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バンクーバーの7つのビーチで9月まで飲酒が可能に

バンクーバー市キツラノビーチ。File Photo by Japan Canada Today
バンクーバー市キツラノビーチ。File Photo by Japan Canada Today

 今年の夏もバンクーバー市内の定められたビーチでアルコールを楽しめる。バンクーバー市が5月15日に発表した。2023、24年に続く措置。

 以下の7つのビーチで、20歳以上の成人によるアルコール飲料の持ち込み、飲酒が許可される。期間は5月15日から9月30日まで、時間は午前11時から午後9時まで。

・ジェリコ・ビーチ(Jericho Beach)
・スパニッシュ・バンクス(Spanish Banks)
・ロカルノ・ビーチ(Locarno Beach)
・セカンド・ビーチ(Second Beach、スタンレー・パーク内)
・キツラノ・ビーチ(Kitsilano Beach)
・ジョン・ヘンドリー/トラウトレイク・ビーチ(John Hendry/Trout Lake Beach)
・ニューブライトン・ビーチ(New Brighton Beach)

 市当局はビーチでの飲酒についてガイドラインを定めている。まず、ドリンク類(アルコール飲料含む)を飲む場合はケガの原因になるためガラス製の瓶や容器は条例によって禁止。缶やリサイクル可能な容器、プラスチック、紙製の容器を用いること。

 さらに、アルコール飲料を持って、または酔った状態で水に入るのは危険なので避けること。また、音楽を流す場合は音量に注意するなど周囲の人に迷惑をかけないようにすること、ごみはごみ箱に捨てるか持ち帰ることを呼びかけている。

 なお、全てのビーチで飲酒が許可されているわけではないため注意が必要。以下は飲酒禁止のビーチ。

・イングリッシュ・ベイ・ビーチ(English Bay Beach)
・サンセットビーチ・パーク(Sunset Beach Park)
・サードビーチ(Third Beach、スタンレー・パーク内)
・CRABパーク・ビーチ(CRAB Park Beach)
・フレーザー川沿いのビーチ

 ビーチ以外にもバンクーバー市内では31の公園で年間を通じて飲酒が可能。このほか16の公園でも夏季限定(7月1日〜8月31日)で飲酒が許可される。詳しくは、バンクーバー市公式サイトを参照。https://vancouver.ca/parks-recreation-culture/alcohol-in-parks.aspx

(記事 高城玲)

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カーニー新内閣発足、28人中24人が新入閣

改修工事中のカナダ国会議事堂。オンタリオ州オタワ市。2025年4月3日。撮影 日加トゥデイ
改修工事中のカナダ国会議事堂。オンタリオ州オタワ市。2025年4月3日。撮影 日加トゥデイ

 マーク・カーニー首相による新内閣が5月13日に発足した。顔ぶれは前政権から大きく変わり「カーニー色」を前面に打ち出している。

 新内閣は大臣28人、さらに国務長官に10人が選ばれた。そのうち24人は初の閣僚・国務長官就任で、13人は先月の下院総選挙で初当選したばかりというフレッシュな顔ぶれとなった。

 カーニー首相は記者会見で「約10年にわたったトルドー前政権の後、国民が求める変化に応えるための内閣刷新」と語り、「変革の使命を迅速かつ決然と遂行する」と述べた。トルドー政権からの大臣男女同数は踏襲している。

 一方で経験豊富なベテラン議員は対応が分かれた。フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ議員は引き続き財務大臣を務めるほか、新たに国家歳入を兼任。ドミニク・ルブラン議員も対アメリカ貿易および州政府関係の職務を継続する。要職から外れたのはメラニー・ジョリー前外務大臣で産業大臣兼ケベック地域経済開発担当大臣に就任。トルドー前政権で財務大臣兼副首相だったクリスティア・フリーランド議員は第1次カーニー政権同様運輸・国内貿易大臣に収まった。ビル・ブレア前防衛大臣、ジョナサン・ウィルキンソン前天然資源大臣は入閣しなかった。

 新内閣は全ての州と1準州から閣僚・国務長官に入閣、ブリティッシュ・コロンビア州からは5人の議員(うちメトロバンクーバーからは3人)が選ばれた。住宅担当大臣にはバンクーバー元市長のグレゴール・ロバートソン議員が就任した。

 カーニー首相は新内閣について「より小規模で焦点を絞った」構成だとし、各大臣が、逐一首相官邸の承認を得ることなく意思決定できる「真の内閣運営」を目指すと話している。

