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Naomi Mishima

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GK高丘選手、吉田選手MLS加入について語る チームは20日から後半戦も佳境に

GK高丘、相手選手と空中戦。バンクーバー・ホワイトキャップスFC対LAギャラクシー。2023年7月15日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
GK高丘、相手選手と空中戦。バンクーバー・ホワイトキャップスFC対LAギャラクシー。2023年7月15日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 バンクーバー・ホワイトキャップスは8月20日からシーズンが再開、後半戦も佳境に入る。ここまでチームはMLSレギュラーシーズン22試合を戦って8勝7敗7分と勝ち越し、ポイント31で西カンファレンス7位につけている。

 今季から加入したGK高丘陽平選手は、21試合に出場、無失点試合5、失点29、得点に絡むセカンド・アシストが1付いている。

シーズン再開までの過ごし方で、行方が決まる

 プレーオフ進出を掛け激戦となる後半。8月4日、リーグスカップでメキシコのティグレスと対戦しPK戦の末に敗れて敗退した後の記者会見で、Vanni Sartini監督は「今のチームでプレーオフ進出できなれば犯罪だ」とまで言い切った。それほどいいチームだと自負する。

 高丘選手に話を聞くと、「(シーズン再開に突入する20日までの)過ごし方で残りのシーズンの結果が変わってくると思う」という。自分自身でやることはそれほどいつもと変わりないとしながらも、「リカバリーしながら、かつ自分の能力を高めるために時間をしっかり使いたい」と後半戦終盤に向けての準備期間とすると語った。

 ホワイトキャップスは、後半戦ホームゲームは4試合のみ。これまでアウェイで1勝5敗3分と勝てていない。まずは20日にBCプレースでサンノゼ・アースクエイクスに勝って勢いをつけ、その後に待ち受けている怒涛のアウェイ連続7試合に挑みたい。

吉田麻也選手、MLSロサンゼルス・ギャラクシー加入で期待

 8月3日、日本代表キャプテンを務めたDF吉田麻也選手がMLSのロサンゼルス・ギャラクシーに入団したことが発表された。同じ西カンファレンスの西海岸チーム。今季はもうレギュラーシーズン中に直接対決はないが、来シーズンは確実に対戦する。

 吉田選手のMLS加入について、「日本代表を含め、日本のサッカーを引っ張ってきた人なので、そういった人が同じリーグで、近くのロサンゼルスにきてくれたというのは、間違いなく(MLSの)注目度は上がると思います」と期待した。

 「僕も含めて、久保(裕也)選手(FCシンシナティ)やコロラド(ラピッズ)にも日本人選手(半谷陽介)がいますけど、僕は日本人選手の価値を高められればと思ってきているので、そこをそれぞれが示すことが大事なのかなと思います」と共にMLSで日本人選手の価値を高めていきたいと語る。

 来季は必ず直接対決があるが「楽しみではありますね」と微妙な回答。Jリーグ時代には対戦したことがなく、実現すれば北米で初顔合わせとなる。

 バンクーバーのファンにとっては、また一つ楽しみができた。

レギュラーシーズンのホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

8月20日(日)7:30pm サンノゼ・アースクエイクス
9月30日(土)7:30pm DCユナイテッド
10月4日(水)7:30pm セントルイス・シティFC
10月21日(土)6:00pm ロサンゼルスFC

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猛暑に備える、BC州での注意ポイント

Image from website from BC government
Image from website from BC government

 メトロバンクーバーをはじめとするブリティッシュ・コロンビア(BC)州の広範囲で高温警報が8月中旬に発令されました。

 猛暑が続いたとき、高温警報が発令された場合に、どのような行動をとればいいか、どのような点に気を付ければいいのか、BC政府の資料を基にまとめました。

猛暑について

 BC州での猛暑とは、日中や夜間の気温が高くなり、例年の標準を大幅に超えた状態を言います。

 猛暑になると、熱中症などの体調不良や死亡の原因となるため、自分自身や家族、身近な人を守るための対策が必要です。

 BC検視局の発表によると2021年だけでも、6月25日から7月1日にかけて発生したヒートドーム(極暑)が原因で595人が命を落としました。それらの死因のほとんどは、個人宅の室内温度が高すぎたことに起因しています。

 BC州では暑さの程度により2段階で警報を発令しています。第1段階は、非常に暑く公衆衛生に中程度のリスクがある場合の「高温警報」、第2段階は、危険なほど暑く公衆衛生に非常に高いリスクがある場合の「極暑緊急事態」です。

 BC州政府による定義は以下です。

「高温警報(Heat Warning)」

 日中や夜間の気温が通常より高く、猛暑が続き、熱中症や熱性疲労を起こす危険性が高くなったときに発令。高温警報が出ているときは、涼しく過ごすための行動が必要です。

「極暑緊急事態(Extreme Heat Emergency)」

 日中や夜間の気温が例年の標準を大幅に超え、さらに上昇を続ける場合に発令。暑さに対する緊急時対応策を取るよう注意喚起されます。

高温警報が出されたり、いつもより暑いと感じたら?

1.「涼」を確保する

  • 冷たい水で濡らしたタオルなどで体を拭く
  • 水分補給する、水を飲む(甘い飲料やアルコール飲料は脱水を引き起こすので注意)
  • エアコンがある場合はエアコンをつける
  • 涼しい場所に移動する。家の中の一番涼しい部屋や、エアコンがある家族・友人宅、もしくは、地域のクーリングセンターなどを利用する

2. クーリングセンターについて

 地域にある冷房設備を完備している公共施設がクーリングセンターに指定されています。

  • 図書館
  • コミュニティセンター
  • ショッピングモール
  • 映画館宗教施設

 詳しい住所は各地域の市役所ホームページに掲載されているので確認しておきましょう。

3. 屋外で気を付けること

暑さ対策に設置されたMisting Station。消火栓から水を引いたシャワーが辺りを涼やかに。2022年7月26日リッチモンド市。Photo by The Vancouver Shinpo
暑さ対策に設置されたMisting Station。消火栓から水を引いたシャワーが辺りを涼やかに。2022年7月26日リッチモンド市。Photo by The Vancouver Shinpo
  • 屋外での活動をなるべく減らす
  • 買い物などの用事がある場合は、早い時間帯か遅い時間帯の涼しい時間を利用する
  • 涼しく風の通る日陰に入ったり、つばの広い帽子や肌を守る服を着たりして、直射日光をなるべく避ける
  • ミストステーションでクールダウンする

