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Sake Fest ’25、150種超の酒と食文化をバンクーバーで発信

純米酒をはじめ、にごり酒なども紹介したKIZUNA SAKE。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
純米酒をはじめ、にごり酒なども紹介したKIZUNA SAKE。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
日本酒をはじめ、果実酒、ビールが並び、賑わう会場。ブースでは好みの味を伝えると、米の産地や精米歩合からぴったりの銘柄を勧めてくれる。2025年10月9日、バンクーバー市。提供 SABC/Photographer: John Lau
日本酒をはじめ、果実酒、ビールが並び、賑わう会場。ブースでは好みの味を伝えると、米の産地や精米歩合からぴったりの銘柄を勧めてくれる。2025年10月9日、バンクーバー市。提供 SABC/Photographer: John Lau

 「Vancouver Sake Fest’25」が10月9日、バンクーバー市で開催された。日本とカナダの酒蔵や輸入業者21社以上が集まった会場には、日本酒や焼酎、ビール、フルーツ酒など150種類を超える酒が並び、さらに日本酒に合うフードも提供された。昼の部は業界関係者向けトレードショー、夜の部は一般向け試飲会が行われ、招待客などを含め約300人が日本の酒と食を楽しんだ。

業界連携で築く、新たな日本酒市場

 日本では10月1日は「日本酒の日」。BC州日本酒協会(The Sake Association of British Columbia:SABC)が主催する同イベントは今回が5回目で、これまでも毎回10月に行われ、日本酒を通じてカナダと日本の文化交流を深めることを目的としている。

日本文化の発信を通じて、日本酒だけではなく飲食業界全体を盛り上げたいと意気込む、SABC代表の小西隆之さん。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
日本文化の発信を通じて、日本酒だけではなく飲食業界全体を盛り上げたいと意気込む、SABC代表の小西隆之さん。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

 BC州では約1,000銘柄の日本酒が流通しているが、アルコール税率が高く、州政府が流通を管理するなど厳しい市場環境にある。SABC代表の小西隆之さんは「税金が高くて、最終的に一般の消費者のところに渡らない」と語り、販売構造に課題があると指摘する。

 それ以外にもカナダ全体の好みとして、「アルコールを飲む方が少なくなってる気がします。飲んでも低アルコールのものを選ぶ傾向があります」と、若年層を中心にビールやチューハイなど軽めの飲料が好まれる中で、日本酒のように度数の高い酒が選ばれにくいと感じている。

 それでも「BC州はアジアからの移民が多く、文化的にお酒を知っている人が一定数います。だからこそ、この地域は日本酒を広める上で重要な市場」と話す。

純米酒をはじめ、にごり酒なども紹介したKIZUNA SAKE。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
純米酒をはじめ、にごり酒なども紹介したKIZUNA SAKE。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

 また今回からは食品スポンサーの協力よる、和牛や日本米を使った料理、加工食品などが並んだ。来場者は酒を片手に食も一緒に楽しめて、会場は1日中賑わっていた。

 小西さんは、「飲食業、輸入商社、アルコール業界が一緒にビジネスを考えていかないとマーケットが大きくならない」と述べ、同イベントを「業界が協力しながら新たな市場を育てるための場」と位置づけていると期待した。

 来場者からは「お酒だけでなく、食事も楽しめた」「ビールや焼酎、フルーツ酒もあり幅広く味わえた」などの声が多く聞かれた。

しつこくない油が日本酒にもぴったりだという、A5のBMS12サーロインステーキ。2025年10月9日、バンクーバー市。提供 SABC/Photographer: John Lau
しつこくない油が日本酒にもぴったりだという、A5のBMS12サーロインステーキ。2025年10月9日、バンクーバー市。提供 SABC/Photographer: John Lau

 茨城県産の「常陸牛」を提供したFrobisher International Enterprisesの担当者、廣見麻里亜さんは、カナダのレストランなどで見かける和牛の多くは日本産ではなかったり、グレードの低いものだったりする現状の中、「本物のジャパニーズ和牛は高価でなかなか手が出しづらい」と話す。だからこそ、「お客さんがたくさん集まるこういう機会に、せっかくなので日本の良い和牛を試してもらって、どういうものかを楽しんでいただきたい」と語った。

 また、Azuma Foods (Canada) Co., Ltd.の土橋祐斗さんは、現地生産を行う食品メーカーとして、食を通じた文化理解を促進したいという。「まずは日本のカルチャーというものを知って欲しい」と語り、JETROと連携したジャパンモール事業を紹介していた。

金芽米を使った料理に興味を示す来場者。他にも日本酒に合わせた料理が並んだ。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
金芽米を使った料理に興味を示す来場者。他にも日本酒に合わせた料理が並んだ。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

 そのほかにも食を軸にした取り組みとしてToyo Rice Corporationが日本米を提供。担当者の石塚貴史さんは、「去年はお米を展示するだけでしたが、今年は実際にホテルのフィンガーフードに使ってもらいました。食べてもらって興味を持ってもらいたい」と語り、体験を通じて日本米の魅力を伝えた。 LA International Tradingはオレンジマダイを提供した。

 昼の部では日本酒の味わいや香りを学ぶセミナーも行われた。講師を務めたのは、日本酒のWSET認定講師でCru Classe Hospitality Corp.の代表ララ・ビクトリアさん。参加者に向けて「umami(うま味)の理解」をテーマに、日本酒のテイスティング方法や風味を構成する要素について解説した。

参加者たちは、日本酒一つひとつの香りや味の違いを確かめながらテイスティングを行なっていた。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
参加者たちは、日本酒一つひとつの香りや味の違いを確かめながらテイスティングを行なっていた。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
乾杯のあいさつするバンクーバー総領事館・岡垣首席領事。会場にはBC州政府ポール・チョイ貿易担当政務次官なども出席した。2025年10月9日、バンクーバー市。提供 SABC/Photographer: John Lau
乾杯のあいさつするバンクーバー総領事館・岡垣首席領事。会場にはBC州政府ポール・チョイ貿易担当政務次官なども出席した。2025年10月9日、バンクーバー市。提供 SABC/Photographer: John Lau
出羽桜のブース。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
出羽桜のブース。2025年10月9日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

(取材 田上麻里亜)

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BC州でサッカイサーモン927万匹回帰 予想の3倍、4年に一度の大量年

フレーザー川水系のアダムス川に遡上するサッカイサーモン。写真提供: Fisheries and Oceans Canada
フレーザー川水系のアダムス川に遡上するサッカイサーモン。写真提供: Fisheries and Oceans Canada

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の川に、赤く色づいたサッカイサーモンの群れが次々と姿を現している。今年は4年に一度の大量回帰の年にあたり、各地でピークを迎えつつある。フレーザー川水系を中心に観測された回帰数は、事前予測の約3倍にあたる927万匹にのぼり、近年ではまれな規模として注目されている。

 一方で、サーモン回帰を取り巻く環境は年々変化しており、保護や漁業規制、気候変動への対応も課題となっている。その現状について、カナダ漁業・海洋省(DFO)に話を聞いた。

927万匹と過去平均を上回る回帰数

サレー市のサーペンタイン川を遡上するサーモン。 The Serpentine Enhancement Societyのブライアン・イングランドさんによると、大雨の翌日は多くのサーモンが上ってくることが予想されるという。2025年10月29日、サレー市。撮影:田上麻里亜
サレー市のサーペンタイン川を遡上するサーモン。 The Serpentine Enhancement Societyのブライアン・イングランドさんによると、大雨の翌日は多くのサーモンが上ってくることが予想されるという。2025年10月29日、サレー市。撮影:田上麻里亜

 太平洋サーモンはカナダ西海岸の象徴的な魚種で、先住民コミュニティにとっては食料としてだけでなく、社会的、儀式的にも欠かせない存在である。また、レクリエーション漁業や商業漁業を通じて地域経済にも貢献している。海洋および淡水の生態系でも重要な役割を果たしており、その保全は自然環境と文化の両面において大きな意味を持つ。

 太平洋サーモンには、チヌークサーモン(キングサーモン)、コーホーサーモン(銀サーモン)、サッカイサーモン(紅サーモン)、ピンクサーモン(カラフトサーモン)、チャムサーモン(白ザケ)の5種が存在し、それぞれ異なる生態的特徴を持つ。

 中でも、サッカイサーモンに見られる「周期的優占(cyclic dominance)」と呼ばれる現象は特異であり、BC州のフレーザー川には4年に一度、おびただしい数のサッカイサーモンが回帰する。

 2025年のサッカイサーモン回帰数は、フレーザー川水系で約927万匹と予測されている。事前の予測中央値290万匹を大きく上回る数で、過去の平均も上回る水準となった。今年は4年に一度の大量周期にあたり、前回の周期だった2021年の回帰数(約630万匹)を大きく超えている。

