第10回「夏の風物詩 氷室饅頭!」

金沢からこんにちは 

 こんにちは。

 金沢ゲストハウスポンギーの女将のにいなです。金沢はまだ梅雨が明けず、蒸し暑い日々が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 7月といえば七夕!…ですが、7月には金沢ならではの風習があるのです。今回は、知る人ぞ知る?そんな金沢の風習をご紹介します!

7月1日は氷室(ひむろ)の日!

 6月も終わりに近づくと、金沢の和菓子店には、赤、白、緑のカラフルなお饅頭が並び始めます。

 少し平らな小判型のお饅頭に押されているのは「氷室」の文字。これが、金沢の夏の風物詩、「氷室饅頭」です。

金沢の夏の風物詩、「氷室饅頭」。Photo courtesy of Guest House Pongyi
金沢の夏の風物詩、「氷室饅頭」。Photo courtesy of Guest House Pongyi

 藩政期、前田家が治めていた頃の金沢では、冬の間に降った雪や氷を氷室という小屋に貯蔵し、旧暦の6月1日に江戸の徳川将軍家に献上していました。車のない時代に、飛脚たちはわずか4日で江戸まで氷を届けたというのだから驚きです!

 当時、氷はとても貴重で庶民にはなかなか手に入らないものだったため、氷に見立てたお饅頭を食べることで無病息災を願っていたといわれています。

 中には一般的なお饅頭と一見見分けがつかないような形の氷室饅頭を販売されている和菓子店もありますが、昔からの伝統的な形は、先にご説明した通り氷室の焼き印が入っているものです。

 写真に写っているのは、前回のコラムでもお世話になった、和菓子職人の越野さん手作りの氷室饅頭です。

 中にはこしあんが入っており、しっとりした皮からはほのかにお酒の風味がただよいます

ポンギーでは、毎年7月1日に氷室饅頭を買ってきて、ゲストさんたちと一緒に食べます。金沢の夏の風物詩、「氷室饅頭」。Photo courtesy of Guest House Pongyi
ポンギーでは、毎年7月1日に氷室饅頭を買ってきて、ゲストさんたちと一緒に食べます。金沢の夏の風物詩、「氷室饅頭」。Photo courtesy of Guest House Pongyi

 ポンギーでは、毎年7月1日に氷室饅頭を買ってきて、ゲストさんや友人たちと一緒に食べるのが恒例になっています。

「えっ 氷室饅頭って何ですか?」
 県外から来られたゲストさんは、ほとんどの方が氷室饅頭の存在を知りません。

 そんなゲストさんたちに、「そうそう、実はこれは金沢の伝統でね…」と説明するのが楽しみな日でもあるのです。

色は3色!

 ちなみに、それぞれの色には意味があり、赤は「魔除け」、白は「清浄」、緑は「健康」を表しているそう。

 どの色から食べようかなと選ぶのも楽しみの一つです。欲張りな私は3色全部を今年は制覇しました!

やっぱり金沢人は和菓子好き!

 前回から2回続けての和菓子コラムとなりましたが、金沢の人は甘いものが大好きなんです! 街中には、小さな昔ながらの和菓子店がたくさんあって、店頭に並ぶ和菓子の色合いを楽しみながら季節を感じることができます。

 金沢にいらした際は、薫り高い加賀棒茶とともに、ぜひ和菓子をお楽しみください。

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