「初詣*和が集まりウサギ折る」

カナダde着物

第42話
*新春のご挨拶*

 新春のお喜びを申し上げます。

 皆様、おすこやかに新年をお迎えのことと存じます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

“Happy 2023 New Year! We hope you spread joy and happiness everyplace you go...“ -The Year of the Rabbit; Photo by ©2023 Manto Artworks
“Happy 2023 New Year! We hope you spread joy and happiness everyplace you go…“ -The Year of the Rabbit; Photo by ©2023 Manto Artworks

*日本文化と着物を通じて凛と生きる*

 私はカナダに移民して20数年になります。カナダ人の夫とその家族、そして日本とカナダ両方のルーツを持つ娘たちと、日本文化を取り入れながら日々過ごしてまいりました。

 3人の子育てをしながら、仕事と稽古事を細く長く続けてきたことが、今の活動に繋がります。

 環境とは、時に偶然に与えられたチャンスを生かして作れるものです。

 私がコキットラム市にあります東漸寺で和の学校を始められたのは、「デザインの仕事をしていた」「着物が好き」「お寺関係で茶道を習っていた」「家族で季節の行事をしていた」など、それらが重なり今の形になったのだと思います。

 点と点が繋がり、人と人が繋がり…こうやって人生ができあがっていくとのだとジョブズ氏もスピーチしていましたね。(*1)

 東漸寺の英語名は、Seizan Buddhist Studies and Cultural Centre(*2)です。仏教と文化を学ぶ場所、そこで人が成長できる場所、そのように私は解釈しております。

 文化を学び知恵をつけ、自分を知り謙虚になり、人に喜びを与えることで満ちた人生になる。 凛とした生き方ができるよう精進していけたらと思います。

2023 @Tozenji temple by ©2023 Manto Artworks
2023 @Tozenji temple by ©2023 Manto Artworks

*今日の着物*Today’s Kimono

 年末年始は着物でお出掛けするチャンスが多いですね。カナダの皆さんも喜んでくださるでしょう。華やかな文様や縁起のいい図柄が、新春にはピッタリです。

「絵羽模様」と「小紋柄」(*3)

 目的に応じて着物を選ぶ基準が色々とありますが、分かりやすい判断として絵羽模様と小紋柄があります。

 ドレスコードでフォーマルでしたら、絵羽模様。カジュアルでしたら小紋柄。江戸小紋に関しては家紋がつきますとセミフォーマルになります。

 こちらは、あくまでも選ぶ時の材料として参考にされてください。

 最近は小紋柄の振袖も多くあります。「おしゃれ振袖」と私は呼びますが、式としての振袖ではなく、あくまでもファッションの中での振袖と捉えています。

 着物の世界には格付けがありますので、目的と場所、ドレスコードに気を付けて選ばれるといいかと思います。

 女性の第一礼装は、黒留袖、色留袖、振袖です。男性は紋付羽織袴になります。

 大変美しく、アートを身に付ける民族衣装として世界に誇れるものですね。

 今年も1年、季節と行事を通じて着物文化をご一緒に愉しみましょう。

「お正月2023」。着物:一つ紋色無地、帯:綴れ織(つづれおり)(左)、祝いの設え:鏡餅としめ飾り(右)。写真:コナともこ
「お正月2023」。着物:一つ紋色無地、帯:綴れ織(つづれおり)(左)、祝いの設え:鏡餅としめ飾り(右)。写真:コナともこ
「東漸寺にて」。着物(コナともこ):訪問着霞 帯:綴れ織(つづれおり)(左)、着物(娘):振袖総絞り、帯:西陣袋帯。写真:コナともこ
「東漸寺にて」。着物(コナともこ):訪問着霞 帯:綴れ織(つづれおり)(左)、着物(娘):振袖総絞り、帯:西陣袋帯。写真:コナともこ

*今日の和の学校*Today’s Gathering

 今年初めてのイベントは、1月2日に開催しました「折り紙でウサギを作ろう!」です。8組のご家族が集まりまして、お寺の地下道場にて、折り紙アーティストのAikoさんによるワークショップを開きました。

 「きっちり三角に折れること。これが折り紙の基本だけど、いっぱい楽しんでね!」と、いつも笑顔で語る講師のAikoさん。

 「しっかり挨拶ができること。これがコミュニケーションの基本だけど、いっぱい楽しんでね!」と、私は子供たちに伝えていきたいと思います。

折り紙でウサギをつくろう!@和の学校@東漸寺。写真:コナともこ
折り紙でウサギをつくろう!@和の学校@東漸寺。写真:コナともこ

参照

点と点をつなぎ合わせる(*1)

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。
You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳|日本経済新聞(2011年10月9日オンライン掲載から引用)

東漸寺Tozenji Temple(西山浄土宗)(*2)

209 Jackson Street, Coquitlam(無料駐車場有り、Skytrain Braid駅から徒歩15分)
https://www.facebook.com/tozenji.bc/

「絵羽模様」と「小紋柄」(*3)

晴れ着アレコレ
https://www.hareginomarusho.co.jp/contents/kimono/2888/

「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから。

コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
12年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘+老犬1匹(昨年末、虹の向へ)がおり、バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98
Instagram https://www.instagram.com/konatomoko/?hl