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Naomi Mishima

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念ずれば花開く 4 ~投稿千景~

エドサトウ

 ガーデニングを生業としている小生は、お陰様で「ゴールデンエイジ」となっても元気に若い人と同じ様に仕事が出来ることは嬉しいことである。

 かれこれ十数年前のことであったと思う。老齢なガーデニングが好きな白人のご夫婦のお客様がいた。ご主人は80歳前後で、昔、中国に住んでいたこともあってか家の玄関わきと裏庭に大きな広葉樹が一本ずつあって、秋の初め、まだ夏のグリーンが残っている住宅街の中で、ひときわ大きなその木が黄色に変化してゆく様はとても美しく見えたので写真を撮った事がある。ご主人が「これは、KATURA(桂)だよ!」と日本名を言う。その当時、何故、日本の桂の木がここにあるのか分からず、ただその美しさに感心するばかりであった。

 昔、訪れた京都御所の周りにも大きな樹があったことを記憶するが、ひょっとしたら、桂の木もあったのかもしれない。桂離宮という名前の古い建物があるくらいだから。でも本で調べてみると、桂離宮には桂の木の名前は見えないが、ヒサカキというのがある。やはり香木の一種であろう。

 この桂離宮の桂は「月の中にあるという高い理想」を表しているという。一説には桂離宮は月を見るための別荘であったらしい。ここから眺める秋の月は格別のようであったようだ。

 桂の葉が散り落ちたのをそのままにしておくと、秋の夜、少しばかり甘いような、日本の醤油が発酵したような芳香が漂うという。ある秋の夜、ここの奥さんが庭に出て、この芳香を楽しんでいた。ご主人はいつも早くベッドに入るらしく、その時は、もう眠りについていたという。雨も風も無く、穏やかな秋の夜に桂の葉の下から漂う芳香を楽しんでいると、奥さんの近くにいた小さな室内犬が突然吠え出し、階段を駆け上がり街路に出ようとした。

 奥さんも慌てて愛犬を追いかけようとしたのか、階段につまずき、激しく転び、額を強く打撲した上に足を骨折して動けなくなった。

 夜9時も過ぎれば誰も歩かない閑静な住宅街、その上、階段の下で倒れているために誰も気がつかない、一晩中、彼女はそこに倒れていたという。まだ、秋の初めで夜間の温度が氷点下にならなかったのがよかったのかもしれない。場合によっては低体温症で死にいたることもあるらしい。彼女は老齢ではあるが体力も、生きる力も強かったのか朝まで耐えられた。朝、ご主人が起きて見てビックリ、妻が外で倒れている。急いで救急車を呼んだという。

 病院で足の骨折の手術をして、しばらく入院生活をしていた。小生が仕事に行くと、ご主人が妻の命が助かって安堵したのか、少し笑いながらその話しをしてくれた。庭が好きな女性が起こした珍事である。

 最近の事である。古くからの年配の友から、仕事中に電話があり、「イマージャンス(緊急事態)だ!動けないから来てくれ!」と言う。急ぎ、仕事の帰りに寄るとベッドの上で「倒れて立てない。足も動かないから、階下の自分のベッドに運んでくれ」と言う。見れば、顔色は悪いが、熱はない、コロナウイルスの感染症のようでもない。しかし、重たくて彼を下のベッドルームまでは運べない。本人は「ベッドで横になっていれば良い」と言うが、「これは、一晩、入院をして、点滴をしてもらい、検査をすれば歩けるようになるから」と納得をさせて、救急車を呼び、病院へ送る。

 翌々日に奥さんに電話で様子を問うと、「彼は、体内で内出血していて、手術をしたが、今は大丈夫だ」と言う。その後、しばらく入院が続いたが、今は歩行器を使い、家の中を歩いている。

 最近、日本から送られてきた杉本八郎先生の『認知症予防の最高の教科書』によれば、生活習慣病には、1、バランスの良い食事、2、適度な有酸素運動、3、血圧の管理とベストな体重維持、4、熱中できる趣味や生きがいをもつこと、とあり、中でも認知症予防に重要なのは『有酸素運動』であると言う。であるから、よく歩き血流をよくすることで脳のアセチルコ神経を刺激して脳内部の血管が広がり、血流がよくなることは脳の若返りといえるかもしれない。

 歩いて、歩いて、益々脳を若くしましょう!そして、血液をさらさらにするというポリフェノールを多く含むという赤いワインを飲み、友と楽しく談笑をしましょう!第三の人生の花が咲くかもしれません。

秋深し ©︎ エドサトウ
秋深し ©︎ エドサトウ

リメンバランスデー2020、コロナ禍でも変わらない祈り

Remembrance Day-18, Nov 11, 2020
慰霊碑台にはポピーのバッジが供えられた。2020年11月11日ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市。Photo by ©︎ 古川透 / バンクーバー新報
Remembrance Day-1, nov 11, 2020
花輪が献花された戦没者慰霊碑には、式典のあともポピーのバッジを捧げに訪れる人がいた。2020年11月11日ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市。Photo by ©︎ 古川透 / バンクーバー新報

  リメンバランスデーの11月11日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市のスタンレーパーク内にある日系カナダ人戦没者慰霊碑の前で、追悼式典が行われた。