暑さの影響を受けやすい人、熱中症になるリスクが高い人

 自宅や住居施設にエアコンなどの冷房設備がない場合、猛暑の影響を受けやすい人は特に注意が必要です。

  • 65歳以上のシニア
  • ひとり暮らしの人
  • 妊婦、乳幼児や子ども
  • 糖尿病、心臓病、呼吸器疾患などの慢性疾患がある人
  • 統合失調症、うつ病、不安神経症などの精神疾患がある人
  • 薬物使用における障がいがある人
  • 運動障がいや認知障がいなど、身体的または精神的な障がいを持つ人
  • 激しい運動をする人、暑い環境で仕事をしている人

 また、熱中症を引き起こすリスクが高くなる行為として、暑い天候の中で十分な水分補給をしない、アルコールや薬物の過剰摂取などがあるので、注意しましょう。

熱中症の症状と対策は?

 暑さが原因の症状には、熱中症(Heat Exhaustion)と熱性疲労/重度の熱中症(Heat Stroke)があります。

熱中症(Heat Exhaustion)の症状

  • 皮膚の発疹
  • 多量の発汗
  • 吐き気や嘔吐
  • 呼吸と心拍が速くなる
  • 頭痛
  • 集中力の欠如
  • 筋肉のけいれん
  • 極端な喉の渇き
  • 濃い尿と排尿の減少
  • めまいや失神
  • むくみ(特に手足)
  • 倦怠感や脱力感

対処法

  • 涼しい場所へ移動する
  • 冷たいシャワーを浴びたり、冷たい水で体の一部を冷やす
  • 水で濡らしたシャツやタオルを身に着ける
  • 十分は水分補給をする(アルコール飲料は避ける)
  • 休息する

 専門家と話したいときは、8-1-1に電話すると看護師など専門家と話ができます。またシニアの方は、2-1-1も利用できます。どちらも日本語の通訳サービスがあります。

熱性疲労/重度の熱中症(Heat Stroke)

  • 発熱
  • めまいや失神
  • 皮膚が非常に熱く、赤くなる
  • 意識が混とんとする
  • 精神敏しょう性の低下
  • 意識不明

対処法

 一緒にいる人、近くの人が、すぐに9-1-1に電話し、救急救命士が到着するまで、顔や首を冷やすなどの手助けが必要です。

 また、8-1-1に電話して看護師などと話すこともできます(日本語の通訳サービスあり)。

普段から心がけておくこと

 猛暑の時だけでなく、大雪や洪水など、天候による災害が起きたときに慌てないように普段から何かあったときのために、次のようなことを心がけるとよいでしょう。

  • あらかじめ何かあったときに連絡を取り合う仲間の連絡先を確保する
  • コミュニティセンターなどの場所を確認しておく
  • ひとり暮らしでいざという時に手助けが必要な場合は、様子を見に来てくれる人にお願いしておく
  • なにかあったときに必要な電話番号を控えておく

知っておくと役立つ連絡先

  • 9-1-1:救急
  • 8-1-1:症状などを看護師などの専門家に相談できる。日本語通訳サービスあり。英語で対応した相手にJapanese Pleaseと言ってリクエストできる。
  • 2-1-1:シニア向け相談窓口(日本語通訳サービスあり)
  • 3-1-1:バンクーバー市緊急リクエスト(通訳サービスあり)

BC州、バンクーバー市などが推奨する部屋の中を涼しくする工夫

 BC州政府や各市・機関が暑さ対策のために、室内をなるべく涼しく保つための方法を紹介しています。「暑い時は、住まいを少し工夫するだけで、大きな違いが生まれます。あなたのニーズに合わせて、1つでも2つでも実行すると役立ちます」とのこと。

  • 窓用フィルムなどをつけて日差しを遮る。窓の外側に厚紙を貼るなどしても効果あり(カバーのない窓は家の内部の熱を2〜3度上昇させる)
  • カーテンやブラインドを閉める
  • 外気温が室内温度より低いときは窓やドアを開け、午前10時から午後8時までは窓を閉める。午後8時には開けて涼しくし、扇風機(台所や浴室の換気扇を含む)を使って家の中の涼しい空気を動かす
  • 扇風機で熱気を外に出し、一晩中涼しい空気を家の中に入れる
  • 室内の温度を正確に測るために温度計を用意する(暑さの影響を受けやすい人にとって31度以上は危険。26度以上になったら涼しい場所に移動する)

 暑さが続き、体調不良を感じたら無理せず、医療機関を受診するか、誰かに助けを求めましょう。

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鈴木清順生誕100周年記念上映“Suzuki Seijun 100”、バンクーバーで開催

鈴木清純監督。Photo courtesy of The Cinematheque
鈴木清純監督。Photo courtesy of The Cinematheque

 鈴木清純監督の生誕100周年を記念してバンクーバー市のThe Cinemathequeで8月17日から11作品が上映される“Suzuki Seijun 100”が始まる。

 上映されるのは1960年代から90年代までの代表作。The Cinemathequeによると、北米初の回顧展は1991年、VIFF(Vancouver International Film Festival)のトニー・レインズ氏によって企画されたという。

 それから30年。生誕100周年と、ウィリアム・キャロル氏による2022年の新刊「SUZUKI SEIJUN AND POSTWAR JAPANESE CINEMA」(鈴木清順の全監督作品を網羅した初の英語版)が刊行されたこともあり、再び脚光を浴びていると説明する。

 上映される作品は以下の通り。上映日時はThe Cinemathequeウェブサイトを参照。

 “Suzuki Seijun 100”は国際交流基金トロントの協力により上映される。

上映作品

Tokyo Drifter(東京流れ者)
Branded to Kill(殺しの烙印)
Eight Hours of Terror(8時間の恐怖)
Satan’s Town(悪魔の街)+ Love Letter(らぶれたあ)
Zigeunerweisen(ツィゴイネルワイゼン)
The Incorrigible One(悪太郎)
Carmen from Kawachi(河内カルメン)
Detective Bureau 2–3: Go to Hell Bastards!(探偵事務所23 くたばれ悪党ども)
Kagero-za(陽炎座)
A Tale of Sorrow and Sadness(悲愁物語)
Yumeji(夢二)

“Suzuki Seijun 100”

期間:8月17日~9月4日
場所:The Cinematheque(1131 Howe Street, Vancouver, BC)
ウェブサイト: https://thecinematheque.ca/series/suzuki-seijun-100

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[The 19th “Okuni Jiman –  I ❤️ MY HOMETOWN  ” Zoom Event]

This event will feature Tottori. The prefecture is most famous for the sand dune but it is getting more attention as “the Manga Kingdom”. Home videos taken by our Tottori native guide Hiroko are filled with cozy vibes!

