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電動自転車で走行中の男性、BC州でグリズリーベアに襲われ重傷

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州南東部クレストン近郊で7月26日、グリズリーベアが男性を襲った。

 BC州自然保護官サービス(BCCOS)によると事件が起きたのは午後4時30分ごろ。被害者と妻がクートニー川沿いを電動自転車で走行していた時、妻が夫の悲鳴を聞き振り返ったところグリズリーベアが妻に向かって突進してきたという。妻はクマ撃退スプレーでグリズリーを追い払い、夫が別のクマに襲われているのを見つけて再びスプレーで撃退した。警察は当初、男性の容体について命に関わるけがと発表していたが、男性は病院に搬送され手術を受けた後、回復に向かっているという。

 警察の声明によると襲撃はクレストン・バレー野生動物保護区域内で起きた。2頭のクマは2~3歳と見られ、ここ数年この地域に生息していたことが確認されている。BCCOSベン・ビートルストン警部補はCBCニュースの取材に「2人はクマとの遭遇に備えて、しっかり準備をしていた」と述べ、妻がクマに勇敢に立ち向かいすぐに911に通報したことを評価した。

 今回の件について複数の専門家が「電動自転車の音が非常に静かで、十分な音を立てなかった」ことが原因の一つではないかとの見解を示している。

 事件後、自然保護官が現場を捜索したがクマを発見することはできなかった。7月28日にBCCOSは、夫婦への聞き取り、現場調査、専門家との協議の結果、「この襲撃はクマにとって防御的なものであり、クマが夫婦を追跡したり獲物として捕らえようとした証拠はないとの結論に至った」と発表、クマの捕獲や殺処分は行わないことを明らかにした。

(記事 高城玲)

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Honda Celebration of Light 2025 カナダ競演で華やかに、優勝はノバスコシア

Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito

 Honda Celebration of Light 2025は、カナダ国内の花火師による競演となった。初日の7月19日にユーコン準州、23日の2番手はケベック州、最後を飾ったのは26日のノバスコシア州。28日には今年の優勝チームはノバスコシア州と発表された。

 会場となったバンクーバー市ダウンタウンのイングリッシュベイには、多くの人が詰めかけ、カナダ競演を楽しんだ。発表によると約120万人が集まったという。

 一部報道では、来年はブリティッシュ・コロンビア州政府の支援が見込めないため開催は未定とのこと。来年もまたバンクーバーの夏空に華やかな花火の競演が見られることを期待したい。

日が暮れる淡い紺碧の空を背景に上がるHonda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
日が暮れる淡い紺碧の空を背景に上がるHonda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ユーコン準州の花火。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、BC Honda Dealersによるドローンショー。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、BC Honda Dealersによるドローンショー。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、BC Honda Dealersによるドローンショー。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、BC Honda Dealersによるドローンショー。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、BC Honda Dealersによるドローンショー。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、BC Honda Dealersによるドローンショー。2025年7月19日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ケベック州の花火。2025年7月23日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ケベック州の花火。2025年7月23日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ケベック州の花火。2025年7月23日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
Honda Celebration of Light 2025、ケベック州の花火。2025年7月23日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito

注)7月29日に一部情報を更新しました。

(記事 編集部)

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カナダ食品検査庁がサラミのリコールにBC州とサスカチュワン州を追加

リコール対象製品の一部。カナダ食品検査庁(CFIA)ウェブサイトより。
リコール対象製品の一部。カナダ食品検査庁(CFIA)ウェブサイトより。

 カナダ食品検査庁(CFIA)は7月18日、カナダ国内で販売されているサラミとカチャトーラ製品の追加リコールを発表した。

 CFIAは複数のブランドでサラミとカチャトーラ製品がサルモネラ菌に汚染されている可能性があるとしてリコール対象とする発表した。当初は、アルバータ州、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州で販売されている製品を対象としていたが、新たに、ブリティッシュ・コロンビア州とサスカチュワン州を追加した。

 リコールとなったのは、Bona、 Rea、Cosmo’s Smoked Meats、Imperial Meatsなどのブランドで67種類。スーパーで販売されているほか、レストランやカフェなどでも使用されている。