 例年ならば多くの人たちが訪れる会場も、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で入場が制限され、関係者のみで執り行われた。

 一般の人たちは慰霊碑がある会場には入れず、規制線の外から祈りを捧げていた。その代わりにライブストリーミングによる一般公開があり、オンラインによって参加することができた。

Remembrance Day-4, Nov 11, 2020
「O Canada」と「God Save The Queen」を歌ったケイコ・ノリスエさん。2020年11月11日ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市。Photo by ©︎ 古川透 / バンクーバー新報

式典にはオンラインでの参加も

 午前10時30分からの式典は、司会のデビッド・イワアサさんがあいさつしたあと、エミコ・ニューマンさんとジョン・エンドウ・グリーナウェイさんによる勇壮な太鼓の演奏で始まった。

 続いて「O Canada」をケイコ・ノリスエさんが独唱し、バンクーバー合同教会デビン・イム牧師が戦没者へ祈りを捧げた。

 トランペット吹奏のあと2分間の黙とう。バグパイプによる哀歌が演奏され、再びトランペットが会場に響いた。アイリーン・キタムラさんによる詩の朗読、デビッド・ミツイさんによる戦没者への弔意、冬のような冷たい空気が包む中、人々はその言葉に静かに耳を傾けた。

Remembrance Day-13, Nov 11, 2020
バンクーバー合同教会のデビン・イム牧師。2020年11月11日ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市。Photo by ©︎ 古川透 / バンクーバー新報

 今年はコロナ禍のため、連邦自由党ヘイディ・フライ議員とジョイス・マレー議員、BC州議会新民主党アン・カング議員がオンラインビデオで参加。そのあとデビッド・ミツイさん、キャシー・エンロスさん、スーザン・ヤマベさんがスピーチした。

 最後に、羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事をはじめ20団体の代表が、慰霊碑に花輪を献花し、ケイコ・ノリスエさんが歌う「God Save The Queen」で式典は終了した。

「悲劇的な人種差別を繰り返さないために」デビッド・ミツイさん

 式典ではスピーチも行ったデビッド・ミツイさんは、日系一世の祖父を持つ。三世として生活する上での信条、現在と過去の人種差別やナショナリズムについて、さらに若い人たちに伝えたいことなどを聞いた。

 デビッドさんの祖父であるマスミ・ミツイさんは日本から移住して来た一世で、志願兵として第一次世界大戦でカナダのために命がけで戦い、選挙権を取得した。

Remembrance Day-6, Nov 11, 2020
弔意を示す言葉を述べるデビッド・ミツイさん。2020年11月11日ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市。Photo by ©︎ 古川透 / バンクーバー新報

 二世の両親は第二次世界大戦が始まると、敵国扱いされ家や財産を没収された上に強制収容所へ送られた。父親のジョージさんは曽祖父の遺品である脇差し(サムライの剣)を、強制移住する直前の1942年にポートコキットラムの農場に埋めた。戦後、農場に戻って脇差しを取り戻し、亡くなる前の2011年にデビッドさんにそれを託した。また祖父が第一次世界大戦の後に授与されたメダルも譲られた。

 「それらを所持することは私にとってとても光栄なことで、家族の歴史が自分の中に存在することが分かりました。これらを家族(特に娘のメーガン)だけでなく、他の人たちと分かち合う責任があります。私は日本の祖先のことを大切にしていますが、それと同時にカナダ国民であることを誇りに思っています。このような素晴らしい国は他にはないでしょう。民主主義国家の権利と自由を得るだけでなく、カナダ国民であることに自覚と責任を持つことが重要です」と語った。 

 2度の世界大戦前後は日系カナダ人が人種差別を受けた時代だった。しかし2020年の今も新型コロナウイルスの影響などで、アジア系市民が差別を受けている。

 デビッドさんは「私は中学や高校時代に人種差別を受けた経験があります。例えば当時付き合っていた白人の彼女の親から、差別的な態度や発言を受けました。その経験で私はそれに対処する術と無視することを学びました。私は高校以降、(アイス)ホッケーや野球、バスケットボールなどで活躍して、チームの一員として認められました。他のチームの選手から差別も受けましたが一生懸命プレーすることで、それを克服できたのです」

 両親は差別には決して屈せず、デビッドさんと兄を精一杯守ってくれたという。そして何があっても最善を尽くすように教えられた。

 現在の状況について「新型コロナウイルスが中国で発生したことで、今のアメリカでは政治にからめて中国系アメリカ人に対する人種差別行為があり、中国系カナダ人にも少なからず影響を与えています。日系カナダ人が標的にされているかは分かりませんが、バンクーバーのような多くのアジア系カナダ人が住む都市でも同様なことはあるでしょう。カナダ社会はアメリカで起こることに対して直接影響を受けますから。”アメリカが風邪を引くと、カナダも鼻水をたらす”ということですね。残念ながら1880年代中ごろも今も人種差別はなくならず、それから免れることはできないでしょう」と述べた。

 そして日系四世、五世が誕生している現在、選挙に行って投票する大切さを彼らに伝える必要があるという。「祖父の世代は選挙権を持つ国民になることを証明するために戦場でカナダのために戦いました。ですから選挙権も民主主義も当然のことと考えるべきではありません」

