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連邦政府・歯科保険制度「カナダ・デンタルケア・プラン」の対象が全世代に拡大 5月から申請可能

 連邦政府が2023年12月から開始した歯科保険制度「カナダ・デンタルケア・プラン(Canadian Dental Care Plan: DCDP)」の対象年齢が全世代に拡大する。

 これまでは65歳以上か18歳未満、有効な障害者税控除(DTC)証明書を持つ成人に限られていたが、2025年5月1日から55~64歳、5月15日から18~34歳、5月29日からは35歳~54歳が申請できる。

 全世代ともDCDPで治療が受けられるのは6月1日から。

 年齢以外の条件は、他の歯科保険制度に加入していないこと、個人で2024年のタックスリターンをカナダで申告していること、調整済み世帯収入が9万ドル未満、税務上カナダ居住者であること。

 CDCPには、オンライン、電話、サービスカナダセンター事務所で申請できる。

 2024年からのCDCP利用者は、カナダ保健省によると2024年の税申告アセスメントが届いた後に2025年3月から更新できる。保険適用期間を切らさないためには更新申請は6月1日までに済ませる必要がある。

 連邦政府によると、年齢適用拡大により、これまでの170万人に加え450万人が利用可能になるという。自由党政権は今回の適用拡大について、解散総選挙を発表した1日前の3月22日に発表した。その後、自由党は4月28日投開票の総選挙で過半数には届かなかったものの4期連続の政権を実現した。

(記事 三島直美)

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メトロバンクーバーで2件の殺人事件、同一犯による犯行か?容疑者の男を逮捕

 バンクーバー市警察は5月9日、2022年と2023年にメトロバンクーバーで起きた2件の殺人事件に関わったとしてナホム・ギザウ容疑者を起訴したと発表した。

 ギザウ容疑者(21歳)は2件の第2級殺人罪で起訴されている。最初の事件が起きたのは2022年5月。当時18歳だったマーナブ・キンカーさんがサレー市ヘーゼルナッツ・メドウズ・パークで遺体で発見された。連邦警察(RCMP)は遺体に他殺とみられる外傷があると発表、さらにこの事件は「標的を絞った犯行」だがギャングとは無関係だとしていた。

 2件目は2023年3月にバンクーバー市キラニー・エリアの住宅で起きた。当時22歳だったキャレブ・モリンさんが何者かに刺され、病院に運ばれたが死亡した。事件当時、バンクーバー市警察は被害者と容疑者の間に関わりがあるだろうと話していた。

 ギザウ容疑者は5月8日にバンクーバー市内で逮捕され、現在も勾留されている。バンクーバー市警察は声明にて、RCMPの殺人事件捜査チーム(IHIT)との2年にわたる捜査を経て、今回の逮捕が実現したと述べた。

 事件はどちらもギザウ容疑者による犯行とみられるが被害者同士に面識はなく、2件に関連性はないと警察はみている。

(記事 高城玲)

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カナダポスト、昨年クリスマスシーズンに続き5月にもストライキの可能性

カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today
カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today

 昨年のクリスマスシーズンに1カ月以上ストライキを実施したカナダの郵便公社カナダポストの労働組合が5月に再度ストライキを実施する可能性が出てきた。

 カナダポストと労働組合は現在の労働協定が有効期限を迎える5月22日を前に調停役を入れて話し合いをしているが、組合側によると話し合いは「厳しい」状況だという。決裂すれば、労働組合の再度のストライキ、もしくは、カナダポストの施設封鎖の可能性がある。

 2024年に組合が実施したストライキは11月から12月にかけて32日間続いた。クリスマスシーズンだったため、クリスマスギフトやカードが滞るだけでなく、ビジネスの流通にも大きな影響が出た。結局前回はカナダ労使関係委員会が介入しストライキが終了。その後、話し合いは継続されていたが3月に決裂し、有効期限を前に再開されたという。

 5月にストライキが実施される場合、カナダポストが最も忙しいクリスマスシーズンとは違い、一般利用者への影響はそれほど大きくないのではと見られている。一方で、アメリカのトランプ大統領が実施している関税の影響などもありビジネスはただでさえ不安定な中、さらにストライキで流通が滞るのは経済に大きな打撃になるとの見方もある。