保全を目的とした漁獲制限と管理

The Serpentine Enhancement Societyでは、Tynehead Hatcheryでサーモンを養殖し、地元で絶滅の危機にある魚種の補充と再放流に力を注いでいる。2025年10月29日、サレー市。撮影:田上麻里亜
The Serpentine Enhancement Societyでは、Tynehead Hatcheryでサーモンを養殖し、地元で絶滅の危機にある魚種の補充と再放流に力を注いでいる。2025年10月29日、サレー市。撮影:田上麻里亜

 一方で、近年BC州の一部地域ではサーモン資源を守るため、漁獲制限や規制を強化している。これは、産卵前に高い死亡率が見られていることが背景にある。特に近年では、水量の減少や高水温、干ばつ、地すべりといった要因により、産卵前の死亡率が90%に達するケースもあるという。

 また、夏に回帰するサッカイサーモンとともに遡上する系統の中には、個体数が少なく保護が必要とされる在来種が含まれている。特に「レイトラン(late-run)」と呼ばれるフレーザー川のサッカイサーモンは、全体の回帰群の中でも規模が小さく、複数の脆弱な系統を含んでいる。このため、DFOはこれらの保全を目的に漁獲上限を設けている。

 加えて、気候変動と生息地の変化も大きな影響を与えている。具体的には、水温の上昇、食物連鎖の変化、河川流量ピークの時期のずれ、干ばつや豪雨の増加、浸食の進行、氷河の縮小、川や湖の氷結期間の短縮などが報告されており、これらがサーモンの生存率や遡上範囲に影響を及ぼしている。

 こうした状況に対応するため、カナダ政府はPacific Salmon Strategy Initiative(PSSI)を推進。BC州やユーコン準州を中心に、生息地の回復や気候変動対策を目的としたプロジェクトが展開されている。

サーモン回帰の観察スポット

オスのコーホーサーモンを紹介するブライアンさん。鼻の先の突起は「キープ(Kype)」と呼ばれ、オス同士がメスと交尾する権利をめぐって争う際に使われる。2025年10月29日、サレー市。撮影:田上麻里亜
オスのコーホーサーモンを紹介するブライアンさん。鼻の先の突起は「キープ(Kype)」と呼ばれ、オス同士がメスと交尾する権利をめぐって争う際に使われる。2025年10月29日、サレー市。撮影:田上麻里亜

 サーモンの回帰を目にすることができるスポットがBC州各地にある。一度見たら人生観が変わるとまで言われるサーモンの遡上風景。例年秋には、アダムス川や、ゴールドストリーム州立公園などに多くの人がサーモンの回帰を見るために訪れている。

 観察に適した時期や場所は、以下のウェブサイトから。

「Where and when to see salmon」Fisheries and Oceans Canada (DFO)
https://www.pac.dfo-mpo.gc.ca/sep-pmvs/see-observer-smon-eng.html

The Serpentine Enhancement Society: https://tyneheadhatchery.ca/

(取材 田上麻里亜)

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キャップス、プレーオフ第1戦で快勝 高丘はクリーンシート守る

試合後にファンと一緒に喜ぶ選手たち、高丘も笑顔を見せる。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
試合後にファンと一緒に喜ぶ選手たち、高丘も笑顔を見せる。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
超満員のファンが詰めかけたMLSカップ・プレーオフ1回戦。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
超満員のファンが詰めかけたMLSカップ・プレーオフ1回戦。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 ファンが3階席まで埋め尽くし、 BCプレースが熱気と水色に染まった。10月26日、MLSカップ・プレーオフの1回戦が行われ、バンクーバー・ホワイトキャップスFCがFCダラスを3対0で完封した。

 観客動員数は32,066人と、ホワイトキャップスのMLSカップ・プレーオフでのホーム記録を更新。悲願のMLSカップ制覇へ向けて、力強い一歩を踏み出した。

10月26日(BCプレース:32,066)
バンクーバー・ホワイトキャップス 3 – 0 FCダラス

前半から主導権を握り、試合をコントロール

 試合序盤からホワイトキャップスが主導権を握った。左サイドのアリ・アーメドが積極的に仕掛け、攻撃のリズムをつくった。

 43分、セバスチャン・ベルハルターが右サイドへ展開。アーメドが素早くクロスを送り、リオスが力強く頭で合わせて先制した。リオスは今季全大会を通じて4得点目を記録。

PKが決まった後、ミュラーの周りに集まり感情を爆発させるホワイトキャップス選手たち。 FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
PKが決まった後、ミュラーの周りに集まり感情を爆発させるホワイトキャップス選手たち。 FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 後半に入っても流れは変わらず、エマニュエル・サビが前線で躍動。ドリブルで相手DFセバスティアン・イベアガと競り合いペナルティエリア内でPKを獲得。サビがPKを誘うのは2試合連続で、試合後にソレンセン監督が「相手の背後を常に脅かしていた」と称賛するほど、終始攻撃の軸として存在感を見せた。

 PKはトーマス・ミュラーが右上に決め、リードを2点に広げた。ミュラーは加入後9試合で9得点。ホワイトキャップスでの公式戦PKは6本全て成功している。

 そして83分、途中出場の18歳ライアン・エルーミが果敢なドリブルでゴールライン際を突破。倒されながらも低いクロスを送り、これを同じく途中出場で日本生まれの日系ペルー人選手ケンジ・カブレラが滑り込みながら押し込み、3対0。若手の活躍で試合を締めくくった。

今年7月に加入したケンジ・カブレラ、今回の試合で公式戦通算2点目を挙げた。ホームでは初ゴール。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
今年7月に加入したケンジ・カブレラ、今回の試合で公式戦通算2点目を挙げた。ホームでは初ゴール。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 ミュラーは試合後、「最初から試合をコントロールできた」と振り返った。攻守のバランスや相手のカウンターへの備えなど、試合の戦い方に手応えを感じたという。そして、「まだ1勝を手にしただけで、2勝目が必要」と次戦への意気込みを語った。

安定感ある守備でチームを完封勝利に

 守備ではチーム全体が冷静に最終ラインを支え、相手に決定機を与えなかった。FCダラスのシュート数は0本と、完璧に封じ込めた。GK高丘は大きなセーブを要する場面は少なかったものの、安定感ある守備でチームの完封勝利に貢献。

 試合後には、「前半からボールをちゃんと握ってコントロールできましたし、チャンスも作っていた。3点取って勝てたのは大きいと思いますし、無失点で抑えられたのは良かったかなと思います」と手応えを話した。

背後のスペース管理を意識したというGK高丘。 FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
背後のスペース管理を意識したというGK高丘。 FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 また、「相手の狙いは僕らの背後のスペースだったので、そこの管理を意識していました。ボールを足で扱う場面も多かったけれど、プレッシャーをうまく受けながら対応できたと思います」と自身のプレーを振り返った。

次戦アウェーは「0対0からのスタート」と高丘

 ソレンセン監督にとって、北米でのプレーオフは今回が初めて。「旗や歓声、チームへの愛情があふれていて、本当に特別な夜になった」と語り、「観客に最高の試合を見せることができてうれしい」と感謝した。

 今月18日に行われたレギュラーシーズン最終戦では、やはりBCプレースで同じくダラスと対戦し敗れている。ソレンセン監督は、「1週間前の試合で得た情報をもとに修正できた。集中して、狙ったテンポで試合を進められた」と振り返った。

 高丘はプレーオフへの意気込みについて、「2年連続でこのラウンド1で負けていたので、悔しさは持っています。今年はチームの状態もいいですし、MLSカップを取れるように1試合ずつ勝っていきたい」と力を込めた。そして第2戦に向けては、「アウェーでも0対0からのスタートになる。1週間良い準備をして、また集中して臨みたいと思います」と気を引き締めた。

 この日の観客動員数は32,066人、ホワイトキャップスのMLSカップ・プレーオフでのホーム記録を更新した。高丘も、「観客の後押しをすごく感じました。今季は満員の試合も多く、年々熱が上がってきていると思います」と話す。

 ホワイトキャップスはこれでシリーズ1勝。次戦は11月1日午後6時30分(太平洋標準時)、アメリカ・テキサス州のトヨタ・スタジアムで行われる第2戦に臨む。勝てば準々決勝進出が決まり、シリーズが第3戦にもつれた場合は11月7日に再びBCプレースで行われる。

試合後にファンと一緒に喜ぶ選手たち、高丘も笑顔を見せる。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
試合後にファンと一緒に喜ぶ選手たち、高丘も笑顔を見せる。FCダラス戦。2025年10月26日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

(取材 田上麻里亜/写真 斉藤光一)

