



閉店の決まったHudson’s Bay、モントリオールダウンタウンの店。売り場に並ぶマネキン。写真:鎌田淳平


Montérégie地方のMont Saint-Grégoireの風景。写真:鎌田淳平
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Mont Saint-Grégoireの風景。写真:鎌田珠代


枝垂れ桜と花びらの道。写真:鎌田珠代


プラムと木蓮の花。写真:鎌田珠代
閉店の決まったHudson’s Bay、モントリオールダウンタウンの店。売り場に並ぶマネキン。写真:鎌田淳平
Montérégie地方のMont Saint-Grégoireの風景。写真:鎌田淳平
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Mont Saint-Grégoireの風景。写真:鎌田珠代
枝垂れ桜と花びらの道。写真:鎌田珠代
プラムと木蓮の花。写真:鎌田珠代
建友会は5月23日、松原昌輝会長と会計を担当する和田健治さんがバンクーバー市BCチルドレンズ・ホスピタルを訪問し、集まった募金730ドルを寄付した。
寄付金は、4月13日、14日にバンクーバー市バンデューセン植物園で開催されたバンクーバー桜まつりの日系イベント「さくらデイズ・ジャパンフェア」で、同会の「風車作り体験コーナー」に募金箱を設置して募った。
今年のジャパンフェアは晴天に恵まれ、多くの人が来場。風車体験コーナーは本格的な風車作りが無料で楽しめるとあって毎年大人気で、今年も初日には用意した材料が午後の早くに終了してしまうほどの盛況ぶり。参加したたくさんの人が建友会の活動に賛同して多くの募金が集まった。
松原会長はジャパンフェアへの参加について「本業とは違う活動だが、地域とのつながりが生まれるのがうれしい」と話す。
昨年は1月1日に起きた能登半島地震の被災者支援として寄付したが、毎年BCチルドレンズ・ホスピタルに寄付している。
建友会はバンクーバー地域の建築・建設関係者のコミュニティ。グレーターバンクーバーとその近郊を中心に活動する建築・建設及び周辺産業に従事する会員が互いに切磋琢磨し、幅広く深い技術力を持った集団に成長することと、会員それぞれの事業の発展を促す環境整備と相互協力を深めることを目的に、2012年11月に設立された。
ジャパンフェアでの募金活動は建友会の「地域社会への貢献」の一環として行っている。
(記事 三島直美)
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今日ご紹介するのは6月13日から日本全国で上映開始となる「Love in The Big City」(邦題:ラブ・イン・ザ・ビッグシティ)。昨年のトロント国際映画祭(TIFF)で個人的に一番好きだった映画がやっと公開になりました。大ヒットした「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」に出ていたキム・ゴウンさんと、「パチンコ」で注目を集めたノ・サンヒョンさんが主演の作品です。
あらすじ:ストーリーは、主人公のジェヒ(キム・ゴウン)とフンス(ノ・サンヒョン)が出会った大学生時代から始まります。自由奔放で周囲に流されないタイプのジェヒは学生の間でも少し浮いている存在。内に秘めた悩みがあるフンスは人と距離を置くタイプ。そんなふたりが知り合い、お互いを認めあって同居をはじめるようになります。不器用な二人が大学生から大人になっていく過程で、時に傷つきながらも支え合い、自分らしい生き方を見つけてゆきます。
観る前はふたりの可愛いラブストーリーなのかな、と思っていたのですが、実は二人が築いてゆく友情と人生の物語でした。自由で素直な魅力あふれるジェヒと優しいイケメンなのに孤独だったフンス。お互いを想い助け合う関係がすごく良くて、もう恋愛相手いらなくない?と思うくらい。社会の枠組みの中で自分らしく生きることの難しさを知っている二人だからこそ、相手の寂しさが理解できるしお互いに優しくできるんだろうな。そんな二人が失敗しながらも成長していく姿はすごく眩しかったし応援したくなりました。
笑って泣けるストーリーはもちろんだけど、キム・ゴウンさんの笑顔も最高です。あとは二人が食べて飲んでるシーン!!酔って羽目はずして後悔して、ラーメン食べてまた飲んじゃう。それがまた美味しそうなんだ。なのでそこもお楽しみに。
自分らしく生きることに自信を持って!と言ってくれる、笑顔になれる映画です。
カナダではVikiで配信中。日本では6月13日に全国公開です。
Lalaのシネマワールド
映画に魅せられて
バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライターLalaさんによる映画に関するコラム。
旬の映画や話題のドラマだけでなく、さまざまな作品を紹介します。第1回からはこちら。
Lala(らら)
バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライター
大好きな映画を観るためには広いカナダの西から東まで出かけます
良いストーリーには世界を豊にるす力があると信じてます
みなさん一緒に映画観ませんか!?
