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「ジョニ・ミッチェル/未来の古典」音楽の楽園〜もう一つのカナダ 第7回

謹賀新年

 令和五年の始まりです。皆様にとって素晴らしい1年に成りますよう祈念しております。

 今年も「音楽の楽園〜もう一つのカナダ」をよろしくお願いします。掲載の媒体が今月から「日加トゥデイ」に代わりますが、今まで同様、カナダが生んだ偉大なる音楽を紹介して参ります。引き続きの皆様に読んで頂ければ、望外の悦びであります。

 という訳で、今年最初の連載は、ジョニ・ミッチェルです。

COP15とジョニ・ミッチェル

 ジョニ・ミッチェルと言えば、映画「いちご白書」の主題歌となった「サークル・ゲーム」、「青春の光と影(Both Sides Now)」、「ウッド・ストック」等のヒット曲で知られるカナダが生んだシンガー・ソングライターの大御所です。しかも、最初期のフォーク的スタイルから音楽のウィングをロック、ジャズ・フュージョン、更にはクラシックへと大きく拡げ、独特の存在感を示しています。ファルセットを主体とする歌声は、永遠に若々しく、同時に年齢不詳でもあります。1943年11月7日生まれで今年は傘寿になります。そんなジョニ・ミッチェルが、2022年7月、ニューポート・フォーク祭にサプライズ出演しました。フル・セットでのライブは20年ぶりで、話題を集めました。

 2022年末にかけて、そして、彼女の名前が意外な形で最近のニュースで流れました。12月15日、モントリオールの国際会議場で開催された生物多様性条約第15回締約国会議、COP15でのことです。COP15ハイ・レベル・セグメント議長のスティーヴン・ギルボー加環境大臣の声明の冒頭です。

 「今から50年ほど前、カナダの優れたアーティスト、ジョニ・ミッチェルが『私たちは楽園を舗装して駐車場をつくった』と歌い、そこに環境保護のメッセージを託していた。私たちはジョニ・ミッチェルの音楽を聴き、一緒に歌ったものだ。しかし、私たちは彼女が込めたメッセージを本当に理解していたのだろうか。私たちは自然を支配するのではなく、自然と調和して生きていかなければならない。そのために残された時間はわずかだ。今こそ、行動を起こす時だ」

 ギルボー大臣と言えば、若い頃から環境保護活動に真剣に取り組み、時には過激な行動も躊躇しない人物として知られる存在でした。極めて重要な国際会議の鍵になる声明でジョニ・ミッチェルに言及し、国際世論に訴えている姿は、ギルボー大臣の面目躍如ですね。

 ここに言及されたジョニ・ミッチェルの歌は、1970年4月リリースの3枚目音盤「レディズ・オブ・キャニオン」収録の『ビッグ・イエロー・タクシー』です。ジョニ自身が刻む生ギターのコード・カッティングが生む躍動感溢れるリズムと彼女が多重録音したコーラスがサウンドの核になって、ジョニ節のメロディーに乗った歌詞は強靭です。ボブ・ディランから五輪真弓までカバーしたのも頷けます。この時26歳。ジャケット・デザインも自ら手掛ける画家でもあります。恋多く、知性に溢れた才媛の音楽的冒険が本格化してゆくのです。

 それにしても、ジョニ・ミッチェルの時代の先を読む眼力はさすがです。

サウンド・クリエイターの誕生

 ジョニ・ミッチェルの最初期の音楽スタイルは、生ギターの弾き語りでした。故に、彼女の音楽はフォーク或いはフォーク・ロックと分類されていました。が、1970年代になると音楽的変貌を遂げ、時代を率いるサウンド・クリエイターに急速に成長します。

 1970年8月、英国はワイト島で開催された野外フェスでの出来事です。60万人の聴衆が詰めかけた、英国版ウッド・ストックとも称されています。ジミ・ヘンドリックスの最後の公演としても有名ですが、マイルス・デイビス、ドアーズ、エマーソン・レイク&パーマーら最先端のアーティストが出演。シンセサイザーをはじめとする電気楽器もが前衛の響きを奏でたのです。そんな中で、ジョニ・ミッチェルは生ギター、生ピアノ、ダルシマの弾き語りです。彼女の自信と誇りの現れでもあり、異彩を放ちました。一方、聴衆はより刺激の強い音楽を求めます。一部の聴衆は、彼女の演奏中に激しくヤジり暴徒化ました。これに対し、「私に敬意を払え」と堂々と諭す26歳のジョニの姿が記録されています。

 翌1971年6月、ワイト島と同じフォーマットで、ジョニ1人だけで、生ギター、ピアノ、ダルシマの弾き語りで録音した音盤「ブルー」を発表します。彼女の最傑作の一つで商業的にも成功しました。1人の音楽家の表現の極地を極めたもので、シンプルは美しいを証明しています。が、ジョニの音楽的冒険は、ここから本格化し、彼女の歌を際立たせると同時に聴取をも刺激する最良の伴奏を探究します。

