カナダ・アメリカ・メキシコの3カ国が共同開催するFIFAワールドカップ男子北中米大会の開幕まであと1年となった6月11日、バンクーバー市BCプレースのテリー・フォックス・プラザで記念式典が開催された。
365日前から始まるカウントダウン時計がお披露目されると、時は確実に1秒ずつW杯開催に向け刻んでいた。
式典には、バンクーバー市ケン・シム市長をはじめ、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ツーリズム・芸術・文化・スポーツ省スペンサー・チャンドラ・ハーバート大臣、FIFAビクター・モンタグリアニ副会長のほか、先住民族からMusqueam Indian Bandのウェイン・スパロー首長、Tsleil-Waututh Nationのジェン・トーマス首長も共に開催1年前を祝った。
会場には未来のカナダ代表を目指す若い選手たちも駆けつけた。2026年開催にちなんで全員が背番号26を付けて、チーム・シンクレアとチーム・リケッツに分かれてミニピッチで対戦。子どもたちの真剣な戦いに会場は盛り上がった。
シム市長はこの日を「サッカーデー」に設定すると発表。1年後、バンクーバー市は世界中からのサッカーファンや家族を受け入れる準備ができていると語った。
ただまだ課題も多い。世界中からのファンを受け入れる宿泊施設は明らかに不足している。ハーバート大臣はバンクーバーの試合を観戦するファンは「想像力を働かせて」宿泊施設を確保する必要があると語った。バンクーバーだけでなくナナイモ市もフェリーを使えば十分に宿泊圏内に入るのではとの見解を示した。
宿泊施設の他にもセキュリティ面も課題の一つ。バンクーバー市でフェスティバル会場に車が突っ込む事件が4月にあったばかりだが、シム市長は十分な投資をしてバンクーバー市内での安全を確保すると記者団に語った。
BC州政府、バンクーバー市共に、W杯開催にかかる費用について公表していない。ハーバート大臣は6月後半ごろに費用について発表する予定にしていると明らかにした。
3カ国共催のW杯北中米大会は、2026年6月11日にメキシコシティとグアダラハラで開幕する。カナダでは6月12日、トロント市BMOフィールドでのカナダ代表第1試合で幕を開ける。トロントではベスト32の1試合を含めて5試合、バンクーバーでは6月13日からカナダ代表戦2試合を含む予選ラウンド5試合、ベスト32の1試合、ベスト16の1試合、合わせて7試合が行われる。
トロントでの開幕1年前イベントは、同じオンタリオ州のナイアガラ・フォールズ市にあるナイアガラの滝の近くで行われた。

(取材 三島直美)
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