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変わるカナダの移民政策とビザ厳格化、今求められる準備

Visa JP Canada Immigration Consulting Inc.の白石有紀さん。2025年9月、バンクーバー市内の事務所で。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
Visa JP Canada Immigration Consulting Inc.の白石有紀さん。2025年9月、バンクーバー市内の事務所で。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

 「今は、早めに準備という時代」と語るのは、Visa JP Canada Immigration Consulting Co代表の白石有紀さん。2024年以降、カナダへの移民、就労、ビザの厳格化が進んでいる。日本人留学生や移住を目指す人にとって、従来以上に計画的な準備が求められる時代に入った。

 こうしたカナダの移民、制度変更の背景や今後予測される動きについて、白石さんに話を聞いた。

移民政策の転換と背景

 カナダの制度が変化した大きな要因のひとつは、新型コロナウイルスによるパンデミックだ。2020年以降、新型コロナ禍において国境が実質的に閉ざされ、カナダ国外に出られなくなった留学生が国内にとどまった。政府はそういった留学生を救済するため、在留延長や永住権取得を後押しする政策を次々と実施し、結果的に外国人の数が急増した。

 しかしその後、以前から問題となっていた住宅不足や家賃高騰に追い打ちをかける形で社会資源への負担が一層深刻化したため、政府は2024年以降、移民の質を確保すること、そして住宅や医療などの社会資源への圧迫を和らげることなどを目的に、留学生の受け入れ数に上限を設ける新たな規制を導入。具体的には、これまで制限のなかった学生ビザの発給数を2024年は485,000件に、2025年は437,000件に減らすなどの対応をとった。学生ビザの発給数は2026年も25年水準を維持する方針だ。

 白石さんは、今回の変化はいきなり厳しくなったわけではなく、新型コロナで膨らみすぎた分を調整し、以前の水準に戻そうとする流れだと説明する。その上で、かつてはカナダに渡航すれば何とかなると考えられていたが、現在はそうした状況ではなく、計画性を前提とする方向へ移行していると指摘する。

学生ビザとPGWPの厳格化

 では、近年ビザや制度でどのような変化があったのか。

 学生ビザは、従来に比べてビザの申請理由やキャリア計画を具体的に示すことが求められるようになった。「なぜカナダで学ぶのか」「卒業後どのようにキャリアを築くのか」「就学後に帰国するか」といった説明が求められ、形式的な書類提出だけでは認められにくいという。さらに、審査期間の長期化により早めの準備が欠かせなくなっている。

 ポストグラデュエーション・ワーク・パーミット(PGWP)にも大きな変更が加わった。昨年秋からは英語試験スコアの提出が必須となり、今年には対象となるプログラムもカナダ国内で需要の高い職種に直結するものに見直された。白石さんは「今後も需要の高い仕事の変化に応じてPGWPの条件は更新される。学校選びの段階から(PGWPの)対象かどうかを確認することが非常に重要」と強調する。

 こうした制度変更の影響は、日本人留学生だけではなくカナダの教育現場にも及んでいる。カナダ人学生よりも高い授業料を支払う留学生の減少により、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では、バンクーバー・コミュニティ・カレッジやクワントレン・ポリテクニック大学、ランガラ・カレッジで教員削減が相次いでいる。ランガラ・カレッジは、2023年秋と比べて留学生が2,400人減少、69のポジションを削減したことを認めた。私立のカレッジでは公立以上に強い打撃を受けているという。

ワーキングホリデー制度の変化

 日本人のワーキングホリデービザ(International Experience Canada: IEC)は、2025年4月から12カ月のビザを2回まで取得可能となった。日本がカナダ人の利用率が低いことから受け入れ条件を緩和したため、その結果、カナダでも相互主義の原則により日本人の滞在を2年に延長した。

 ただし年間枠は変わらず6,500人のため競争率は上昇。これまでよりも早く申請枠がなくなり、翌年に持ち越される人も増えていくと予想されている。2024年枠のワーホリビザは10月21日に申請を実質的に終了したが、今年2025年枠は8月上旬の時点ですでに実質終了となった。

 さらにカナダ国内の失業率上昇により、現地での仕事確保は容易ではない。白石さんは「渡航前から就職戦略を立てておくことが大切です」と指摘する。

永住権取得の厳格化と2026年への動き

 永住権(PR)を目指す場合の難易度も高まっている。BC州の州ノミネーションプログラム(PNP)では、2025年の新規申請枠は前年に比べて半減したうえ、2024年分の審査が滞っていることなどを理由に、申請対象者がごく一部の医療従事者に限定された。

 また、かつては申請書を提出した順番に審査が進められていたが、現在はそうではない。白石さんによると、今は政府が優先して受け入れたい人材がいれば、申請順にかかわらずその人物が先に審査される仕組みに変わっているという。

 カナダ政府が優遇する人材も変化してきており、かつて有利とされたIT分野は近年リストから外れ、一方で今年新たに教育職従事者の分野が優遇対象となった。これは、AIに代替されにくい職種とも関連しているという。

 白石さんは、「よくある失敗は、とりあえず学校に行けばPRにつながると思ってしまうこと」と話し、実際にはどのプログラムならPGWPが出るのか、どの職種が永住権取得につながりやすいのかを逆算することが大切だと指摘する。

 その上で、「情報が多い時代だからこそ、誤情報に惑わされず信頼できる情報源を選び、早めに準備を始めることが重要です。『行けばどうにかなる』時代ではありません」と強調、制度変更や社会の動向を踏まえた準備の重要性を呼びかけた。

Visa JP Canada Immigration Consulting Inc.

Visa JP Canada Immigration Consulting Inc.の白石有紀さん。2025年9月、バンクーバー市内の事務所で。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
Visa JP Canada Immigration Consulting Inc.の白石有紀さん。2025年9月、バンクーバー市内の事務所で。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

人材カナダの移民コンサルティング部門として2006年に設立された後、2009年に独立部門として誕生。その後、2016年からは独立法人Yuki Shiraishi Immigration Consulting Inc.の下で現在の経営形態を取り、カナダへの移民、就労、各種ビザのコンサルティングを提供している。https://visajpcanada.com/

(取材 田上麻里亜)

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26歳でカンヌを経てVIFFへ 「見はらし世代(Brand New Landscape)」団塚唯我監督インタビュー

「見はらし世代 "Brand New Landscape"」より。Photo provided by VIFF
「見はらし世代 "Brand New Landscape"」より。Photo provided by VIFF
団塚唯我監督。Photo Provided by VIFF
団塚唯我監督。Photo Provided by VIFF

 初めての長編映画が、海外の舞台で静かに歩き出した。東京・渋谷の再開発を背景に、家族の関係と都市の変化を重ねた映画「見はらし世代(Brand New Landscape)」を手がけたのは、27歳の団塚唯我(だんづか・ゆいが)監督。23歳で脚本を書き始めたというこの作品は、「第78回カンヌ国際映画祭」監督週間に選出され、日本人として史上最年少、26歳での参加となった。

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で開催された「バンクーバー国際映画祭(VIFF)」(2025年10月2日~12日)では北米プレミア作品(日加トゥデイ・メディアパートナー)として上映された。

 日本での公開(10月10日)で多忙な中、オンラインで団塚監督に話を聞いた。

変わりゆく東京と、家族のかたち

 再開発が進む渋谷を舞台に、離れて暮らす父と子どもたちの変化を描いた映画「見はらし世代」。ランドスケープデザイナーの父は仕事に没頭し、家族との関係は長く途絶えていた。ある日、父と再会した姉弟は、変わりゆく街の風景の中でそれぞれの記憶や思いと向き合う。

 この作品は監督自身の体験に根ざしている。「もともと家族に対する違和感みたいなものがあって。僕は東京出身なんですが、東京の変わっていく街並みに対しても同じように違和感があったんです」と話す。

 「家族という小さいコミュニティと、都市っていうすごい大きな枠組みって、真逆にあるようで、でも自分の中ではどこかで重なった瞬間がありました」。変わりゆく街と家族を対比させる発想は、都市に生まれ育った監督ならではの視点だ。

「見はらし世代(Brand New Landscape)」より。Photo provided by VIFF
「見はらし世代(Brand New Landscape)」より。Photo provided by VIFF

 息子の蓮が渋谷で胡蝶蘭(コチョウラン)の配送運転手として働く設定については、「胡蝶蘭の配達ドライバーは低所得の仕事だけれど、高級品を扱うことで富裕層の空間に一瞬アクセスできる。都市の中で階層がすれ違う、その違和感を描きたかった」と語る。

映画との出会いは大学生の春休み

 団塚監督が映画に出会ったのは大学時代。春休みに借りたDVDをきっかけに、「自分ならこう撮りたい」という発想が自然と芽生えた。当時通っていたのは、映像とは関係のない慶應義塾大学環境情報学部。YouTubeなどで独学を始めたあとに大学を退学し、映画美学校へ。短編作品を通じて現場での手法を学んだ。