 そして、君主は豹変します。

 1972年、新作「バラに送る」は一転、ジャズ・フュージョンの奏者、更にはストリングスをも登用し、サウンドの幅を大きく拡げました。彼女の頭の中に流れるフォーク、カントリー、ブルース、ロックンロール、ジャズ、更にはクラシックが混然一体となった音楽が遂に表に出てきたのです。この音盤は、ジェームス・テイラーとの恋の終焉の時期にあたり、彼女の心模様が歌詞に滲んでいます。

 この音盤を境に、時代の最先端のサウンドを大胆に取り入れ、ジャズ・フュージョン系の若手を積極的登用し始めます。エレクトリック・ベースの革命児、ジャコ・パストリアス、現代ジャズの雄パット・メセニーやマイケル・ブレッカーを率いた実況録音盤「シャドウズ・アンド・ライト」は、時代の音を体現。ジョニの歌の本質は不変ですが、伴奏が変わる事で一層モダンに響きます。ジョニ・ミッチェルは新しい段階に到達し、ロックとジャズとクラシックが融合した前人未到の境地へと進んでいきます。

 2007年には、巨匠ハービー・ハンコックがジョニの音楽への敬意を込めカバー音盤「リバー」を発表。彼女の音楽の革新性と普遍性が改めて浮き上がります。

故郷はサスカチュアン

 ジョニ・ミッチェルは、1943年11月7日、アルバータ州フォートマクラウドに誕生します。父はノルウェー系移民の血筋。空軍中尉で、フォートマクラウド空軍基地で新人パイロットの指導にあたっていた軍人でした。第2次世界大戦終戦後に除隊し、サスカチュアン州で商売を始めます。メイドストーン等、州内を転々とし、ジョニが11歳の頃、州最大の都市サスカトゥーンに落ち着きます。そして、サウカトゥーンこそ、ジョニ・ミッチェルが音楽的冒険に踏み出した街です。

 11歳の頃のポリオ罹患で、左手・指に後遺症が残ったのです。音楽に目覚めギターを始めると、コードを押さえる左手・指に不自由があるが故に、独自のチューニングを編み出し、開放弦を多様する唯一無二の生ギター・サウンドを生み出します。『必要は成功の母』であり『塞翁が馬』、或いは『災い転じて福と成す』でしょうか。

 第2に、ジョニが音楽のほぼ全てを学んだと言う一枚の音盤とこの街で出会います。ランバート、ヘンドリックス&ロスの「The Hottest New Group in Jazz」です。この音盤を聴き倒して、歌唱法、ハーモニー、和声と旋律の関係、伴奏のあり方等々を会得したのです。自分にとっての音楽の原典だったと、ジョニ自身が語っています。

 第3に、ジョニが初めてプロとして演奏し報酬を得た街です。1962年10月31日、19歳の誕生日の1週間前、サスカトゥーンのクラブです。これをきっかけに、サスカチュアン州、更にはアルバータ州等の西部諸州の小さなナイト・クラブ、ライブ・ハウスで歌い、やがて東部トロント、そして米国はロサンゼルスへと進出していく原点です。

 米国、そして世界で大成功のジョニ・ミッチェル。

 彼女が何処の出身かは、特別に意識する必要もありません。が、ジョニ・ミッチェルには紛れもなくカナダ人としてのアイデンティティがあります。故郷はサスカトゥーンだと公言しています。1976年リリースの「逃避行」に収録された『シャロンへの歌』は、彼女の自伝的要素が滲んでいます。

 ジョニ・ミッチェルの進化し変貌し続けた音楽を聴き倒してみれば、彼女を育んだカナダが体感出来ると思います。

(了)

山野内勘二・在カナダ日本国大使館特命全権大使が届ける、カナダ音楽の連載コラム「音楽の楽園~もう一つのカナダ」は、第1回から以下よりご覧いただけます。

音楽の楽園~もう一つのカナダ

山野内勘二(やまのうち・かんじ)
2022年5月より第31代在カナダ日本国大使館特命全権大使
1984年外務省入省、総理大臣秘書官、在アメリカ合衆国日本国大使館公使、外務省経済局長、在ニューヨーク日本国総領事館総領事・大使などを歴任。1958年4月8日生まれ、長崎県出身

岩手県知事一行がカナダ訪問、岩手産和牛・米・りんご・日本酒の魅力をアピール

達増拓也岩手県知事(左)と丸山浩平在バンクーバー日本国総領事。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today
達増拓也岩手県知事(左)と丸山浩平在バンクーバー日本国総領事。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today

 岩手県より達増(たっそう)拓也県知事と県商工会議所連合会、JA岩手県中央会の会長らを含むトップセールス18人が、2022年12月11日から15日までカナダを訪問。短い日程の中でトロント(オンタリオ州)、オタワ(同)、モントリオール(ケベック州)、バンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)の4都市で、県産の和牛や農産物を積極的にアピールした。

輸入拡大に向けて

岩手産食材を用いた料理の数々。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today
岩手産食材を用いた料理の数々。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today