カーニー内閣・閣僚名簿

首相 マーク・カーニー

予算庁長官 シャフカット・アリ

先住民担当大臣 レベッカ・アルティ

外務大臣 アニータ・アナンド

公共安全大臣 ゲイリー・アナンダサンガリー

財務・国家歳入大臣 フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ

北部・北極圏担当大臣およびカナダ北部経済開発庁担当大臣 レベッカ・シャルトランド

環境・気候変動大臣 ジュリー・ダブルサン

法務大臣兼司法長官兼アトランティック・カナダ機会庁担当大臣 ショーン・フレイザー

運輸・国内貿易大臣 クリスティア・フリーランド

カナダ文化・アイデンティティ担当大臣兼公用語担当大臣 スティーヴン・ギルボー

先住民サービス大臣 マンディ・ガル=マスティ

雇用・家族大臣兼北オンタリオ経済開発庁担当大臣 パティ・ハイドゥ

エネルギー・天然資源大臣 ティム・ホッジソン

産業大臣兼ケベック地域経済開発担当大臣 メラニー・ジョリー

枢密院議長兼カナダ・アメリカ貿易、州政府間関係、および「統一カナダ経済」担当大臣 ドミニク・ルブラン

政府改革・公共事業調達大臣 ジョエル・ライトバウンド

農業・農産食料大臣 ヒース・マクドナルド

下院院内総務 スティーヴン・マッキノン

国防大臣 デイビッド・J・マギンティ

退役軍人問題大臣兼国防副大臣 ジル・マクナイト

移民・難民・市民権大臣 レナ・メトレッジ・ディアブ

保健大臣 マージョリー・ミッシェル

緊急管理・コミュニティ回復担当大臣兼プレーリー地帯経済開発庁担当大臣 エレノア・オルシュスキー

住宅問題・インフラ大臣兼太平洋地域経済開発庁担当大臣 グレゴール・ロバートソン

国際貿易大臣 マニンダー・シドゥ

人工知能・デジタルイノベーション担当大臣兼南オンタリオ経済開発庁担当大臣 エヴァン・ソロモン

漁業大臣 ジョアン・トンプソン

女性・ジェンダー平等担当大臣兼スモールビジネス・観光担当国務長官 レチー・バルデス

(記事 高城玲)

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皐月のモントリオール/モントリオールからのアルバム

 長い冬が終わって、冬越しの枯れ草の間からようやく顔を出したクロッカス。4月の遅い雪にも負けず綺麗に咲いてくれました。
 クロッカスの次には黄水仙。
 窓際でインゲンの花も可愛く咲きました。(コメントと写真:鎌田珠代)

***

 4年ぶりのPlayoffに出場が決まったカナディアンズは1勝3敗の結果でキャピタルズ(ワシントン)に敗北となりました。
 モントリオール・カナディアンズはNHLの中でも平均年齢が若いチームです。2024-2025年のリーグは、平均年齢25.54歳で2番目に若いチームになります。

(コメントと写真:鎌田淳平)

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連邦政府・歯科保険制度「カナダ・デンタルケア・プラン」の対象が全世代に拡大 5月から申請可能

 連邦政府が2023年12月から開始した歯科保険制度「カナダ・デンタルケア・プラン(Canadian Dental Care Plan: DCDP)」の対象年齢が全世代に拡大する。

 これまでは65歳以上か18歳未満、有効な障害者税控除(DTC)証明書を持つ成人に限られていたが、2025年5月1日から55~64歳、5月15日から18~34歳、5月29日からは35歳~54歳が申請できる。

 全世代ともDCDPで治療が受けられるのは6月1日から。

 年齢以外の条件は、他の歯科保険制度に加入していないこと、個人で2024年のタックスリターンをカナダで申告していること、調整済み世帯収入が9万ドル未満、税務上カナダ居住者であること。

 CDCPには、オンライン、電話、サービスカナダセンター事務所で申請できる。

 2024年からのCDCP利用者は、カナダ保健省によると2024年の税申告アセスメントが届いた後に2025年3月から更新できる。保険適用期間を切らさないためには更新申請は6月1日までに済ませる必要がある。

 連邦政府によると、年齢適用拡大により、これまでの170万人に加え450万人が利用可能になるという。自由党政権は今回の適用拡大について、解散総選挙を発表した1日前の3月22日に発表した。その後、自由党は4月28日投開票の総選挙で過半数には届かなかったものの4期連続の政権を実現した。

(記事 三島直美)

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メトロバンクーバーで2件の殺人事件、同一犯による犯行か?容疑者の男を逮捕

