カナダ国内で南アジア系への恐喝事件増加、警察が大規模捜査へ

 ブリティッシュ・コロンビア州サレー市で、南アジア系住民やビジネスを狙った恐喝が相次いでいることから警察が大規模な捜査に乗り出している。

 サレー市警察の発表によると、同市では過去6カ月間に10件の恐喝が報告された。警察は市内のニュートン地区およびウォーリー・シティセンター地区における恐喝に対応するため、専任チームを設置したほか、複数の商業地区におけるパトロールも強化している。

 南アジア系住民やビジネスを狙った恐喝は、サレーだけでなく、カナダ各地で発生している。手紙や電話、ソーシャルメディアなどを通じて、暴力をちらつかせながら金銭を要求してくるケースが報告されているという。警察はこれらの犯罪について地域を超えた関連性があるとみている。

 こうした状況を受けてサレー市では6月15日に、南アジア系住民らが主催する市民安全フォーラムが開催される。主催者で、同市のラクシュミ・ナラヤン寺院の会長を務めるサティシュ・クマール氏は、CBCニュースの取材に「彼ら(犯人たち)を恐れる必要はありません。彼らは私達を殺すつもりはなく、お金が目的なのです」と語っている。同氏自身もこうした恐喝を受けたうえ、所有するバンケットホールと、関わりのある保険会社の建物に発砲を受けたという。

 警察は「恐喝に応じてしまったり、警察に報告していない被害者が他にもいる可能性があり、非常に懸念している」と述べ、犯人の要求に決して応じないこと、警察に通報すること、目撃者が情報提供を行うことを呼びかけている。

(記事 編集部)

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