 今回のカナダ訪問は輸入拡大に向けて県産の和牛や農産物、日本酒を売り込むのが目的。達増拓也岩手県知事率いる一行は各地で在カナダ日本国大使館および総領事館の協力を得てカナダ政府関係者、レストラン関係者やメディアなどに県産食材を使った料理を紹介するレセプションを主催したほか、関係者との意見交換会を行った。
 12月14日、オタワからバンクーバーに到着した一行は時差による疲れも見せず、ブリティッシュ・コロンビア州ウエストバンクーバー市で岩手県産食材を取り扱っている「Aburi Market」に直行。開催中の「いわてフェア」を視察し、正午から先着100人に岩手米「銀河のしずく」(300グラム)を贈呈した。
 続いてレセプションが開かれたバンクーバー市内ダウンタウンの「Aburi Restaurant Miku」では、日本カナダ商工会議所幹部、ラグビー・ワールドカップカナダ代表選手、Aburiグループ幹部、メディアなど約30人の招待客に県産食材を使った料理を紹介した。

うまみと甘みの霜降り肉「いわて黒毛和牛」

いわて和牛サーフ&ターフロール。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today
いわて和牛サーフ&ターフロール。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today

 冒頭で達増知事は、レセプション開催に協力した丸山浩平在バンクーバー日本国総領事に感謝の言葉を述べ「カナダの皆さんに岩手県産食材をショーケースできる機会を持てたことを光栄に思っています」と英語であいさつした。
 達増知事によると、岩手県では2011年の東日本大震災で被害を受けたあと「サステイナブル・デベロップメント(持続可能な開発)」という、国連が提唱した概念に沿って復興作業に取り組んできたという。農業では、有機肥料の使用率を高めることにより健全な土壌再生サイクルが生まれ、化学肥料や農薬使用を削減する資源循環型を実施している。
 「県産の黒毛和牛ブランドは資源循環型農業の一環として生産されており、うまみと甘味のある美しい霜降り肉です。すき焼きや寿司のネタとして最適です」と話し、農薬を使用していない米「銀のしずく」、寒い気候から産まれるりんご、澄んだ水を用いて発酵させた日本酒「南部美人」など、食の安全性とおいしさをアピールした。

和食文化のプロモーション

達増岩手県知事(右から2番目)と岩手県トップセールスのみなさんが、カナダラグビー代表選手ルーカス・ランボールさん(中央左)とヒューバート・バイデンさん(中央右)に岩手産和牛と岩手米「銀河のしずく」を贈呈。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today
達増岩手県知事(右から2番目)と岩手県トップセールスのみなさんが、カナダラグビー代表選手ルーカス・ランボールさん(中央左)とヒューバート・バイデンさん(中央右)に岩手産和牛と岩手米「銀河のしずく」を贈呈。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today

 丸山総領事は「岩手県というと『雨にも負けず、風にも負けず』の宮沢賢治をまず思い出します」と述べ、岩手県民の東日本大震災からの復興への努力、岩手の人とその文化をカナダの人にも伝えたいと話した。2023年は和食がユネスコ無形文化遺産に登録されてから10年目にあたることから、総領事館でも和食文化のプロモーションに力を入れていきたいとのこと。 
 岩手県釜石市では、2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップの際、台風でカナダ・ナミビア戦が中止となったが、カナダ代表選手が台風の被害を受けた地域でボランティア活動をしたというエピソードがある。達増知事はこの日出席したカナダ代表選手のヒューバート・バイデンさん、ルーカス・ランボールさんにお礼を述べ、岩手牛と岩手米「銀河のしずく」を贈呈した。
 また、県産食材を多く利用しているAburiグループ、Aburi Restaurant Mikuに「いわて牛取扱推奨店認証」の盾を贈呈した。

創作料理と日本酒に舌鼓

赤みそとキャラメルを使った岩手りんごのタタン。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today
赤みそとキャラメルを使った岩手りんごのタタン。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today

 日加商工会議所会長サミー高橋さんの音頭で乾杯したあとは、お待ちかねの試食タイム。サンふじアップルソルトがかかった生ガキ、ウイスキーとしょうゆなどを用いた岩手和牛タルタル、赤みそでマリネしたラムチョップりんごのコンポート添え、柚子こしょう、りんご、からしがほんのり香る岩手和牛のにぎり、デザートは赤みそとキャラメルを使ったりんごのタタンなど。
 Mikuのエグゼクティブ・シェフ林和弘さんの解説に、「皆さんが知っているこれまでの和食とちょっと違うかもしれませんが、岩手の食材を取り入れたマルチカルチャーな創作料理をご試食ください」と、岩手産農産物のプロモーションを担当しているバリアブルリンク北米支社長の鈴木美和さんが説明を加えた。
 この日、振る舞われた日本酒は南部美人酒造の純米大吟醸「南部美人」、同じく純米大吟醸の「心白」、糖類無添加の梅酒。「ウエルカムドリンクで出された『心白』が食事に合っていた」「和牛のにぎりがとろけるようだった」など出席者から歓喜の声も。おいしい食事とお酒で会話もはずみ、歓談のひとときが続いた。