大塚圭一郎
カナダのマーク・カーニー首相(自由党党首)が2025年4月28日の連邦議会下院の総選挙で勝利して続投が決まり、5月13日に新内閣を発足させた。主要大臣である財務相に留任し、「将来の首相」の呼び声が高いのはフランソワフィリップ・シャンパーニュ氏(54歳)だ。来日時にカナダ産木材が使われている東京・代官山の線路跡に建てられた商業施設を見学して上機嫌だったシャンパーニュ氏は、私がある「人名」を口にしたとたんに表情を曇らせた。
【東急電鉄東横線】東急の子会社の東急電鉄が運行する主要路線で、東京都心部の渋谷駅と横浜駅の24・2キロを結んでいる。旧東京横浜電鉄が1926年2月に一部区間を開業したのがルーツで、2023年度の1日平均輸送人員は106万6422人。
東京メトロ副都心線(小竹向原―渋谷)や横浜高速鉄道みなとみらい線(横浜―元町・中華街)などと相互直通運転をしており、利便性が高い。沿線に目黒区自由が丘や大田区田園調布といった高級住宅街があるなどイメージも良く、リクルートが2025年に首都圏で実施した調査では住みたい沿線ランキングで3位だった。
今や地下約30メートルを電車が行き来している東急電鉄東横線の渋谷駅。かつて、JR東日本山手線と隣接する高架駅だった。建築家の故坂倉準三氏が手がけた改良工事が1964年に完成すると、プラットホームを覆う特徴的なカマボコ屋根が脚光を浴びた。
その駅が役割を終え、地下にもぐって東京メトロ副都心線との直通運転が始まったのは2013年3月16日のこと。一晩にして“無用の長物”となってしまったのは高架駅にとどまらなかった。東横線が行き来していた渋谷―代官山間(1・4キロ)の地表に出ていた線路も、代官山駅から地下へもぐる線路に切り替わった。
代官山駅付近の線路跡地の長さ約220メートルに及ぶ木々が生い茂る遊歩道に沿って、2015年4月に開業したのが商業施設「LOG ROAD DAIKANYAMA(ログロード代官山)」だ。コテージ風のデザインにした木造建築にレストランやカフェ、アパレル販売店などが軒を連ねている。
都心部にありながらどこか牧歌的で心が安らぐ“憩いの空間”に一役買ったのが、ログロード代官山の建物に使われたカナダ産木材だ。
「カナダ産木材が遠く離れた東京で縁の下の力持ちとなっている様子を是非視察したい」との情熱を持ち、2017年5月26日に現地に足を運んだのが当時国際貿易相だったシャンパーニュ氏だ。
「気さくな方で、どんな質問も答えてくださいますので是非来てくださいよ」。私が携帯電話の着信を取ると、駐日カナダ大使館の清水いりや報道官(当時)は電話越しにそう水を向けた。私は「どんな質問も」という言葉に心を動かされた。特に聴きたいテーマがあったためだ。
かくしてログロード代官山の集合場所に足を運ぶと、紺色の背広をまとった男性が「やあ、こんにちは。きょうはプレミアムフライデーなのに働かせちゃって悪いね」と話しかけてきた。当時のイアン・バーニー駐日カナダ大使と連れだって現れたシャンパーニュ氏で、確かに大臣とは思えないぐらい気さくだ。
プレミアムフライデーとは、毎月末の金曜日の仕事を早めの時刻に切り上げ、個人の消費やライフスタイルを豊かにすることを経済産業省が提唱したキャンペーンだ。シャンパーニュ氏が口にしたのは「その前の日本政府との会合で説明され、気に入ったからです」と清水さんが後で耳打ちしてくれた。
しかし、そのことを聞く前だった私は「プレミアムフライデーなんてほとんどの日本人が知らないか、無視していますよ」と直言してしまった。今やプレミアムフライデーという言葉自体が死語になっていることを踏まえると間違ってはいなかったが、やや無粋だったかもしれない(苦笑)。
シャンパーニュ氏は、建物の外壁に使われたカナダ産木材に手で触れながら「木の良い香りがするねえ!」と感嘆の声を挙げた。ただでさえ高いテンションが加速し、ベンチで休憩していた女性の2人連れに「こんにちは」と話しかけて握手し、「私はカナダの大臣です。この建物に使っている木はカナダ産なのですよ」と説明するほどだった。
シャンパーニュ氏が大満足の様子で遊歩道を歩き終えると、清水さんが報道陣に「これから質問をお受けします」と語りかけた。シャンパーニュ氏がログロード代官山を視察した感想などについて笑みを浮かべて饒舌に語り終えると、清水さんが「他に質問はありますか」と問いかけた。
