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Naomi Mishima

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「かんがえごと2」~投稿千景~

エドサトウ

 『ムー大陸』という本を読み始めて、ネットで検索をしてみると、この本は、かなり著作者の想像的な表現があるらしく、今頃は、ムー大陸説は否定されている。でも、さらにスンダーランドについて調べてみると、これは実際にあって、マレーシア、インドネシア、フィリピン、さらには台湾、沖縄まで陸地が繋がっている。一万四千年以上前の当時は、海面が百メートル以上低かったというから、その可能性は充分にある。

 と言うことは、日本の縄文時代以前には、このスンダーランドと日本は繋がっていて、人と人の交流があったと想像できる。だから、日本にもアフリカ原産のひょうたんの種が南からもちこまれて、縄文人が利用していたと考えられなくもない。

 「ヒョウタンがアフリカ大陸を東へ広がり、アラビア半島からイラン高原を経て、前六千年には東南アジアの地まで到達していたという。(中略)そして、東シナ海を渡って朝鮮半島南西部や西九州地方にその栽培圏が広がったのは縄文文化早期へきてから前期初頭のころで、だいたい前4千年頃であった。」と講談社『文明の誕生』にあるが意外ともっと早かったかもしれない。

 沖縄には海底遺跡があって、人が人工的に並べたような遺跡が見えるのは、スンダーランドの影響かもしれない。だから、縄文人が世界で最初に作ったのではと言われる縄文土器も日本から南へ伝わっていったのかもしれない。『文明の誕生』によれば、「東南アジアの各地域で前8千年代には、すでに煮炊き用具として、土器が使用されはじめたらしいことが明瞭になった地区もあり、日本列島では前一万数千年までさかのぼる土器の存在が、カーボン14の年代測定の成果から話題になっている」とある。さらに、スンダーランドにつながるインドには農耕や動物をかう、進んだ文化があったように『古代インドの文明と社会』にある。これよりのちのことであるけれど、なんせゼロという哲学的数字である「無」を発明したのはインド人であるくらいだから、進んだ建築技術もあったかもしれない。だから、エジプトに突然、進んだ文明が現れたわけではなく、『ムー大陸』の本にあるようにインドあたりからエジプトに渡り、ナイル川北部のエチオピアで農耕をしていた民族がいたと考えられなくもない。

 第一温暖化期の縄文時代前期の約二万年前から七千年~六千年前の地球の温暖化により、海面が100メートル以上上昇して、スンダーランドも大陸から切り離されて、島々となったころに、その暑さに耐えられないインドの一部の人々は須弥山(ヒマラヤ)方面にのがれ、また、別グループはエジプト北部のナイル川周辺に移り住み、やがて高度なエジプト文明を創り上げたとも想像できなくもない。

 やはり、『ムー大陸の子孫たち』の作者ジェームズ・チャーチワードの強力な想像力であったのかもしれないが、小生はそのように考える方が自然に思われるし、あのエジプト文明の在り方が理解できるような気がするのである。あのピラミッドの文明は突然現れたのではなく、気候変動の中で、人類が移動していく中で出来上がったのではないのだろうか?

 これは、僕の考えごとなのである。

 『将軍』がデズニープラスで公開となり、小生がエピソード3に出てきますが、最後の方にもう一度でてきます。よろしく。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

ロリーン・オイカワ氏へ外務大臣表彰伝達式

外務大臣表彰を受け取ったロリーン・オイカワ氏(左)と丸山浩平総領事。2024年3月14日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
外務大臣表彰を受け取ったロリーン・オイカワ氏(左)と丸山浩平総領事。2024年3月14日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 在バンクーバー日本国総領事館主催によるロリーン・ゲイル・オイカワ氏への令和5(2023)年度外務大臣表彰伝達式が3月14日、バンクーバー市内ホテルで行われた。

 オイカワ氏は「全カナダ日系人協会会長やグレイター・バンクーバー日系市民協会会長等を歴任し、カナダの日系人及び在留邦人コミュニティの発展及び日加間の友好増進に大きく寄与した」功績が認められての受賞となった。

 当日はカナダ全国、そして日本からも家族や友人らが駆け付け、祝福した。

 丸山浩平総領事は、総領事としてバンクーバーに赴任して以来、オイカワ氏はじめ多くの日系カナダ人と会い日系カナダ人の歴史を学び、コミュニティついて知ることになったと語った。自分にも日系アメリカ人の親戚がいて、日系コミュニティには個人的にも親しみがあり「今回オイカワ氏に外務大臣表彰を贈れることは特別に思います。おめでとうございます」と祝福した。

差別と闘いながらカナダでコミュニティを築いてきた先祖に感謝

 オイカワ氏は、受賞について「すごく驚きましたが、とても光栄に思います」と喜んだ。家族や友人と伝達式を迎えられるのはうれしいと笑顔を見せた。全カナダ日系人協会(NAJC)やグレーター・バンクーバー日系市民協会(GVJCCA)の会長を務められたことは日系の全国団体と地方団体の両方でコミュニティと共に日本の文化や先祖の物語を伝えることができて幸せだったと語った。