達増拓也岩手県知事が県産食材を使った料理を提供している「Aburi Restaurant Miku」に「いわて牛取扱推奨店認証」の盾を贈呈。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today
達増拓也岩手県知事が県産食材を使った料理を提供している「Aburi Restaurant Miku」に「いわて牛取扱推奨店認証」の盾を贈呈。2022年12月14日、Aburi Restaurant Mikuで。Photo by Louise Akuzawa/Japan Canada Today

(取材 ルイーズ阿久沢)

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在日クルド人難民問題を題材とした話題作「マイスモールランド」ビクトリアでも上映

「マイスモールランド」より。©2022"My Small Land" Production Committee
「マイスモールランド」より。©2022"My Small Land" Production Committee

 第72回ベルリン国際映画祭/アムネスティ国際映画賞スペシャル・メンションに輝き、世界から注目を集めている映画「マイスモールランド」(監督:川和田恵真)。2022年にはバンクーバーで上映され、今年はビクトリアとクートに―で上映が決まった。

 在日クルド人の難民問題を取り上げたこの作品は、現在日本だけでなくカナダを含めた世界が抱える難民問題を、日本を舞台に、在日クルド人の難民家族の視点から描いた川和田監督の意欲作。

 物語は、埼玉に住む17歳のクルド人サーリャと家族があるきっかけで在留資格を失ったことから動き始める。幼いころからクルド人の誇りを失わないようにしながらも、日本で「日本人らしく」暮らしていたサーリャ。しかし、自分たちの意思とは無関係に突然「普通の生活」を奪われる。理不尽な社会と向き合うことを余儀なくされた17歳は、それでも、東京の高校に通う聡太との出会いなどを通して、アイデンティティに葛藤しながらも自分の居場所を探し成長していく。

 川和田監督は是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」に在籍する新鋭監督。分福では是枝監督の作品などで監督助手を務める。この作品で商業長編映画デビューを飾った。

 主演は、5カ国のマルチルーツを持ち、ViVi専属モデルとして活躍する嵐莉菜。少年・聡太役を「MOTHER マザー」で多くの新人俳優賞を受賞した奥平大兼が演じている。その他、平泉成、池脇千鶴、藤井隆、韓英恵、サヘル・ローズら俳優陣が脇を固める。

 配給は、カナダ初の日本映画配給会社Momo Films Inc.(所在地トロント、代表取締役:高畠晶)。今作品がカナダでの配給第1作となる。

マイスモールランド上映

ビクトリア映画祭
日時:2月4日(土)12:30pm
ウェブサイト:https://mysmallland.jp/
チケット購入:https://www.victoriafilmfestival.com/product/my-small-land/

クートニー
日時:2月5日(日)5:00pm、2月8日(水)5:00pm
ウェブサイト:https://mysmallland.jp/
チケット購入:https://www.comoxvalleyartgallery.com/events/film-screening-my-small-land/

「マイスモールランド」より。©2022"My Small Land" Production Committee
「マイスモールランド」より。©2022″My Small Land” Production Committee
「マイスモールランド」より。©2022"My Small Land" Production Committee
「マイスモールランド」より。©2022″My Small Land” Production Committee

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近年カナダ留学で人気の高いCo-op(コープ)留学とは?

 Co-op 留学という選択肢が、近年カナダへの留学生たちの間で新しい定番になりつつある。聞いたことはあるがいまいちピンとこない、という人も多いかもしれない。

 そこで今回は現在 Co-op 留学中の筆者が、Co-op とはどのような留学制度なのかを紹介する。

Co-op(co-operative education)とは?

 Co-op とは、「学び」と「インターンシップ」を組み合わせた留学プログラムである。カナダが独自に実施しており、特定のビザを取得すると参加できるため、世界各国から多くの留学生たちが利用している。

 Co-op は学生の学習体験を向上させるための教育の一環として、1957 年にオンタリオ州ウォータールー大学で初めて導入され、のちに留学生も参加できるようになった。滞在期間の半分で専門学校での知識の習得、もう半分の期間でその知識を活かしたインターンシップとして現地で働くことができるプログラムだ。

Co-op でできること、できないこと

 Co-op では「学生ビザ」と「就労ビザ」の2種類のビザが発行される。そのため、期間中には就学と就労のどちらも可能になるが、いくつかの条件がある。

・学ぶ

 Co-op を導入している専門学校で、分野に特化した専門的な知識を英語で学ぶことができる。インターンシップができるコースには、貿易・ビジネス関連(マーケティング、マネジメントなど)、IT 関連(プログラミング、デジタルマーケティングなど)、接客関連(カスタマーサービス、ホスピタリティなど)、その他にも看護や航空などさまざまあり、学びたいことやキャリアプランによってコースや学校を選択する。

 また、1年以上のコースを修了すると Diploma(専門士)を獲得できるのも特徴である。

 しかし、このプログラムでは専門学校で学んだことをインターンシップで活かすことを目的としているため、「カスタマーサービスを学んで IT 関連で働く」など、異なる業種を選ぶことはできない。

・働く

 このプログラムで働けるのは前半の在学期間で週20時間、後半のインターンシップ期間で週40時間までとなっている。
 *カナダ政府の発表により、2022 年 11 月 15 日から 2023 年 12 月 31 日までの間、この就労制限が一時撤廃されることとなった。発表された 10 月時点で就労可能な学生ビザを保有している人、申請中の人が対象となり、就労時間の制限がなくなっている。

 一方で、働くことができない期間もある。就学前に語学学校で英語を学ぶ場合、その通学期間中はアルバイトなどをすることができない。また、インターンシップ期間が終わってすでにプログラムを卒業している場合も、ビザの残りの期間にかかわらず、それ以上働くことはできない。

ワーキングホリデーとの違いは?