手を上げた私が質問を始めて「アメリカの…」と人名を言うやいなや、シャンパーニュ氏の晴れやかだった表情が一瞬にしてこわばった。聞き終えると、シャンパーニュ氏は「君の質問が、私をファイティングポーズ(闘うための構え)にしたんだぞ」とボクサーのように拳を前に突き出し、目は笑っていなかった。
もうお分かりだろう。私はその約4カ月前にアメリカ大統領に就任したドナルド・トランプ氏(共和党)の名前を出したのだ。トランプ氏がカナダ、メキシコと結んでいる北アメリカ自由貿易協定(NAFTA)を「ひどい失敗作だ。見直すことになるだろう」と見直しを求めて再交渉すると明言していたことを踏まえ、国際貿易相としてどのような姿勢で臨むのかを尋ねたのだ。
これは他の記者も尋ねたかった質問だったと確信している。ところがシャンパーニュ氏があまりにもご機嫌だったため、へそを曲げるような質問をしづらい雰囲気があった。仕方なく私が火中の栗を拾ったのだ。
シャンパーニュ氏はNAFTAの再交渉に関して「アメリカ側がいろいろな議題を持ち出すのは分かっている」と警戒感をあらわにしつつ、「いつでも協議する用意があり、既に準備を進めている」と説明した。その上で「カナダの労働者、権益を確実に守る」と強調した。
自身を「タリフマン(関税の男)」を自称するトランプ氏だけに、アメリカ商務省は2017年4月にカナダが木材輸出を不当に補助しているとして制裁関税を課す方針を決めたばかりだった。シャンパーニュ氏は、カナダが木材を安定的に輸出できるように「(相手国を)多角化する絶好の機会だ」と訴え、輸出拡大に向けて「アジア太平洋地域にもっと目を向けるべきだ」とアメリカ以外への輸出拡大に意欲を示した。
カナダの2023年の輸出額のうち、国・地域別で圧倒的な首位のアメリカは約77%に当たる5482億カナダドル (約57兆円) を占めている。この図式は当時から変わっておらず、シャンパーニュ氏はアジア太平洋地域への木材の輸出拡大を目指す姿勢を鮮明にしたのだ。
アジア太平洋地域の主要国の一つである日本の、しかもカナダ産木材が実際に使われている現場で繰り出すにはピッタリな、しかも世界が“トランプ砲”に揺れていた中でタイムリーな質問だったと受け止めている。
私は翌2018年にもシャンパーニュ氏にインタビューをしており、その際は人工知能(AI)がテーマだったため機嫌を損ねることは皆無だった。
トランプ氏という相手が悪すぎたのだ…。
シャンパーニュ氏に不快感を与えてファイティングポーズにした「ドナルド・トランプ」というNGワードは8年経過した今、驚くべきことに世界最大の経済大国の大統領に返り咲いた。第2次政権でも貿易相手国に「相互関税」といった関税引き上げを強要する“トランプ砲”を放ち、日本やカナダを含めた世界各国を動揺させ続けている。
トランプ氏は2025年5月6日のカナダのカーニー首相との首脳会談で、カナダが「アメリカの51番目」に併合されれば大規模減税や軍事を通じて恩恵を受けられる「素晴らしい結婚になる」と改めて主張した。カナダとイギリスの中央銀行総裁を歴任した「銀行界のスーパースター」(金融関係者)のカーニー氏は、「不動産では決して売らない場所がある。ここ(ホワイトハウス)もそうだ」と一介の不動産業者から成り上がったトランプ氏でも分かるように説いた。
ところがトランプ氏は「決してないとは言えない」と反論し、馬耳東風だった。シャンパーニュ氏を含めたカーニー内閣の閣僚は今後、「一般常識が通用しない相手」(外交当局者)との交渉に頭を抱えることは間違いない。
というのも、私たちはトランプ氏の支離滅裂ぶりを第1次政権で学んでいるからだ。NAFTAを葬り、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)という「アメリカ第一主義」という独善的な名称の協定に塗り替えられた。アメリカのバラク・オバマ元大統領(民主党)らが尽力し、日本やカナダなども加わった環太平洋連携協定(TPP)から離脱し、アメリカ産牛肉などの関税が引き下げられて輸出拡大につながる千載一遇のチャンスを失った。
さらに、トランプ政権は新型コロナウイルス禍での感染拡大防止策も後手に回り、犠牲者が後を絶たない地獄絵図の様相を呈した。疾病対策センター(CDC)によると、アメリカの新型コロナ感染による累計死者数は2025年3月6日時点で122万2603人と世界最悪だ。
日本政府によると2024年8月時点の日本での累計死者数は13万2258人、カナダ政府によるとカナダの24年9月時点の累計死者数は6万871人なので、人口の差に鑑みてもアメリカの死者数が群を抜いているのが分かる。この背景には、日本やカナダと比べて低所得者層や失業者向けの医療保険制度が整っていないという「超格差社会」アメリカの“致命的欠陥”がある。