 サルモネラ菌に汚染された食品を食べた場合、発熱、頭痛、嘔吐、吐き気、腹痛、下痢などの症状が出るほか、重度の関節炎などの合併症を引き起こす可能性もあるという。特に子ども、妊婦、高齢者、免疫力の低下した人は、命に関わる感染症にかかる可能性があると注意を促している。

 サルモネラ菌に汚染された食品は、見た目やにおいで腐っているとは分からないことがあるため、対象となっている製品を購入している場合は、食したり提供したりせずに、廃棄するか、購入店に返品するようCFIAが呼び掛けている。

 リコール対象商品はCFIAサイトから確認できる。https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/various-brands-salami-and-cacciatore-recalled-due-salmonella

リコール対象製品の一部。カナダ食品検査庁(CFIA)ウェブサイトより。
リコール対象製品の一部。カナダ食品検査庁(CFIA)ウェブサイトより。

(記事 北野大地)

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BC州北部鉱山で閉じ込められた作業員3人が無事救出される

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州北部の鉱山で、7月22日に地盤崩落事故が発生し、作業員3人が閉じ込められた事件で、ニューモント社が3人が無事に救出されたと25日に発表した。事件発生から約60時間後の救出となった。

 事故は23日に全国州首相会議に出席中のデイビッド・イービーBC州首相が公表した。イービー州首相は「私たちの把握している限り、3人は無傷で避難用のエリアにいる」と述べた。

 事故が起きたのはフォート・ネルソンから西へ約420キロにあるレッドクリス鉱山。閉じ込められた作業員3人の身元は公表されていない。2人はBC州出身、1人はオンタリオ州出身と公表されていたが、BC出身とされていたうちの1人はアルバータ州出身だったという。

 鉱山を運営するニューモント社の声明によると、崩落は2度起きており、最初の事故発生時に閉じ込められた3人は崩落発生区域から500メートル以上離れた場所で作業をしていたという。3人は避難場所に無事に移動したことは確認されたが、その後、2度目の崩落で連絡手段が制限された。ただ、避難所には長時間の滞在に対応できる充分な食料、水、換気設備が整っていると説明していた。

(記事 高城玲)

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トランプ大統領「カナダとは合意していない」

オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ
オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ

 カナダを含む各国と貿易交渉を進めているアメリカのドナルド・トランプ大統領は7月25日、記者団に対し「カナダとは合意していない」と発言した。

 7月10日にはマーク・カーニー首相あてに書簡を送り、8月1日よりカナダからの輸入品に対して35%の関税を課すとした。さらに、カナダが報復措置を取った場合には関税をさらに引き上げる可能性もあると示した。ただし関税の対象となるのは両国間の自由貿易協定に含まれていない製品に限られる。

 トランプ大統領は、交渉期限の8月1日にはほとんどの国と合意が成立しているという見通しを述べ、欧州連合や中国、オーストラリアとは交渉が進んでいることを示した上で、「カナダとは、あまりうまくいっていない。カナダは関税を払うだけになるかもしれない」と話した。交渉を阻害している具体的な要因については述べなかった。

 カナダはすでに、アメリカによる鉄鋼、アルミニウム、自動車への関税の影響を受けている。また8月1日からは銅への関税も導入される見通しとなっている。

 前日24日には、ドミニク・ルブラン米国貿易担当大臣がアメリカのハワード・ラトニック商務長官や超党派の上院議員らとの会談後に「好感触を得た」と述べていた。ルブラン大臣はアメリカとの非公開交渉は「複雑」であり、8月1日までに合意に至らない可能性も示唆した。またカーニー首相は22日に「署名に値する合意でなければ受け入れない」と発言している。

(記事 高城玲)

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元世界ジュニアホッケーカナダ代表選手の集団性的暴行容疑、5人全員が無罪に

 オンタリオ州ロンドン市の裁判所で開かれた裁判で、集団性的暴行の疑いで起訴されていた2018年世界ジュニアホッケーカナダ代表チームの元選手5人全員に無罪判決が言い渡された。無罪となったのは、マイケル・マクラウドさん、アレックス・フォーメントンさん、カーター・ハートさん、ディロン・デュビさん、カラン・フートさん。