 「海外で働けるビザ」として多く利用されているワーキングホリデービザ。Co-op ビザとは何が違うのか。それぞれを比較しながら Co-op のメリット・デメリットを見ていきたい。

CO-OP ビザワーキングホリデービザ
許可される人数制限なし年間 6,500 人まで
年齢制限高卒以上で上限なし18 歳~30 歳まで
取得できる回数制限なし1カ国に1回
滞在期間6カ月~2年最長1年間

  Co-op ビザは年齢制限がなく何度でも取得できる。また、最長1年間のワーキングホリデーに比べ最長2年滞在できるので、長期間カナダに滞在したい場合のよりよい選択肢となる。デメリットとしては、最短6カ月からと決まっているため比較的期間が長くなってしまうことがあげられる。

ビザ取得までの流れ

 次に、ビザを取得するまでの手順を紹介する。一般的に、Co-op留学を受け入れている学校を選ぶところからビザ取得までの期間は、約半年から 1 年かかる。

 Co-opビザの取得の際に必要となったものと取得の流れは以下の通り。

ビザ申請に必要なもの

・高校もしくは大学の英文卒業証明書
・入学許可証、Co-op レター
・学生ビザ申請書
・一時滞在申請書
・英文の残高証明書
・パスポート
・顔写真
・クレジットカード(申請料の支払いなどに必要)

ビザ取得までの流れ

  1. 学校・コースの選択
  2. 入学テストの受験、もしくは学校指定の入学条件に合わせた英語資格スコア(IELTSなど)を取得して申し込み
     中級以上の英語力が必要:Co-op を採用している多くのカレッジでは、中級以上の英語力を入学基準としているため、事前に付属の語学学校に通うか、IELTSやTOEICなどの指定されたスコアを取っている必要がある。
  3. 入学手続きや授業料の支払い
     授業料の振り込みが終わると、学校からビザ申請に必要な入学許可証とCo-opレターが送られる。
  4. 英文の銀行残高証明書の作成
     渡航するために十分な資金があることを証明するためのもの。
  5. ビザ申請
     学生ビザの申請と同じで、カナダ移民省サイトからオンラインでアカウントを作成し、質問に回答する形で進めていく。その後、東京か大阪のビザ申請センターでバイオメトリクス(個人識別情報)の登録を行う。

 提示されたすべての登録が終わるとビザ許可証が発行されるという流れになっている。

 Co-op ビザは「就労が認められる学生ビザ」という位置づけのため、ビザ申請の際も学生ビザと同じ手順で進められる。

まとめ

 現在 Co-op でデジタルマーケティングコースを受講している筆者は、近年 IT 化が進む中で必要とされてきている、ウェブサイトの運営やデザイン、検索エンジン最適化などをメキシコや韓国、台湾のクラスメイトたちとともに学んでいる。

 6カ月間の就学が終わると、次は学んだことを活かした6カ月の就業体験が待っている。Co-op の修了後にワーキングホリデービザを取れば滞在期間を1年延ばすこともできるので、インターン先によっては引き続き働き続けることも可能だ。

 このように、Co-op とはカナダで英語とビジネスを学び、即戦力としてカナダの労働力不足にも貢献でき、留学後のキャリアにも活かすことができる実践的な留学制度となっている。

(記事 池田茜音)

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第15回「お国自慢 – I ❤️ MY HOMETOWN」 Zoom イベント

【第15回「お国自慢 – I ❤️ MY HOMETOWN」 Zoom イベント】

今回は岐阜県高山にスポットを当てます。実行委員会のメンバーで新婚ホヤホヤの Kei さんと奥さんの Kaho さんが中部地方の歴史的な街を訪れて、バンクーバー留学経験がある Chikako さんが女将を務める料亭で懐石料理を堪能します。

【日時】
2月5日 (日) 19:00- BC時間
2月6日 (月) 12:00- 日本時間

【お申込】https://forms.gle/r1rJ1DZZFWsauwGw8

※参加は無料です

【アーカイブ】
過去のプレゼンテーションはここから観れます:https://okuni-jiman.blogspot.com/

—————————–
[The 15th “Okuni Jiman – I MY ❤️ HOMETOWN” Zoom Event]

This session features Takayama in Gifu Prefecture. Organizing Committee member and newlywed Kei and his wife Kaho visited the historical city in central Japan. The highlight of their trip was enjoying a kaiseki (course-style) meal at a traditional eatery hosted by Chikako, who has study experience in Vancouver.