 「2024年から未来に向けて私たちの先祖の貢献を誇りに思う年にするべきだと思う」とカナダで苦労してきた自身の家族や日系の先祖たちへの尊敬と感謝を何度も口にした。

 日系カナダ人のレガシーはカナダで苦労した先祖の物語を語り継ぐとともに、未来に向けて全ての文化を受け入れ、サポートすること、そして、特に日系カナダ人の歴史に誇りを持つことと話す。

 「今日ここに出席できなかった多くの人にお礼を言いたいと思います。色々な場面で共にした先輩たちやコミュニティとの関係があって今の自分があり、これまで携わった仕事へのご助力に心から感謝と敬意を表したいと思います」と語った。「私としては全国の日系カナダ人コミュニティの人々と心は共にあって、皆さんを招待したかったけれどここに入りきらないので」と笑った。

あいさつするオイカワ氏。今日(3月14日)はpiの日ということで自分の祖先を両親、祖父母、曾祖父母と数字でたどっていき12世代までさかのぼると約400年前になり4,094人の祖先まで広がると話し、これらの人々が生き延びてきてくれたからこそ今ここに自分が立っていられることに感謝したいと語った。2024年3月14日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
あいさつするオイカワ氏。今日(3月14日)はpiの日ということで自分の祖先を両親、祖父母、曾祖父母と数字でたどっていき12世代までさかのぼると約400年前になり4,094人の祖先まで広がると話し、これらの人々が生き延びてきてくれたからこそ今ここに自分が立っていられることに感謝したいと語った。2024年3月14日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(取材 三島直美/写真 斉藤光一)

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日本漢字能力検定(2024年6月)のお知らせ:グラッドストーン日本語学園

グラッドストーンで漢字検定開催

 2024年6月16日(日)に『公益財団法人 漢字能力検定試験』を実施いたします。

 この検定は国内はもとより、世界の日本語学校でも実施されているものです。日本国内でも高校や大学の入学試験において有利であったり、企業内でも受検を促しているところもあるとのことです。

 カナダにいるけれども、将来日本で勉強しよう、あるいは働こうと思っている方、もしくはいずれ日本で社会生活を送ろうと考えている方は、この機会に受検をお勧めします。

 日本語能力試験に大変役に立っているという声もあります。

 受検をご希望の方は、お申込用紙を添付にてお送り出来ますので、グラッドストーン日本語学園までお問い合わせ下さい。お申し込み締め切りは、2024年4月6日(土)です。

2024年度公益財団法人認定日本漢字能力検定実施要項

実施日:2024年6月16日(日)午後2時
申し込み締切日:2024年4月6日(土)
会場:日系ヘリテージセンター2階
申し込み連絡先:グラッドストーン日本語学園(日系プレース内)
電話:604-515-0980
*定員に達しましたら締め切りとさせて頂きます。

バーナビー日本語学校 幼稚科体験会

【日 程】2024年4月3日 (水)

【時 間】午後4時30分~6時00分

【場 所】Lochdale Community School  (6990 Aubrey Street, Burnaby,  V5B 2E5)

【対象年齢】2〜4歳(2024年度のご入学は、年内に3歳以上になるお子様が対象です。)

【お申込みフォーム】https://forms.gle/5Jgb4oc4pSB6QP4Z8

【お問合せ】office@bjls.ca

カナダの教育から日本を変える!「答えのない教室」との出会い

「答えのない教室」の様子
「答えのない教室」の様子

 カナダに来てから早17年。ワーキングホリデイを使って長くても一年、おそらく半年くらいで帰るだろうと思って初めての海外を経験したのが2007年。縁があって、語学学校から学童保育(デイケア)でボランティアする機会を得て、それがきっかけでデイケアで働くことになった。のちに永住権をとり、支援員(Educational Assistant)として学区で働き、働きながら大学に行き、高校の数学教師となったのが2019年。一つ一つの経験は意図したものではなかったが、今置かれた状況でより自分に向いているもの、自分がワクワクするものを追い続けた結果が今だと思う。

Building Thinking Classrooms
Building Thinking Classrooms

 教師になってからもより生徒に数学の楽しさを感じてほしいなと思っていた。数字や図形の間にいろんな関係性があって、どんなストーリーがあるのかを伝えたいと思っていた。でも多くの生徒はその楽しさには気づいていないようだった。表面的な解法を覚えるばかりでつまらなそうだった。どうしたものかともどかしさを感じていたけれど、どうしていいかわからないまま教員一年目を終えた。そんな時に出会ったのがBuilding Thinking Classrooms(答えのない教室)だった。

リリヤドール教授
リリヤドール教授

 これはSFU(サイモンフレイザー大学)の数学教育で著名なリリヤドール教授が開発された教授法。14のステップを通してより多くの生徒がより自然な形で考えることを楽しむ授業を実現できることを謳っている。幸運なことに2020年の末にこの教え方が書かれた本が発刊され、この教え方に精通している先生がおられた学校での勤務が決まった。本を読みながら実践しながら、また同僚の先生に相談しながら、はじめはおぼろだった「答えのない教室」ははっきりとした輪郭を描いた。

「答えのない教室」で授業が激変!