 報道によると、5人は2018年6月、オンタリオ州ロンドン市で開催された世界選手権での優勝を祝うイベントに参加、その際当時20歳の女性に対して集団で性的暴行を行った疑いがかけられていた。原告女性のE.M.によると、バーで出会ったマクラウド元選手と合意の上で性行為を行ったが、その後、マクラウド元選手に呼ばれた複数の男性が部屋に入ってきて、彼女の同意なしに性行為が行われたという。

 E.M.は「酔っていて、正しい判断ができる状態ではなかった」と証言。一方、被告側は「彼女はそこまで酔っておらず、自ら望んで性的関係を求めていた」と主張した。E.M.が「全て合意の上でのこと」と語る様子が映し出された動画も争点となった。

 判決を下したマリア・カロッチア判事は、E.M.の証言は信頼性にも信用性にも欠けるとの判断、E.M.の証言に頼ることができない以上、また、その他の証拠を総合的に考慮した結果、検察は有罪を立証できなかったとの結論に至ったと各社が報じている。

(記事 高城玲)

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パウエル祭2025、8月2日、3日に開催

パウエル祭の人気者ダルマと一緒に。「ダルマと一緒に写真を撮ろう!」のイベントも開催されていた。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
パウエル祭の人気者ダルマと一緒に。「ダルマと一緒に写真を撮ろう!」のイベントも開催されていた。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
1日目の目玉イベント、バンクーバー神輿楽一による神輿。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
1日目の目玉イベント、バンクーバー神輿楽一による神輿。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 今年も暑い夏に日系カナダ人コミュニティ最大のイベント「パウエル祭」がやってくる。開催は8月2日、3日。会場はオッペンハイマー公園とその周辺。内容も例年通り盛りだくさん。

 いつも大人気の楽一による神輿は2日、相撲大会は3日、その他、和太鼓演奏、コーラス、ダンス、日本舞踊、武道、華道、茶道などの日本の伝統文化に触れられるイベントも多い。

パウエル祭が最も盛り上がるイベントの一つ、相撲大会。主催はバンクーバー相撲トレーニング。上級者が登録するA組の白熱した取組に観衆も大声援を送る。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
パウエル祭が最も盛り上がるイベントの一つ、相撲大会。主催はバンクーバー相撲トレーニング。上級者が登録するA組の白熱した取組に観衆も大声援を送る。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

 子どもが楽しめるアトラクションもてんこ盛り。子どもテントが用意されているほか、好きなだけ騒げるという「気合コンテスト」、夏の風物詩「スイカ割り」、運動会さながらの「綱引き」、朝日選手になった気分で「朝日ピッチゲーム」、静かに室内で「子ども向け折り紙」など、2日間では回り切れないほどたくさん用意されている。

 その他にも注目は、現在開催中のイーストサイド・アート・フェスティバルとのコラボ「ビッグ・プリント」。日系と先住民族のアーティストが巨大版画を完成させる。両日にアレキサンダー通りとジャクソン通り交差点の東側で行っている。https://powellstreetfestival.com/programs/bigprint/

 ファイアーホール劇場では日本の映画「銀河鉄道の父」を2日に上映。https://powellstreetfestival.com/programs/father-of-the-milkywayrailroad/

 賑やかなイベントとは少し雰囲気が変わって、今年原爆投下80年という節目の年に「原爆の歌」の朗読に耳を傾けてみるのもいいかもしれない。https://powellstreetfestival.com/programs/genbaku-no-uta-poetry-after-the-atomic-bomb/

「日系カナダ人ヘイスティングス・パーク拘留者記念館および展示センター」の紹介。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today
「日系カナダ人ヘイスティングス・パーク拘留者記念館および展示センター」の紹介。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today

 また、パウエル祭は日系カナダ人強制収容の歴史を知るにもいい機会となる。今年は1942年に日系人が集められたヘイスティングス・パークで「日系カナダ人ヘイスティングス・パーク拘留者記念館および展示センター」のオープンハウスが8月3日に予定されている。まだ完成前のセンターを一部見ることができる。https://powellstreetfestival.com/programs/japanese-canadian-hastings-park-detainee-memorial-and-interpretive-centre-open-house/

 オッペンハイマー公園周辺は戦前には日本人街「パウエル街」として知られ、大きな日系カナダ人コミュニティがあった場所。今年49回目を迎えるパウエル祭は、強制収容を経験した人々とその家族らと当時日本から来た新移民の思いから日系の文化と歴史を再認識するために始まったお祭りともいえる。