[Date and Time]
5 Feb 2023 (Sun) 19:00- Pacific Time
6 Feb 2023 (Mon) 12:00- Japan Time

[Registration]
https://forms.gle/r1rJ1DZZFWsauwGw8

※Free Admission

[Archive]
Previous presentations can be found here: https://okuni-jiman.blogspot.com/

日系文化センター・博物館からのお知らせ

日系文化センター・博物館

6688 Southoaks Crescent, Burnaby BC V5E 4M7
TEL 604.777.7000 
info@nikkeiplace.org  
www.nikkeiplace.org
受付・ミュージアム営業時間:火~土 午前10時~午後5時 休館日:日月祝

マンガセール|2月4日~18日(日月休み)|午前11時~午後3

マンガをたくさん読みたい方集まれー。普段よりもお買い得なお値段でマンガを提供します。
常設の日系ブックストア にもお立ち寄りください。毎週 火・木・金・土、午前11時~午後3時、2階。マンガセール期間中は水曜日も営業します。

ファミリーデー|2月18土曜日|午前10時~午後5時|入場無料

ご家族みんなでお楽しみいただけるイベントです。アニメ上映、本の読み聞かせ、おひなさまや鯉のぼりと一緒に記念撮影、日本文化の遊びを紹介します。プレゼントも当たるかも。お友達を誘って是非遊びに来てください。一部ワークショップは有料で事前申し込みが必要です。

新プログラム

習字クラブ|月2回 第2と4週目の水、木、金|硬筆、毛筆

グラッドストーンの村上校長先生による習字クラブが再開されました。心を落ち着けて字を丁寧に美しく書く喜びと、正しく字を覚えていきましょう。お問合せはグラッドストーン日本語学園(604)515-0980村上校長先生まで。

展示 

常設展:「体験:世代を超えて受け継がれる、困難を乗り越え立ち上がる力」
日系人の歴史を日本語で紹介しています。2階廊下入場無料

ミュージアムショップ

日系の歴史の書籍、日本からの輸入品、ローカルの手作りものを取り揃えております。お気軽にお立ち寄りください。shop.nikkeiplace.org

会員募集

会員になるとミュージアムへの入場が無料になるほか、ミュージアムショップでの割引、特定のイベントやプログラムなどで割引特典があります。会費収入は施設の維持費と展示、イベント、プログラムを充実させるために使用されます。

ご支援のお願い

日系センターの運営は皆様からの寄付をはじめ、イベント・プログラムへの参加、また買い物をしていただくことによって支えられています。寄付については日系プレース基金へお問い合わせください。604-777-2122 gifts@nikkeiplace.org

Wallenberg-Sugihara Civil Courage Society主催、第18回バンクーバー・ラウル・ウォーレンバーグ・デー開催

 人道的な活動をした個人や団体を称える「バンクーバー・ラウル・ウォーレンバーグ・デイ(Vancouver RAOUL WALLENBERG DAY)」。主催は、ウォーレンバーグ‐杉原・シビル・カレッジ協会(WALLENBERG-SUGIHARA CIVIL COURAGE SOCIETY)。

 18回目を迎える今年は、世界有数のユダヤ人人道支援団体「Joint Distribution Committee (JDC)」の栄誉とウクライナ難民への勇気ある支援活動を称える。

 過去には日系カナダ人メリー・キタガワ氏が表彰されたこともあった。

ゲストスピーカー

・Marina Sonkina:ロシアとウクライナに親族を持つバンクーバー在住ライター兼教育者。ポーランド国境でJDCのボランティアとして、トラウマを抱えたウクライナ難民を助け、彼らの話に耳を傾けた著書が近日出版予定。

・Gary Segal:JDCバンクーバー理事。世界各地での人道的支援について講演。

映画上映

・Fridtjof Nansen:難民のための先駆的な仕事についての短編ドキュメンタリー。第一次世界大戦後の避難民のための活動で、1922年にノーベル平和賞を受賞。

・JDC – ロシア侵攻後のウクライナでの活動をまとめたもの。

第18回バンクーバー・ラウル・ウォーレンバーグ・デイ

日時:1月22日(日)1:30 pm、開場 1:00 pm
会場:Congregation Beth Israel(989 W. 28th Ave. (At Oak St.), Vancouver)
入場無料、寄付受付
ウェブサイト:https://www.wsccs.ca/

訂正:タイトルのスペルが誤っていました。正しくは「Wallenberg」です。お詫びして訂正いたします。

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The Rescuers online film screening

The Rescuers, from Emmy Award-winning filmmaker Michael King and Producer, Joyce D. Mandell, uncovers the largely unknown stories of 13 heroic and courageous diplomats who, at tremendous personal cost, saved tens of thousands of Jews during World War II. 

After the screening, there will be a panel discussion featuring renowned leaders in their scholarly fields.