 バンクーバー市警察は5月9日、2022年と2023年にメトロバンクーバーで起きた2件の殺人事件に関わったとしてナホム・ギザウ容疑者を起訴したと発表した。

 ギザウ容疑者(21歳)は2件の第2級殺人罪で起訴されている。最初の事件が起きたのは2022年5月。当時18歳だったマーナブ・キンカーさんがサレー市ヘーゼルナッツ・メドウズ・パークで遺体で発見された。連邦警察(RCMP)は遺体に他殺とみられる外傷があると発表、さらにこの事件は「標的を絞った犯行」だがギャングとは無関係だとしていた。

 2件目は2023年3月にバンクーバー市キラニー・エリアの住宅で起きた。当時22歳だったキャレブ・モリンさんが何者かに刺され、病院に運ばれたが死亡した。事件当時、バンクーバー市警察は被害者と容疑者の間に関わりがあるだろうと話していた。

 ギザウ容疑者は5月8日にバンクーバー市内で逮捕され、現在も勾留されている。バンクーバー市警察は声明にて、RCMPの殺人事件捜査チーム(IHIT)との2年にわたる捜査を経て、今回の逮捕が実現したと述べた。

 事件はどちらもギザウ容疑者による犯行とみられるが被害者同士に面識はなく、2件に関連性はないと警察はみている。

(記事 高城玲)

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カナダポスト、昨年クリスマスシーズンに続き5月にもストライキの可能性

カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today
カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today

 昨年のクリスマスシーズンに1カ月以上ストライキを実施したカナダの郵便公社カナダポストの労働組合が5月に再度ストライキを実施する可能性が出てきた。

 カナダポストと労働組合は現在の労働協定が有効期限を迎える5月22日を前に調停役を入れて話し合いをしているが、組合側によると話し合いは「厳しい」状況だという。決裂すれば、労働組合の再度のストライキ、もしくは、カナダポストの施設封鎖の可能性がある。

 2024年に組合が実施したストライキは11月から12月にかけて32日間続いた。クリスマスシーズンだったため、クリスマスギフトやカードが滞るだけでなく、ビジネスの流通にも大きな影響が出た。結局前回はカナダ労使関係委員会が介入しストライキが終了。その後、話し合いは継続されていたが3月に決裂し、有効期限を前に再開されたという。

 5月にストライキが実施される場合、カナダポストが最も忙しいクリスマスシーズンとは違い、一般利用者への影響はそれほど大きくないのではと見られている。一方で、アメリカのトランプ大統領が実施している関税の影響などもありビジネスはただでさえ不安定な中、さらにストライキで流通が滞るのは経済に大きな打撃になるとの見方もある。

 カナダポストは、現在の経済が不安定な状況で、現時点までに新しい労働協定で合意できていることを期待していたが、今後も安定を提供できるように努力すると4月29日の声明で語っている。

 労働組合は、賃金、安全衛生手当、雇用保障、年金に引き続き重点を置いているという。ただカナダポストの経営状況は厳しく、昨年も管理職などを解雇している。

(記事 編集部)

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ノバスコシアで幼いきょうだいが1週間行方不明に

 ノバスコシア州ピクトー・カウンティの人里離れたエリアで、幼いきょうだいが行方不明になった。失踪から1週間近くたつが、2人はいまだに見つかっていない。

 リリー・サリバンちゃん(6歳)とジャック・サリバンくん(4歳)が、最後に目撃されたのは5月2日の午前10時ごろ。継父ダニエル・マーテルさんが報道陣に語ったところによると、事件当日2人は学校を休んでおり、マーテルさんは子どもの母親マレイヤ・ブルックス・マリーさんと赤ちゃんと一緒に自宅にいた。2人の姿が見えないことに気づいたマーテルさんは車で探しに行ったが見つからなかったという。

 警察はリリーちゃんとジャックくんが自宅から出て行ってしまったとみている。捜査には、当初から重大事件捜査班などが関わっているが2人が誘拐された証拠は見つかっていないという。

 現場は木が生い茂った深い森で捜索は難航している。これまでに警察やボランティアなど連日約150人が捜索を行ったほか、ヘリコプター、ドローン、警察犬も投入されたが2人の行方を示すものは何も見つかっていない。

 5月7日、警察は捜索を縮小すると発表した。2人の生存の可能性が低いことを視野に入れた決定だとしつつ、「これで終わりということではない。我々は諦めない」とし、引き続き捜査を続けることを強調した。

(記事 高城玲)

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カーニー首相、トランプ大統領と会談「カナダは売り物ではない」と明言

改修工事中のカナダ国会議事堂。オンタリオ州オタワ市。2025年4月3日。撮影 日加トゥデイ
改修工事中のカナダ国会議事堂。オンタリオ州オタワ市。2025年4月3日。撮影 日加トゥデイ

