カナダ政府は9月21日、パレスチナ国家を承認すると発表した。先進7カ国(G7)ではイギリスと共に初めて。
マーク・カーニー首相は、「1947年以来、カナダの全ての政権は、中東における持続的な平和のための『二国家解決』を支持する政策を維持してきた」とし、実現可能なパレスチナ国家がイスラエル国家と並んで平和と安全の中で未来を築くことを目指してきたが、「ハマスによるイスラエルとその国民への広範なテロの脅威」「ヨルダン川西岸および東エルサレムにおける入植地の急速な拡大とパレスチナ人への入植者による暴力の激化」「今年のイスラエル議会によるヨルダン川西岸の併合を求める投票」「ガザでの人道的危機に対するイスラエル政府の関与」などの理由から、「二国家解決」が困難になってきていると危機感を表明。
こうした中、「カナダはパレスチナ国家を承認し、パレスチナ国家とイスラエル国家の双方にとって平和な未来の約束を築くために協力する」としている。この承認が万能薬であるとは考えていないが、「これは国連憲章に示された自決権と基本的人権の原則、そして長年にわたるカナダの一貫した政策に確固として沿ったもの」と強調。
「パレスチナ自治政府は、統治の抜本的改革、2026年にハマスが関与しない形での総選挙の実施、パレスチナ国家の非武装化など、必要不可欠な改革に関してカナダおよび国際社会に対して直接的な約束を行った。カナダは、すでに進展が見られるこの改革計画の実施を支援する努力を強化し、国際的なパートナーとともに、信頼できる和平計画、民主的統治、明確な安全保障体制の構築、ガザへの持続的かつ大規模な人道支援の提供を支援する」と声明を結んでいる。
カーニー首相は今年開催された第80回国連総会でも改めてパレスチナ国家承認を表明。首相は7月30日にカナダ政府として9月の国連総会でパレスチナを正式に国家として承認する意向を発表していた。
(記事 北野大地)
合わせて読みたい関連記事