Thursday, January 19, 2023 at 7:00 PM, Eastern Standard Time (North America)
More information & Register:  https://virtualjcc.com/watch/the-rescuers-jan-19

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「The Rescuers」オンライン上映会

 第二次世界大戦中に多大な犠牲を払って何万人ものユダヤ人を救った13人の英雄的で勇敢な外交官の、ほとんど知られていない物語を紹介する、映画「The Rescuers」がオンラインで上映される。日本の杉原千畝も含まれている。

 監督はエミー賞受賞のマイケル・キング、プロデューサーはジョイス・D・マンデル。

 上映後には、各分野の著名なリーダーによるパネルディスカッションも予定されている。

「The Rescuers」オンライン上映会

上映日時:1月19日(木)7:00 pm(東部標準時)
詳細情報と登録:https://virtualjcc.com/watch/the-rescuers-jan-19

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平和の希望 3~投稿千景~

エドサトウ

 たぶん、清王朝が末期のころの話として「中国の東北地方を日本に譲ってもよいから、何とかしてほしい」ということがあったらしい。氏族の争いがあり、生産性は低く、しかもロシアが南下してくることなどに悩まされての発言であったのかもしれない。

 清王朝の溥儀が、後に満州国の皇帝となり、日本の関東軍が国防を担当して、それなりに日本と中国の属国のような満州国が出来て、鉄道も建設されて日本の産業も移されて発展をみた。農村部には27万の満蒙開拓団が日本から送り込まれて、農産物の生産に従事して、発展もしたのであろう。

 しかし、太平洋戦争が終焉に近くなると、日本にハルノートをアメリカから突き付けられて日本は中国から全面的に引き上げるように言われるが、満州国については存続を認めるようにも見える。また、日系人の資産凍結はしないともあるけれども、結局、望みをかけた日米の和平交渉の可能性はなくなる。天皇陛下は開戦には反対であられたが、大きな時代の流れにあがなう事も出来ず、ハワイの真珠湾攻撃が行われたのではあるまいか?

 あの時代を今日のウクライナの戦争と比較して見てみれば、ロシアの動きは、かつての日本軍と似ている。ロシア兵の多くの戦死者を出しながら、人口の20%のロシア人がいるウクライナの侵略を続けるロシアはいかなる解決を望んでいるのか?

 かつて、原爆が2度投下された日本のように、ロシアが局地的核を使うことが起こるのであろうか?

 あるいは、第3次世界大戦が東ヨーロッパから始まるのであろうか?私たちは同じ過ちを繰り返してはならない。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

第1回 美樹ちゃんと「澄子のつぶやき」

セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。

 34歳、笑顔の素敵な、そして、心の優しい女性の友人がいる。彼女の笑顔に会う人達はとにかく癒されるようだ。まるでその人は、私の「天使」。それが美樹ちゃんだ。

 久しぶりに83歳のこの淋しい老婆を彼女が訪ねてくれた。会いに来て、彼女はなにするわけでもない。私の会計帳をたまーに見てくれる時もある。
 ただ、日本を離れて60数年、不思議大好き人間で、その不思議を訪ね、世界のあちこち飛び回っていたこの老婆、その思い出話を1日中、笑顔で聞いてくれる人なのだ。
 ふっと「ねぇ、美樹ちゃん、私の83年間生きて来た思い出話を、この1年間ずっと聞かされて、ああ、またかぁって思わない?」と聞いた。
 すると彼女は『うーん、もしかすると“澄子のつぶやき”って題でコラムを書くかもしれないよ、はっはは!』と笑いながら彼女は言った。
 「いいよ、美樹ちゃんが書いてくれる、 “澄子のつぶやき”」

 紀元前3000年頃にインドの聖人アガスティアが、将来自分を訪ねてくる、その人達の為の運勢をココヤシの葉に書いて残したという話を聞いた。
 其の占いが「アガスティアの葉」と呼ばれ、特別トレーニングを受けた人、又はその家系の人なのか分からないが、又は全くただトレーニングを受けただけの人なのかもしれない。兎に角、そのココヤシの葉に書かれた占いを読み、解釈してくれる人をナディーと呼んでいるようだ。
 私は2000年、夫が亡くなった翌年、60歳で脳卒中と体内出血で倒れ、身体不自由になった。そして、生きるために、私はどうしても其の占いをしてもらいたくなり、南インドのシリコンバレー、バンガロール空港からタクシーで2時間くらいの所にあるアッシュラム迄、一人訪ねて行ったのだ。

(注)ヨガの「ナディー(ナディ)」とは、ヨガの生命エネルギーと呼吸(プラーナ)の通り道を意味し、チャクラを繋ぐものだと考えられています。

 そこでナディはカラカラに乾いた長さ20センチ、幅10センチ大、厚さ7~8センチのココヤシの葉の束を持ってきて、私に質問し、YES/NOで答えるように言った。最初、答えはNOばかり、すると別の次の葉束を持ってくる。
 次々それを繰り返し、数回目の葉束になった時、YESがつづいた。
 つまりそこに書かれていることが、私の運勢についてなのだろう。
 彼は私の夫が亡くなったことも、私が4人姉妹弟なのも、そして、70歳後半で何か「ものを書く」ようになると、ニコニコしながら言っていた。
 You have no next life. Your life is 82-83 Indian calendar.
 You will write something after your late 70.
 最初、彼に会った時、私は彼に自分の名前を紙に書いて渡しただけだった。
 しかし、そのナディーが乾いたココヤシ葉を見ながら、私に話したこと、それは本当のようだ。彼の言うとおり、私は2016年76歳でバンクーバー新報に「老婆のひとりごと」と言うエッセイを書き始め、今年で7年目だ。そして、私の寿命はインドカレンダーで82~83歳だと言った。今、私は西暦で83歳になった。あの時、私は彼にUS$150支払った。 