 カナダポストは、現在の経済が不安定な状況で、現時点までに新しい労働協定で合意できていることを期待していたが、今後も安定を提供できるように努力すると4月29日の声明で語っている。

 労働組合は、賃金、安全衛生手当、雇用保障、年金に引き続き重点を置いているという。ただカナダポストの経営状況は厳しく、昨年も管理職などを解雇している。

(記事 編集部)

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ノバスコシアで幼いきょうだいが1週間行方不明に

 ノバスコシア州ピクトー・カウンティの人里離れたエリアで、幼いきょうだいが行方不明になった。失踪から1週間近くたつが、2人はいまだに見つかっていない。

 リリー・サリバンちゃん(6歳)とジャック・サリバンくん(4歳)が、最後に目撃されたのは5月2日の午前10時ごろ。継父ダニエル・マーテルさんが報道陣に語ったところによると、事件当日2人は学校を休んでおり、マーテルさんは子どもの母親マレイヤ・ブルックス・マリーさんと赤ちゃんと一緒に自宅にいた。2人の姿が見えないことに気づいたマーテルさんは車で探しに行ったが見つからなかったという。

 警察はリリーちゃんとジャックくんが自宅から出て行ってしまったとみている。捜査には、当初から重大事件捜査班などが関わっているが2人が誘拐された証拠は見つかっていないという。

 現場は木が生い茂った深い森で捜索は難航している。これまでに警察やボランティアなど連日約150人が捜索を行ったほか、ヘリコプター、ドローン、警察犬も投入されたが2人の行方を示すものは何も見つかっていない。

 5月7日、警察は捜索を縮小すると発表した。2人の生存の可能性が低いことを視野に入れた決定だとしつつ、「これで終わりということではない。我々は諦めない」とし、引き続き捜査を続けることを強調した。

(記事 高城玲)

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カーニー首相、トランプ大統領と会談「カナダは売り物ではない」と明言

改修工事中のカナダ国会議事堂。オンタリオ州オタワ市。2025年4月3日。撮影 日加トゥデイ
改修工事中のカナダ国会議事堂。オンタリオ州オタワ市。2025年4月3日。撮影 日加トゥデイ

 マーク・カーニー首相は5月6日、ホワイトハウスでアメリカのドナルド・トランプ大統領と会談した。その前に大統領執務室で行われた会見では、これまでカナダを激しく批判してきたトランプ大統領だが今回はカーニー首相に友好的な態度で接し「非常に有能ですばらしい人物」と称賛した。

 記者団が「カナダ併合」について質問した際には、トランプ大統領がカナダはアメリカになった方がカナダ国民にとって有益だと述べたことに対して、カーニー首相は「カナダは売り物ではない」と明言。首相は「(トランプ大統領は)不動産ビジネスをやっているからお分かりでしょうが、決して売りに出ない場所というものがあるのです」と述べ、「数カ月の選挙活動期間中にカナダの『オーナーたち(国民)』と会いましたが、カナダは売り物ではないし、これからも絶対にそうはならない(ことを確認しました)」と話した。これに対しトランプ大統領は「いつか実現するかもしれない」「絶対はない」などと反論したが、カーニー首相は「絶対にない」と強調した。

 またトランプ大統領はカナダの雇用や輸出に悪影響を与えている関税について撤回する考えがないことを示唆。カナダの自動車産業を排除すると脅したり、「アメリカは年間2,000億ドルもカナダを補助している」と根拠のない主張を繰り返す場面もあった。

 会談後、カナダ大使館で行われた記者会見でカーニー首相は「非常に建設的な会談だった」とし、両国関係の現状について前向きに感じていると話した。また、新たなカナダ・アメリカ間の貿易協定について交渉を行うとの確約をトランプ大統領から取り付けたこと、昼食会の際にも「51番目の州」のコメントをやめるよう求めたことについても述べた。