 最後に「第一次世界大戦時の一世はもとより、第二次世界大戦や朝鮮戦争時の二世、アフガニスタンで戦った三世たちの犠牲があって今があるのです。時間はかかるかもしれませんが、これまでの悲劇的な人種差別を繰り返さないために若い人たちだけでなく、すべてのカナダの人たちに日系カナダ人の歴史を学ぶ機会を持ってほしいと思います」と語った。

献花団体(敬称略・順不同)

  • ◎日系カナダ退役軍人第9部隊
  • ◎S-20及び二世在郷軍人会
  • ◎日系カナダ人戦争記念委員会
  • ◎全カナダ日系人協会
  • ◎日系文化センター・博物館
  • ◎在バンクーバー日本国総領事館
  • ◎グレーターバンクーバー日系市民協会
  • ◎国会議員ヘイディ・フライ(バンクーバー・センター選挙区事務所)
  • ◎王立カナダ騎馬警察(RCMP)
  • ◎バンクーバー市
  • ◎バンクーバー市警察
  • ◎バンクーバー市公園庁
  • ◎バンクーバー日本語学校並びに日系人会館
  • ◎隣組
  • ◎BC浄土真宗仏教寺院
  • ◎日系カナダ人キリスト教教会
  • ◎金光教バンクーバー教会
  • ◎生長の家バンクーバー
  • ◎NAVコーラス
  • ◎National Society Daughters of the American Revolution

(取材 古川透)

2020年11月11日のリメンバランスデーの中継動画は、日系文化センター・博物館のユーチューブで現在でも視聴できる。Centenary of the Cenotaph

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BC州3日間で約2000人感染

1-2020-11-12 COVID19 Monthly Update Nov 2020; By BCCDC
感染者数増加モデリング。現在は13日で2倍のペースで増加している。By BCCDC(BC州疫病管理センター)

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で新型コロナウイルス感染拡大が止まらない。11月7日にフレーザーヘルス、バンクーバー・コスタルヘルスへの限定的な規制強化が実施されたが、この日発表された感染者は3日間で約2,000人となった。

 14日は654人、15日は過去最多を更新する659人、16日646人と、600人以上が続いている。累計は22,944人にもなった。

 入院患者も急増し181人。うち集中治療室(ICU)は57人で、病院への負担も大きくなっている。感染者が確認された長期療養施設はすでに45施設にもなり、BC衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士はこの日の会見で州民に基本的な感染予防策を徹底するよう改めて呼びかけた。

  現在の感染者は6,279人、自己隔離者は10,928人。自己隔離者が増える状況は、感染者数が今後も増えることを意味している。

 ヘンリー博士は感染が拡大している状況は、個人宅での集まりであったり、ソーシャル(社交的)な集まりであったり、職場、室内でのグループ活動などと説明。スポーツ活動でもスポーツをしているときは防止策が取られているが、その後に人々が集まったりすることで感染が広がっていると語った。

 フレーザーヘルス、バンクーバー・コスタルヘルスへの規制強化は11月23日まで。延長される可能性も十分にある。この日発表された3日間の新規感染者のうち、フレーザーヘルス区域内で1,361人、バンクーバー・コスタル455人と、7日から1週間以上が経っても感染者は減少していない。

 この日発表された死亡した人は9人で、累計は299人となった。

 11月7日に発令され、12日に更新されたBC州公衆衛生命令の内容: Lower Mainland and Fraser Valley restrictions

 BC州11月12日に発表されたモデリング: http://www.bccdc.ca/health-info/diseases-conditions/covid-19/modelling-projections

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BC州で600人超、全国で12月に1日1万人の可能性

Covid-19 Greater Vancouver Inset unil 10 31 2020 by BCCDC
フレーザーヘルスとバンクーバー・コスタルヘルス区域の都市別感染者数。1月から10月31日までの累計。By BCCDC(BC州疫病管理センター)

 カナダでの新型コロナウイルス感染者増加が止まらない。今朝の記者会見でカナダ公衆衛生局長テレサ・タム博士は、「このままのペースで感染者が増加すれば、12月初めには全国で1日1万人の感染者となる」と警鐘を鳴らした。

 同席したジャスティン・トルドー首相も「国民が一丸となって乗り切るしかない」を繰り返し、国民に行動を改めるよう要請した。

 この日のカナダの感染者数は4,749人。オンタリオとケベック州では1,300人を超え、アルバータ州では900人、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州でも600人を超えた。

 全国各地で感染者が確認され、この日感染が出なかったのは、プリンスエドワード島州とユーコン準州のみ。ケベック州やトロント市、マニトバ州などすでに各地で規制強化が進んでいる。

 前回の会見でトルドー首相は、州政府に対して新型コロナ対策を強化するよう要請した。カナダ政府として必要な支援は惜しまないとも語った。今予防策を実行しないとクリスマスには間に合わないと強調した。

BC州で最多を連日更新、12月1日1,000人が現実的に

 BCは昨日に続いて今日も1日の感染者数の最多を更新した。ついに600人を超え、この日は617人。累計は20,985人となった。昨日のモデリングでこのままの増加率でいけば12月には1日1,000人となるとBC衛生管理局長ボニー・ヘンリ―博士が危機感を募らせたが、現実味を帯びてきた。

