ヘンリー博士が謝罪、フレーザーヘルスでの臨時ワクチン接種で混乱を招く

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士はフレーザーヘルス区域内で、臨時のワクチン接種を実施した件で、混乱を招いたことを謝罪した。

 感染が拡大しているサレー市の2カ所で28日、18歳以上を対象に臨時のワクチン接種が実施された。公式には発表されていないにもかかわらず、ワクチン接種できる会場があると口コミで広がり、市民が押しかけた。29日にも同場所で接種があると聞いたという市民が押しかけ、早朝から長蛇の列となったが、接種は予定されていなかったことという。

 ヘンリー博士は、感染が拡大しているにもかかわらず事前登録率が低い地域を対象に、より簡単に接種を受けてもらうための試みだったと説明。しかし、告知方法が口コミとなったことから、大きな混乱を招いたことは反省点と語った。

 今後ワクチン供給量が増加することから、今回の反省点を踏まえ、効率的なワクチン接種方法を再検討するとも語った。

ワクチン供給量は5月から倍増、40代、50代への接種を加速へ

 予定よりも遅れている新型コロナウイルスワクチン接種について、4月の供給量が予定よりも少なかったため、年齢別接種が進んでいないと29日の会見でヘンリー博士が明らかにした。

 しかし5月からはファイザー製ワクチンの供給が倍増する予定。エイドリアン・ディクス保健大臣によると、4月は毎週138,060回分が供給されていたが、5月からは毎週274,950回分が供給される。6月には337,000回分になるという。

 29日現在、58歳以上(1963年以前生まれ)が接種できるが、23日に59歳(1962年以前生まれ)に引き下げられてからほとんど動いていない。

 これについて「供給されたワクチンは最後の1滴まで使用している」が、供給量が予定より少なかったため、思うように接種ができなかったとヘンリー博士。

 さらにアストラゼネカ製ワクチン接種に年齢制限がかかったことから、職種別接種も当初の予定を大幅に変更することを余儀なくされたとも説明した。

 しかし「5月からは供給量が大幅に増加するため、年齢別接種が加速することは確実」と述べ、18歳以上の州民は事前登録するよう呼びかけた。

 現時点で最も早くワクチン接種を受けられる方法は、年齢別接種に登録しておくことという。アストラゼネカ製ワクチンの供給が不確定な現時点で、ファイザー製とモデルナ製のワクチンを使用する年齢別が最も確実に接種を受けられると説明。特に「40代、50代の入院患者が急増している中で、年齢別接種を加速させたい」と語った。6月中旬には18歳以上の希望者全員への1回目の接種を終えたい考えも示した。

 BC州にはファイザー製のほか、モデルナ製が135,000回分、ジョンソン&ジョンソン製も来週には初めて届く予定。

 この日発表された入院患者数は503人。最多となった前日の515人より微減した。ただ集中治療室患者は178人と最多となった。

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