この“致命的欠陥”を熟知していたオバマ元大統領は、無保険者をなくすことを目指し、国民全員を医療保険でカバーするために保険加入を義務づける通称「オバマケア」を2010年に成立させた。にもかかわらず、「就任初日にオバマケアを廃止する」と公言し、富裕層からの献金集めに明け暮れる金持ち優遇・低所得者無視のトランプ氏が16年11月の大統領選で当選した。
しかも、トランプ氏は20年4月23日のホワイトハウスでの記者会見で、新型コロナ患者に対して「消毒液はあっという間にウイルスに効くようだ。注射したりできないものだろうか」という科学的根拠に反する暴言で国民を命の危険にさらした。
加えて20年11月の大統領選で民主党候補だったジョー・バイデン氏(前大統領)に敗北すると、大統領選の結果を覆そうと画策して連邦議会襲撃をあおる始末だった。トランプ氏は連邦議会襲撃事件を含めた4件の刑事事件の被告となった。
2024年11月の前回大統領選では元カリフォルニア州司法長官の民主党候補のカマラ・ハリス氏(前副大統領)と、刑事被告人だったトランプ氏の対決という「正義と悪」の構図が際立つ対決となった。第1次トランプ政権が失政を重ねたことも踏まえれば、どちらが常識的な選択なのかは自明なはずだ。
ところが、逆の結果になったのは「病める大国」と呼ばれるゆえんであろう。
2025年5月13日に89歳で死去したウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領は16年4月にアメリカが原子爆弾を投下した広島平和記念資料館(広島市)を見学後、「倫理がない科学は考えられないような悪の道具になる。歴史は、人間が同じ石でつまずく唯一の動物と教えている。私たちはそれを学んだだろうか」と記帳した。
悲しいことに、アメリカ国民の多くについては「否」と言わざるを得ない。アメリカでは原爆投下が第2次世界大戦終結に大きく貢献したとの世論がいまだ根強い。民間調査団体のピュー・リサーチ・センターが2015年に実施した世論調査では、広島と長崎への原爆投下についてアメリカ人の56%が「正当だった」と回答し、日本人の79%が「正当ではなかった」と答えたのとは対照的だった。
そして前回大統領選でも「同じ石でつまずく」ことを証明した。そんなアメリカに対し、同盟国の離反の動きが止まらない。カナダ総選挙と同じ週の2025年5月3日に投開票があったオーストラリアでも、トランプ氏への対抗姿勢を示したアンソニー・アルバニージー首相が率いる与党の労働党が大勝した。
トランプ氏の再登板で「分断」がより深刻化し、同盟国が相次いで距離を置く「病める大国」にはどのような前途が待ち受けているのだろうか。
【筆者より】いつもご愛読いただきましてありがとうございます。本稿で示した視点や見解は筆者個人のものであり、所属する組織や日加トゥデイを代表するものではありません。
共同通信社元ワシントン支局次長で「VIAクラブ日本支部」会員の大塚圭一郎氏が贈る、カナダにまつわる鉄道の魅力を紹介するコラム「カナダ “乗り鉄” の旅」。第1回からすべてのコラムは以下よりご覧いただけます。
「カナダ “乗り鉄” の旅」
大塚圭一郎(おおつか・けいいちろう)
共同通信社経済部次長・「VIAクラブ日本支部」会員
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科を卒業し、社団法人(現一般社団法人)共同通信社に入社。2013~16年にニューヨーク支局特派員、20~24年にワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。24年9月から現職。国内外の運輸・旅行・観光分野や国際経済などの記事を多く執筆しており、VIA鉄道カナダの公式愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員として鉄道も積極的に利用しながらカナダ10州を全て訪れた。
優れた鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅(てつたび)オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS(よんななニュース)」や「Yahoo!ニュース」などに掲載されている連載『鉄道なにコレ!?』と鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/column/railroad_club)を執筆し、「共同通信ポッドキャスト」(https://digital.kyodonews.jp/kyodopodcast/railway.html)に出演。