 「(映画を作り始めた当時は)18歳、19歳ぐらいのときで、何でもできると思っていた。今の自分だったら踏み出せなかったと思う」と振り返る。両親がデザイン関係の仕事をしていたことも創作の原動力となった。「何か作ることに対しての心理的ハードルが少なかった」と団塚監督。

 その後、短編「遠くへいきたいわ」で注目され、出会ったスタッフや関係者との縁が今回の長編制作の道を開いた。

俳優の感覚を生かす現場作り

 撮影では、脚本よりも現場で生まれる俳優の感覚や空気を大切にした。「間を詰めてほしいとか、リズム良くしてほしいとか、そういうことは言わなかったですね。むしろ言わないというか、(間は)取れたら取っていいし、取らなくてもいい。そういう言い方をしていました」と語る。

「見はらし世代 "Brand New Landscape"」より。Photo provided by VIFF
「見はらし世代 “Brand New Landscape”」より。Photo provided by VIFF

 「役者さんがトライできる環境をどう作るか。僕が『何秒空けてください』と言うより、その人が『これ以上しゃべりたくない』と思った間をそのまま受け止める方が自然だと思った」。

 映画作りの過程については「スタッフがそれぞれの持ち味を生かしながら、かけ算のように作品ができあがっていく。その過程がおもしろい」と話す。幼少期から野球部に所属していた団塚監督は、チームで目標を共有しながら進める感覚が映画制作にも通じていると感じている。

 終盤に描かれる父と弟の場面では、言葉を排し、表情や空気の揺らぎで関係の変化を描いた。「どうやったら関係が変わっていくか。そのきっかけを説明ではなく映像の中で見せたかった」。印象的な空気感に、家族の距離が静かに変わっていく瞬間がにじんでいた。

東京から海外へ、映画が旅をする

 海外での活躍については、「映画だけが旅をしているようで光栄です」と語り、自らはバンクーバーを訪れることができなかったが、遠い地で自作が見られていることを喜んだ。

 映画の舞台となった東京は、監督にとって特別な街。「東京に生まれ育った自分が撮った東京の話を、海外の人がどう感じるのかが楽しみです。今の日本の都市を見られる映画にもなっていると思うので、見終わったあとに自分の住む町を少し違う目で見てもらえたら」と語る。

 家族という小さな共同体を通して、都市の変化や人の時間を描いた「見はらし世代」。日本では10月10日から全国で順次公開している。

見はらし世代(Brand New Landscape)https://miharashisedai.com/

「見はらし世代 "Brand New Landscape"」より。Photo provided by VIFF
「見はらし世代 “Brand New Landscape”」より。Photo provided by VIFF

(取材 田上麻里亜)

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今年行きたい、カナダ紅葉スポット ケベックの秋に出会う旅

ラ・モーリシー国立公園の紅葉(モーリシー地方)。写真提供:ケベック州政府観光局© GouvQc / Laurene Bath
ラ・モーリシー国立公園の紅葉(モーリシー地方)。写真提供:ケベック州政府観光局© GouvQc / Laurene Bath

 あっという間に夏も終わりに近づき、強い日差しの合間に吹き抜ける風が少しずつ涼しさを帯びてきた。街の緑をよく見てみると葉がわずかに色づきはじめ秋の気配が漂い始めている。

 9月中旬から10月下旬にかけてケベック州では、山や森は赤や黄色のグラデーションに染まり、短い秋が一気に深まっていく。

 今回はケベック州政府公式観光サイト「Bonjour Québec」が勧める、ケベックシティやモントリオールから日帰りで行ける4つの紅葉スポットを紹介する。

氷河谷に広がる紅葉と幻想的な霧「ジャック・カルティエ国立公園」

エポール川沿いの紅葉風景(ジャック・カルティエ国立公園、ケベック州・ストーンハム=エ=テウクスベリー)写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin
エポール川沿いの紅葉風景(ジャック・カルティエ国立公園、ケベック州・ストーンハム=エ=テウクスベリー)写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin

 今年の秋、特に「お勧め」と教えてくれたのが、ケベックシティから北へ車で約30分のジャック・カルティエ国立公園。数千年前に氷河によって形成されたU字型の渓谷とジャック・カルティエ川が交差する国立公園だ。

 9月下旬から10月中旬にかけて、谷を囲む木々が一斉に色づき、赤、だいだい、黄金のグラデーションが水面に映り込む。園内には初心者向けの散策路から中・上級者向けの登山道まで整備され、各地点から谷を見下ろすことができる。

 ここはもともと数世紀にわたり、モンタニエ族とヒューロン族が漁業や罠猟のための移動・交易路として利用していた歴史を持つ。

  Bonjour Québecが勧めるのは、何と言ってもジャック・カルティエ国立公園での早朝散歩。川の上に立ち込める霧が幻想的で、まるで絵画のような光景が広がるという。そして、地元のシードルや手作りチーズも忘れてはいけない。秋はシードルや手作りチーズの収穫の季節だそう。旬の味覚も秋の楽しみのひとつだ。

珍しい隕石地形と亜寒帯植生「グラン・ジャルダン国立公園」

秋の森の空撮風景(ガブリエル=ロワ・ウエスト・トレイル、ケベック州・プティト=リヴィエール=サン=フランソワ)。写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin
秋の森の空撮風景(ガブリエル=ロワ・ウエスト・トレイル、ケベック州・プティト=リヴィエール=サン=フランソワ)。写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin

 ケベックシティから車で約90分。シャルルボワ地域に位置し、ユネスコ生物圏保護区にも登録されているグラン・ジャルダン国立公園。約3億年前の隕石衝突により形成されたクレーター地形が特徴だ。

 南ケベックでは珍しいタイガとよばれる広大な針葉樹の原生林や、凍結した荒原ツンドラ、高山植物、山岳植生などが混在し、北方系と南方系の植物が共存する生態系を持つ。そこからフランス語で「大きな庭園」を意味する「グラン・ジャルダン(Grands-Jardins)」と名付けられたそうだ。

 特に、モン・デュ・ラック・デ・シーニュへの登山道が人気で、山頂からはクレーター全体と広大な紅葉を一望できる。 Bonjour Québecも紅葉シーズンの色彩は格別だと教えてくれた。園内には全長30キロ以上のトレイルが整備され、体力や目的に応じたコースを楽しむことができる。

ヨーロッパ風の町並みと秋景色「モン・トランブラン」

モンタン・ヴェルト山頂からのパノラマ(ケベック州・ラベル)。写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin
モンタン・ヴェルト山頂からのパノラマ(ケベック州・ラベル)。写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin

 ローレンシャン地域にある山岳リゾート、モン・トランブランは、モントリオールから北へ車で約90分。1930年代から観光地として発展し、紅葉の名所としても知られる。

 モン・トランブランでは、サトウカエデを中心とした山肌が9月下旬から10月上旬にかけて赤や黄色に染まり、ゴンドラからは360度のパノラマが広がる。トレイルは家族向けから中級者向けまで多様に整備され、展望ポイントも複数存在しているという。

 モン・トランブランの街は、季節ごとに表情を変える5つのエリアから成っている。世界的に有名なトランブラン・リゾート、山麓のビレッジ、ダウンタウン、モン・トランブラン国立公園、そしてドメーヌ・サン=ベルナールだ。

 その中でも、1895年に「モンターニュ・トランブラント公園」として設立された国立公園はケベック州最古の公園で、400の湖、6本の川、サトウカエデ林を有する豊かな自然が広がっている。

 カヌー、ハイキング、サイクリング、ビア・フェラータ、スカンジナビア式スパ、ゴンドラでの絶景散策など、四季を通じて多彩なアクティビティを楽しめるのも魅力。特に9月下旬から10月上旬はローレンシャンの紅葉が最盛期を迎え、訪れるのにベストなシーズンだ。

 年間を通じて多彩なアクティビティが揃うリゾートだが、ゴンドラから楽しめる360度の紅葉パノラマは秋にしか見られない特別な景色。山肌を覆う赤や黄のグラデーション、一度は眺めてみたい。

湖と山が描く紅葉のグラデーションが美しい「モン・オーフォード国立公園」

森の中に佇むモダンキャビン(ケベック州・ラシーン)。写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin
森の中に佇むモダンキャビン(ケベック州・ラシーン)。写真提供:ケベック州政府観光局 © GouvQc / Olivier Langevin

 モン・オーフォード国立公園は、イースタン・タウンシップス地域に位置し、モントリオールから車で約90分。スキーリゾートとしても知られる山岳エリアだが、秋には紅葉の名所としても高い人気を誇る。