「答えのない教室」の様子
「答えのない教室」の様子

 一般的なクラスでは、先生がクラスの中心で、生徒が整頓された机に座って先生の方向を向いている。例題から演習を繰り替えし問題をこなしていく。だが「答えのない教室」ではどうだろう?生徒はまず立った状態で授業が進む。縦掛けになったホワイトボードに向かって3人ずつのグループでワイワイと騒がしい。それぞれのグル-プが自分たちのペースでそれぞれの問題に取り組んでいる。3人だからこそ、お互いに質問をしあい、わからないところはわからないと言いあえる空間がある。三人寄れば文殊の知恵ということわざがあるが、アイデアはアイデアを誘い、気が付けば理解は深まっていく。先生はただ教え込むのではなく、生徒がより考えられるように導く役割をなす。考えれば考えるほど先生頼りだったクラスはより自立したクラスへと変容していく。

「答えのない教室」の広がり

 この教え方は、算数・数学教育からスタートして小中高大学へと広がっている。北米だけでなく、英語圏、西欧、北欧へと驚くペースで広がっている。英語の原著になる本はすでに7か国語(デンマーク語、ノルウェー語、スウェー デン語、ポーランド語、トルコ語、中国語、フランス語)に翻訳されている。教育関係者で作られたFacebookのグループではすでに5万人以上の方が参加され、日々の実践を報告したり質問をしあうサポート体制が自然な形でできあがっている。

 算数・数学教育からスタートしたものの、考えることをより自然にする仕組みについて解かれた教授法なので、他教科への応用も可能。小学校はもとより、中高においても理科(特に物理)は言うまでもなく、国語や社会、家庭科など幅広い実践がなされている。

なぜ「答えのない教室」を広めようと思ったのか

 2020年、コロナの影響もありオンライン授業が増えたころ、日本でもウェビナーがかなり増えた。それまでそこまで興味はなかったが、日本で行われる教育関係のウェビナーに参加するようになった。そこで生徒主体な学び、協働的な学び、探究学習などカナダでもよく聞く話をたくさん聞いた。世界でもインクルーシブ教育最先端のカナダで実践している「答えのない教室」が日本で必要とされているかもと感じた。

 その感覚だけを頼りに日本の教育関係者とつながり、2022年の夏に小中高大学や教育関係者向けに「答えのない教室」模擬授業を開催した。10を超える会場で実践する中で、感覚は確信になった。忖度でもなく、丸暗記でもなく、生徒自身が自立して考える、探究する授業は「答えのない教室」に答えがあると思った。

「答えのない教室―3人で「考える」算数・数学の授業」
「答えのない教室―3人で「考える」算数・数学の授業」

 最初は原著になる「Building Thinking Classrooms」を翻訳することも考えたが、日本での実践本をまずは先駆けとして出版する運びとなった。それが「答えのない教室―3人で「考える」算数・数学の授業」(2月24日発売)である。14のステップのコアになる仕組みや、カナダでの実践や日本での実践で得られた普段の授業への導入方法、世界での実践者へのインタビューや共著者で日本での実践を実現してくださったデンマーク株式会社の有澤和歌子さんの視点でこの教え方を日本に取り入れたい思いなどがつづられている。

これからの展望

 この教え方をもとにカナダそして日本の両国での教員研修や教員養成に取り組んでいきたいと考えている。私一人の力でサポートできる生徒は1年に多くて200人程度。一人また一人と感化することで、より多くの先生の昔ながらの教え方で抱えているもどかしさを解消する手助けをし、そこからより多くの生徒の考える楽しさにつながればと思う。この教え方を取り入れだして早5年がたとうとしている。生徒がより考えるようになるだけでなく、私自身も教師としてより考えるようになったと思う。当たり前に疑問を持ち、より生徒にとって有意義な学びとは何かこれからも試行錯誤し続けたいと思う。

梅木卓也(うめきたくや)

バンクーバー学区公立高校教師
兵庫県加西市出身。2007年度よりワーホリをきっかけに、カナダで学童保育や障害児サポート等に携わり、19年度よりバンクー バー市の高校数学教員となる。 現在サイモンフレイザー大学にてリリヤドール教授の元、数学教育の修士課程在学中。「答えのない教室」著者兼認定講師。海外で先生になりたい人たちを応援するサロンを運営。カナダと日本両方で教員研修や教員養成に関わることが現在の目標。趣味は読書とカフェ巡り。双子の父。著者についてはこちらからtakuyaumeki | Twitter, Instagram, Facebook | Linktree

第10回  エンディング(終活)ノートのススメ 最終回~Let’s 海外終活~

終活は新しい大人のマナー

叶多範子

デイライトセービング(夏時間)が3月10日から始まり、少しずつ暖かくなってきていますが、まだ冬を思わせる寒い日もありますね。しかし、確実に春めいてきているので、きっとすぐに暖かい日が続くことになるでしょう。春休みになることもあり、また桜の時期でもあるため、この時期に日本へ一時帰国する人も多いように感じます。私は去年の3月に日本へ行き、久しぶりに日本の春と桜を楽しみました。ちょうどその頃は野球のワールドシリーズで日本全体が盛り上がっていたのも楽しい思い出です。