[Date and Time]

27 August 2023 (Sun) 19:00- Pacific Time

28 August 2023 (Mon) 11:00- Japan Time

[Registration]

https://forms.gle/kUmd3vfrAgTqQYrNA

※Free Admission

Previous presentations can be found here:

https://okuni-jiman.blogspot.com/

車いすバスケットボール女子U25日本代表、リッチモンドでカナダ代表と友好試合開催!

車いすバスケットボール女子U25日本代表。写真提供:日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)
車いすバスケットボール女子U25日本代表。写真提供:日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)
車いすバスケットボール女子U25日本代表。写真提供:日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)
車いすバスケットボール女子U25日本代表。写真提供:日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)

 バンクーバーに車いすバスケットボールの女子U25日本代表がやってくる!合宿を兼ねる今回の遠征では、8月18日にカナダ代表と友好試合を行う。会場はリッチモンド市オリンピックオーバル。

 今年10月2日からタイ・バンコクで開催される世界選手権に向け、カナダ代表との合同合宿のため14日にはバンクーバー入り。世界選手権には日本、カナダを含め10カ国が参加する。https://jwbf.gr.jp/tournaments/190

車いすバスケットボールを体験しよう

車いすバスケットボール女子U25日本代表。写真提供:日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)
車いすバスケットボール女子U25日本代表。写真提供:日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)

 19日午後1時30分から日本対カナダの練習試合も行われる。また、体験してみたい!という人には、体験コーナーも。女子であれば誰でも参加可能。体験コーナー開始は1時30分から。代表選手たちと交流する絶好の機会となる。

 参加は無料、ただし、予約が必要。詳細はBC Wheelchair Basketball Societyのウェブサイトを参照。https://www.bcwbs.ca/event/womens-have-a-go-august-19th

車いすバスケットボール女子U25友好試合 日本対カナダ

日時:8月18日(金)7:00 pm 試合開始
会場:リッチモンド市オリンピックオーバル(6111 River Rd. Richmond, BC)
入場・観戦:無料
* 6時30分より試合前ウォームアップやバンクーバー在住の日本人ミュージシャンによる国歌斉唱を含むミニセレモニーあり。

車いすバスケットボール

 夏季パラリンピック公式種目。1940年代にアメリカで考案され普及、1949年には全米車いすバスケットボール協会が設立される。国際大会は、国際車いすバスケットボール連盟 (IWBF) が規則管理や競技普及活動などを行っている。
 ルールは、コートの広さやゴールの高さなども含め一般のバスケットボールとほぼ同じ。障がいの程度によって定められた持ち点合計14点以内の5選手がプレーする。
 車いすバスケットボールについては、日本車いすバスケットボール連盟(JBWF)ウェブサイトを参照。https://jwbf.gr.jp/wheelchairbasketball

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叙勲受章グレース・トミコ・フルヤ氏への勲記・勲章伝達式が在カナダ日本国大使公邸で行われる

勲記を手にするフルヤ氏(左)と山野内大使。2023年7月28日、オンタリオ州オタワ市。写真提供:在カナダ日本国大使館
勲記を手にするフルヤ氏(左)と山野内大使。2023年7月28日、オンタリオ州オタワ市。写真提供:在カナダ日本国大使館

 令和5(2023)年春の外国人叙勲(令和5年4月29日発表)で旭日双光章を受章したグレース・トミコ・フルヤ氏への伝達式が、7月28日、在カナダ日本国大使公邸で行われた。

 オンタリオ州オタワを中心にカナダでの生け花の普及に貢献、また、全カナダ日系人協会の活動にボランティアとして参加するなど、日本・カナダ間の友好親善に寄与した功績が認められての受章となった。

 フルヤ氏は「このようなすばらしい名誉な受章者の一人に選ばれて、言葉では言い表せないほど感激しています」と思いを述べた。出席した家族、生け花関係者、友人らに、感謝するとともに、「いけばな小原流といけばなインターナショナルにも謝意を表したい、これらの協会へのかかわりは、私にとってとても大きなことでした」と語った。そしていけばなインターナショナルのモットー「華道を通じた親交」に支えられてきたと感謝した。

カナダでの生け花普及に貢献、元王立カナダ空軍女性部に在籍という経歴も

勲記を持つフルヤ氏(前列中央)、いけばな小原流オタワ支部関係者と共に。2023年7月28日、オンタリオ州オタワ市。写真提供:在カナダ日本国大使館
勲記を持つフルヤ氏(前列中央)、いけばな小原流オタワ支部関係者と共に。2023年7月28日、オンタリオ州オタワ市。写真提供:在カナダ日本国大使館

 在カナダ日本国大使館・山野内勘二特命全権大使は、「カナダにおける日本文化の普及に多大な貢献をされたフルヤさんに、この名誉ある勲章を授与できることを光栄に思います」とあいさつし、フルヤ氏の経歴を紹介した。

 フルヤ氏は、いけばなインターナショナル・オタワ・センテニアル支部といけばな小原流オタワ支部の創設者の一人で、オタワのコミュニティセンターや教育機関などで生け花を教えるほか、モントリオールでも指導するなど、積極的に生け花の普及活動を行う。

 1951年には、日系カナダ人女性として初めて王立カナダ空軍に採用され、同空軍女性部に配属されたという経歴も持つ。1953年には、皇太子さま(現・上皇さま)がイギリス女王陛下戴冠式に天皇の名代として参列する途中にカナダを訪問されることが決まり、フルヤ氏は王立カナダ空軍の特別機エスコート役、及び通訳としてご訪問を成功に導いた。