 標高差のある山肌に沿って広がる針葉樹と落葉樹が複雑な色彩を描き、湖や森林と交じり合う風景が特徴。元々は狩猟の地だったが、現在では62のスキーコースと18の林間ルート、ゴンドラも完備され、四季を楽しめるリゾート地として世界的に人気だという。山頂には5つの展望台に加えてハイキングコースもあり、頂上から紅葉の絶景を楽しめる。

 公園から車で約30分南下するとメンフレマゴグ湖の西岸に建つ「サン=ベノワ=デュ=ラック修道院」がある。1912年に創設されたベネディクト会の修道院で、グレゴリオ聖歌や個性的な建築で知られる。

 さらに、秋の一大イベント「ラ・フランベ・デ・クルール」は、モン・オーフォード国立公園とモン・オーフォードのスキーリゾート一帯を舞台に開催される。期間中の週末にはさまざまなイベントが行われ、モン・オーフォードの麓にあるテラスでは、シードルやチーズといった地元の味を楽しめるフードトラックが並び、音楽パフォーマンスも披露される。開催期間は9月12日から10月13日まで。

 Bonjour Québecでは、紅葉の進み具合を確認できるインタラクティブマップも提供している。https://www.bonjourquebec.com/en/explore/seasons/fall

(取材 田上麻里亜)

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カナダで変わる「働く」のかたち パソナが見た10年の雇用変化

左から、パソナ・カナダの和田文枝さん、水野あおいさん、ジョイ・ヘイウッドさん。提供:パソナ・カナダ
左から、パソナ・カナダの和田文枝さん、水野あおいさん、ジョイ・ヘイウッドさん。提供:パソナ・カナダ

 カナダに進出する日系企業の雇用環境はこの10年で大きな変化を遂げたという。現地採用の増加、多様化する人材ニーズなど、企業の採用活動はより複雑化している。

 1992年、オンタリオ州トロント市のダウンタウンに設立されたPasona Canada, Inc.(パソナ・カナダ)は、同州を中心に日系企業と現地人材の橋渡しを担いながら、こうした変化を最前線で見てきた。

 今回は、オンタリオ州での日系企業の雇用の現状と背景を聞いた。

現地人材を活用する企業が多数派に

「パソナグループの価値観を大切に(求職者を)支援しています」と語る、ジョイ・ヘイウッドさん。提供:パソナ・カナダ
「パソナグループの価値観を大切に(求職者を)支援しています」と語る、ジョイ・ヘイウッドさん。提供:パソナ・カナダ

 「現在では現地で人材を確保しようとする動きが主流になっています」と話すのはパソナ・カナダ社長ジョイ・ヘイウッドさん。 実際にパソナ・カナダが支援する求職者のうち約半数は日本人だが、残りの半数はカナダ人や他国出身の移民が占めており、「この10年で登録者の層は非常に多様化しました」と語る。

 ヘイウッドさんは、このような人材の広がりについて、多文化社会のカナダならではの特徴ではないかとも説明する。また「世界中から来る求職者のスキルや価値観に触れることで、私たち自身も常に学びがあります」と話し、人材の多様性がカナダ社会全体の活力にもつながっているという。

求職者側にも求められる、変化への対応

 こうした企業の採用戦略の見直しや北米経済の動向に伴い、求職者自身もキャリアの築き方を再考する動きが広がっている。

 和田文枝さんは、就職戦略を考える上では「どの業界に注目するか、どこに就職の軸を置くかによって求められるスキルが異なる」と語る。全体的な傾向として、カナダではITや医療、サイエンス分野の人材ニーズが依然として高いというが、カナダの日系企業からは、会計、技術営業、通訳、翻訳など、日本語を武器にした職種の需要が高い。

 さらに、近年の移民政策の変更が求職環境に与える影響も無視できない。昨年10月、カナダ政府は2025~2027年の移民レベル計画で、2026年末までに一時滞在者数をカナダの人口の5%まで削減することを発表。その後、留学生と外国人労働者の家族に対するオープンワークパーミット(OWP)の資格変更や、カレッジや大学を卒業した留学生が一定期間カナダで働ける制度「ポストグラデュエーションワークパーミット(PGWP)」の対象プログラムの変更などが進められ、一部の留学生は将来設計の見直しを迫られている可能性もある。

 また和田さんは、約30年前に自身がカナダへ移住した経験と現在を比較しながら、「以前は『海外で働いてみたい』『経験を積みたい』という希望が多かったのですが、最近では『子どもをカナダで育てたい』『ワークライフバランスを求めて移住したい』といった目的が増えているように感じます」と話す。制度面のハードルは以前より高くなっているものの、キャリア志向にとどまらず、家族や暮らしを重視した移住目的が目立ってきたという。

求職者を支える日系コミュニティのつながり

ジャパニーズ・ソーシャル・サービス(JSS)へ参加した時の様子。提供:パソナ・カナダ
ジャパニーズ・ソーシャル・サービス(JSS)へ参加した時の様子。提供:パソナ・カナダ

 こうした状況のなかで、地域のつながりが果たす役割に期待している。ヘイウッドさんは、「バンクーバーに比べれば規模は小さいですが、トロントにも日系コミュニティのつながりがあります」と語る。ゴルフ大会や年末年始の交流会などを通じて、企業や個人が自然に関係を築く機会があるという。

 またパソナの取り組みとしては、ジャパニーズ・ソーシャル・サービス(JSS)など地域団体と連携し、イベント協力や寄付を行っている。「困っている方の相談が、結果的に就労やキャリアの話につながることもあります。そうした部分でもお手伝いができればと思っています」と和田さん。

 2028年には日加修好100周年を迎える。ヘイウッドさんは、「アメリカ依存からの脱却と市場の多角化が進む中で、カナダと日本の関係はさらに深まっていくでしょう」と期待した。

 カナダにおける日系企業の雇用環境は、政策や経済情勢に応じて変化を続けている。パソナ・カナダは、こうした動きに対応しながら、地域団体との連携や生活面の支援にも取り組み、企業と人材の橋渡しを続けている。雇用形態の多様化や移住目的の変化に対応しながら、日系企業の採用活動は今後も変化していくとパソナ・カナダは見ている。

(取材 田上麻里亜)

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岡本フル出場、ライズFCはカルガリーに圧勝 

前にパスを繋ぐ岡本。後ろで立ち上がって見守るのはアンニャ・ハイナー=モラー監督。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
前にパスを繋ぐ岡本。後ろで立ち上がって見守るのはアンニャ・ハイナー=モラー監督。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 NSL(ノーザンスーパーリーグ)のバンクーバー・ライズFCは9月6日、バーナビー市のスワンガード・スタジアムでカルガリー・ワイルドFCと対戦、6-0で圧勝した。

9月6日(スワンガード・スタジアム:3,897人)
バンクーバー・ライズ 6-0 カルガリー・ワイルド

今季2度目の大量6得点、攻撃陣が躍動

 立ち上がりからバンクーバーの攻勢が続いた。14分、デ・フィリッポが左サイドから相手GKにプレッシャーをかけてボールを奪い、そのこぼれ球をラティファ・アブドゥが押し込んでデビュー戦で先制点を挙げた。前半終了間際の49分には、デ・フィリッポがハーフライン付近でパスをカットし、弧を描くロングシュートを見事に決めて追加点。2点リードで折り返し、会場を沸かせた。

後半から冷たい雨に見舞われるも、バンクーバーの猛攻は続いた。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
後半から冷たい雨に見舞われるも、バンクーバーの猛攻は続いた。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 ハーフタイム中に降り始めた雨により後半の開始が遅れたが、バンクーバーの勢いは止まらなかった。52分にはアブドゥがこの日2点目。64分にクイン、71分にマライア・リー、77分にリサ・ペチェルスキーと立て続けに得点し、6点差の大勝となった。

 この日のボール支配率は62%、シュート数でも24対11と上回り、バンクーバーが完勝。岡本祐花は「前半で2点取って折り返せたところが大きかった。後半に4点取れたことはチームとしても勢いがつくいい試合になった」と振り返った。

岡本、右サイドでスペースを作る

 先発メンバーとして右サイドバックでフル出場した岡本は、守備で相手の突破を抑えつつ、攻撃では高い位置を取ってスペースを生かした。今回の試合でチーム2番目となる63本のパスを記録し、ビルドアップの起点として存在感を発揮。監督から「もっとポジショニングをしてボールをつなごう」と指示を受けて臨み、「焦って前に行きすぎず、後ろからビルドアップを意識した」と語った。「少し消極的になってしまったかも」と振り返りながらも、自らシュートを放つ場面もあり、リズムを作った。

 カルガリーとの対戦は初めて。「様子を見ながらだったけど、自分たちがボールを持つ時間も多かったので、楽しみながら落ち着いてできた」と振り返った。

加入2カ月、サッカーもカナダ生活も充実

試合後、笑顔で手を振りファンに応える岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
試合後、笑顔で手を振りファンに応える岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 岡本はチームの雰囲気について、「ミスしてもみんなでカバーし合って声をかけ合える。すごくいい雰囲気の中でできている」と語った。7月に加入してから2カ月余り。生活面については「みんなすごく優しくしてくれて、生活にもサッカーにも慣れてきたかなってところです。今はすごく楽しくやってます」と充実感をのぞかせた。