 この機会に日系カナダ人の歴史を振り返り、次の50年に向けた思いを馳せてみてはどうだろうか。

日本のフードに舌鼓はいつも通り

毎年大人気、サーモンBBQ。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
毎年大人気、サーモンBBQ。2024年8月3日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 ジャクソンアベニューはコルドバストリートから北を2ブロック通行止めにして、バンクーバー日本語学校および日系人会館の横までずらりとブースが並ぶ。

 日系のクラフトショップやフードを紹介するブースや、もちろんたこ焼きやかき氷など日本の祭りに欠かせないフードも楽しめる。

 日本の文化満載のパウエル祭、日系カナダ人コミュニティの歴史と文化に触れる2日間がもうすぐやってくる。

Powell Street Festival

日時:2025年8月2日、3日、午前11時30分~午後7時まで
会場:オッペンハイマー公園とその周辺(詳細は地図を参照)
入場料:全イベント無料
ホームページ:https://powellstreetfestival.com/all-festival-events/

暑い夏にはやっぱりかき氷。ブースの前には行列が。2022年7月30日ジャクソン通り。Photo by Japan Canada Today
暑い夏にはやっぱりかき氷。ブースの前には行列が。2022年7月30日ジャクソン通り。Photo by Japan Canada Today
アレキサンダー通りに並ぶクラフト販売などの出店。右側はバンクーバー日本語学校。2024年8月4日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today
アレキサンダー通りに並ぶクラフト販売などの出店。右側はバンクーバー日本語学校。2024年8月4日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today
パウエル祭2025、オッペンハイマー公園とその周辺のイベント関連マップ。By The Powelll Street Festival Society
パウエル祭2025、オッペンハイマー公園とその周辺のイベント関連マップ。By The Powelll Street Festival Society

(記事 編集部)

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BC州北部鉱山で作業員3人が閉じ込められる

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州北部の鉱山で、7月22日に地盤崩落事故が発生し、作業員3人が閉じ込められた。23日に全国州首相会議に出席中のデイビッド・イービーBC州首相が公表した。イービー州首相は「私たちの把握している限り、3人は無傷で避難用のエリアにいる」と述べた。

 事故が起きたのはフォート・ネルソンから西へ約420キロにあるレッドクリス鉱山。閉じ込められた作業員3人の身元は公表されていないが、2人はBC州出身、1人はオンタリオ州出身だという。

 鉱山を運営するニューモント社の声明によると、崩落は2度起きており、最初の事故発生時に閉じ込められた3人は崩落発生区域から500メートル以上離れた場所で作業をしていたという。3人は避難場所に無事に移動したことは確認されたが、その後、2度目の崩落で連絡手段が制限されている。ただ、避難所には長時間の滞在に対応できる充分な食料、水、換気設備が整っていると説明している。

 イービー州首相は「世界トップレベルの鉱山救助チーム」と協力しているとし、「BC州の鉱山労働者は世界最高水準であり、救助チームも卓越している。作業員を家族のもとに無事に帰すために全力で対応にあたるだろう」と述べた。

(記事 高城玲)

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猛暑に備える、BC州での注意ポイント

暑さ対策に設置されたMisting Station。消火栓から水を引いたシャワーが辺りを涼やかに。2022年7月26日リッチモンド市。Photo by Japan Canada Today
暑さ対策に設置されたMisting Station。消火栓から水を引いたシャワーが辺りを涼やかに。2022年7月26日リッチモンド市。Photo by Japan Canada Today
暑さ対策に設置されたMisting Station。消火栓から水を引いたシャワーが辺りを涼やかに。2022年7月26日リッチモンド市。Photo by The Vancouver Shinpo
暑さ対策に設置されたMisting Station。消火栓から水を引いたシャワーが辺りを涼やかに。2022年7月26日リッチモンド市。Photo by The Vancouver Shinpo