 また、全カナダ日系人協会の活動にもボランティアとして積極的に関わり、第2次世界大戦中のカナダ政府による日系カナダ人強制移動に対する戦後補償(リドレス)運動にも参加、日系人の地位向上に貢献した。

 大使は「フルヤさんのこれらの多大な貢献に感謝するとともに、この栄誉ある受章に心からお祝い申し上げます」と述べ、最後に日本語で「おめでとうございます」と祝福した。

グレース・トミコ・フルヤ

ブリティッシュ・コロンビア州生まれ。第2次世界大戦終戦後に家族と共にオンタリオ州に移り住む。1974~75年にいけばなインターナショナル・オタワ・センテニアル支部会長、現・名誉会員。1989年いけばな小原流オタワ支部初代会長。2012年にはカナダにおける日本文化普及の功績で外務大臣表彰を受けた。2009年に天皇皇后両陛下がカナダを訪問された際には、天皇陛下から1953(昭和28)年の訪問に関して謝意が表明され、56年ぶりの再会が日加両国で話題となった。

フルヤ氏(前列右から2番目)を囲んで。オタワ日系コミュニティー、山野内大使(前列左端)と共に。2023年7月28日、オンタリオ州オタワ市。写真提供:在カナダ日本国大使館
フルヤ氏(前列右から2番目)を囲んで。オタワ日系コミュニティー、山野内大使(前列左端)と共に。2023年7月28日、オンタリオ州オタワ市。写真提供:在カナダ日本国大使館

(記事 編集部)

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「ダブルダッチをオリンピック種目に」若菜里咲さんの挑戦(前編)

ダブルダッチプレーヤー若菜里咲さん。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。Photo by Japan Canada Today
ダブルダッチプレーヤー若菜里咲さん。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。Photo by Japan Canada Today
ダブルダッチプレーヤー若菜里咲さん。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。Photo by Japan Canada Today
ダブルダッチプレーヤー若菜里咲さん。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。Photo by Japan Canada Today

 なわ跳びに夢中になった小学生の夏、毎朝早起きして学校に向かい、職員室から大縄を借りてきてクラスみんなで練習した。膝を使って大きく腕を振る息のあった2人、そのテンポにあわせ、縄が上がったタイミングで思い切って飛び込む。クラスメイトが引っかからないことを祈りながら、励ましあいながら、ドキドキして順番を待ったものだ。

 そんなワクワクや情熱を、ダブルダッチというスポーツが思い出させてくれた。ダブルダッチを体験できるイベント「Let’s Play Double Dutch」に7月23日に参加した。

日本、アメリカ、カナダで、ダブルダッチの普及活動

前後から下りてくるなわを跳びながら軽快なステップでダンスを披露する若菜さんに参加者たちの歓声があがった。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。撮影:池田茜音
前後から下りてくるなわを跳びながら軽快なステップでダンスを披露する若菜さんに参加者たちの歓声があがった。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。撮影:池田茜音

 今回のイベント「Let’s Play Double Dutch」を主催した若菜里咲さんは、ダブルダッチをオリンピック種目にすべくアメリカ・ロサンゼルスに渡り普及活動をしている。現在はバンクーバーに滞在してさまざまなダブルダッチイベントを企画。そんな若菜さんに詳しく話を聞いた。

-ダブルダッチをオリンピック種目にするための活動をされているということですが、まずダブルダッチとはどんなスポーツか教えていただけますか?

 はい、ダブルダッチというのは、簡単に言えば大縄跳び。小さい時にみなさんがやっていたような大縄跳びを2本のなわで跳ぶ、というような種目です。そのなかでも私はなわの中でダンスをしながら跳ぶフュージョンというのをやっています。

 そもそもダブルダッチはオランダの言葉で、オランダから言葉がきてニューヨークで発信されてという感じなんですけど、ニューヨークではもともと女の子のスポーツでした。はじまりは色々と説があるのですが、警察官が非行少女、非行少年を止めるために物干し用のロープを持ってきて遊ばせたのが始まりといわれています。

***

 女の子のスポーツとしてニューヨークから始まったダブルダッチ。公式大会では女子が1人チームに参加していることが義務づけられているそう。

-なわを飛ぶだけでなく音楽に合わせてダンスをするというのは難しそうですね。

 そうですね。最近ではオリンピックに向けてルール化が進んでいて、例えば跳ぶ人だけじゃなくて、なわを回す人の技術だったり、回し方、「なわ技」と呼ばれる、どうやってなわを回して、どういうなわ技をするのかっていうのも審査基準の一つになっています。

-ダブルダッチの魅力は何だと思いますか?

 ダブルダッチをするには最低3人が必要で、相手を思いやらないと成り立たないスポーツなので、人を思いやれるところに魅力があります。あとは、なわの中で自分の得意が見つかるんです。なわを回すのが好きな人もいればアクロバットが好きな人、飛ぶのが好きな人、構成を考えるのが好きな人もいます。1つの競技のなかで得意なことを絶対1つ見つけられるというのがダブルダッチの魅力的な部分なのかなと思います。

-ダブルダッチを始められたきっかけは何だったんですか?

 大学に入学してサークル見学をしていたときに、友達にダブルダッチのサークルに入りたいと言われて。自分は興味はなかったですし、ダンスサークルに入ろうと思ってたんですけど。

-もともとダンスはされていたんですか?

 少ししていました。それを本格的にやりたいなと思っていて。ダブルダッチは幽霊部員じゃないけど、時々行って楽しめればいいか、くらいの気持ちでサークルに入ったんですけど、その年の夏の大会で同期のパフォーマンスを見て雷が落ちて。それから本格的に取り組むようになりました。

-ロサンゼルスに留学を決めたきっかけは何だったんでしょうか?