 先週の土曜日に緊急会見を開き、フレーザーヘルスとバンクーバー・コスタルヘルス区域に公衆衛生命令を期間限定で発令して1週間。感染者数は収まる気配を一向に見せない。

 特にフレーザーヘルスでの増加が顕著で、この日は424人。バンクーバー・コスタルヘルスは130人だった。

 ヘンリ―博士はフレーザーヘルスの南部を中心に多人種に対応した対策を取るよう各コミュニティリーダーに協力を要請している。

 11月7日に出された公衆衛生命令は2週間限定で、11月23日まで。それまでに感染者数が減少傾向に転じるかを見極め次の対策を実施すると昨日の会見で語った。延長される可能性は十分にある。

 12日には、公衆衛生命令の内容が不明確との声を受け、情報を更新して再掲載。HouseholdやCore Bubbleなどの定義や、禁止事項、許可されている活動などをより明確に記載している。

 ヘンリー博士は、ワクチンについて来年の第1四半期には配布されるようだが、全州民に一気にいきわたるわけではないと語り、それまではまだ数カ月は新型コロナと共存しなくてはならないと予防策を徹底するよう呼びかけた。

 BC州政府ジョン・ホーガン州首相は9日の会見で、必要となればステージ1へと規制強化する可能性もあると語っている。

Lower Mainland and Fraser Valley restrictions: https://www2.gov.bc.ca/gov/content/safety/emergency-preparedness-response-recovery/covid-19-provincial-support

BCCDCウェブサイト: http://covid-19.bccdc.ca/
BC州新型コロナ対策ウェブサイト: https://www2.gov.bc.ca/gov/content/safety/emergency-preparedness-response-recovery/covid-19-provincial-support

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BC新型コロナ感染約600人、13日間で倍増ペース

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感染者数増加モデリング。現在は13日で2倍のペースで増加している。By BCCDC(BC州疫病管理センター)

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で新型コロナウイルス感染者の急増に歯止めがかからない。

 この日発表されたのは、前日と合わせての2日分。11日が536人、12日594人とまたも2日連続で500人以上の感染者が確認された。

 新規感染者が最も多いのはフレーザーヘルス区域、2日間で808人、次いでバンクーバー・コスタルヘルス249人となった。

 この両ヘルス区域には11月7日から緊急公衆衛生命令が発令され、23日までの限定で規制が強化されている。

 この日の会見でBC衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士はソーシャル(社交的)活動、職場での活動が感染拡大の大きな要因として、規制強化した2週間の状況を見て次の対策を実行すると語った。

 2週間で感染者が減少傾向に転じなければ延長する可能性もあることを示唆したが、名言はしなかった。ただクリスマスはいつものクリスマスとは違うのになるだろうと語った。

 この日は、最新のモデリングも発表。フレーザーヘルスとバンクーバー・コスタルヘルスでの感染急増を図で解説するとともに、年代別の感染状況や入院患者の増加について説明した。

 また学校内での感染状況についても説明。感染者が出たと公表されている学校でも、校内での感染は少なく、生徒やスタッフなどは校外で感染しているケースが多いと説明した。

 モデリングでは州民が公衆衛生命令を守らず、このままのペースで感染者が増え続けた場合、近い将来には1日1,000人の感染者となると警鐘を鳴らした。

新公衆衛生命令の解説を更新

 11月7日に発表されたヘンリー博士による新公衆衛生命令について内容がわかりにくいとの声が多くあったことから、12日付で明確な解説を加えてサイトが更新されている。

 一緒に行動できるCore Bubbleについては、常にともに行動する人のことを指し、家族であったり、パートナーであったり、友人であったりと自身の生活状況によって異なると解説。Householdは家族、または同居人と定義している。

 そのほか、ソーシャル(社交的)集まりについてや、許可されている活動内容、結婚式や葬儀の注意事項、レストランの利用など、細かい定義を加えている。

 公衆衛生命令の内容はこちらから確認することができる。Lower Mainland and Fraser Valley restrictions

 この日発表された新たなモデリングはこちらから。http://www.bccdc.ca/health-info/diseases-conditions/covid-19/modelling-projections

2-2020-11-12 COVID19 Monthly Update Nov 2020; By BCCDC
地域別感染者数。左は今年1月からの累計、右は10月23日から11月5日まで。By BCCDC(BC州疫病管理センター)
3-2020-11-12 COVID19 Monthly Update Nov 2020; By BCCDC
感染ケース別感染者数。濃いブルーはコミュニティ、赤は海外からの入国、薄いブルーは感染源が不明なもの。グレーは調査中。By BCCDC(BC州疫病管理センター)
4-2020-11-12 COVID19 Monthly Update Nov 2020; By BCCDC
州別100万人当たりの7日間の平均で計算した1日の感染者数。BCはオンタリオ州をすでに超えている。By BCCDC(BC州疫病管理センター)