 メトロバンクーバーをはじめとするブリティッシュ・コロンビア(BC)州にも、真夏の暑さがやってきた。

 猛暑が続いたとき、高温警報が発令された場合に、どのような行動をとればいいか、どのような点に気を付ければいいのか、BC政府の資料を基にまとめた。

猛暑について

 BC州での猛暑とは、日中や夜間の気温が高くなり、例年の標準を大幅に超えた状態。

 猛暑になると、熱中症などの体調不良や死亡の原因となるため、自分自身や家族、身近な人を守るための対策が必要となる。

 BC検視局の発表によると2021年は、6月25日から7月1日にかけてBC州を襲ったヒートドーム(極暑)が原因で595人が命を落とした。それらの死因のほとんどは、個人宅の室内温度が高すぎたことに起因している。

 BC州では暑さの程度により2段階で警報を発令している。第1段階は、非常に暑く公衆衛生に中程度のリスクがある場合の「高温警報」、第2段階は、危険なほど暑く公衆衛生に非常に高いリスクがある場合の「極暑緊急事態」。

 BC州政府による定義は以下通り。

「高温警報(Heat Warning)」

 日中や夜間の気温が通常より高く、猛暑が続き、熱中症や熱性疲労を起こす危険性が高くなったときに発令。高温警報が出ているときは、涼しく過ごすための行動が必要。

「極暑緊急事態(Extreme Heat Emergency)」

 日中や夜間の気温が例年の標準を大幅に超え、さらに上昇を続ける場合に発令。暑さに対する緊急時対応策を取るよう注意喚起される。

高温警報が出されたり、いつもより暑いと感じたら?

1.「涼」を確保する

  • 冷たい水で濡らしたタオルなどで体を拭く
  • 水分補給する、水を飲む(甘い飲料やアルコール飲料は脱水を引き起こすので注意)
  • エアコンがある場合はエアコンをつける
  • 涼しい場所に移動する。家の中の一番涼しい部屋や、エアコンがある家族・友人宅、もしくは、地域のクーリングセンターなどを利用する

2. クーリングセンターについて

 地域にある冷房設備を完備している公共施設がクーリングセンターに指定されている。

  • 図書館
  • コミュニティセンター
  • ショッピングモール
  • 映画館宗教施設

 詳しい住所は各地域の市役所ホームページに掲載されているので確認する。

3. 屋外で気を付けること

  • 屋外での活動をなるべく減らす
  • 買い物などの用事がある場合は、早い時間帯か遅い時間帯の涼しい時間を利用する
  • 涼しく風の通る日陰に入ったり、つばの広い帽子や肌を守る服を着たりして、直射日光をなるべく避ける
  • ミストステーションでクールダウンする

暑さの影響を受けやすい人、熱中症になるリスクが高い人

 自宅や住居施設にエアコンなどの冷房設備がない場合、猛暑の影響を受けやすい人は特に注意が必要。

  • 65歳以上のシニア
  • ひとり暮らしの人
  • 妊婦、乳幼児や子ども
  • 糖尿病、心臓病、呼吸器疾患などの慢性疾患がある人
  • 統合失調症、うつ病、不安神経症などの精神疾患がある人
  • 薬物使用における障がいがある人
  • 運動障がいや認知障がいなど、身体的または精神的な障がいを持つ人
  • 激しい運動をする人、暑い環境で仕事をしている人

 また、熱中症を引き起こすリスクが高くなる行為として、暑い天候の中で十分な水分補給をしない、アルコールや薬物の過剰摂取などがある。

熱中症の症状と対策は?

 暑さが原因の症状には、熱中症(Heat Exhaustion)と熱性疲労/重度の熱中症(Heat Stroke)がある。

熱中症(Heat Exhaustion)の症状

  • 皮膚の発疹
  • 多量の発汗
  • 吐き気や嘔吐
  • 呼吸と心拍が速くなる
  • 頭痛
  • 集中力の欠如
  • 筋肉のけいれん
  • 極端な喉の渇き
  • 濃い尿と排尿の減少
  • めまいや失神
  • むくみ(特に手足)
  • 倦怠感や脱力感

対処法

  • 涼しい場所へ移動する
  • 冷たいシャワーを浴びたり、冷たい水で体の一部を冷やす
  • 水で濡らしたシャツやタオルを身に着ける
  • 十分は水分補給をする(アルコール飲料は避ける)
  • 休息する