 もともと大学2年生の終わりくらいに1カ月留学していたんです。ロスに行きたいというよりもダンスがしたくて。ダンスはもともと大学でやりたいなって思っていたんですけど、ダブルダッチに行っちゃったので(笑)。だからダンスが足りない。それでロサンゼルスに1カ月ダンスしに行こうと思って、2年生の終わりごろにダンス留学に行きました。そのときすごく私の中で大きな変化があって、その期間が忘れられなくて。

 大学が終わったら1年間海外に行こうと思っていたんですけど、(新型)コロナ(ウイルス感染拡大)になってしまって。それで日本で活動を続けながらタイミングを見て行こうかなと考えていたら、ちょうど私がダブルダッチャーとして入っていたイベント会社の人が、「もうコロナも落ち着いてきたし、いまがタイミングじゃない?」と言ってくれて。会社では本当に良い方に出会えて、タイミングよく来させていただけました。

 イベントをサポートするという仕事をさせてもらう中でやっぱりプレイヤーというのが好きだなと思って、もう一歩、年齢が可能な限り挑戦したいなというのがあって。

***

 ロサンゼルスに留学する前はストリートスポーツのイベントプロデュースをしていた若菜さん。その間にもダブルダッチの大会の審査員を務めたり、レッスンでダブルダッチを教えたりとダブルダッチに関わり続けてきた。

 後半では、若菜さんの海外での普及活動に込められた思いに迫る。

【今後のバンクーバーでのダブルダッチイベント】

8月17日
DD in Night Movie at Vancouver Art Gallery
パフォーマンスと体験会を予定

8月27日
Let’s Play Double Dutch(ダウンタウン・ロブソンスクエア)
誰でも参加できるダブルダッチイベント

9月2日
Richmond Night Market
ダブルダッチのパフォーマンス

9月3日
日系祭り
ダブルダッチのパフォーマンス

9月10日
日系ファーマーズマーケット
ダブルダッチのパフォーマンス

そのほか毎月最終週の日曜日には参加型のイベント “Let’s Play Double Dutch”も開催予定。会場はダウンタウン・ロブソンスクエア。

9月24日、10月29日、11月26日、12月10日

詳しくは若菜里咲さんのインスタグラムを。さまざまな情報を発信している。

𝐋𝐈𝐒𝐀 𝐖𝐀𝐊𝐀𝐍𝐀 (@lisa.wakana)

初めてダブルダッチに挑戦した参加者の矢野波琉さん。初めは、なわの中でジャンプするところから始め、若菜さんのアドバイスを受けながら2時間で床に手をついて足を高く上げる「ドンキー」という技をマスター。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。撮影:池田茜音
初めてダブルダッチに挑戦した参加者の矢野波琉さん。初めは、なわの中でジャンプするところから始め、若菜さんのアドバイスを受けながら2時間で床に手をついて足を高く上げる「ドンキー」という技をマスター。2023年7月23日、バンクーバー市ロブソンスクエア。撮影:池田茜音

(取材 池田茜音)

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パウエル祭に参加して ~投稿千景~

エドサトウ

劇団、座・だいこん。8月6日、パウエル祭での公演を終えて。
劇団、座・だいこん。8月6日、パウエル祭での公演を終えて。

 パウエル祭での座ダイコンの劇の公演が終わりホットした穏やかな夏の朝をむかえる。

 最後の日々は、劇の稽古で必死であったのが、嘘のような朝をむかえて、ふっと自分はダイコン役者なれど、黄色い菜の花のような、小さな可愛らしい花を咲かすことも出来るのかと思ったりもする。

 しかし、ダイコン役者の意味を調べてみると、歌舞伎の緞帳が降りて、次の舞台が始まる間の寸劇を披露するサーカスのピエロのような役者のことを「ドンチョウ役者」と言ったらしい。それが、後に、訛って「ダイコン役者」となり、つまり、正規の歌舞伎に出れない役者のことをダイコン役者と呼んだようである。

 僕たちアマチュアの劇の座だいこんにも新しい方が3人参加されて、大いに頑張ってくれた。それぞれ、昼間は自分の仕事をされていて、夜の稽古に参加という、大変なボランティア活動を頑張っていただき、本当にありがたい思いであった。しかし、劇を無事にやり終えた感激は忘れがたいものがあり、今後も継続して参加していく様子である。

パウエル祭で、ごみをかたずけているボランティア。
パウエル祭で、ごみをかたずけているボランティア。

 劇の本番の朝、僕は車を遠くに駐車して、パウエル通りの公園横を劇場に向かい幾分不自由な足でトボトボ歩いて劇場に向かって歩いていると、公園では昨日からの大量のごみをバンクーバー市から特別に来ているであろうゴミ収集車に若いボランティアの方々が今日のイベントのためにゴミを積み込んでいるのが見えた。大きなイベントの影でモクモクと働いている人の姿は美しく感じられた。が、歩道ではホームレスらしき貧しい人々を見た。路上での生活を余儀なくされたのは個人的なメンタリティーだけとは言い切れないものもあるが、国からそれなりのペンションはあるはずである。仕事や社会から見放されたものを助けることのできないことが、このあたりのチャイナタウンの問題でもある。僕たちの劇「貧乏神と福の神」のように両者が仲良くなればいいのであるが?

 今回、座ダイコンに中学生のかたが音響を手伝ってくれた。聞けば、最近、日本から家族で移住してきたという。温厚で真面目な彼は、長い時間にわたり、僕たちの稽古に付き合っていただき感謝にたえない。話を聞けば、彼はパイロットを目指しているとのこと、彼の人生の成功を祈りたいものである。

 僕たちの劇も多くの人達のサポートがあって、一つ完成した劇が出来るのであり、その体験を共に共有できたことは、ぼく自身にとっても貴重な経験である。

 色んな困難を乗り越えてゆくことに、自らの成長があることを実感するあつい夏の一日であった。

 「君の思い 野辺の花となり 咲けるか」

「白人の方が三味線をひき、掛け声を入れるのが異国情緒があり面白く感じられました」。パウエル祭で。
「白人の方が三味線をひき、掛け声を入れるのが異国情緒があり面白く感じられました」。パウエル祭で。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

第16回 シンクロニシティ

 「シンクロニシティ」…というのは「偶然の一致」。
 偶然のように起きた出来事が、実は「特別な意味を持って起きた現象なのだ」と言うのだそうです。
 日本語で「共時性」の事ですかねぇ。
 グランマは今、83年半。随分長く生きてきた。そして、その80数年の間、この「シンクロニシティ」をどれだけ知らずに体験してきたことだろうか。それは沢山の人達との出会い、思えば最初、英国航空「BOAC」に、後にルフトハンザドイツ航空に香港哲徳国際空港で働いた時のことだ。空港勤務だから色々な人に会う。