 両首脳は、今後数週間にわたって協議を継続することで合意した。6月にアルバータ州カナナスキスで開催されるG7サミットで、再び対面する予定となっている。

(記事 高城玲)

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カナダ・カーニー首相、トランプ大統領とワシントンで5月6日に会談

オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ
オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ

 カナダのマーク・カーニー首相は5月2日、選挙後初めての記者会見を開き、5月6日にホワイトハウスでアメリカのドナルド・トランプ大統領と会談すると発表した。貿易と安全保障について協議する予定だという。 両首脳が直接会って対話を行うのは初めて。

 カーニー首相は「早急に取り組むことが重要だ。それは私とトランプ大統領が常に意図してきたことだ」と述べ、包括的な会談への意欲を示した。

 首相は選挙戦の柱にトランプ大統領との交渉を掲げてきた。自分はアメリカとの貿易戦争および大統領の「カナダ併合」の脅威にさらされたカナダを導くのに最もふさわしい人物であると主張してきた首相にとって会談は正念場となる。

 ただし、今回の会談によって関税問題が直ちに解決するわけではないとしている。また、トランプ政権との交渉の条件として関税撤廃を主張するかとの問いには、公共の場でそれを述べるつもりはないと答えた。

 カーニー首相は、会談が行われること自体は良い兆候だとする一方で、選挙期間中と同じように「これまでのアメリカとの関係は終わった」と繰り返し言及、他国との新たな貿易関係の構築を目指すと述べた。

 さらに、アメリカへの依存を減らす経済構造を作るべきだと強調。そのために「カナダ国内でやるべきこと」はたくさんあるとし、カナダ経済の統合、国家プロジェクトの推進、生産性の向上、政府の無駄の削減、国内投資の促進などを挙げた。

(記事 高城玲)

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カナダ連邦下院総選挙は自由党が勝利も過半数に届かず少数派政権に

 第45回カナダ連邦下院総選挙はマーク・カーニー党首率いる与党・自由党が政権を維持することが決まった。自由党政権は4期連続となる。

 4月28日に行われた投開票の結果は総議席数343のうち、自由党169、保守党144、ケベック連合党22、NDP(新民主党)7、グリーン党1。第一党となった自由党は得票率が43%だったものの単独過半数の172議席にわずか3議席届かず、少数派政権となる。

 自由党マーク・カーニー党首は、アメリカのトランプ大統領の関税問題などを背景に、今年初めには敗北が確実視されていた党の情勢を逆転させた。日付が変わってからの勝利宣言では「内閣や党内でチームとして統治すること、国会の全ての党と建設的に協力すること」を重要視するとし、「住んでいる場所、言語、支持政党に関わらず、全てのカナダ国民のために政治を行う」と述べた。

 一方の保守党も41パーセントと高い得票率を記録し、16議席増やしたが、政権を奪還できなかった。しかもピエール・ポワリエブル党首が落選するという事態となった。同党首は2004年から議席を保持してきたオタワ市のカールトン選挙区から出馬したが、自由党のブルース・ファンジョイ氏に敗れた。それでも落選が確定する前の支援者へのスピーチでは党首続投を表明している。

 今回の選挙は自由党と保守党の2大政党一騎打ちとなり、そのあおりを受けたのがNDP。同党は大幅に議席を減らし、12議席必要な公式政党の資格を失った。ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー・セントラル選挙区から出馬したジャグミート・シング党首も落選、自由党のウェイド・チャン氏に議席を明け渡した。シング党首は引責辞任を表明している。

 ケベック連合党も議席を減らしたがNDPほどではなく、イヴ=フランソワ・ブランシェ党首は自由党との協力に前向きな姿勢を示している。

 カーニー首相は一夜明けた4月29日には早速トランプ大統領と電話会談したことを明かした。

(記事 高城玲、三島直美)

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バンクーバーで開催中のフィリピンフェスティバルで車が突っ込み11人死亡

事件後、現場には多くの花束が手向けられていた。2025年4月28日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
事件後、現場には多くの花束が手向けられていた。2025年4月28日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市で4月26日に開催されていたフィリピンコミュニティの催しで、群衆に車が突っ込む事件が発生した。死者11人、けが人多数が出る大惨事となった。

