川村泰久 駐カナダ特命全権大使より新年のごあいさつ

2022年1月元旦
駐カナダ特命全権大使 川村泰久

明けましておめでとうございます。

 昨年は、世界が引き続き新型コロナウィルスに立ち向かう1年となりました。また、日本を含め世界各地で大規模な自然災害も発生しました。特筆すべきは昨年11月のブリティッシュ・コロンビア州における洪水被害であり、バンクーバー地域にお住まいの多くの皆様が交通網の途絶等により多大な影響を受けられたことに対しお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復旧をお祈りしたいと思います。

 日本に目を転じれば、昨年カナダを始めとする多くの国々の参加と協力を得て、東京オリンピック・パラリンピックが成功裏に開催されました。両大会が、新型コロナウィルスに立ち向かう団結の象徴として世界中の多くの人々に勇気を与えたことは、大きな喜びでした。日本とカナダは今や国内のワクチン接種率ではG7においてトップとなり、また、途上国によるワクチンへの公平なアクセス支援も精力的に行ってきました。世界全体の感染抑制と経済社会活動の再開のため、日本はカナダと引き続き協力していきたいと思います。

 昨年秋、日本では岸田新内閣が発足し、カナダでは総選挙後、トルドー内閣が再始動し、今後の日カナダ関係の更なる強化が期待されています。

 昨年行われた日カナダ外相会談では、両国が共に掲げるビジョンである「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、6分野で具体的な協力を進めていくことで一致しました。また、CPTPPの発効後、カナダとの経済関係も順調に発展しており、CPTPPの中で最大及び第二位の経済力を有する日本とカナダは、質の高い貿易ルールの堅持のため指導力を発揮していくこと、加えてカーボンニュートラルやグリーン成長戦略の下、今後協力・連携を強化していくことが期待されています。

 本年は寅年です。「寅」の元となった字は、春が来て草木が生ずる状態を表しているとされています。その意味のとおり、今年こそ新型コロナとの闘いに打ち勝って経済や生活が回復に向かうことを切に願いたいと思います。そして、価値観を共有する日カナダ戦略的パートナーシップの一層の発展・強化を祈念しています。

 カナダ各地でも、オミクロン株の脅威に直面し、予断を許さない状況が続いております。日本大使館及びバンクーバー総領事館は、本年も邦人の皆様の安心・安全のため、また、日本企業の円滑な活動のため力を尽くして参ります。

 新型コロナウィルス感染症の早期の終息を願い、本年が皆様にとって明るい1年となることを心よりお祈り申し上げます。

令和四年元旦