 ある時、真っ白で異様な探検隊員服姿の三島由紀夫さんが飛行機から降りてくるのを出迎えた。
 「びっくりしたぁ」。あの彼の姿。彼の飛行機乗り継ぎのお世話をした。やはり乗り継ぎの長時間空港での待合に、「兼高かおるさん」と言っても、もう若い方には記憶にないかもしれないねぇ。世界160ケ国を旅した日本人女性だ。私は彼女を迎えに飛行機入り口まで行き、(当時の飛行機は空港ビルから離れて駐機されバスが迎えに行き、乗客をそのバスでビルへ案内していた)VIPルームへご案内し、その長い待ち時間、「日本人で1960年代に外国の空港で働く若い日本人女性」と言う事で、私が逆に質問攻めにあった。でも本当に色々な意味で素敵な方だったぁ。兼高さんって。
 あの頃、既に加山雄三さん、背の高い人とイメージをしていたら全く違っていた。先代貴乃花も相撲さんだから背が高く、それは太って大きな人と思っていたら、案外小柄なのに驚いた。
 小柄と言えば、ケンタッキー・フライドチキンの「カーネル・サンダースさん」。彼は全く看板とおりの姿、でも又彼も小柄でした。チェックインカウンターでお迎え出国手続きのお手伝いをした。いい思い出が一杯だ。

 そういう著名人達とその後、再会することはなかった。でも、そこで見て来た現実は、有名人だけではない、ベトナム戦争終了時、米軍機でべトナムから香港の空港へ運ばれ、そこから「パン・アメリカン」の民間機で米国に連れていかれた数100名の「ふんにゃふにゃな新生児達」。どうしてあんなに沢山の生まれたての赤ちゃんがいたのだろうか?あの時、空港の広ーいトランジットホール床上に敷かれた白布上に、これ又白布服を着た赤ん坊がずらーっと並べられていた。その空港でまぁ、色々な人達のとの出会いがあった。「困ったぁ」と思った時の突然の助け。全く思いがけない多々の助け。その経験は「感謝」と同時に『セレンディピティ』、時には「シンクロニシティ」かなぁ?
 自分には不思議現象としか思えない体験なのだ。そして、助けに助けられて、今がある。娘達に話すとまた「偶然よ、ハッハハハ、ラッキーなのよ。ママは。」と笑うだけ。

 ずっと時は経って、カナダへ移民後、ある時、バンフの高級ホテル、「バンフ・スプリング・ホテル」ってバンフで知らない人はいない。そこでこれまた高級毛皮セールとショーがあるという。友人の英子さんが私にアルバイトで数日手伝わないかと誘ってくれた。そして、私も行く事になった。その英子さんが往路機内で、貴女「桐島洋子」って知っている?と聞いた。私が「知らない、だーれその人?」と聞く。とにかく、その時、「IT」の無い時代、私は日本を離れて20年近く経っていたから日本のことをあまり知らなかった。すると英子さんは「へぇー、知らないの?有名な作家で第3回〈1972年〉大矢壮一賞の受賞者よ」。そう言われても分からない。
 英子さんが更に「私は彼女と同じ都立駒場高校を卒業なの」と自慢気に言った。そうだよなぁ、当時、都立駒場高校は都立高校の中でも入学も難しいと言われている有名校でもあったのは覚えている。兎に角、その都立駒場高校を卒業の英子さんと数日間の毛皮ショーのアルバイト終了後、あのお城の様な「バンフ・スプリング・ホテル」を後に、私はバンクーバーへ帰った。

 帰宅数日後、ドイツ在住の私の友人作家の小野千穂さんからFAXが送信されて来た。

澄子さん、

 桐島洋子さんが今ご家族とドイツに来ています。彼女のお母様も一緒です。
 彼女にバンクーバーがすばらしいとお話したら、この旅行(桐島さんの”世界一周家族卒業旅行”)の終わりにバンクーバーへ行きたいと言っています。
 彼女が行ったらお世話して差し上げて下さい。彼女から連絡が行くと思います。

千穂

Berliner Stra Be 213 62 Wiesbaden
Fax 661-3933

 この千穂さんからのFAXレターを読んでビックリ!
 千穂さんが以前バンクーバーへに来てすっかりバンクーバーファンになり、彼女自身も「移民」しようとした人なのだ。
 彼女は「上海 劇的な…いま!」と言う本を1986年に出版していた。そして、今、彼女の友人がVancouverへ来る、その友人とは「桐島洋子」さんだという。ついこの間、バンフに行く機内で英子さんが話していた彼女の高校の同級生、大矢壮一賞受賞者「桐島洋子」さんだという。
 これって「シンクニロシティ」? 

 そして、それから36年経った今2023年5月、今年も「桐島洋子先生」を横浜の御自宅へ訪ね、手を握り合い、やがて涙の別れ私はカナダへ帰って来た。

セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。

許 澄子
2016年からバンクーバー新報紙でコラム「老婆のひとりごと」を執筆。2020年7月から2022年12月まで、当サイトで「グランマのひとりごと」として、コラムを継続。2023年1月より「『セレンディピティ』幸運をつかむ」を執筆中。
「グランマのひとりごと」はこちらからすべてご覧いただけます。https://www.japancanadatoday.ca/category/column/senior-lady/

プライドパレード2023、今年も華やかにダウンタウンを彩る

 真夏のダウンタウンを華やかに彩ったのはプライドパレード2023。今年は、例年とはルーを変更して開催。距離を長くして、より多くの観衆が楽しめるように工夫した。

 パレードは、デイビー&デンマン通りから出発。ビーチアベニューからパシフィックストリートを行進し、最後はフォールスクリークのコンコルド・コミュニティパークに到着。

プライドパレード。2023年8月6日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
プライドパレード。2023年8月6日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito

 ルートと距離の変更は、公共交通機関のアクセスも考慮してのことと、プライドパレード・ソサエティは説明している。

 今年も沿道を埋め尽くすほどの観衆が集まり、大いに盛り上がったプライドパレード。デイビービレッジで最初に非公式で開催されたのは1978年。LGBTQコミュニティのデモ行進として始まった。1981年にはバンクーバー市が公式行事として認めて開催。以来、カナダで最も古い歴史を誇る。

 華やかな中にも、いまだ消えなLGBTQコミュニティへの差別をなくす訴えも込められている。

プライドパレードで、ウクライナの国旗を持って行進。2023年8月6日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
プライドパレードで、ウクライナの国旗を持って行進。2023年8月6日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
ダウンタウンを行進するプライドパレード。2023年8月6日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito
ダウンタウンを行進するプライドパレード。2023年8月6日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito

(写真・ビデオ 斉藤光一/記事 編集部)

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盛り上がったパウエル祭2023、最も長い歴史を誇る日系の祭りを満喫

パウエル祭に日本の夏祭りを運ぶ楽一の神輿。今年は大きい神輿に、山車も出て、涼しげな音色でバンクーバーに日本の夏を演出した。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
パウエル祭に日本の夏祭りを運ぶ楽一の神輿。今年は大きい神輿に、山車も出て、涼しげな音色でバンクーバーに日本の夏を演出した。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

 真夏の太陽が照りつける「パウエル街」で、今年も日系の祭り「パウエル祭」が盛り上がった。

 バンクーバーのコミュニティイベントとしては最も長い歴史を誇るパウエルストリート・フェスティバル。第47回も大盛況の2日間となった。

47回も続いているのはコミュニティの力

多くの人であふれるパウエル祭アレキサンダー通り。2023年8月5日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today
多くの人であふれるパウエル祭アレキサンダー通り。2023年8月5日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today

 エドワード高柳パウエルストリートフェスティバル・ソサエティ会長は、毎年この場所で開催できるのはコミュニティの結束力だと語った。「パウエル祭は日系カナダ人のお祭りで、非常にユニークなイベント。日本の文化を基本にして、カナダ文化をブレンドし、そこに先住民の文化なども取り入れて、この場所で大きくすばらしく発展してきたお祭りです」と、フェスティバルに参加する人、関係者、そして、普段はオッペンハイマー公園を住み家としている人々への協力に感謝した。

 開会式は先住民族メリー・ポイントさんのオープニング・ブレッシングで始まった。ポイントさんはあいさつで友人がいま台風のせいで沖縄に足止めされているエピソードを紹介。沖縄に自身の親友が暮らしていると話し、自分が今日ここでパウエル祭にいることを知らせたと笑いながら、日本とバンクーバーがつながっているとうれしそうに語った。

 「私はピーター・フライです」と日本語であいさつしたバンクーバー市議は大の日本好きで、日本も何度も訪問し、パウエル祭にはもう30回以上来ていると自慢する。パウエル祭が47回も続くのは「全てのバンクーバー市民たちのお祭りだからで、この先47年続くよう祈っています」と祝福した。

 連邦政府からはジェニー・クワン議員が出席。「毎年パウエル祭に来るのが楽しみで、私も30回は来ていると思います」と言う。人々を一つにするフェスティバルの1つで、日系人のプライドを示すフェスティバルでもあると思うと語り、ソサエティ、ボランティア、参加する全ての人に感謝の言葉を述べた。

「日系社会とカナダの多文化主義の接点のようなお祭り」

開会式に出席した、左から、丸山総領事、ポイントさん、クワン連邦議員、フライ市議、高柳会長。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
開会式に出席した、左から、丸山総領事、ポイントさん、クワン連邦議員、フライ市議、高柳会長。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

 今回が初めてという在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事は「お話は聞いていたんですけれども、実際来て、この場所と歴史とを改めて感じる機会になっています。日系社会がずっと努力されて、色んな文化を受け入れるカナダとの、その接点のようなところに、このフェスティバルがあって、大事にされていて、色々な方々が参加されてる姿が本当にいいなと思いました」と日本文化が多文化主義と融合していることに目を細めた。

 もうすぐ着任1年を迎える丸山総領事は、これまでにさまざまな日系のフェスティバルに参加。7月にはサーモンフェスティバルに出席。リッチモンド市と姉妹都市の和歌山にも最近訪れ、「着任して、もうすぐ 1 年っていう時期に双方にお邪魔できて、繋がることが実感できたいい時間だったなと思っています」と、日本とBC州の文化交流を喜んだ。

 あいさつでは、「このフェスティバルを通して全ての人が日本文化を堪能し、相互理解を深めてくれると思います」と語り、ここにあるような友好な相互理解や友情の力が、現在の複雑で対立的な状況を解消できると信じていると文化の力に期待した。

「新しい文化もできつつあるような気がして、すごく素敵だなと思います」

大神楽を披露する鏡味さん。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
大神楽を披露する鏡味さん。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

 日本から参加した大神楽の鏡味味千代(かがみ・みちよ)さんは、初日はten tenと舞台でのコラボのほか各ブースにも一緒に回り、神輿にも大神楽で参加。2日目にはファイアーホール・アートセンターで公演した。パウエル祭について「ここまで大きいと思ってなかったんでびっくりしました」と笑った。参加するきっかけは2019年、春に開催されるジャパンフェア桜まつりへの出演だった。その時に色々な人とつながり「パウエル際にも来れたらいいね、みたいな話をしてたんです」

 しかし、2020年からの新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外公演はできない状況に。今年になってパウエル祭実行委員会の代表と日本で会う機会があり、ようやく実現。普段は大神楽の曲芸の部分だけをやっているが、「大神楽って元々は獅子舞と一緒に色々セッションっていうか、色んなお家を訪ねて回った芸なんだよって話をしたら、それおもしろいねって言うことになって」。今回はトロントから参加したten tenとのコラボが実現した。

 楽一の獅子舞をジャパンフェアで見ていてためコラボできればと思ったそうだが、残念ながら予定が合わなかった。しかしten tenの「和楽器奏者の方たちが獅子舞できるよっていうことだったので、楽一さんに獅子舞をお借りして。笑。コラボレーションできたので、すごくうれしかったです」と目を輝かせた。

トロントから出演のten ten。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
トロントから出演のten ten。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

 来る前にはパウエル祭について調べてきたという。それでも想像以上に大きく「日本人の方がバンクーバーに移ってきて、歴史を作って、なんかそれが今こういう形で新しい文化もできつつあるような気がして、すごく素敵だなと思います」と鏡味さん。

 「日本の文化を海外に伝える仕事をしたい」という夢を、それまでの会社勤めではなく大神楽に見出した。「大神楽を見た時に、私がこの大神楽を自分でやって、色んな所で披露すれば、夢が叶うなぁって思って」。今年になって海外公演も再開し始めたと話す。バンクーバーの前にはサウジアラビアで、後にはビクトリアでも公演する。この日、見た人からは「すごいよかったって言っていただいて」と笑う。「ただ大神楽をやるだけじゃなくて、みんなに色んな話をしてもらえるというのがすごいいい機会でした」と語った。

