COP27閉幕、カナダの気候変動パフォーマンス指数は最下位に近い58位

 エジプトで開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が11月20日に閉幕した。

 COP27開催中に発表された「気候変動パフォーマンス指数(CCPI)」で、カナダは63位中59位と低い順位だったが、昨年の61位より少しランクを上げた。

 CCPIによると、カナダは、「GHG(グリーンハウスガス)排出量」、「再生可能エネルギー」、「エネルギー利用」の項目で非常に低く、「気候政策」が唯一「中レベル」と全体的に低いパフォーマンスとなっていると評した。

 ただ、2022年3月に発表した「2030年排出量削減計画」は、2030年までにGHG排出量を40%削減し、2050年までにネットゼロを達成するための政策ロードマップと評している。さらに石油・ガス産出からの排出量に上限を設ける規制も策定中と紹介した。

 カナダは、CCPIでは世界的な石油・ガス・石炭の産出国と位置付けられている。カナダ以外には、アメリカ、中国、オーストラリア、ロシア、サウジアラビア、イランなども含まれている。

 こうした国々は軒並み低い順位にランクされている。ただ、天然資源産出国と定義されながら、インドは8位、ノルウェイ10位、イギリス11位と上位にランクされている国もある。

 カナダは、現在アルバータ州からブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーまでのトランスマウンテンパイプラインを拡張中で、こうした政策などで今後石油産出は増加する予定。

 2005年から毎年ジャーマンウォッチが発表しているCCPIは、世界の温室効果ガス排出量の92%を占める59カ国とEUを対象とし、温暖化防止パフォーマンスを標準化されたフレームワークで比較したもので、GHG排出量、再生可能エネルギー、エネルギー使用量、気候変動政策の4つのカテゴリーで評価されている。

 今回も、1~3位までに該当する「対策が十分な国・地域」はなく、最高位はデンマークの4位(スコア79.61)。5位スウェーデン(73.28)、6位チリ(69.54)が上位3カ国となった。カナダは58位(26.47)、アメリカ52位(38.53)。アジアは最高位がインドの8位(67.35)、日本は50位(40.85)、中国51位(38.80)、韓国60位(24.91)となった。

合わせて読みたい関連記事