 マーク・カーニー首相は5月6日、ホワイトハウスでアメリカのドナルド・トランプ大統領と会談した。その前に大統領執務室で行われた会見では、これまでカナダを激しく批判してきたトランプ大統領だが今回はカーニー首相に友好的な態度で接し「非常に有能ですばらしい人物」と称賛した。

 記者団が「カナダ併合」について質問した際には、トランプ大統領がカナダはアメリカになった方がカナダ国民にとって有益だと述べたことに対して、カーニー首相は「カナダは売り物ではない」と明言。首相は「(トランプ大統領は)不動産ビジネスをやっているからお分かりでしょうが、決して売りに出ない場所というものがあるのです」と述べ、「数カ月の選挙活動期間中にカナダの『オーナーたち(国民)』と会いましたが、カナダは売り物ではないし、これからも絶対にそうはならない(ことを確認しました)」と話した。これに対しトランプ大統領は「いつか実現するかもしれない」「絶対はない」などと反論したが、カーニー首相は「絶対にない」と強調した。

 またトランプ大統領はカナダの雇用や輸出に悪影響を与えている関税について撤回する考えがないことを示唆。カナダの自動車産業を排除すると脅したり、「アメリカは年間2,000億ドルもカナダを補助している」と根拠のない主張を繰り返す場面もあった。

 会談後、カナダ大使館で行われた記者会見でカーニー首相は「非常に建設的な会談だった」とし、両国関係の現状について前向きに感じていると話した。また、新たなカナダ・アメリカ間の貿易協定について交渉を行うとの確約をトランプ大統領から取り付けたこと、昼食会の際にも「51番目の州」のコメントをやめるよう求めたことについても述べた。

 両首脳は、今後数週間にわたって協議を継続することで合意した。6月にアルバータ州カナナスキスで開催されるG7サミットで、再び対面する予定となっている。

(記事 高城玲)

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カナダ・カーニー首相、トランプ大統領とワシントンで5月6日に会談

オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ
オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ

 カナダのマーク・カーニー首相は5月2日、選挙後初めての記者会見を開き、5月6日にホワイトハウスでアメリカのドナルド・トランプ大統領と会談すると発表した。貿易と安全保障について協議する予定だという。 両首脳が直接会って対話を行うのは初めて。

 カーニー首相は「早急に取り組むことが重要だ。それは私とトランプ大統領が常に意図してきたことだ」と述べ、包括的な会談への意欲を示した。

 首相は選挙戦の柱にトランプ大統領との交渉を掲げてきた。自分はアメリカとの貿易戦争および大統領の「カナダ併合」の脅威にさらされたカナダを導くのに最もふさわしい人物であると主張してきた首相にとって会談は正念場となる。

 ただし、今回の会談によって関税問題が直ちに解決するわけではないとしている。また、トランプ政権との交渉の条件として関税撤廃を主張するかとの問いには、公共の場でそれを述べるつもりはないと答えた。

 カーニー首相は、会談が行われること自体は良い兆候だとする一方で、選挙期間中と同じように「これまでのアメリカとの関係は終わった」と繰り返し言及、他国との新たな貿易関係の構築を目指すと述べた。

 さらに、アメリカへの依存を減らす経済構造を作るべきだと強調。そのために「カナダ国内でやるべきこと」はたくさんあるとし、カナダ経済の統合、国家プロジェクトの推進、生産性の向上、政府の無駄の削減、国内投資の促進などを挙げた。

(記事 高城玲)

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カナダ連邦下院総選挙は自由党が勝利も過半数に届かず少数派政権に

 第45回カナダ連邦下院総選挙はマーク・カーニー党首率いる与党・自由党が政権を維持することが決まった。自由党政権は4期連続となる。

 4月28日に行われた投開票の結果は総議席数343のうち、自由党169、保守党144、ケベック連合党22、NDP(新民主党)7、グリーン党1。第一党となった自由党は得票率が43%だったものの単独過半数の172議席にわずか3議席届かず、少数派政権となる。

 自由党マーク・カーニー党首は、アメリカのトランプ大統領の関税問題などを背景に、今年初めには敗北が確実視されていた党の情勢を逆転させた。日付が変わってからの勝利宣言では「内閣や党内でチームとして統治すること、国会の全ての党と建設的に協力すること」を重要視するとし、「住んでいる場所、言語、支持政党に関わらず、全てのカナダ国民のために政治を行う」と述べた。