 専門家と話したいときは、8-1-1に電話すると看護師など専門家と話ができる。またシニアは、2-1-1も利用できる。どちらも日本語の通訳サービスがあり。

熱性疲労/重度の熱中症(Heat Stroke)

  • 発熱
  • めまいや失神
  • 皮膚が非常に熱く、赤くなる
  • 意識が混とんとする
  • 精神敏しょう性の低下
  • 意識不明

対処法

 一緒にいる人、近くの人が、すぐに9-1-1に電話し、救急救命士が到着するまで、顔や首を冷やすなどの手助けが必要。

 また、8-1-1に電話して看護師などと話すこともできる(日本語の通訳サービスあり)。

普段から心がけておくこと

 猛暑の時だけでなく、大雪や洪水など、天候による災害が起きたときに慌てないように普段から何かあったときのために、次のようなことを心がける。

  • あらかじめ何かあったときに連絡を取り合う仲間の連絡先を確保する
  • コミュニティセンターなどの場所を確認しておく
  • ひとり暮らしでいざという時に手助けが必要な場合は、様子を見に来てくれる人にお願いしておく
  • なにかあったときに必要な電話番号を控えておく

知っておくと役立つ連絡先

  • 9-1-1:救急
  • 8-1-1:症状などを看護師などの専門家に相談できる。日本語通訳サービスあり。英語で対応した相手にJapanese Pleaseと言ってリクエストできる。
  • 2-1-1:シニア向け相談窓口(日本語通訳サービスあり)
  • 3-1-1:バンクーバー市緊急リクエスト(通訳サービスあり)

BC州、バンクーバー市などが推奨する部屋の中を涼しくする工夫

 BC州政府や各市・機関が暑さ対策のために、室内をなるべく涼しく保つための方法を紹介している。「暑い時は、住まいを少し工夫するだけで、大きな違いが生まれます。あなたのニーズに合わせて、1つでも2つでも実行すると役立ちます」とのこと。

  • 窓用フィルムなどをつけて日差しを遮る。窓の外側に厚紙を貼るなどしても効果あり(カバーのない窓は家の内部の熱を2〜3度上昇させる)
  • カーテンやブラインドを閉める
  • 外気温が室内温度より低いときは窓やドアを開け、午前10時から午後8時までは窓を閉める。午後8時には開けて涼しくし、扇風機(台所や浴室の換気扇を含む)を使って家の中の涼しい空気を動かす
  • 扇風機で熱気を外に出し、一晩中涼しい空気を家の中に入れる
  • 室内の温度を正確に測るために温度計を用意する(暑さの影響を受けやすい人にとって31度以上は危険。26度以上になったら涼しい場所に移動する)

 暑さが続き、体調不良を感じたら無理せず、医療機関を受診するか、誰かに助けを求めることが大切。

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BC州イービー州首相、雇用や経済を重視した内閣改造を発表

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 ブリティッシュ・コロンビア州デイビッド・イービー州首相は7月17日、内閣改造を発表した。記者会見では「選挙、そして前回の内閣発足以来、世界は大きく変わった」とし、「新たに編成したチームが今の時代の要請に応えてくれると確信している」と述べた。

 州政府の声明によると今回の内閣改造は「雇用や経済、地域社会における州民のニーズに重点を置くための戦略的な改編」と位置づけているという。各大臣の専門性と経験を重視した布陣により、経済成長、投資機会の獲得、公共サービス強化という大きな課題に取り組み、より強いBC州とアメリカへの依存度が低い持続可能な経済を目指すとしている。

新たな内閣の主なポストは以下のとおり

ラヴィ・カーロン:雇用・経済成長大臣
ニナ・クリーガー:公共安全・法務総監大臣
ジェシー・サナー:高等教育・未来スキル大臣
クリスティーン・ボイル:住宅・地方自治大臣
ダイアナ・ギブソン:市民サービス大臣
アン・カン:観光・芸術・文化・スポーツ大臣
スペンサー・チャンドラ=ハーバート:先住民族関係・和解大臣
リック・グルマック:AI・新技術担当国務大臣

また今回、以下の議員が新たに政務次官に任命された。

アムナ・シャー:反人種差別施策・メンタルヘルス・依存症担当
ギャリー・ベッグ:サレー地域インフラ担当
ジョージ・チョウ:ダウンタウン・イーストサイドおよびチャイナタウン担当
ポール・チョイ:貿易担当