 ファンの存在については「ファンも増えてすごくうれしい。もう通訳をつけずにやっているので(英語がまだ)全然分からないけど、とりあえず笑顔でやっています」と笑い、試合後も最後までファンの声援に応えていた。

「勝つことが大前提」首位トロントとの直接対決へ

 バンクーバーは、NSL首位のAFCトロントに勝ち点で6点差をつけられているものの、勝ち点32で2位を維持。AFCトロント(38点)との直接対決は9月13日、トロント市ヨーク・ライオンズ・スタジアムで行われる。AFCトロントには木﨑あおいが所属している。

試合後のインタビューで今後の意気込みについて語る岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
試合後のインタビューで今後の意気込みについて語る岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 岡本は「首位のトロントとやるので勝つことが大前提。ここまで負けなしできているので、しっかり勝って次のホームゲームにつなげたい」と意気込みを語った。

 続く9月20日はホーム最終戦となるオタワ・ラピッドFC戦。その後アウェー戦が続き、プレーオフに臨む。

バンクーバー・ライズの今季ホームゲームhttps://www.vanrisefc.com/

9月20日(土)1pm オタワ・ラピッドFC戦

(取材 田上麻里亜/写真 斉藤光一)

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朝日レガシーゲーム2025 歴史を継ぎ、未来へつなぐ

試合開始前に集合写真。今年も青空に恵まれた。2025年9月1日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
試合開始前に集合写真。今年も青空に恵まれた。2025年9月1日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

 秋の始まりを感させるさわやかな青空の下、ナナイモパークにはミットの音と選手たちの声が響き渡り、試合前から活気にあふれた。

 9月1日、レイバーデーに今年も朝日レガシーゲームが行われた。11回目となる今回は、朝日軍メンバーだった上西ケイさんがいない少し寂しい開催となったが、戦前に活躍した朝日軍の歴史と精神は白球を追いかける選手たちに受け継がれているようだった。

世代を超えて交わるフィールド

 今年の試合には、3月のジャパンツアーに参加した17人全員が青のユニフォームを着て数カ月ぶりに再集結。今年は黒のユニフォームを着たジャパンツアーOBや卒業生を交えた混合チームを編成し、世代が入り交じった試合となった。ジャパンツアーの監督を務めた小川学さんは「普通は忙しいので卒業した選手が顔を出すのは珍しいんです。でも今回は17人全員来てくれたのでうれしい」と晴れやかな表情を見せた。

試合序盤にホームランを放ち、チームメートに迎えられる藤岡さん。2025年9月1日、バンクーバー市。Photo courtesy of Noriko Tsuchiya
試合序盤にホームランを放ち、チームメートに迎えられる藤岡さん。2025年9月1日、バンクーバー市。Photo courtesy of Noriko Tsuchiya

 試合は開始直後にホームランが飛び出し、序盤から大盛り上がり。打ったのはチームを支えてきたボランティアの一人、藤岡創一郎さん。ワーキングホリデーでカナダに来て、シーズン中には週に4日も練習に通っていたという。自分にとって朝日は「居場所みたいなもの」だと語る。

 試合前のセレモニーでは、ボランティア一人ひとりの活動を讃える拍手が送られ、若い世代とOB、サポーターが同じフィールドで交わることで、朝日の精神が世代を超えていく光景が広がった。

仲間と築いた2年間の絆

 今年のジャパンツアーでキャプテンを務めたヒライ・コウタ選手は仲間と過ごした2年間を、「本当に楽しかった。日本語も少し使って、完璧じゃなくても(日本の)仲間が理解してくれて、コミュニケーションに困ることはなかった」と笑顔で振り返った。カナダと日本の野球の違いについては、「日本は静かだけど、ベンチに座っている選手も含めて全員で試合を見ていて、一体感があった」と話し、両国の文化の違いを実感したという。

ジャパンツアー2025でキャプテンを務めたヒライ・コウタ選手。この日は投手として登板の場面も。2025年9月1日、バンクーバー市。Photo courtesy of Noriko Tsuchiya
ジャパンツアー2025でキャプテンを務めたヒライ・コウタ選手。この日は投手として登板の場面も。2025年9月1日、バンクーバー市。Photo courtesy of Noriko Tsuchiya

 この日集まったのはジャパンツアーを共にした仲間たち。チームの解散を前にした心境については、「2年間一緒に戦った仲間と別れるのは正直悲しい。でもリーグでまた会えるし、これからもつながっていけると思う」と、仲間との強い絆は続くようだった。

 小川監督は、今後はジャパンツアーの経験で終わりにせず、卒業後も再び集まれる仕組みを作りたいと語る。「子どもたちのことをこれからも見守り続けたい」と、次のステップにつながる場を用意していきたいと話す小川監督の言葉には、朝日の歴史やつながりを未来へとつなげたいという思いがにじむ。その思いを映すように、世代を超えて選手たちが交わる姿がグラウンドに広がっていた。

バンクーバー朝日の精神を継ぐ

 朝日軍は1914年にバンクーバーで誕生した日系カナダ人の野球チーム。頭脳的なプレースタイル「ブレインボール」で勝利を重ね、戦前の差別が厳しい時代にあって日系コミュニティに誇りと希望をもたらした存在だった。1941年12月の日本軍真珠湾攻撃を機にカナダ政府が実施した日系人強制収容政策により解散を余儀なくされたが、2003年には戦前の活躍が認められてカナダ野球の殿堂入り、2005年にはBCスポーツ殿堂入りを果たし、その歴史的意義が広く認められた。

 時は流れ、2015年日本遠征チーム「新朝日」が結成され、2016年にはAsahi Baseball Associationが設立された。目的は、現代版バンクーバー朝日として、戦前の朝日の野球精神を受け継ぐこと。そして年に一度、毎年9月第1月曜日にレガシーゲームを開催し、敬意を表している。

 試合前のセレモニーでジョン・ウォン会長は、朝日の歴史を振り返り「チームは人種の壁を越える橋を築き、地域社会に誇りと希望の源を与えた」と語り、朝日の存在がコミュニティにもたらした意味を強調。今年は最後の存命メンバーだった上西ケイさんがいない開催となり、ウォン会長は「私たちが彼に代わってその火を受け継ぎます。彼もきっとそれを望んでいたでしょう」と、朝日の意志を胸に活動を続けていく決意を示した。

 セレモニー後には、「ケイさんがいない今、選手たちには戦争中に何が起きたのかを伝えたい。野球は大事だが、それ以上に歴史の意味を理解してほしい。困難な時代に日本人コミュニティが少しでも明るい時間を作ろうとしたことを知ってもらいたい」と歴史を伝える重要性を語った。

初の投球が始球式だったというバンクーバー領事館・岡垣首席領事と、隣で見守るウォン会長。2025年9月1日、バンクーバー市。撮影 三島直美/日加トゥデイ
初の投球が始球式だったというバンクーバー領事館・岡垣首席領事と、隣で見守るウォン会長。2025年9月1日、バンクーバー市。撮影 三島直美/日加トゥデイ

 始球式は、在バンクーバー日本国総領事館・岡垣さとみ首席領事が務めた。これが人生初の投球だったという。「野球は観戦したことはありますが、自分でボールを投げるのは初めてで、正直とても緊張しました」。本番前には動画を見てイメージトレーニングをしてきたと笑顔で明かした。投球はしっかりキャッチャーミットに届き、会場から大きな拍手が送られた。

 「彼らがプレーしているところを今日初めて見ました。朝日のレガシーが受け継がれていると改めて実感しました」と、穏やかな表情で試合を観戦。今年3月に実施されたジャパンツアーについて「日本とカナダをつなぐ架け橋のような役割を子どもたちが担い、自信を持って帰ってきたの分かります」と笑顔で語った。

朝日ベースボールアソシエーション

 2016年に発足。当時の名称はカナディアン日系ユースベースボールクラブ。2015年に最初のジャパンツアーを実施し、これを機に2016年に創設した。

朝日チーム・ジャパンツアー

 2015年を第1回として、2年に一度、同アソシエーションでプレーする選手から選抜チームを結成し日本に野球遠征している。2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。2017、2019年には、横浜、静岡、滋賀、奈良などで、2023年は神戸を中心に関西地区で親善試合や野球交流、2025年は千葉、東京、栃木を訪問した。

