カナダ保健省が５歳から11歳の子どもに対するファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンの接種を承認したことを受け、ブリティッシュ・コロンビア（BC）州も対象となっている州内36万人の子どもたちへの接種の準備を進めている。
州政府が23日に発表した詳細について紹介する。５歳から11歳までのワクチン接種で他の年齢層と大きく異なるのは、保護者による接種の同意が必要となっている点。
ワクチン接種の年齢
大人のコロナウイルスワクチン接種計画では、その年に何歳になるかでスケジュールが決まっていた。例えば、今年3月20日から79歳の接種予約を取ることができたが、3月20日に既に79歳でなくても、1942年生まれなら予約できた。
しかし、5歳から11歳については、子どもの誕生日が2016年12月31日なら接種予約は、2021年12月31日になって5歳の誕生日を迎えるまで待つ必要がある。
また、子どもが11歳で低用量ワクチンではなく、12歳以上と同じ用量のワクチン接種を希望するなら、12歳の誕生日まで待つ。低用量にするかどうかは、保護者らで決める。
接種への同意
5歳から11歳児への新型コロナウイルスワクチン接種には、親、法廷後見人、里親、祖父母や親せきなど監護権のある保護者の同意が必要となっている。
接種に同意をすることができる人
・家族法で後見人(guardian)となっていて
かつ
・医療上の治療への同意に関して、保護者の責任（parental responsibility）を持つ人。
離婚、別居などをしていて、同意をすることができるのか分からないという場合は弁護士などに相談、確認する。
接種時に親の同意が必要なので、親は接種に同行するか、同意書を用意する。
子どもを持つ親は子どものワクチン接種に同行するために休暇を取ることができる。ワクチン接種同行のために休暇を取ることを希望する従業員を、雇用主は解雇することはできない。
同意書の記載内容
・親もしくは法定後見人の氏名
・子どもの氏名
・子どもの生年月日
・同行する人の氏名
・他の大人に同行を依頼する親、もしくは法定後見人の署名
・署名を行った日付
・親や法定後見人の連絡先
子どもへのワクチンはファイザー社製の低用量
現在、対象年齢への接種をカナダ保健省が承認しているのは、ファイザー社製のmRNAワクチンで、5歳から11歳には10マイクログラムを2回接種する。12歳以上の投与量が30マイクログラムなので3分の1にあたる。
低用量でもほぼ同等の免疫が得られるが、2022年に12歳となる子どもは、誕生日まで待つことも可能。
1回目接種の予約のための登録
これまでのワクチン接種同様にオンラインか電話、もしくはサービスBCのオフィスで登録する。
登録方法で最も簡単なものはオンラインで、予約に必要な情報は
- ワクチン接種を受ける人、すなわち子どもの氏名
- 子どもの生年月日
- 子どもの主な住居（primary residence）の郵便番号
- 子どもの健康保険番号Personal Health Number (PHN)
- 定期的に確認しているemailアドレス、もしくはテキストを受け取る電話番号
登録後、接種の予約の招待が届いたらオンラインか電話で予約する。また、子どもが二人以上いる場合は、それぞれの子どもの予約を取る。
ワクチンクリニックは
- 5歳から11歳対象（5 to 11 family clinic）
- 12歳以上対象（12+ clinic）
- 5歳以上ならだれでも利用できる（All-ages clinic）
の3種類となっている。
ワクチン接種前に準備すること
接種のアポイント前に
- ワクチン接種について話をする。
- 接種を受ける子どものIDと予約のコンファメーションを持参。
- 子ども、付き添い者ともにマスク着用。子どもは半袖の洋服を着ておく。
- 接種前に絶食の必要はなし。水分を取っておくことを勧める。
ワクチン接種
接種を受ける際、パズルをさせたり、動画を見せる、話しかけるなどして、子どもの気をそらせる。接種後15分間、会場で待機する。
ワクチン接種後
接種部位の痛み、赤くなったり、腫れることがよくある。
そのほか、接種から1－2日後に一部で現れる副反応として脇のリンパの腫れ、頭痛、熱や悪寒 筋肉や関節の痛みがある。
2回目の接種
新型コロナウイルスへのワクチンの効果を高めるためには、2回接種を受ける必要がある。2回目のワクチン接種と1回目接種の間隔は8週間以上空ける。接種時期が近付くと予約招待のe-mailやテキスト、電話が届く。
参照資料
https://www2.gov.bc.ca/gov/content/covid-19/vaccine/children
（取材 西川桂子）