さて、今回はエンディングノート(終活ノート)を書く7つの利点についての4回目、いよいよ最終回となります。

6. 情報の提供

銀行、証券、保険会社などの金融機関や、電気やガスなどの公共料金、携帯電話など様々な取引先や契約先の会社名や内容など、必要な情報を家族が簡単に確認できるように書いておくことをお勧めします。

最近では特に携帯電話で全てのやり取りや注文や契約をする方が増えています。以前の項目2とも少し重複しますが、本人以外が携帯電話にアクセスできなければ、そこにある情報が分からず、また開示してもらうまでにかなりの時間と労力を要するため、日頃から自分にしかわからないことで、もしものときのために配偶者や家族がアクセスできるように手段を講じておく、または何かに書き残して、情報をあらかじめ共有しておくことが大切になってきます。

これ以外にも「出生〜現在までの本籍地」、「職歴」、「好きな香り」、「苦手な飲み物」なども書いておくと助かる場面や良いことがたくさんあるんです。この説明は長くなるため、また別の機会があればお話したいと思います。

7. 自分史を振り返り、後悔を防ぐ

ノートを書きながら、自分の人生を振り返り未来を見つめることができます。日頃から育児、家事、仕事、学校、介護などで忙しい人は、なかなか自分に向き合う時間がありません。自分の夢や願望を思い出したり、自分の内側にある思いに気づいたり、自分の人生を振り返ったり、「自分は今、幸せか?なりたい自分になれているか?理想の人生を生きているか?」と自問自答してみることで、これからの未来や人生について、ゆっくり考える良い機会にもなります。

ノートを書くことで、人生を終えるまでにやり残したことがないか、心残りがないかを確認することもできます。「叶えられていない夢はないか?」「実現できていないことはないか?」と自分に問いかけてみてください。それができたなら、次のステップとしてみなさんがやるべきことは、実際に行動を起こし、1つずつ実現させるだけです!それができれば、人生でやり残した後悔の数がぐっと減ることでしょう。

ここで晩年を迎えた方に「後悔はありますか?」と質問したアンケートです。よくある代表的な回答をいくつかご紹介したいと思います。

  1. もっと家族や家族との時間を大切にすればよかった
  2. 仕事ばかりしなければよかった
  3. もっと自分の気持ちに正直な人生を送ればよかった
  4. 周りの目を気にしすぎなければよかった
  5. やりたいことに挑戦すればよかった

その他にも「子供たちに好きなことをさせてあげればよかった」「もっと若い頃から健康に気をつければよかった」といった回答もありました。

みなさんは同じ質問をされたら、なんと答えるでしょうか?
人生を終えるにあたって、多少の心残りはあっても後悔はないといいですよね。 4回にわたってお伝えしたエンディングノートを書く利点ですが、論より証拠!実際に書いてもらうともっともよく理解していただけます。私のノート作成講座の参加者さんも、回を追うごとに学びや理解が深まっていくので、「参加してよかった!」「ノートを書くのが楽しくなってきた!」という喜びの声をたくさんいただいています。

*このコラムは終活に関する一般的な知識や情報提供を目的とするものです。内容の正確さには努めておりますが、必要に応じてご自身で確認、または専門家へご相談ください。このコラムを元にして起きた不利益は免責とさせていただきます。

「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。

叶多範子(かなだ・のりこ)

海外終活アドバイザー・弁護士アシスタント
「終活をせずに亡くなった!認知症になって困った!途方に暮れた!!」を、「終活しておいて良かった!」「終活してくれていて、ありがとう!」に変えたい!そんな思いから2020年に終活アドバイザー資格を取得。海外在住の日本人向けの「海外終活」についての講座や説明会、ご相談はブログやFacebookなどのSNSをご覧ください。家族はカナダ人の夫+息子2人+猫1匹、バンクーバー在住。

ブログ: https://globalmesen.com/
Facebook: https://www.facebook.com/noricovancouver
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その他SNS: https://lit.link/norikocanada
著書「海外在住日本人のための50代からの終活」:​​https://a.co/d/ad4OeLw

ZIPAIRバンクーバー就航、第1便が成田から到着

バンクーバー空港70番ゲートに到着する成田からのZIPAIR第1便。2024年3月13日、バンクーバー空港。Photo by Japan Canada Today
バンクーバー空港70番ゲートに到着する成田からのZIPAIR第1便。2024年3月13日、バンクーバー空港。Photo by Japan Canada Today

 定刻より少し早めに成田から到着したZIPAIR第1便がバンクーバー空港に姿を見せた。3月13日、カナダと日本を結ぶ初の国際線中長距離LCC(格安航空会社・Low Cost Carrier)ZIPAIRが就航した。