 今回の内閣改造は、イービー政権発足からは3回目、前回の選挙からは約9カ月後の改編となる。声明によると、女性の大臣が19人と過半数を占め、重要かつ複雑な役割を担っているという。また、経験あるリーダーと若い世代、新しい顔ぶれ、多様なバックグラウンドをバランスよく配置、州民の多様性と価値観を反映する政権であると強調している。

(記事 高城玲)

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バンクーバー国際空港でハイジャック騒ぎ、容疑者の男を逮捕

バンクーバー国際空港(File photo)。Photo by Japan Canada Today
バンクーバー国際空港(File photo)。Photo by Japan Canada Today

 バンクーバー国際空港でセスナ機が空港を占領する事件が起きた。リッチモンドRCMP(連邦警察)の発表によると、7月15日午後1時10分ごろ、セスナ172型の小型軽飛行機がバンクーバー島付近でハイジャックされ、バンクーバー国際空港付近の空域に入っているとの通報を受けた。

 直ちに、警察とローワーメインランド統合緊急対応チーム、RCMP航空部門などが空港に配備された。午後1時45分に問題のセスナ機が空港に着陸、警察は唯一の搭乗者だった男を逮捕した。事故やけが人などはなかったという。空港の広報担当は、この影響で約40分間、全ての便が地上待機となり、9便が他の空港へ迂回したと報道陣に語った。

 RCMPは16日に声明で、男はハイジャックの疑いで起訴されたと発表。容疑者はシャヒール・カシム(39歳)で、次回の出廷は7月22日に予定されているという。

 カシム容疑者はビクトリア国際空港で飛行教官を脅迫し飛行機をハイジャックした疑いが持たれている。警察は犯行動機を「思想的な動機」としているが詳細は明らかにしていない。

 事件後、複数の報道機関が飛行機はビクトリア・フライングクラブのものと報じた。同クラブのコリン・ウィリアムソン代表は、報道機関への取材にカシム容疑者はクラブの会員ではないと話している。

(記事 高城玲)

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2026年W杯チケットFIFAがパッケージ販売を開始、2,500カナダドルから

シム市長、ハーバートBCスポーツ大臣ら関係者がカウントダウン時計と。2025年6月11日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
シム市長、ハーバートBCスポーツ大臣ら関係者がカウントダウン時計と。2025年6月11日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 FIFAが2026年6月から開催するワールドカップのホスピタリティパッケージの販売を7月14日から開始した。パッケージには、プレミアムチケット、ワールドクラスのフード&ドリンク、最高のサービス、特別なエンターテイメントが含まれているという。

 用意されているのは、シングルマッチパッケージ(試合で選ぶ)、ベニューシリーズ(会場で選ぶ)、フォロー・マイ・チーム・シリーズ(チームで選ぶ)の3種類。

 料金は、カナダドル、一人につき、シングルマッチパッケージで2,500ドルから。ベニューシリーズは15,975ドルから、フォロー・マイ・チーム・シリーズは9,720ドルから。

 購入はFIFAホームページか、カナダ・アメリカ・メキシコの指定されたエージェントで可能。カナダの指定エージェントは、バンクーバー・ホワイトキャップスFCとCFモントリオール。両チームのホームページからの購入はなく直接連絡する必要がある。https://onlocationexp.com/soccer/fifa-world-cup-sales-agents

 さらに15日にはチケットのみの販売開始日を発表。9月10日から段階的に販売するという。購入のための事前登録は同日から受け付けている。

 W杯2026は北米3カ国、カナダ・アメリカ・メキシコの共同開催。2026年6月11日にメキシコシティで開幕し、以降各地で試合が行われる。決勝は7月19日、アメリカ・ニュージャージー州ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアム(メットライフ・スタジアム)。

 カナダでは、オンタリオ州トロント市とブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市で開催。トロント市はトロントスタジアム(BMOフィールド)で6試合、バンクーバー市はバンクーバースタジアム(BCプレース)で7試合が行われる。カナダでは6月12日のトロント、カナダ代表戦で幕を開ける。https://fifaworldcup26.hospitality.fifa.com/ca/en

(記事 三島直美)

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