中止かのどちらか」と明言した。

カナダでは東京五輪参加を見送る団体も

 カナダでは、体操代表が参加者の安全へのリスクが大きすぎると東京五輪予選となる大会への出場を見送った。予選大会となる南北アメリカ大陸選手権は6月4日から13日までブラジルのリオデジャネイロで開催される。カナダ代表にとっては、男女個人で一人ずつ、新体操では個人と団体で東京五輪出場権を獲得できる最後の大会となるため、辞退は東京五輪を諦めることを意味する。

 ほかにも女子ボクシングのマンディ・ブジョルド選手がアルゼンチンのブエノスアイリスで開催予定だった五輪予選大会が中止となったため、東京五輪出場が絶望的となった。女子ボクシングは近年の国際大会の成績で出場者を決定するが、ブジョルド選手は2018年に出産したためそれらの大会に出場できず、2020年は感染拡大のため出場予定の国際大会が中止となった。現在IOCに異議申し立てしている。

 「こうした例はこれからも出てくるだろう」とパウンド氏。陸上など五輪開催直前まで予選を行う競技はまだあると語った。

 CBCはカナダの東京オリンピック・パラリンピック公式放送局で、2010年にバンクーバーで開催された冬季五輪を除いてほぼ毎回オリンピック・パラリンピックを放送している。

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