 一方の保守党も41パーセントと高い得票率を記録し、16議席増やしたが、政権を奪還できなかった。しかもピエール・ポワリエブル党首が落選するという事態となった。同党首は2004年から議席を保持してきたオタワ市のカールトン選挙区から出馬したが、自由党のブルース・ファンジョイ氏に敗れた。それでも落選が確定する前の支援者へのスピーチでは党首続投を表明している。

 今回の選挙は自由党と保守党の2大政党一騎打ちとなり、そのあおりを受けたのがNDP。同党は大幅に議席を減らし、12議席必要な公式政党の資格を失った。ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー・セントラル選挙区から出馬したジャグミート・シング党首も落選、自由党のウェイド・チャン氏に議席を明け渡した。シング党首は引責辞任を表明している。

 ケベック連合党も議席を減らしたがNDPほどではなく、イヴ=フランソワ・ブランシェ党首は自由党との協力に前向きな姿勢を示している。

 カーニー首相は一夜明けた4月29日には早速トランプ大統領と電話会談したことを明かした。

(記事 高城玲、三島直美)

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バンクーバーで開催中のフィリピンフェスティバルで車が突っ込み11人死亡

事件後、現場には多くの花束が手向けられていた。2025年4月28日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
事件後、現場には多くの花束が手向けられていた。2025年4月28日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市で4月26日に開催されていたフィリピンコミュニティの催しで、群衆に車が突っ込む事件が発生した。死者11人、けが人多数が出る大惨事となった。

 バンクーバー市警察によると、事件が起きたのはバンクーバー市南部のイースト43番アベニューとフレーザー・ストリート付近。午後8時ごろ「ラプラプ・デイ・フェスティバル」で集まっていた人々の中にSUVが突っ込んだ。通行人や目撃者が容疑者の男を取り押さえ、駆けつけた警察官が逮捕した。

 死亡した11人は5歳から65歳。BC州保健省が確認したところでは死亡者を含む32人が病院に運ばれたという。バンクーバー市警は29日の会見でけが人は多数として詳細は明らかにしなった。現時点で日本人が事件に巻き込まれたという情報は入っていない。

 容疑者はバンクーバー市在住のカイジ・アダム・ロー(30歳)。警察は27日にロー容疑者を8件の第2級殺人罪で起訴したと発表した。テロの可能性は低いとしている。

 フェスティバルを主催したFilipino B.C.のRJアキノ代表は事件後、世界中から支援の声が届いていると話した。現場近くのセント・メアリー・ザ・バージン・サウスヒル教会で行われた祈祷集会には多くの人が集まったという。

 バンクーバー市警察スティーブ・ライ暫定本部長は、今回の事件を「バンクーバー市の歴史上、一番暗い日」だとし、「あまりにも無意味で理解し難い事件。この悲劇を防ぐことができなかったのかという問いがあることは承知している」と述べた。フェスティバルの警備計画については、リスクアセスメントに基づき専任の警官や警察車両の配備は不要と判断したという。

 会見に同席したバンクーバー市ケン・シム市長は、ロー容疑者が過去に精神状態に関連する救急隊や警察との接触が数多くあったことに触れ、精神疾患に関する根本的な対応の重要性を訴えた。

(記事 高城玲)

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留学生受け入れ制限に、バンクーバーのコミュニティカレッジ教師などが抗議集会

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市ダウンタウンのバンクーバー美術館前で4月25日、高等教育機関の教師やスタッフが留学生受け入れ制限に対する抗議集会を行った。

 連邦政府は2024年に国内の住宅事情や医療負担に対する改善策のひとつとして学生ビザ発給数に上限を課す措置を導入した。しかし多くの高等教育機関は留学生の授業料に大きく依存していたため深刻な予算不足に陥っている。

 今回の抗議集会はバンクーバー・コミュニティ・カレッジ(VCC)やメトロバンクーバーにある他の教育機関の教師が企画した。VCCのウェブサイトの声明では、この受け入れ制限措置は「計画も協議もないまま急速に導入された」もので、「プログラムの大幅な削減、教育機会の喪失、教職員の雇用喪失など、教育機関に壊滅的な打撃を与え、地域社会にも深刻な経済的影響をもたらしている」としている。

 VCC教職員組合タリン・トンプソン副組合長は集会で、VCCではすでに60人以上のスタッフが解雇され、今後さらに解雇は広がるだろうと述べた。ランガラ・カレッジ、キャピラノ大学、ダグラス・カレッジなど、他の高等教育機関も同様の問題に直面しているという。

 これに対してBC州高等教育・未来スキル省は声明で、留学ビザの変更は「一方的な決定だった」と連邦政府を非難。州政府として引き続き連邦政府に懸念を伝えていくとした。

(記事 高城玲)

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