第100回 『ふっと死ぬ前に…』2

グランマのひとりごと

~グランマのひとりごと~ 

 『念』を入れて生きるかぁ。『念』の文字を分解すると「今」の「心」。今、目の前にいる「人」も「事」も、大事にすることだよなぁ。

 思いがけない先輩の「脅し英語」のあいさつから始まったLufthansa入社一日目。当時、こうして外国の会社に一人働く日本人男性は弱い立場に見えましたがねぇ。逆に「愛いっぱいの歓迎」は、親友トビーと他のスタッフ一同。私はただただ嬉しかった。そして、トビーの心のこもったトレーニングの開始だ。彼女は自分の持つ知識の全てを私に伝えようと一生懸命教える。本当にそれは今、思い出しても胸が熱くなる。生涯忘れる事はないだろう。ありがたかった。つまり、今、目の前にいる人を大切にする『念』なのだ。

 そして、彼女は私のトレーニング終了と同時にニューヨークへ旅立っていった。あれから半世紀、今もなお全く距離を感じない親友だ。彼女の生き方を見ていると正に全て『念』で生きている。綺麗な生き方だなぁとしみじみ思う。

 トビーがいなくなり、さらにそれから数カ月、真冬の寒さ厳しいハンブルクへ私も飛びたった。

 厳しく、また難しいトレーニングに備え、前もって東京のスタッフが、私の受けるコースのあらゆる資料をカンパニーメールでジャンジャン送ってくれた。当時のトレーニングセンターはハンブルクだったが、翌年には新しいセンターがフランクフルト空港からバスで30分くらいの所「ゼ―ハイム」に開館した。

 1960年代、当時東京のLHスタッフは、参加する各種どのコースでも90%-100%の成績を取った。彼らは、成績優秀賞、褒美の無料航空券をもらい、また、世界中に配布の社内誌で「優秀な日本人スタッフ」として紹介され、紙面を賑わせていた。

 互いに助け合い、立派に仕事をなす彼らは、私にとっても非常に誇りだった。自分が在職中、毎回難しいトレーニングをパスできたのは彼らの助けのお陰である。ルフトの世界各国での採用職員にとって、この社内トレーニングの成績は、そのまま昇級/昇給に関係する。

 だから競争相手の同僚を応援することはまずない。しかし、日本人スタッフは違う。互いに助け合うのだった。香港の空港に働く私にまで…。ある人が言った。「人がこの世に生まれた目的は『喜ばれる存在になること』、『喜ばれる存在』の喜びは『自分が喜ぶ』喜びとは比べられない」

 彼らは何時でも遠くの私に助けの手を伸ばしてくれた。これって、同じ日本人だから助けたのだろうか?私には彼らが「喜ばれる存在になること」、それを心情に生きているように思われた。代わりに香港の同僚は全く何も教えてはくれなかったが、どんなに勉強が大変か苦労話は聞かせ、私は「トレーニング」へ行く勇気と覚悟ができた。

 とにかく、我々はパソコンのない時代だから、テレックスで各国間連絡を取り合った。会社もまたスタッフが働きやすいように協力する。ドイツ語を勉強したいスタッフには無給1年休暇を与え、留学もさせていた。日本人スタッフでドイツ留学を終えた人もいる。

  ある時期、今の新型コロナウイルスによる不況ほど最悪状態ではないが、世界中の航空業界の不況時期があった。そして、私たち平社員にも通達があった。

 ルフトハンザの定期便は東京を出発し、香港、バンコック、デリー、アーサン、フランクフルト、6つのステーションに離着陸する。各便、先ずは「時間厳守」をしようという。もし各ステーションで10分ずつ遅れれば、終点フランクフルト到着は1時間の遅れとなる。その遅れにかかる費用は莫大だ。非常に緊張して1分遅れにも注意をし、全員がエージェントの助けも借りてハンドルした。そして数カ月の後、結果は出た。無論それだけが収益を出せた理由ではない。しかし、世界中の航空会社中、赤字を出さなかった3社の一つになったのだ。ここでの学びは「やればできる」だ。どんなに底辺でも小さな一人一人の仕事がいかに大切か私は学んだ。

 2001年、インドの占い師がグランマはインドカレンダーの82-3歳までの命と言った。あれから20年、私の生活はまるで彼の言ったとおり、70歳後半で何か物を書くということまで予想して言っていたじゃないか!そして、今グランマは81歳。まぁ、いいかぁ。残りの人生『念を入れて生きる』だよねぇ。

3に続く

グランマのひとりごと「ふっと死ぬ前に…」1

グランマ澄子

***

 好評の連載コラム『老婆のひとりごと』。コラム内容と「老婆」という言葉のイメージが違いすぎる、という声をいただいています。オンライン版バンクーバー新報で連載再開にあたり、「老婆」から「グランマのひとりごと」にタイトルを変更しました。これまでどおり、好奇心いっぱいの許澄子さんが日々の暮らしや不思議な体験を綴ります。

 今後ともコラム「グランマのひとりごと」をよろしくお願いします。

トルドー首相、バイデン次期大統領と電話会談

Parlament, Ottawa, Canada; File Photo by Japan Canada Today

 ジャスティン・トルドー首相は9日、次期アメリカ大統領ジョー・バイデン氏と電話で会談したとツイッターに投稿した。

 バイデン氏が副大統領時代から知っている仲を強調し、以前にも協力してさまざまな課題に挑戦したが今回もまた両国が協力して、環境問題や新型コロナウイルスなどの課題に挑戦していける準備がカナダにできていると投稿している。