朝日ベースボールアソシエーションウェブサイト: https://www.asahibaseball.com/

朝日レガシーゲーム2025の様子。さわやかな秋晴れに恵まれた。2025年9月1日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ
朝日レガシーゲーム2025の様子。さわやかな秋晴れに恵まれた。2025年9月1日、バンクーバー市。撮影 田上麻里亜/日加トゥデイ

(取材 田上麻里亜)

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ワーキングホリデー制度変更でカナダ滞在最長2年に、留学生の声は

 カナダ政府がワーキングホリデー制度を一部変更し、2025年4月1日からは日本人の滞在が最長2年までとなった。制度変更についてカナダに滞在する日本人留学生に話を聞いた。

カナダ滞在期間、最大2年間に延長

   カナダ政府は2024年4月1日から、18歳から30歳(申請時)までを対象とするワーキングホリデー(正式名称 International Experience Canada: IEC)の改定を実施した。これまで、同制度の申請は原則1回に限られ最長1年間の滞在しか認められていなかったが、今回の変更により条件を満たせば2回目の申請が可能となり、最大で合計2年間の滞在できるようになる。

 「ワーホリ」と呼ばれて浸透しているワーキングホリデーは、2国間の協定に基づき18歳から30歳までの若者が相手国で働きながら生活することができる制度。基本は「ホリデー」での滞在という位置づけだが、生活費のための就労(ワーキング)が許可されているのが特徴。日本とカナダは1986年から開始。若者による両国の相互理解を深め、交流を促進する目的で導入された。

 一方で、カナダ政府は移民対策として、2024年3月「2025~2027年移民レベル計画」を発表。2025年から永住者や一時滞在者の受け入れ数を段階的に減少する方針を示している。

 一時滞在者全体をカナダ人口の5%まで抑えることを目標として、労働者や留学生の新規受け入れ数にも上限が設けられている。ただ「すでにカナダ国内に滞在している一時滞在者の永住権取得を優先する」としていて、永住権申請者のうち2025年の永住権取得者は国内滞在者が約40%を占める予定と移民省が発表している。

【留学生の声】選択肢が広がったと実感

留学中の生活の様子。写真提供:矢部史華さん
留学中の生活の様子。写真提供:矢部史華さん

 矢部史華さん(21歳)は、大学を休学し、2024年11月からワーキングホリデーでバンクーバーに滞在中で、今回の制度変更は友人のSNSを通じて知ったという。

 「もともとは1年で帰国する予定だったが、現地での生活を経験して、延長するか悩んだ」と話す。結局、周囲に相談した結果、いったん大学を卒業することに決めた。「今までなら1回きりのチャンスだったが、卒業後にまたカナダで挑戦できる。選択肢が一気に広がったと感じた」と語った。

 移民政策が厳しくなる一方で、制度が緩和されたことには「率直に驚いた」とも。今後は大学卒業後、就職活動などを通じて将来のキャリアを模索する考えだ。

【留学生の声】現地就職も視野に入れる

コープ留学中にカナダ・アルバータ州バンフを訪れた時の様子。写真提供:大川菜々子さん
コープ留学中にカナダ・アルバータ州バンフを訪れた時の様子。写真提供:大川菜々子さん

 大川菜々子さん(26歳)は、2024年2月にUIデザイン関連の1年間のコースでカナダにコープ留学。留学前から日本企業と業務委託契約を結び、デザイン業務に携わっていた。コープ留学中は現地就職も考えたが、ハードルの高さを実感し、日本企業とのフリーランス契約を続けたという。

 「現地の就職は想像以上に難しい。特に移民としての立場で働く場合、日本のように会社の雰囲気やポジションを選ぶ余地は少ない」と語る。

 現在は、日本企業から受注するデザイン業務を中心に、週末はレストランでも働いている。2025年6月からはワーキングホリデービザを取得して滞在を延長している。

 「ワーホリの制度が変更になったと知り、現地就職ももう一度視野に入れようかなと思った」と話す。カナダでの生活基盤を整えつつ、滞在期間が延びることで、より多くのキャリアの可能性を探れると期待している。

(取材 田上麻里亜)

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カナダ・オンタリオ州 ナイアガラでワイナリーを訪ねる

ナイアガラ・オン・ザ・レイクでワインを楽しんでいる様子。写真提供:ナイアガラ・オン・ザ・レイク観光局
ナイアガラ・オン・ザ・レイクでワインを楽しんでいる様子。写真提供:ナイアガラ・オン・ザ・レイク観光局

 オンタリオ州南部に位置するナイアガラ・オン・ザ・レイクは、ナイアガラの滝の北に広がる風光明媚な町。カナダ有数のワイン産地としても知られるこの地域が初夏の雰囲気に包まれる6月にワイナリーを訪れた。

歴史息づく古都 ナイアガラ・オン・ザ・レイク

現在もヘリテージ・ディストリクトには英国風の建築が並ぶ。写真提供:ナイアガラ・オン・ザ・レイク観光局
現在もヘリテージ・ディストリクトには英国風の建築が並ぶ。写真提供:ナイアガラ・オン・ザ・レイク観光局

 ナイアガラ・オン・ザ・レイクは、オンタリオ州南部に位置する小さな町だがその歴史は古い。1779年、アメリカ独立戦争を機にカナダへ移住したイギリス・ロイヤリスト軍の補給基地として設立され、短期間だがアッパー・カナダの首都として機能した。その後1813年に火災で焼失したが、ロイヤリストの入植者によって再建された。現在も歴史地区(ヘリテージ・ディストリクト)には英国風の建築が並び、土産店、劇場、カフェなどが軒を連ねている。

 ナイアガラ・オン・ザ・レイク観光局によると、今まではカップルや中高年層が中心だった旅行者だが、近年はミレニアル世代やZ世代など若者が増加しているという。背景には、小規模なワイナリーへの関心や、サステナブルな観光、自然を取り入れたウェルネス体験など、新たな旅のスタイルへの注目があるとのこと。観光の傾向は環境意識の高まりとも連動して、旅行者は環境負荷の少ない目的地を選ぶ傾向にあるそうだ。

 また、年間を通してイベントが多いことも人々を引き付けている。8月にはピーチ・フェスティバルやガーデン・ツアー、ジャクソン・トリッグス・ワイナリーでは屋外コンサートも開かれる予定だ。

ワインを育てる風土と地域の強み

カナダ有数のワイン産地としても知られ、ワイン畑を眺めながらワインを楽しめる。写真提供:ナイアガラ・オン・ザ・レイク観光局
カナダ有数のワイン産地としても知られ、ワイン畑を眺めながらワインを楽しめる。写真提供:ナイアガラ・オン・ザ・レイク観光局

 ナイアガラ・オン・ザ・レイクはカナダ有数のワイン産地として知られる。シャルドネ、リースリング、ピノ・ノワールなど主要品種のワインと共に、冬に凍結したブドウを使ったアイスワインも世界的に評価されている。

 ナイアガラ地域には多くのワイナリーがあり、ワインテイスティングやガイド付きのツアーなどを楽しめる。観光局によれば、2026年1月には恒例の「Icewine Gala in Niagara」が開催予定で、希少なアイスワインを堪能できる貴重な機会となりそうだ。

 地元のワイナリーStratus Vineyardsによると、ナイアガラ地域はカナダ国内の他の産地と比較して、ワイン造りで多くの利点を備えているという。夏に温暖な気候を必要とするブドウ品種の栽培に適し、オンタリオ湖に近いため秋の霜害も防ぎやすい。さらに、土壌の多様性もワインに良い影響を与えている。

 こうした良質なワインが醸造される条件が揃うナイアガラ・オン・ザ・レイクは、最近の高品質なワイナリーの増加とトロントへのアクセスの良さが相まって、カナダのワイン文化を支える重要な拠点のひとつとなっている。

カナダと日本の食文化をつなぐ Stratus Vineyards

スパークリングワインやアイスワインを含む幅広い種類の少量生産ワインを作っている。写真提供:Stratus Vineyards
スパークリングワインやアイスワインを含む幅広い種類の少量生産ワインを作っている。写真提供:Stratus Vineyards

 訪れたStratus Vineyardsは、4階建ての重力式醸造施設で、ワインをポンプで移動させず上階から下階へと自然の力を利用して工程を進めていると関係者が教えてくれた。こうすることで果汁やワインの繊細な風味を保つことができるのだという。

 醸造ではワインの原酒を混ぜ合わせる伝統的な手法「アッサンブラージュ(Assemblage)」を使い、バランスや奥行きを引き出しているとのこと。「ミニマル・インターベンション」という考え方に基づき、畑の個性がそのままワインに表れるよう細やかな手法が取られているという説明に、作り手の思いが伝わってきた。

 施設のデザインも特徴的だ。セラーには障子に着想を得たという窓が設けられ、施設全体として禅のミニマリズムに通じるデザインが施されている。こうした空間設計は日本からの旅行者にも親しみを持って受け入れられることが多いと話してくれた。