便数をさらに拡大へ

 ZIPAIRバンクーバー成田線は3月13日から週3便で運航を開始。ZIPAIR Tokyo代表取締役会長・岩越宏雄氏はあいさつで、12月の発表以降予約率は就航から数カ月はすでに99.9%になっていると語った。7月28日からは週5便に増加する。「ZIPAIRはこれまでにないイノベイティブなエアラインとして、快適なフライトを提供できると自信を持っています。そしてこれが国際線の新しいスタンダードになると確信しています」とあいさつを締めくくった。

 式典が終わり「ようやくカナダに就航できて非常にうれしく感じています」と笑顔を見せた。バンクーバーに来たのは初めてという。街並みが美しく、「このような街に就航できてうれしく思います」と話す。今後は「なかなか難しいところはありますが」と前置きしながらも、「機材が揃ってくればデイリーでオペレーションしたいなと思っております」とさらなる増便にも言及した。

 在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事は「東京とバンクーバーの路線が増えることで(日加)往来の増加に貢献され、日本とカナダ、周辺関係地域を含む協力関係、友好関係の増進に寄与されることを期待しています」と日本とブリティッシュ・コロンビア州の往来強化に期待した。

バンクーバーと縁のある機長が初フライトで夢を叶える

 成田からバンクーバーに到着した第1便は、折り返しバンクーバー発第1便として成田に向かう。機長を務めるのは堀田晋吾氏。あいさつで、バンクーバー市近郊のメープルリッジ市に3年間滞在していた経験があると話した。その後操縦士となり、日本・カナダ間を飛行することが夢だったと言う。この日は機長としてバンクーバー発第1便のフライトを任された。「今日は私の夢が叶う日となりました」とうれしそうに語り、周囲から拍手が起きた。「みなさん今日のフライトを楽しんでください。私も楽しみます」と満面の笑みを見せた。

 記念式典が行われたバンクーバーから出発するゲート前では、日本茶をベースにしたドリンクが搭乗予定の乗客らにふるまわれるなど和やかな雰囲気に包まれた。

ZIPAIR就航記念式典で。左から、バンクーバー空港エアーサービス部門ディレクター Russell Atkinson氏、堀田晋吾機長、ZIPAIR Tokyo代表取締役会長・岩越宏雄氏、在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事。2024年3月13日、バンクーバー空港。Photo by Japan Canada Today
ZIPAIR就航記念式典で。左から、バンクーバー空港エアーサービス部門ディレクター Russell Atkinson氏、堀田晋吾機長、ZIPAIR Tokyo代表取締役会長・岩越宏雄氏、在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事。2024年3月13日、バンクーバー空港。Photo by Japan Canada Today

(取材 三島直美)

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「日本好き高校生たちの熱き戦い!」メトロバンクーバー・ジャパンボウル2024

緊迫した雰囲気の中、白熱する決勝戦の様子。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
緊迫した雰囲気の中、白熱する決勝戦の様子。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
メトロバンクーバー・ジャパンボウル2024、参加者全員で。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo courtesy of JETAABC
メトロバンクーバー・ジャパンボウル2024、参加者全員で。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo courtesy of JETAABC

 今年で第7回を迎えるメトロバンクーバー・ジャパンボウル(Metro Vancouver Japan Bowl)が3月9日、日系文化センター・博物館で開催された。

 会場にはメトロバンクーバーの高校12校から21チーム、60人が参加。1組最大3人で、日本について広範囲なクイズに挑戦した。

 出題は、日本のマナーから時事問題、日加関係、その他にも文化、地理、歴史、地域、スペシャルトピックなどで、正解するには知識として知っているだけでなく漢字を含めた日本語を理解しておく必要もあるかなりレベルの高い大会となっている。

 主催はJETプログラム同窓会BC&ユーコン支部(The Japan Exchange and Teaching Alumni Association of British Columbia & Yukon:JETAABC)。

今年の優勝はLARGE FRIES 、21チームの頂点に

優勝チームLARGE FRIES、Kevin Liさん(左から2番目)、Alex Mengさん(中央)、Gabriel Silladorさん(右から2番目)。丸山浩平総領事(右端)から受け取った賞状を手に。左端はR.A. McMath Secondary教師Grace Hoさん。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
優勝チームLARGE FRIES、Kevin Liさん(左から2番目)、Alex Mengさん(中央)、Gabriel Silladorさん(右から2番目)。丸山浩平総領事(右端)から受け取った賞状を手に。左端はR.A. McMath Secondary教師Grace Hoさん。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today

 決勝へ進むチームが発表された瞬間、大きな歓喜の声が上がった。決勝で戦えるのは3チーム。今年はEbi、LARGE FRIES、Point Grey Houndsが勝ち抜いた。

 緊迫した雰囲気の中で行われた決勝は一進一退。全問終了すると2チームが同点ということで追加問題が出題されたほどの接戦となった。

緊迫した雰囲気の中、白熱する決勝戦の様子。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
緊迫した雰囲気の中、白熱する決勝戦の様子。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today

 そして順位発表。3位から順に、Point Grey Hounds、Ebiと発表され、そのたびに大きな歓声が上がった。優勝はLARGE FRIES。21チームの頂点に立った。