 トルドー首相は3日の会見では大統領選について聞かれると「選挙の結果を注意深く見守っている」と述べるにとどまった。その後も、会見でアメリカの選挙を聞かれるたびに、同様の回答を繰り返した。

 そして7日、選挙結果が分かるとその日のうちに、ツイッターに祝辞を投稿。ドナルド・トランプ大統領が敗北宣言をしていないうちの祝辞は尚早ではとの質問に、9日の会見で「週末にバイデン次期大統領へ祝辞を贈れたことをうれしく思っているし、1月20日までは現アメリカ政権と連携していく」と語った。

 トルドー首相事務所によると、バイデン次期大統領と電話会談した海外の首脳はトルドー首相が最初だという。

 カナダの政治専門家は早々にワシントンDCでバイデン次期大統領と非公式にでも面会するのがいいだろうと語っている。

 一方、アメリカの大統領は就任後初の公式外遊先はカナダであることが慣例となっている。例外的にメキシコを訪問した大統領もいるが、トランプ大統領は結局一度もカナダを公式訪問しなかった。唯一2017年にケベック州シャルルヴォワで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)に参加した時に来加した。

カナダと縁があるハリス次期副大統領にも祝辞

 9日の会見でトルドー首相は次期副大統領カマラ・ハリス氏についても言及し、アメリカで初の黒人・南アジア系女性が副大統領に就任することは金字塔となるだろうと語った。

 「カナダや世界中の多くの人々が黒人・南アジア系女性がアメリカの次期副大統領に選ばれたのを見て刺激を受けただろうと思う」と語った。

 当選確実が発表された7日には、クリスティア・フリーランド副首相が祝辞。「個人的にもお祝いを伝えたい」と語り、「今回の勝利は、女性・少女、そしてこの大陸の有色人種の人々に大きな刺激を与えた」と投稿した。

 また黒人系女性で初の公式連邦政党の党首となったグリーン党アナミー・ポール氏もアメリカ史上で最高位の女性となったことに敬意を払うと語った。

 ハリス次期副大統領はカナダとの縁も深い。高校時代を含めケベック州モントリオールで5年間過ごしたという。科学者である母親がマックギル大学に研究員として赴任したのはハリス次期副大統領が12歳の時。それから高校卒業までカナダで過ごしている。

 ほかにもカナダ保守党エリン・オトゥール党首や、新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首も祝辞を投稿している。

BCで3日連続コロナ感染500人超、規制強化発令

BCCDCが新規制強化策を訴えるポスター。by Government of BC
BCCDCが新規制強化策を訴えるポスター。by Government of BC

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士が規制強化に踏み切った。7日、土曜日にもかかわらず緊急記者会見を開き、新たな公衆衛生命令についてより多くの州民に直接訴えかけた。

 会見では、ここ2週間でフレーザーヘルス区域とバンクーバー・コスタルヘルス区域を中心に急速に感染者が増加していると懸念を示し、「衛生管理局長の命令は最終手段だが、今回の追加措置は今必要とされている」と語った。

 BC州の新型コロナウイルス感染者は3日連続で500人を超えた。

 6日の発表では589人とこれまでで最多、7日は567人。9日に発表された8日の感染者数は536人。入院患者も6日に約200日ぶりに100人を超え、9日には133人となった。

 フレーザーヘルスの新規感染者は、6日が401人、7日411人、9日に発表があった2日間では737人、バンクーバー・コスタルは、146人、122人、210人。両ヘルス区域で全体の90パーセント以上を占めている。

 ヘンリー博士によると感染場所は多岐にわたっており、結婚式や誕生会、葬儀など、個人宅で大勢が集まる場合や、食品加工施設、小売店、公共の場、屋内でのグループフィジカルアクティビティなどで、フィジカルディスタンスやマスク着用が実施されていない場合が多いという。こうした「人々の家庭や多くの職場での感染の結果」が医療機関や長期療養施設に影響を及ぼしていると説明。

 ビジネスや学校など重要な社会活動を継続するためにも今回の措置は必要と語った。

フレーザー、バンクーバーコスタル区域限定の規制強化へ

 新型コロナ感染者がフレーザーヘルス、バンクーバー・コスタルヘルスで拡大していることから、今回の新命令はこの両区域限定の規制強化実施となる。

 期間も2週間限定で、9日の会見では、実施期間終了後の状況次第で次の対策を考慮するとヘンリー博士が説明した。「1週間後の会見で数字がどうなっているか。2週間で減少傾向へと向かっているかによって判断する」と語った。

