終活は新しい大人のマナー
叶多範子
気づけば、いつの間にか11月。
ハロウィンが終わった途端、スーパーにはもうクリスマスソング。日本では年賀状コーナーも出てくる頃でしょうか。
「うわ、もう今年もあと2ヶ月ないの?」と焦る方もいるかもしれません。でも、ここでちょっと立ち止まってみてください。
大掃除やクリスマスカード、はたまた年賀状の前に、“心と人生の棚卸し”をしてみませんか?今日は、年末前に少し取り組むだけで“新しい年が軽くなる終活3選”をご紹介します。
① エンディングノートを“ちら見”する
「とっくに書いたから大丈夫!」と思っている方も、念のため中をのぞいてみましょう。最後にノートを開いたのがいつだったか、思い出せない人もいるのでは?書いた当時は完璧でも、住所や保険、口座情報、希望の住まいなど、意外と変わっているものです。
全部を書き直す必要はありません。気になるところだけ、“ちら見更新”で十分。それだけで、今の自分に寄り添ったノートになります。
見直しのタイミングは、年末や自分の誕生日がおすすめ。
新年を迎える前、または生まれた日に感謝しながら、これからを整えてみる。
そんなアップデートや振り返りを、毎年の小さな習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。
② スマホの写真を“眺める”
「減らさなきゃ!」と気合を入れるより、“眺める”のがポイント。
1年分の写真って、けっこう捨てがたいんですよね。
え?1年どころか3年分?5年分?それ以上??
それはもう、見応えたっぷりの“人生アルバム”です。
でも今、見返してみると気づくはず。
「これ、なんで撮ったんだっけ?」とか、
「この夕飯シリーズ、ほぼ同じ構図じゃない?」とか。
そんな“あるある写真”は、笑いながら即削除。
削除したくない写真ばかりなら、これを機に思い切ってハードドライブなどへ保存。それができたら、携帯には本当に残したい写真だけになっているはず。
それが、“今を大切に生きる”ためのデジタル終活。
まずは、隙間時間でできる“スマホから”始めてみるのがおすすめです。
③ “やらないことリスト”を作る
「来年こそ新しいことを始めよう!」と意気込むより、まず「やめること」を決めてみましょう。
手放すものを決めると、時間も心も軽くなります。人生の“余白”をつくることでもあるのです。
たとえば、
・気が進まない飲み会には行かない
・SNSを目的なく眺めて、なんとなく時間が過ぎるのをやめる
・「いつか使うかも」で、物を溜め込まない
やらないことを決めるのは、“自分をラクにする”ための選択。「手放す勇気」も、立派な終活のひとつです。
来年を軽くしたいなら、今ちょっとだけ手を動かす。こんな小さな積み重ねの終活なら、取り入れやすく、続けやすいはず。
大掃除の前に、“心のホコリ”をサッと払っておきましょう。
……はい、書いている本人(筆者)も、溜めがちなので一緒に頑張ります!
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本コラムは終活に関する一般的な情報提供を目的としています。内容には十分配慮しておりますが、必要に応じてご自身での確認や、専門家へのご相談をおすすめします。なお、本コラムをもとに行動されたことによる不利益については、免責とさせていただきます。

「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。
叶多範子(かなだ・のりこ)
グローバルライフデザイナー/海外終活アドバイザー
カナダ・バンクーバー在住。
カナダで親しい友人を突然亡くしたことをきっかけに、終活の大切さを実感。
相続専門の弁護士アシスタントとしての経験をもとに、海外を含むさまざまな場所で暮らす日本人の終活を、学びの視点から支えている。
エンディングノートの活用や家族との対話を通じて、「自分らしくこれからを生きる」ヒントを共有する活動を続けている。
「終活」を、これからの人生を見つめ直す機会ととらえる——そんな“私活(わたしかつ)”という考え方も、大切にしている。
家族は、カナダ人の夫、2人の息子、愛猫1匹。
ホームページ:https://www.shukatsu.ca






