 在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事は、昨年に続き大会に出席して「今年もカナダの若者が日本について多くの項目ですばらしい知識を発揮してくれたことをうれしく思います」とあいさつ。「この大会を通じて若者の日本への興味がカナダと日本との関係をより深くしてくれることと思います」と将来の日加の架け橋に期待した。

 優勝したLARGE FRIESのGabriel Silladorさん、Alex Mengさん、Kevin Liさんは、自分たちが優勝するとは思わなかったと興奮気味。最後2チームが同点で順位決定の追加問題があると聞いたときは「1位と2位を決めるためだと思った」と3人が笑顔を見せた。

 Silladorさんは今大会のために「ゆっくりと(昨年の)9月とか10月くらいから(準備を)始めて、2月、3月に真剣に取り組みました」と振り返った。Liさんは今回が3回目の参加。「だから大体どういう問題が出るかは見当がつきました」とちょっと余裕を見せたが、前週末にはバンクーバー総領事館主催の弁論大会に出場していて時間がなく、「(主催者が)ガイドをくれるので大事だなと思う情報を見つけて使えるなと思えるところを集中的に準備しました」。Mengさんが「大体1カ月くらい前から準備して、全ての情報を集めて毎日勉強しました」と話すと、Liさんは「僕のノートを繰り返し復習したのはすごく役に立ちました」と言って3人で笑った。

JETプログラム同窓会BC&ユーコン支部がボランティアで支えるジャパンボウル

ボランティアとしてイベントを支えるJETAABCと審査員ら全員で。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
ボランティアとしてイベントを支えるJETAABCと審査員ら全員で。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today

 高校生を対象としたクイズ大会「ジャパンボウル」はJapan-America Society of Washington DCが1992年に日本語での大会形式を創設したのが始まり。今では世界各地で開催されている。

 BC州ではメトロバンクーバー大会としてバーナビー市の日系センターで毎年開催。新型コロナウイルス禍ではオンラインで開催したこともあったが今年で7回目となる。主催はJETAABCで、会員がボランティアで開催している。

 大会実行メンバーの一人Rachel Davidsonさんによると今年は新しく3校が参加したという。参加校もメトロバンクーバー各地に広がり、ラングレーやポートムーディ、オンライン校からも参加した。

 大会に参加する高校生も大変だが、運営側の準備もまた大変となる。「問題は毎年出題されるコアカテゴリーと3年に1回出題されるトピックがあります。そうすることで参加生徒が同じトピックに当たらないようになっています。今年は鉄道やビデオゲームなどのトピックがありました」。これらは配布される「Study Guide」に記載されている。「出題問題は、(大会運営)ボランティアでアイデアを出し合って、参加者全員に公平で挑戦的な問題になるように努めています」と高校生たちが楽しんで参加できるようにこれからも取り組んでいく。

メトロバンクーバー・ジャパンボウル2024年順位

優勝:LARGE FRIES(リッチモンド市R.A. McMath Secondary)
2位:Ebi(バンクーバー市Eric Hamber Secondary)
3位:Point Grey Hounds(バンクーバー市Point Grey Secondary)

2位となったEbiと賞状を授与したバンクーバー領事館専門調査員・長谷川綾子さん(左端)。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
2位となったEbiと賞状を授与したバンクーバー領事館専門調査員・長谷川綾子さん(左端)。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
同点だったが順位決定戦で惜しくも敗れ3位に、Point Grey Hounds。左端は賞状を授与したJETAABCのDaniell Markewiczさん。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today
同点だったが順位決定戦で惜しくも敗れ3位に、Point Grey Hounds。左端は賞状を授与したJETAABCのDaniell Markewiczさん。2024年3月9日、日系文化センター・博物館。Photo by Japan Canada Today

(取材 三島直美)

「人生を振り返り、明日を見据え、熱く語った!」第36回ブリティッシュ・コロンビア州日本語弁論大会開催

全員集合 お疲れさまでした!2024年3月2日、バンクーバー市UBCアジアンセンター。Photo by 笹川守/Japan Canada Today
全員集合 お疲れさまでした!2024年3月2日、バンクーバー市UBCアジアンセンター。Photo by 笹川守/Japan Canada Today

 ブリティッシュコロンビア大学(UBC)アジアンセンターに、弁士が集まり、自らの胸の内を流ちょうな日本語で熱く語った。日本への関心が高まっている現在、36回目となるこの弁論大会での競争率もますます激しさが増し、うれしい審査員泣かせとなっている。

 日本語への関心の入り口は、「アニメ、漫画、ポップカルチャーをもっと理解したかったから」という声が多く、その後、日本文化への理解へと深化している。

参加者が楽しんで日本語を学んでいるという印象とあいさつで語った在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事。2024年3月2日、バンクーバー市UBCアジアンセンター。Photo by 笹川守/Japan Canada Today
参加者が楽しんで日本語を学んでいるという印象とあいさつで語った在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事。2024年3月2日、バンクーバー市UBCアジアンセンター。Photo by 笹川守/Japan Canada Today