 Stratus Vineyardsのワインは、東京のカナダワイン専門店「Heavenly Vines」で取り扱われていて、カナダと日本の食文化をつなぐ存在にもなっている。9月25日には、トロント市内の和食レストランで、Stratusワインと日本料理のペアリングイベントが開催される予定だ。

現在でも畑を歩いて回りながらブドウの世話は全て手作業で行っている。写真提供:Stratus Vineyards
現在でも畑を歩いて回りながらブドウの世話は全て手作業で行っている。写真提供:Stratus Vineyards

(取材 田上麻里亜)

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第49回パウエル祭が開幕 来年の50周年に向けて始動

神輿の周りを多くの人が囲み、威勢のよい掛け声とともに練り歩いた。最後には観客から大きな拍手が送られ、会場は一層の熱気に包まれた。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
神輿の周りを多くの人が囲み、威勢のよい掛け声とともに練り歩いた。最後には観客から大きな拍手が送られ、会場は一層の熱気に包まれた。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 第49回パウエルストリートフェスティバル(パウエル祭)が8月2日と3日の2日間、バンクーバー市オッペンハイマー公園とその周辺で開催された。

 日本文化と日系カナダ人コミュニティの歴史を祝うこの催しには、地元住民や観光客が訪れ、多彩なパフォーマンスや展示、食文化を楽しんだ。開会式では地域の先住民や政府関係者も出席、来年の50周年に向けた思いを語った。

協会新体制で迎える49回目のパウエル祭 次の50年に向けて

 開会式は、ツレイル・ワウトゥス族のカーリーン・トーマス長老によるあいさつで幕を開けた。トーマスさんはツレイル・ワウトゥス族の言語で「皆さんにお会いでき、この場で一緒に祝えることを心からうれしく思います」と述べた。自身がスコーミッシュ族やナナイモ、ナス渓谷の村にルーツを持つことにも触れ、コースト・セイリッシュの伝統である両手を高く掲げる所作で「この地へようこそ」と晴れやかに開会を告げた。

開会式に出席した、(左から)、パウエル祭協会ジャン会長、バンクーバー市カービー=ヤング市議、フィリップBC州議員、クワン国会議員、髙橋総領事、ツレイル・ワウトゥス族トーマス長老、パウエル祭協会ラティマー事務局長。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
開会式に出席した、(左から)、パウエル祭協会ジャン会長、バンクーバー市カービー=ヤング市議、フィリップBC州議員、クワン国会議員、髙橋総領事、ツレイル・ワウトゥス族トーマス長老、パウエル祭協会ラティマー事務局長。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 カナダ連邦議会のジェニー・クワン国会議員(バンクーバー・イースト選出)、ブリティッシュ・コロンビア州ジョアン・フィリップ議員、バンクーバー市サラ・カービー=ヤング市議と続き、それぞれにパウエル祭への思いと文化的な意義、地域とのつながりの大切さを語った。

 在バンクーバー日本国総領事館・髙橋良明総領事は、昨年11月に着任後今回が初めての参加となったことに触れ「このバンクーバーの街に、まるで突然日本が現れたかのような、この光景を楽しみにしていました」と語った。「このフェスティバルが49年間も続いたのは、協会の理事の皆さま、ボランティアの方々、地元企業やスポンサーの支援、そして何よりも日本文化を愛し、この場に集まってくださる皆さまのおかげです」と関係者や来場者へ感謝を伝えた。

 パウエルストリートフェスティバル協会の新事務局長ソフィー・ヤマウチ・ラティマーさんと新会長ラッセル・チョンさんもあいさつ。二人は子どもの頃からこのフェスティバルに親しんできたことを振り返り、チョン会長は「今こうして運営側として皆さんと関われることは大きな誇りです。300人を超えるボランティア、そして地域の知恵と力でこのフェスティバルは成り立っています」と感謝し、第49回の開幕を正式に宣言した。

 ソフィーさんは就任後初めての開催に「パウエルストリートフェスティバルは、私にとって日系カナダ人としての文化的つながりを感じられる一番の場所でした。来年の50周年に向けて大きな一歩となります」と述べた。「来年は過去を振り返る回顧展を日系文化センター・博物館で開き、フェスティバルの歴史をまとめた書籍も出版する予定です。これまで築いてきた遺産や伝統を振り返りながら、次の50年を見据えて次世代を巻き込んだ活動をしていきたいと考えています」と今後の意気込みを語った。

1977年から続く、バンクーバー最大級の日系イベント

パウエル祭で最も盛り上がるイベントの一つ、相撲トーナメント。2025年8月3日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
パウエル祭で最も盛り上がるイベントの一つ、相撲トーナメント。2025年8月3日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 パウエル祭は日系カナダ人移民百周年を記念して1977年に初めて開催された。現在ではカナダで最も歴史が長く、規模が大きいコミュニティ・アート・フェスティバルの一つとして知られている。地元はもちろん、国内外から約23,000人が集まる。

 会場は、かつての日系人街「パウエル街」と呼ばれた地域で、現在のバンクーバー・ダウンタウン・イーストサイドに位置する。戦前、この地域には約1万人の日系人が暮らし、商店や文化施設が立ち並んでいたが、第二次世界大戦中の日系人強制収容政策によって全員が住み慣れた町を離れざるを得なかった。

 パウエル祭は、その歴史と文化を次世代に受け継ぎ、芸術やパフォーマンス、食を通じて多様な人々が交流する場となっている。

 日本の夏祭りを思わせる屋台が並び、焼きそばやかき氷、たこ焼きのほか、ヨーヨー釣りや日本のアニメの面も販売され、家族連れや幅広い世代でにぎわった。

今年も天気に恵まれ、屋台が並ぶストリートは多くの来場者でにぎわい、飲食やクラフトの買い物を楽しむ姿が見られた。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
今年も天気に恵まれ、屋台が並ぶストリートは多くの来場者でにぎわい、飲食やクラフトの買い物を楽しむ姿が見られた。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 今年は和太鼓、武道、舞踊などの恒例パフォーマンスに加え、新たな企画「ビッグプリント」が行われた。これは日系カナダ人と先住民アーティストが共同で制作した4×8フィート(約1.2メートル×2.4メートル)の木版画を地面に置き、スチームローラーで刷るもので、来年の50周年やその先の活動資金のために販売された。

 このほか、会場各所では相撲トーナメント、茶道や生け花の実演、子ども向けワークショップ、アート展示など多彩なプログラムが行われ、日本文化と日系カナダ人コミュニティの魅力を発信していた。訪れた人々は、舞台での演目を鑑賞したり、日本フードを楽しみながら、思い思いに過ごしていた。

日本人留学生「改めて日本すごいなって思いました」

サーモンBBQには開幕前から長蛇の列ができ、香ばしいバーベキューの香りが広がった。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
サーモンBBQには開幕前から長蛇の列ができ、香ばしいバーベキューの香りが広がった。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 友人に誘われたというバンクーバー在住のジュリー・バーナードさんは「とてもこのイベントを気に入りました。手作りの作品や地域の文化的な品々を幅広く見られるのが魅力です」と話し、会場で触れられる地域の創作活動の多様さに驚いた様子だった。日本文化については「本当に美しいと思います」と語った。

 埼玉県出身で約2カ月前に留学のためバンクーバーに来た黒田祐太郎さんは、ホームステイ先のホストからパウエル祭を紹介され初めて訪れた。「日本人なので久々にちょっと日本を感じたくて来ました」と話す。会場では焼きそばやコロッケを食べ「日本のカルチャーがカナダにもこんなあるなんて思わなかったです。改めて日本、すごいなって思いました」と、驚きと誇らしさが入り混じった笑顔を見せた。

パウエル祭のキャラクター・ダルマが会場を歩き、ボードを手に来場者との記念撮影に応じて会場を盛り上げた。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
パウエル祭のキャラクター・ダルマが会場を歩き、ボードを手に来場者との記念撮影に応じて会場を盛り上げた。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
バンクーバー日本語学校で行われた岩間神信合気道(武仙会)による演武。受け(攻撃側)と投げ(防御側)の役割を担い、打撃やつかみへの対応や、転がり技、武器の取り方、護身術などを披露した。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
バンクーバー日本語学校で行われた岩間神信合気道(武仙会)による演武。受け(攻撃側)と投げ(防御側)の役割を担い、打撃やつかみへの対応や、転がり技、武器の取り方、護身術などを披露した。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
バンクーバー仏教会で行われたバンクーバー生け花協会による展示。4つの流派のスタイルが並び、日本の花道の多様な美しさが披露された。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
バンクーバー仏教会で行われたバンクーバー生け花協会による展示。4つの流派のスタイルが並び、日本の花道の多様な美しさが披露された。2025年8月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(取材 田上麻里亜/撮影 斉藤光一)

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