南方に住むクジラがバンクーバー島海岸に打ち上げられる

 カナダ・バンクーバー島北部のポート・マクニール湾で5月14日、ニタリクジラの死骸が打ち上がっているのが発見された。ニタリクジラは通常、熱帯から温帯の海域に生息しており北緯35度(カリフォルニア州ロサンゼルスに相当)より北に現れるのは珍しいという。

 ナムギス・ファースト・ネーションの声明によると、当初このクジラは写真からミンククジラとみられていたが、現地に赴いた海洋教育研究協会(MERS)と鯨類研究団体「ベイ・セトロジー」によって若いニタリクジラであることが確認された。

 MERSのジャッキー・ヒルダリング氏はCBC電子版の取材に対し、「私の知る限りブリティッシュ・コロンビア(BC)州でニタリクジラが確認されたのは初めてだ」と語った。

 ナムギス・ファースト・ネーションのビクター・アイザック・チーフはニタリクジラがこのような北方の海に現れたことについて、「気候変動の危機と海の環境について、深い悲しみと懸念を抱いている」と述べている。ナムギス・ファースト・ネーションが、クジラへの敬意を込めた祝福の儀式を行った後、カナダ漁業海洋省が死因特定のための検死を行う。

 このニタリクジラは今月に入ってBC州沿岸で打ち上げられた3頭目のクジラ。ほかに2頭のコククジラが、1頭はバンクーバー島で、もう1頭はハイダ・グァイで発見されている。

(記事 高城玲)

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