 在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事が表彰式で「本来、他国語を学ぶことは、とても苦痛を伴うものなのに、皆さん楽しんで学んでおられるような印象でした」と述べた。好きなことから入門するのが上達のコツなのだろう。

 最近では、日本への観光も通常のルートだけではなく、穴場的な地方へと広がりを見せ、地元の人とのコミュニケーションがスムーズになってきたという。それは、この弁論大会の盛り上がりぶりからもうなずける。

大学の部1位受賞者の発表内容を紹介する。

<大学生の部・初級>

「ビターコーヒーとケーキ」ケリー・デンさん(Kelly Deng:UBC)
 大学入学後、最初の専攻は生物学でした。それはビターコーヒーの味のようなものでしたが、途中で日本語の授業を取ることができました。それはおいしいケーキの味。ビターコーヒーとケーキの2つの味のハーモニーは格別。人生、自分の好きなことばかり選べるわけではないので、苦手なものでも好きなものと組み合わせれば、うまくいくという教訓を得た思いです。

<大学生の部・中級>

「自分自身から私を守ってあげるもの」ソヒ・リさん(Seohee Lee:UBC)
 私は毎日、日本語の授業の1時間前に教室に入り、ホワイトボードに似顔絵を描く習慣があります。“それは何のために描くの?”という疑問を持たれていましたが、今では、その絵が現在の自分の感情表現となっているようで、クラスメートとのコミュニケーションツールの一助になっているようです。だから、この習慣は当分続きそうです。

<大学生の部・オープン>

「占いブーム」チブン・ショウさん(Zhiwen Zhong:UBC)
 占いは紀元前2000年にさかのぼるといわれます。誰もが一度は試したことがあるでしょう。占いの回答は、あいまいで、誰にも当てはまるものと知っていながらも、迷ったとき、つい頼ってしまうもの。それが、背中を押してくれるときもあり、自信を取り戻すきっかけになれば幸い。占いが長年続いてきたポイントではないでしょうか。

優勝者は「カナダ全国日本語弁論大会」に参加

全国大会へ向け気持ち新たに(左から)チブン・ショウさん、ソヒ・リさん、ケリー・デンさん。2024年3月2日、バンクーバー市UBCアジアンセンター。Photo by 笹川守/Japan Canada Today
全国大会へ向け気持ち新たに(左から)チブン・ショウさん、ソヒ・リさん、ケリー・デンさん。2024年3月2日、バンクーバー市UBCアジアンセンター。Photo by 笹川守/Japan Canada Today

 カナダ全国の地区大会を勝ち抜いた強豪たちがオタワの在カナダ日本大使館に集まり「カナダ全国日本語弁論大会」が3月24日に行われる。BC州・ユーコン準州からは今回の「大学生の部」の各カテゴリー優勝者が出場する。3人は日本語をもっと勉強したいと意欲を見せ、「全国大会がんばります!」と心の内で火花を散らしながらも互いに健闘を誓い合っていた。

第36回BC州日本語弁論大会

 3月2日、UBCアジアンセンターで開催。在バンクーバー日本国総領事館、BC州日本語弁論大会実行委員会共催、UBCアジア研究学科、UBC、ローカル企業・団体、日本の姉妹都市(安中市、千葉市、 釧路市、さいたま市)協力。

 発表者は、BC州、ユーコン準州に居住し、日本語を母国語としない人が対象。今年の大会には、高校生の部に初級12人、中級9人、オープン3人、大学生の部には初級6人、中級8人、オープン5人が参加した。

(取材・写真 笹川守)

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Vancouver Cherry Blossom Festival 2024、3月29日から開幕!

バンクーバー市M.H. Macmillanスペースセンター前。Photo by Koichi Saito
バンクーバー市M.H. Macmillanスペースセンター前。Photo by Koichi Saito

 バンクーバーに春の訪れを告げるVancouver Cherry Blossom Festival。今年は3月29日からさまざまなイベントが開催される。発起人のリンダ・ポールさんの提案で2005年に始まった「バンクーバー桜まつり」は、今やバンクーバーの春の風物詩。

 フェスティバルのメインイベントの一つは、The Big Picnic。David Lam Park(1300 Pacific Blvd)で開催されるフェスティバルの開会式を兼ねた桜の下でピクニックを楽しむイベント。公園には、David Lam氏が寄贈した桜があり、満開時には一面に桜が咲き誇る。ピクニック用シートや食べ物は持参するか、現地で購入することもできる。音楽やダンスなどのパフォーマンスもあって、お花見気分に。イベントは無料。https://vcbf.ca/event/the-big-picnic-2024/

 もう一つの人気イベントは、Sakura Days Japan Fair。日本の伝統や文化を体験することができるのが魅力で、毎年大人気。茶道や華道、書道などのワークショップや、和太鼓などのパフォーマンスがあり、日本のフードや日本酒などのグルメも満喫できる。今年は4月13日、14日に開催。入場は有料で、チケットはオンラインで購入。https://vcbf.ca/event/sakura-days-japan-fair-2024/