 バンクーバー市警察によると、事件が起きたのはバンクーバー市南部のイースト43番アベニューとフレーザー・ストリート付近。午後8時ごろ「ラプラプ・デイ・フェスティバル」で集まっていた人々の中にSUVが突っ込んだ。通行人や目撃者が容疑者の男を取り押さえ、駆けつけた警察官が逮捕した。

 死亡した11人は5歳から65歳。BC州保健省が確認したところでは死亡者を含む32人が病院に運ばれたという。バンクーバー市警は29日の会見でけが人は多数として詳細は明らかにしなった。現時点で日本人が事件に巻き込まれたという情報は入っていない。

 容疑者はバンクーバー市在住のカイジ・アダム・ロー(30歳)。警察は27日にロー容疑者を8件の第2級殺人罪で起訴したと発表した。テロの可能性は低いとしている。

 フェスティバルを主催したFilipino B.C.のRJアキノ代表は事件後、世界中から支援の声が届いていると話した。現場近くのセント・メアリー・ザ・バージン・サウスヒル教会で行われた祈祷集会には多くの人が集まったという。

 バンクーバー市警察スティーブ・ライ暫定本部長は、今回の事件を「バンクーバー市の歴史上、一番暗い日」だとし、「あまりにも無意味で理解し難い事件。この悲劇を防ぐことができなかったのかという問いがあることは承知している」と述べた。フェスティバルの警備計画については、リスクアセスメントに基づき専任の警官や警察車両の配備は不要と判断したという。

 会見に同席したバンクーバー市ケン・シム市長は、ロー容疑者が過去に精神状態に関連する救急隊や警察との接触が数多くあったことに触れ、精神疾患に関する根本的な対応の重要性を訴えた。

(記事 高城玲)

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留学生受け入れ制限に、バンクーバーのコミュニティカレッジ教師などが抗議集会

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市ダウンタウンのバンクーバー美術館前で4月25日、高等教育機関の教師やスタッフが留学生受け入れ制限に対する抗議集会を行った。

 連邦政府は2024年に国内の住宅事情や医療負担に対する改善策のひとつとして学生ビザ発給数に上限を課す措置を導入した。しかし多くの高等教育機関は留学生の授業料に大きく依存していたため深刻な予算不足に陥っている。

 今回の抗議集会はバンクーバー・コミュニティ・カレッジ(VCC)やメトロバンクーバーにある他の教育機関の教師が企画した。VCCのウェブサイトの声明では、この受け入れ制限措置は「計画も協議もないまま急速に導入された」もので、「プログラムの大幅な削減、教育機会の喪失、教職員の雇用喪失など、教育機関に壊滅的な打撃を与え、地域社会にも深刻な経済的影響をもたらしている」としている。

 VCC教職員組合タリン・トンプソン副組合長は集会で、VCCではすでに60人以上のスタッフが解雇され、今後さらに解雇は広がるだろうと述べた。ランガラ・カレッジ、キャピラノ大学、ダグラス・カレッジなど、他の高等教育機関も同様の問題に直面しているという。

 これに対してBC州高等教育・未来スキル省は声明で、留学ビザの変更は「一方的な決定だった」と連邦政府を非難。州政府として引き続き連邦政府に懸念を伝えていくとした。

(記事 高城玲)

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バンクーバー市東部で大規模火災発生、老舗靴メーカーも被害に

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市東部で4月23日、大規模な火災が発生した。複数の建物が焼け、地域で長年親しまれてきた店も被害を受けた。

 バンクーバー市消防署によると、火災があったのはイーストヘイスティングス・ストリートで、ナナイモ・ストリートとレイクウッド・アベニューの間。午前4時ごろに通報があり、消防隊員が駆けつけたところ建物裏手から煙が上がっていたという。

 建物3棟が燃えたが、いずれも屋内に人がいなかったため死傷者は出なかった。消防隊員約45人が消火にあたり、完全に作業を終えたのは午後1時ごろ。その間、道路は通行止めとなった。

