抜け道が多いとの指摘も、カナダの空港PCRとホテル2000ドルの水際対策

 ジャスティン・トルドー首相が1月29日に発表した、空港でのPCR検査と検査結果が出るまでの指定ホテル隔離義務化について、隔離費用が最低でも2000ドルということもあり、水際強化策は厳しいようにも思えるが実は抜け道が多いとの指摘がある。

 まず今回の強化策は陸路入国には導入されない。陸路での入国は、72時間前検査の陰性証明提出すら導入されていない。近いうちに導入するとビル・ブレア公安大臣は発表しているが、明確に導入時期は示していない。

 またトルドー首相は、この時期に温暖な渡航先として人気が高いメキシコや中米への路線をカナダの航空会社に運航停止するよう要請し、エアカナダなどがこれに応じて4月30日まで一時停止すると発表した。

 しかし、同じく人気のアメリカ・フロリダなどへの路線は運航されている。またカナダ以外の航空会社でメキシコなどに渡航できる。

 アメリカの航空会社は、カナダ路線を運航停止する予定はないとし、カナダの旅行者に利用を呼び掛けている。

 さらに、飛行機を利用して出国しても入国時にアメリカから陸路で入ると、空港での規制強化策は導入されていないため、そのような計画をしているとメディアに話す渡航者もいる。

 バンクーバーサン紙はトルドー首相が規制強化策を発表した週末に、ハワイへ向け100人以上が出発したと伝えた

 アルガブラ運輸大臣は1月31日のインタビューで、空港での規制強化策は早ければ2月4日にも導入と語っているが、カナダ政府はいまだ正式に導入時期を発表していない。

 結局のところ、余裕のある富裕層だけが2000ドルを払うにしろ、滞在を延長するにしろ、バケーションを楽しめるということになる。さらに、トルドー首相が説明するように、海外からの感染はカナダ全体では2パーセントにすぎず、残り98パーセントは国内で起きている。

 海外旅行をあきらめた国民が、スプリングブレイクに国内旅行をしないという保証はない。現在のところ、ケベック州も、ブリティッシュ・コロンビア州も、州境を超えた入州者に対して14日間の隔離を実施しないと発表している。

 変異株拡大防止についても、イギリスやアメリカへの路線は運航しているままだ。

 カナダの4空港で対策強化するだけでは、感染者の拡大を食い止められるということにはならず、結局は政治的なパフォーマンスとの見方が強い。クリスマス時期に1泊以上の移動を国内外でしたのは、若者と富裕層の白人との調査結果をグローバル&メールが発表している。

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