 他にも、桜の種類や歴史について学ぶTree Talks and Walksや、桜にインスピレーションを受けて英語俳句を作るHaiku Invitational(3月1日からオンラインで受け付け開始、6月1日締め切り)、メトロバンクーバー各地でのポップアップイベント、桜のトンネルを自転車で楽しむBike the Blossomsなど、イベント満載。

 約6万本が咲き誇ると言われるバンクーバーの桜は、1930年代初めに神戸と横浜の市長が500本の桜をバンクーバーに贈ったのが始まり。それらはスタンレーパーク内にある日系カナダ人戦没者慰霊碑の周りに植えられた。

 さらにVancouver Cherry Blossom Festival のサイトによると1958年には当時の在バンクーバー日本国総領事館・田辺宗夫領事により「日加の永遠の記憶と友好」として約300本の桜が贈られたという。バンクーバーで咲く約4万3000本の桜は何らかの形で日本から贈られたとポールさんが記している。

 春の訪れとともに、桜の美しさと日本文化、そしてバンクーバーの多様性を祝うVancouver Cherry Blossom Festivalは4月25日まで。

Vancouver Cherry Blossom Festivalウェブサイト:https://vcbf.ca/

(記事 編集部)

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人形供養のご案内

東漸寺では日本から持ってきて今は飾ることがなく押入れで眠っているひな人形、五月人形、藤娘人形などの供養を行うことにしました。

BC州ではお寺で「お焚き上げ」は法律の理由で実行できませんので、集められた人形は本堂で飾って住職が供養したあと、地元のリサイクル専門業者に渡して焼却又はリサイクルしてもらいます。

つきまして、法要は下記の通り開催いたします。

日時:2024年4月28日(日) 午後1時(受付 午後12時開始)
場所:東漸寺 209 Jackson Street, Coquitlam BC

人形の受付は予約制です。供養料と注意事項については https://tozenjibc.ca/doll-ceremony へアクセスしてください。

連絡先:担当者 渡辺 tozenji.bc@gmail.com     cell (778)320-4533

日々の小さな幸せが愛おしくなる「Perfect Days(パーフェクトデイズ)」ヴィム・ヴェンダース監督

「パーフェクトデイズ」より。Courtesy by TIFF
「パーフェクトデイズ」より。Courtesy by TIFF

 いよいよアカデミー賞授賞式が日曜日と迫ってきましたね!今年の注目は何と言っても「バービー」と「オッペンハイマー」の対決のはずでした。ところが、ノミネート作品発表の時点で「オッペンハイマー」がアカデミーの推しだと判明してしまい、少し、いやかなりがっかり。それでも、昨年公開作の中で大好きだった「アメリカン・フィクション」と「Past Lives」がノミネートされているし、ファッションチェックも楽しいし、となんだかんだ日曜を楽しみにしている私です。

 さて、今回ご紹介するのは、そのアカデミー賞で国際長編映画賞にノミネートされているヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」。昨年のカンヌ国際映画祭で上映された際には、主演の役所広司さんが日本人俳優としては19年ぶり2人目(1人目は柳楽優弥さん)の最優秀男優賞を受賞した作品です。日本では年末に公開されていたのに、ここバンクーバーでは2月中盤にやっと劇場公開になりました。

 ストーリーは東京、渋谷でトイレの清掃員として働く平山という男の毎日を静かに追っていきます。本当に静かに。毎朝起きて、缶コーヒーを飲んで、好きな音楽を聴きながら車を運転して、ていねいに仕事をして、同じ場所で昼食を食べ、木漏れ日に目を細め、仕事が終われば銭湯に行き、夕飯を食べ、読書してから寝る。休日は洗濯をして、写真を現像に出して、行きつけのバーで少し飲む。その繰り返し。そんな変わらぬ毎日にも同僚の影響でイレギュラーなことが起きてしまったり、平山の過去につながる人物が登場したり、と小さな波が押し寄せる。

 「足るを知る」という言葉がそのまま当てはまるかの様な平山の毎日。淡々としているけれど、小さな満足にあふれているのが観ている方にも伝わってきます。セリフがとても少ない役なのに目や表情だけで優しさや人間味を溢れさせてしまう役所さんの演技はさすがです。彼はこの生活に落ち着くまでにどんな人生を歩んできたんだろう、と想像力も掻き立てられました。あとは東京という都会の片隅で生きる人々が、皆それぞれにストーリーを持って生きている。そんな普通の人生を撮るヴェンダース監督の温かい眼差しも感じる2時間でした。

 観終わった後は平凡な毎日が本当に愛おしく思えて。ベタな感想だけど、もっともっと大切にしながら「今」を楽しもうと思えてきました。それにしても70年代のロック良かった・・・

 バンクーバーではFifth Avenue Cinemaで上映中です。

Lalaのシネマワールド
映画に魅せられて

バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライターLalaさんによる映画に関するコラム。
旬の映画や話題のドラマだけでなく、さまざまな作品を紹介します。第1回からはこちら

Lala(らら)
バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライター
大好きな映画を観るためには広いカナダの西から東まで出かけます
良いストーリーには世界を豊にるす力があると信じてます
みなさん一緒に映画観ませんか!?

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