 今回の火災で、イーストバンクーバーのアイコン的な店「Wohlford & Company(旧称 Dayton Boots)」や「Windsor Meats」が被害に遭った。Wohlford & Companyは1946年創業の靴メーカーでブーツの看板が目印。オーナーのホール・リスクさんはCBC電子版のインタビューに「ほとんどすべてを失った。どうしていいのかわからない。悪夢のようだ」と嘆いた。

 4月24日にはバンクーバー市警察が今回の火災には疑わしい点があると発表。重大犯罪課が捜査にあたっていると述べた。

(記事 高城玲)

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カナダ総選挙、保守党の選挙公約テーマは「変化」

 カナダ下院総選挙まで1週間を切るなかで、保守党のピエール・ポワリエブル党首が4月22日に選挙公約を発表した。「変化」をキャッチフレーズに掲げ、財政赤字を70%削減すると同時に所得税の引き下げを行うとしている。

 減税は200億ドル規模で、連邦所得税の15%削減、住宅購入時の消費税減税、カナダ製自動車の消費税減税などが含まれている。連邦所得税は最低区分について税率を現行の15%から12.75%にする。公約によると、これにより労働者は毎年900ドル、一般世帯では毎年1,800ドルの減税になるという。連邦所得税15%削減は4年かけて段階的に実施される。

 赤字削減についてポワリエブル党首は、官僚システムやコンサルティング、対外援助などの支出を抑えながら、資源関連産業の雇用による成長促進で実現すると述べた。今後4年間の赤字額は1,000億ドルと試算している。今年度に見込んでいる財政赤字468億ドルは増収と支出削減で313億ドルまで減らせるという。

 さらに公約では、自由党と同じく、アメリカへの報復関税による200億ドルの税収を見込んでいる。ポワリエブル党首はこの増収分を、減税と関税で直接的に影響を受ける産業への支援に充てるとしている。

 保守党の公約に対し、自由党のマーク・カーニー党首は「実体のない数字が並んでいる」と批判している。

 自由党、新民主党、ケベック連合党はすでに公約を発表している。保守党が公約を発表したのは期日前投票が終了した翌日。投開票は4月28日に実施される。

(記事 高城玲)

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カナダ総選挙終盤を迎える前に自由党とNDP、選挙公約を発表

自由党と新民主党の候補者の名前が掲げられたノースバンクーバー選挙区。2025年4月17日、ノースバンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
自由党と新民主党の候補者の名前が掲げられたノースバンクーバー選挙区。2025年4月17日、ノースバンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 カナダ下院総選挙が終盤を迎える中、自由党マーク・カーニー党首と新民主党(NDP)ジャグミート・シング党首が4月19日、各政権公約を発表した。

 自由党の公約はトルドー前首相による2021年の公約から大きく方向転換した内容。今後4年間で約1,300億ドルの支出を見込んでいる。

 公約の柱は「団結、安全、保護、建設」。国防費として新たに180億ドル、住宅問題に120億ドルなど、すでに発表されていた項目に重点が置かれている。さらに、カナダ国内の各州との取引における障壁撤廃、カナダ製品の購入促進、アメリカの関税からの労働者保護、軍の再建と再投資、より強固な医療制度の構築などを挙げている。

 公約にはアメリカへの報復関税から見込まれる200億ドルの歳入も盛り込まれている。また今年の財政赤字については623億ドルを見積もっているが、2028・29年度までには赤字を150億ドル減らし、480億ドルまで縮小するとしている。

 一方NDPシング党首は、税制改革のほか今後4年間でメンタルヘルス対策に70億ドルを投じると公約。さらに資産1,000万ドル超の「超富裕層」に税を導入すると述べた。これにより毎年220億ドルの税収が見込めるとしている。

 またカーニー首相が撤回したキャピタルゲイン税の引き上げを再導入し、収入増を目指す。さらにアメリカ製品への関税を財源にした雇用保険の支給額引き上げ、ゼロエミッション車(テスラ製品除く)へのリベートなどを挙げている。

 投開票は4月28日。期日前投票は18日から4日間実施された。

(記事 高城玲)

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