マーク・カーニー首相は9月11日、「国家建設プロジェクト」の第1弾を発表した。声明で首相は「この変革の時代に、政府は地域をつなぎ、カナダの労働者を支援し、より強い国家を目指して、大規模プロジェクト推進に注力していく」と述べた。
今回、第1弾としてリストされたのは以下の5件。
- ブリティッシュ・コロンビア(BC)州キティマットのLNGカナダ第2期計画(液化天然ガス生産量の倍増)
- オンタリオ州ボウマンビルのダーリントン新原子力発電プロジェクト(G7初となる小型モジュール炉を建設)
- ケベック州モントリオール港のコントレクール・ターミナル計画(モントリオール港の取扱能力を約60%増加)
- サスカチュワン州のマクイルヴェナ・ベイ・フォーラン銅鉱山計画
- BC州北西部のレッドクリス鉱山拡張
これらのプロジェクトについては、新設の「メジャープロジェクト・オフィス(MPO)」が検討を行い、迅速な承認プロセスや資金調達により支援する。声明によると、第1弾プロジェクトの投資規模は600億ドル超の見込みで、数千人規模の雇用を創出するとしている。
またプロジェクト第2弾については、11月のCFLグレイカップ前にリストが発表される予定だという。候補として挙がっているのは以下の5案件。
- ノバスコシア州のウインド・ウエスト・アトランティック・エネルギー計画(5万MW超の風力発電が見込まれる)
- アルバータ州のパスウェイ・プラス(炭素回収・利用・貯留プロジェクト)
- 北極圏経済・安全保障回廊(北部における重要鉱物プロジェクト及び防衛支援)
- マニトバ州のチャーチル港近代化計画
- 高速鉄道「Alto」(トロント〜ケベックシティの約1,000kmを結ぶカナダ初の高速鉄道)
上記に加えて、重要鉱物(クリティカルミネラル)戦略も発表。カナダが持つ豊富な重要鉱物で、「クリーン」な重要鉱物大国を目指すという。
(記事 高城玲、北野大地)
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