 強化対象は、社交的な集まり、グループでのフィジカルな活動、職場での活動で、これらの状況で新型コロナ対策の厳格な実施を徹底するとともに、一部の活動を禁止する。

 ヘンリー博士は、「この新しい命令実行のために査察を強化し、順守していない企業やビジネスなどは罰金の対象となったり、閉鎖を命じられたりする場合がある」と語った。

 BC州ではすでに公衆衛生命令に違反した個人やビジネスに対して罰金などの罰則を科している。

 「病院、学校、職場やコミュニティを守るために、州民の協力が不可欠」と訴えた。

新たな規制強化について

 7日に発表された新たな公衆衛生命令は、区域と期間限定で、大まかな内容は以下の通り。詳しくは専用サイトを参照。

 記者会見でヘンリー博士は、ひとり暮らしの人との必要な接触などは「社交的集まり」には当たらないとして対象外と説明。

 また同居人(Household)の定義について9日の会見で、家族や同居人以外に「自分のバブル内」も含まれると説明し、新型コロナ感染防止のために安全に接触できる人は誰かを自身で決めるよう促した。ただ接触は最小限に止めるよう要請した。

対象期間

11月7日午後10時から11月23日正午まで

規制強化内容

社交的な活動について

  • 同居人やバブル内以外の人とは集まらない
  • 規模の大小にかかわらず集まらない
  • 友人や家族を自宅に招かない
  • 結婚式や葬儀への参列は家族(直接のHousehold)のみ
  • 結婚式や葬儀の後のレセプションの禁止

屋内でのグループフィジカル活動について

  • ヨガ、グループフィットネス、ダンスクラスなど屋内での集団的なフィジカル活動の停止
  • マーシャルアート、バスケットボールなどフィジカルディスタンス(2メートルの距離)が保てない屋内での活動の停止

職場での安全対策について

  • すべての職場で、事業再開安全計画にある新型コロナ症状チェックリストを使用して、すべての労働者に対して毎日積極的なスクリーニングを行う
  • フィジカルディスタンス、マスク着用など必要な措置を取る
  • 休憩室やキッチンなど狭い場所では特に注意する

その他

  • パーティーバスとグループリムジンは直ちに運行停止とする
  • ローワーメインランドとフレーザーバレーへの出入りは、必要不可欠な場合のみにする

対象地域

フレーザーヘルス区域、バンクーバー・コスタル区域

  • Abbotsford
  • Agassiz
  • Burnaby
  • Chilliwack
  • Coquitlam
  • Delta
  • Howe Sound
  • Langley
  • Lions Bay
  • Maple Ridge
  • Mission
  • New Westminster
  • North Vancouver
  • Pemberton
  • Pitt Meadows
  • Port Coquitlam
  • Port Moody
  • Powell River
  • Richmond
  • Sunshine Coast Regional District
  • Surrey
  • Squamish
  • Vancouver
  • West Vancouver
  • Whistler
  • White Rock

フレーザーヘルス、バンクーバー・コスタルヘルス区域内の対象外地域

  • Central Coast Regional District
  • Bella Coola Valley
  • Hope

BC州政府新公衆衛生命令サイト: https://www2.gov.bc.ca/gov/content/safety/emergency-preparedness-response-recovery/covid-19-provincial-support/lower-mainland

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選挙最終集計終了、第2次BCNDP政権本格始動へ

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州新民主党(NDP)政権が動き出した。この日記者会見したジョン・ホーガン州首相は、約50パーセントの州民がNDPを支持してくれたことに「身が引き締まる思い」と語り、これから本格的に動き出すと語った。

 8日にBC州選挙管理委員会が最終結果を報告。NDPが予測通り圧勝したことが確定した。

 ホーガン州首相によると、約2週間で組閣を終える予定という。その後、クリスマスまでには議会を再開したいと語った。

 ただ新型コロナ禍で約1カ月の間に議会を再開できるかは不透明と約束はしなかった。

 選挙で公約した、対象となる州民への1,000ドルの現金給付支援についても、議会での決定事項となるため、クリスマス前に実施できるか約束できないと語った。

新型コロナ急増に懸念

 会見では、新型コロナウイルス感染が拡大する中、ホーガン州首相は州民にBC衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士の公衆衛生命令を順守するよう要請。「これまでも州民が協力して新型コロナ感染拡大を抑えてきたし、今回もできるはず」と訴えた。

 2週間で感染者数が減少しなければ、さらなる規制も視野に入れているという。現在は経済活動第3段階だが、第1段階へ逆戻りもあるのかという記者からの質問には明言こそ避けたものの、科学的な根拠に基づいて決定すると語った。

 先週、BC州では2日間連続で新型コロナ感染者が500人を超えるなど急増している。特にメトロバンクーバーで感染が激増し、7日にはヘンリー博士が地域と期間限定の追加公衆衛生命令を発表した。

 バンクーバー・コスタルヘルス区域、フレーザーヘルス区域での、社交的活動、グループフィジカル活動、職場での活動で、規制強化されたほか、両区域への不要な出入りも避けるよう要請した。

選挙結果はNDPが圧勝

 BC選管委が発表した最終選挙結果は、NDP57、自由党28、グリーン2議席。

 10月24日の投開票が終了した時点では、自由党27、グリーン3となっていたが、接戦となったウエストバンクーバー-シートゥスカイ選挙区で自由党が逆転した。ただし得票差が41票と僅差のため、再集計となっている。