メインイベント相撲大会、今年は男女混合で大接戦

パウエル祭が最も盛り上がるイベントの一つ、相撲大会。主催はバンクーバー相撲トレーニング。上級者が登録するA組の白熱した取組に観衆も大声援を送る。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
パウエル祭が最も盛り上がるイベントの一つ、相撲大会。主催はバンクーバー相撲トレーニング。上級者が登録するA組の白熱した取組に観衆も大声援を送る。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

 パウエル祭のイベントはすべて無料。オッペンハイマー公園のステージで、デモエリアで、バンクーバー仏教会で、ストリートエリアで、バンクーバー日本語学校で、そして、ファイアーホール・アートセンターでと、2日間ではとても回り切れないイベントが今年も開催された。

 1日目の神輿では子ども神輿や山車も復活。日本の夏を思わせる涼しげな音色と神輿を担ぐ掛け声に、オッペンハイマー公園はしばし日本の夏に包まれた。

 どの会場もにぎわっていたが、2日目に行われた相撲大会は今年も大盛り上がり。例年と違って、今年はA上級者、B初級者と2つのグループに分け、男女混合で対戦し、各グループで優勝者を決定。性別、体の大きさに関係のない取組に、観衆から大きな声援が湧き起こっていた。

 8月5日、6日に開催された第47回パウエルストリート・フェスティバルは、大成功のうちに幕を閉じた。

佐藤派糸東流による空手のデモンストレーション。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
佐藤派糸東流による空手のデモンストレーション。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
さくらシンガーズが日本の童謡を披露。観衆からはアンコールも。2023年8月5日、バンクーバー市ストリートステージ(ジャクソン&アレキサンダー通り)。Photo by Japan Canada Today
さくらシンガーズが日本の童謡を披露。観衆からはアンコールも。2023年8月5日、バンクーバー市ストリートステージ(ジャクソン&アレキサンダー通り)。Photo by Japan Canada Today
屋台の前には今年も長蛇の列。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
屋台の前には今年も長蛇の列。2023年8月5日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
高知県よさこいアンバサダー絆国際チームのパフォーマンス。多くの観衆がカメラを構える。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
高知県よさこいアンバサダー絆国際チームのパフォーマンス。多くの観衆がカメラを構える。2023年8月6日、バンクーバー市オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

(取材 三島直美)

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ホワイトキャップス、メキシコのリーグ覇者にPK戦の接戦に

ティグレスの攻撃を止めるGK高丘。リーグスカップ2023、2023年8月4日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
ティグレスの攻撃を止めるGK高丘。リーグスカップ2023、2023年8月4日、BCプレース。Photo by Koichi Saito

 またもPK戦までもつれ込んだ接戦となった。北米3カ国チームが参加するリーグスカップ。7月21日から開幕し、グループ2位でラウンド32に進んだホワイトキャップスは、BCプレースでまたもメキシコの強豪との対戦となった。

8月4日(BCプレース:13,703)

バンクーバー・ホワイトキャップス(MLS) 1-1 ティグレス(リーガMX)
(PK5対3でティグレス)

先制はホワイトキャップス。開始早々の9分にVite(#45)が決め、1-0。ティグレスは18分、絶好の得点好機だったが、Raposo(#27)がGK高丘をカバーする好セーブでゴールを許さず。前半はキャップス1-0で折り返した。しかし、後半に入った53分、ティグレスLainezが決め同点。試合はそのまま終了しペナルティ・シュートアウト(PK戦)に。先攻のティグレスは4人が成功したのに対し、ホワイトキャップスは4人目が失敗。その後、ティグレス5人目が決めて、試合が決まった。ホワイトキャップスはラウンド16に進めなかった。

GK高丘、PKは自分が止めれば次のラウンドに進めた

 この日の相手はメキシコのリーグ覇者ティグレスUANL。7月21日のクラブ・レオンに続いて、この試合もメキシコのチーム相手にPK戦までもつれ込んだ。GK高丘は「PK戦のところで僕が止めることができれば次のラウンドに進めたと思うんで、そういう意味では非常に悔しい敗戦になりました」と振り返った。

 「90分通して、厳しい時間帯もありましたけど、去年のリーグチャンピオン相手に互角以上に戦えたと思いますし、90分間の中で勝つチャンスもあったと思います」と決めきれなかったことを悔やんだ。

 Vanni監督も「相手よりも(ホワイトキャップスの方が)良かったと思うし、自分たちは非常に良いプレーをした」と試合後の会見で振り返った。ただ「残念ながら勝ちにつながる2点目が取れなかった」とも。しかし、審判の判断への批判も込めて「自分たちの方が勝ちに相応しいチームだった」と力を込めた。

 このトーナメントでは3試合戦って1敗もしていないと強調。「自分たちが良いチームであることを示せた試合だった。戦いぶりについてはハッピーだった」と前を向いた。

MLS以外のチームとの対戦は良い経験に

 リーグスカップでは、3試合を戦って2チームがメキシコのチーム。MLSチームではないチームと対戦することに、「難しさはなかったですけど、違うリーグのチームと(試合を)やるというのは僕自身非常にいい経験になりました。日本にいてなかなかメキシコのチームとやることはないんで」と語り、それだけに「勝っていい経験にしたかったな」と悔しがった。

 メキシコチームと2試合ともPK戦となったことについて、「PK戦に90分間終わってすぐに入っていくということで、日本代表が去年PKで負けましたけど、僕としてはワールドカップとかをイメージしながらやっていたので、PK戦でもちゃんと勝ち切れる強さというのは、僕自身ゴールキーパーとして求めなければいけなかったので…そういう意味では、率直に悔しいですね」と冷静に語りながらも、悔しさをにじませた。

 バンクーバー・ホワイトキャップスは8月20日にBCプレースでMLSレギュラーシーズン後半戦を開始する。

ホワイトキャップス、2点目を許す。リーグスカップ2023、2023年8月4日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
ホワイトキャップス、2点目を許す。リーグスカップ2023、2023年8月4日、BCプレース。Photo by Koichi Saito

(取材 三島直美/写真 斉藤光一)

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