ケベック州で殺人罪で終身刑の受刑者がキャンパスに、学生が懸念を表明

 ケベック州モントリオール市のマギル大学で、殺人などで有罪判決を受けた男が同大学で受講していることが分かり、議論を呼んでいる。

 報道によると、男は現在60代のジェフリー・ジョージ・エワート受刑者。1984年、20代の頃にブリティッシュ・コロンビア州で若い女性の首を締めたうえ性的暴行を加え、死亡させた。約1カ月には、15歳の少女に暴行し、現在に至る重い障害を負わせた。

 エワート受刑者は第2級殺人罪および殺人未遂罪で終身刑の判決を受けた。現在も服役中だが、2025年に日中の仮釈放が認められた。今年8月からマギル大学法学部の授業に出席し、学部のイベントにも参加している。ただし10月初旬以降はキャンパスに姿を見せていないという。

 再犯リスクは「中程度から高い」との判定だったが、仮釈放関連文書では施設での厳格な監督と専門家の継続的なサポートがあればリスクは中程度まで下がるとされていた。一方で仮釈放審査委員会は、女性との関わり方について懸念を示していた。

 CBCニュースは学生たちにインタビューし、さまざまな意見を取り上げている。エワート受刑者について大学から何も知らされていなかったことに不安と懸念を示す学生がいる一方で、実際に本人と接して彼の社会復帰の機会に理解を示す学生もいた。

 報道によるとエワート受刑者はメティス系の母親とイギリス系の父親を持つが、乳児の頃に白人家庭に引き取られた。引き取られた先の父親はアルコール依存症、母親は精神疾患があり、12歳まで身体的、精神的暴行を受けていたという。

 CBCニュースのインタビューで、エワート受刑者の弁護人ノラ・デムナティ氏はエワート受刑者が犯罪当時の自分を克服しようと努力していること、当時の本人とは違う人間になっていることなどを説明し、社会復帰への機会を与える重要性を語っている。

 マギル大学は、学生の間で懸念が広がったことを受け、対応手順を見直している。CTVニュースの報道によると、マギル大学の学務担当副学長アンジェラ・キャンベル氏は学生に向けたメッセージで、大学は安全対策を重視しており、全ての学生には安全な環境で学ぶ権利があると述べている。一方で、大学は人間の尊厳と再出発の機会も大切にしていると説明している。

(記事 高城玲)

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