 もし確定すればグリーン党は前回選挙より1議席減らすことになる。大敗した自由党はすでにアンドリュー・ウィルキンソン党首が辞任を発表している。

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カナダを舞台にした子育てコミックエッセイ2冊がカナダで購入可能に

comic essay by Mako Ogura; Photo by ©︎ Mako Ogura
小倉マコさんのコミックエッセイ2冊。Photo by ©︎ Mako Ogura

 バンクーバー新報でも楽しいコラムが人気の、カナダ在住ライター小倉マコさん原作コミックエッセイ2冊、「姑は外国人」原作 小倉マコ/イラスト なとみみわ(角川書店)、「日本びいきのハーフっ子と里帰り」原作 小倉マコ/イラスト アベナオミ(イーストプレス)が、カナダでも購入可能となった。

 コミックエッセイのテーマはどちらも子育て。世界共通のこのテーマも、嫁姑関係やカナダで生まれ育った子どもの世界観などは、国が違えば日本とは一味違ったユニークな体験が盛りだくさん。クスッと笑えるエピソード満載だ。

 小倉マコさんコミックエッセイデビュー作「姑は外国人」はここバンクーバーが舞台 。バンクーバーを知ってる読者には、馴染みあるグラウスマウンテンや日本語学校などが登場したり、本のカバーイメージとはちょっと違う(?!)笑える嫁姑関係に思わず納得したり、「ある、ある感」いっぱいで読み進んでいけることまちがいなし。

 2作目の「日本びいきのハーフっ子と里帰り」では、ハーフの子どもたちを連れて兵庫県に里帰りした時の、子どもたちのカルチャーギャップがなんとも微笑ましい。「我が子も小さい時はこんなだったなぁ」と子育て時代を懐かしく感じる先輩ママさんの声も多いとか。

 「特にカナダで子育て中の人たちに、ぜひ、息抜きに手にとってもらいたいです」と小倉さん。

 肩肘張らずに等身大で子育てしている小倉さんからのメッセージが込められたコミックエッセイとなっている。

 カナダでの購入は、日本語書籍を週1便で日本から空輸しているカナダのBlue Tree Booksで購入できるほか、電子ブックはBook WalkerBookLive!などのオンライン書店で購入可能となっている。

小倉マコさん原作コミックブック

  • 「姑は外国人」原作 小倉マコ/イラスト なとみみわ(角川書店)
  • 「日本びいきのハーフっ子と里帰り」原作 小倉マコ/イラスト アベナオミ (イーストプレス)

(バンクーバー新報編集部)

ヌナブト準州で初の新型コロナ感染者、全国では3,600人

Canada COVID-19 November 6, 2020 by Government of Canada
2020年11月6日カナダの新型コロナ感染状況。From Government of Canada website

 これまで1人の感染者もいなかったヌナブト準州でこの日初の新型コロナウイルス感染者が確認された。これでカナダ全州で感染者が確認されたことになる。

 この日確認されたのは1人。ヌナブト準州公衆衛生局長は、ハドソンベイ・コミュニティで確認されたとして、約850人の小さなコミュニティで感染者が出たため、コミュニティへの出入りを制限、接触者の確認を急いでいると発表した。

 同準州はこれまでも感染者が確認されたと2回発表したが、4月30日の感染者は誤陽性で、9月の感染者は準州在住者ではないとして、除外されている。

全国で3,600人、9州1準州で感染者

 全国的に感染者が急増しているカナダで、この日も3,670人の感染が確認された。

 最多はケベック州で1,133人、次いでオンタリオ1,003人。アルバータ州はこの日は609人だったが前日は802人でこれまでの最多に、ブリティッシュ・コロンビア州はこの日589人で2日連続で最多を更新した。

 この日感染者が確認されなかったのは、ニューファンドランド&ラブラドール州、ユーコン準州、ノースウエスト準州の1州2準州のみ。

 カナダでの感染者数累計は255,809人となり、死亡した人は10,436人。現在感染している人は34,136人、これまでの新型コロナ検査数累計は9,826,986となった。

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バンクーバー市2030年五輪招致、議論継続へ

2010年2月に開催されたバンクーバー五輪の聖火。©The Vancouver Shinpo
2010年2月に開催されたバンクーバー五輪の聖火。©The Vancouver Shinpo

 冬季五輪を再びバンクーバーへ、という動きがあるブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市。4日には市議会で議論を継続することが決まった。

 2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致については、メリサ・デジェノバ市議が今年4月に動議を提出。新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期された議会での議論が4日に行われた。

 市議会はこの日、7対4で招致に向けた議論を来年に継続することを可決した。

 市によると、これから市の職員が招致に必要な情報などを準備して数カ月以内に市議会に提出するという。議論はそれからで、2021年3月までには報告される予定としている。

 動議を提出したデジェノバ市議は、今回の議会の決定を歓迎。市民からも意見が出ることを期待していると語っている。

 2030年冬季五輪招致については、今年2月の2010年バンクーバー五輪開催10周年の記念イベントで、元バンクーバーオリンピック・パラリンピック実行委員会CEOジョン・ファーロング氏が市に招致を促していた。

 ただ五輪開催は多額の費用がかかることから税金の無駄遣いと反対する声も根強い。それだけの税金を費やすのであれば、ほかに使い道があるはずと訴えている。今回も市議の4人は反対に回った。

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