 ねぇ、美樹ちゃん、自由自在に生きた私の長い83年の人生「出会いと恵」、「感謝とやる気」、「不思議が一杯、セレンディピティ」。
 「自分にできない事なんて無限にあるけど、自分にできる事も無限にあるよ」
 「人間の強さとは、どんな逆境でも、夢を語れること」とか、「人生の最後に振り返るとすべてが思い出になっている」。

 美樹ちゃん、私、自分が生きた思い出に「澄子のつぶやき」書いてみるね。
 ごめんね。私、自分で書くからね、美樹ちゃんは読んでね。ははっは!

許 澄子
2016年からバンクーバー新報紙でコラム「老婆のひとりごと」を執筆。2020年7月から2022年12月まで、当サイトで「グランマのひとりごと」として、コラムを継続。2023年1月より「『セレンディピティ』幸運をつかむ」を執筆中。
「グランマのひとりごと」はこちらからすべてご覧いただけます。https://www.japancanadatoday.ca/category/column/senior-lady/

第28回「七草粥で心も体も健やかに!」

金沢からこんにちは! 

手作りの七草粥。Photo by Pongyi
手作りの七草粥。Photo by Pongyi

 皆さま、あけましておめでとうございます。
 ゲストハウスポンギーのにいなです。
 2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

2023年、我が家(宿)のお正月はこんな感じでした

 金沢を含め北陸(石川、富山、新潟)では、先月半ばにどかっと大雪が降りました。
 全国ニュースでも取り上げられ、「今年はまた大雪になるんじゃないか・・・」と多くの地元住人が危惧していた年末年始・・・
 幸いなことに大雪に見舞われることなく平穏に新年を迎えることができました。

 ポンギーでは年末年始は宿泊のお客様に来ていただき(ありがたい!)、感染に気を付けながら皆でお雑煮や福梅(金沢の新年の菓子)を食べ、書初めをしてのんびりしたお正月を過ごしました。

*2021年、雪が残る新年の様子と福梅の記事はこちらからどうぞ。https://www.japancanadatoday.ca/2021/01/07/hello-from-kanazawa-pongyi-4/

*かぶら寿司(金沢伝統のお正月料理)の記事はこちらで読めます。https://www.japancanadatoday.ca/2022/01/06/hello-from-kanazawa-pongyi-16/

 やっぱり、家族や親しい方と過ごすお正月はほっこりしますね!

今年は手作りの七草粥に挑戦

 そうこうしているうちに早や1週間が経過。

石川県産の七草が少しずつ全種類入った七草セット。Photo by Pongyi
石川県産の七草が少しずつ全種類入った七草セット。Photo by Pongyi

 今年のポンギーの目標の一つは「日本人としての心を忘れず、できるだけたくさんの伝統行事を経験すること」です。
 昨年はうっかり忘れてしまったけれど、今年はやるのだ!の熱い気持ちを胸に、1月7日は手作りの七草粥に挑戦しました。

 使用したのは、地元スーパー「マルエー」で購入したこの七草セットです。
 400円ほどのパックに、石川県産の七草が少しずつ全種類入っていました。
 同じく石川県のブランド米「ひゃくまん穀(ごく)」をお粥にし、軽く塩ゆでした七草を刻んで入れたらできあがりです。

 「七草粥なんて食べたの久しぶり!」と、当日お泊りのゲストさんにも好評でひと安心!
 出汁と塩のみのシンプルな味付けが、お正月の重たい料理で疲れた胃にはちょうど良かったようです。

近江町市場では、ふるまいもやっています

 金沢の台所である近江町市場でも、1月7日に合わせて七草粥のふるまいが行われました。
 地元野菜を入れたお粥が300食無料配布され、こちらも大好評だったそう。
 コロナが少し落ち着いて、実に3年ぶりの開催だったようですが、来年もぜひ開催して欲しいですね。

2023年も良い年になりますように!

 お正月に引き続き七草粥もできて、今年も良いスタートを切ることができました。
 皆さまも、健康で幸せな1年になりますように!

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金沢のゲストハウス・ぽんぎーの女将’にいな’さんが送るコラム「金沢からこんにちは!」。
第1回からすべてのコラムは、こちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/hello-from-kanazawa/

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ゲストハウスPongyi(ポンギー)
金沢で一番古いゲストハウス。素の自分でいられ、他の人と交流できるアットホームなお宿。築140年の金沢町家。ミャンマー僧侶経験のある代表まさきと、若女将のにいなで運営中。
 

ゲストハウスPongyi HPwww.pongyi.com

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