BC州で人気のキリスト教系サマーキャンプ、同性愛者差別の文言で問題に

 バンクーバー島で人気のサマーキャンプ「Camp Qwanoes」が、同性愛者差別で複数の学区から連携を解消された。きっかけとなったのは、ダンカン在住16歳のRyland Racicotさんによる地元メディアでの告白。長年、同キャンプに参加していたRacicotさんはスタッフとして参加するのを楽しみにしていたが、スタッフアグリーメントを見て思いとどまったという。契約内容のなかに「神が咎める行いをしないこと」とあり、そのなかには「性的な罪」として「同性愛の行動」が含まれていたと話す。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州南西部にあるバンクーバー島。最南端には州都ビクトリア市があり、そこから車で約1時間のクロフトンで行われる同キャンプには、毎年島内数千人の生徒が訪れている。

 しかし、この告白を受けてバンクーバー島のCowichan Valley学区が同キャンプとの関係を解消した。これより前に、Nanaimo-Ladysmith学区とSooke学区がすでに同様の措置を取っている。CTV電子版でSooke学区のScott Stinson教育長は同性愛者への差別的文言は学区の価値観に合わないと話している。

 BC州の公立校は、LGBTQの生徒への差別や被害を防ぐためにBC州が定める「学校内における性的傾向と性自認に関するポリシー」の順守が義務付けられている。

 Camp QwanoesのScott Bayley事務局長は声明を出し、雇用の条件にキリスト教の信念を求めることは合法であることや信仰の自由の重要性を訴えた。しかし、Racicotさんの母親で自身もクリスチャンであるSylvia Webbさんは、CTV電子版で「信仰の自由と差別には大きな隔たりがある」と話している。

(記事 編集部)

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