本コラム「カナダ“乗り鉄”の旅」や、旅行サイト「Risvel(リスヴェル)」のコラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)も連載中。
共著書に『わたしの居場所』(現代人文社)、『平成をあるく』(柘植書房新社)などがある。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の広報委員で元理事。
バンクーバー・ホワイトキャップスは5月28日、BCプレースでミネソタ・ユナイテッドと対戦した。結果は引き分け。無敗記録を15に伸ばした。
5月28日(BCプレース:17,012)
バンクーバー・ホワイトキャップス 0-0 ミネソタ・ユナイテッド
圧倒的にホワイトキャップスが攻めるものの、ミネソタの堅い守りに阻まれて無得点に終わった。シュート数は21。それでも1本もネットを揺らすことはなかった。
怒涛の攻めを見せるキャップスだったが守りでも隙はなかった。この試合も無失点とし、GK高丘は今季MLSシーズンで7つ目のクリーンシート試合となった。
ホワイトキャップスにとってまだ一度も経験したことのない領域、CONCACAFチャンピオンズカップ決勝。いよいよその日が6月1日にやってくる。
5月21日にはGK高丘への日本メディア共同会見もオンラインで行われた。決勝にあたり、個人としてもチームとしても目指していたタイトルへの挑戦まであと約1週間となり、いい準備をしてしっかり結果を出せるようにしたいと語った。
高丘はMLSに挑戦した日本人選手としては初のゴールキーパーで、優勝すればもちろん日本人として初めての北中米ナンバーワンGKの称号を手に入れることになる。
バンクーバーの街もにぎわっている。ホワイトキャップスのホームグランドBCプレース前のテリー・フォックス・プラザではファイナルウォッチ・パーティが行われる。2,500人分のチケットはすでに完売。6月1日はファンも街も盛り上がる。
試合は、6月1日午後6時(太平洋標準時)開始。場所はメキシコシティ。相手はメキシコプロリーグLIGA MX(リーガMX)のCruz Azul(クルス・アスル)。
ホワイトキャップスはチーム史上初の栄冠を手に入れることができるのか。カナダでは、 テレビ(英語)は、OneSoccer、FuboTV Canada、TELUS channel 980、ラジオでは、730 CKNW、 101.1 HD3、cknw.comで視聴できる。
6月のホームゲーム(https://www.whitecapsfc.com/)
6月8日(日)6:00pm シアトル・サウンダーズ戦
6月25日(水)7:30pm サンディエゴFC
(記事 三島直美)
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バンクーバー美術館(Vancouver Art Gallery)で5月25日、大谷工作室さんの個展「Otani Workshop:Monsters in My Head」が始まった。陶芸展「Written in Clay:From the John David Lawrence Collection」との同時開催。キュレーターはダイアナ・フランドルさん。
一歩足を踏み入れると、まるで森の中に迷い込んだかのような印象を受ける照明を落とした展示場内。メープルリーフや小枝に囲まれた切株には森の妖精のように可愛らしい陶器の作品が並ぶ。来場者が最初に入る展示室は、昨年8月に大谷さんが「Deer Lake Artists Residency」で約1カ月滞在したバーナビーの森をイメージ。現地で調達した素材を使い、現地の窯で作り上げた作品16点を展示する。
6週間ほど滞在したカナダの印象を「穏やかで親切な人が多いな、という印象を受けた」と話す大谷さん。「バスを降りる時に皆が運転手さんに『ありがとう』と声をかけていたり、小さなことでも優しい言葉を言う人が多いと感じた」。滞在したスタジオの周囲には湖や森があり自然が豊かな場所。「町からそれほど離れていないのに、緑が多くビーバーやフクロウ、コヨーテがいる静かな環境だった」と楽しんだ様子も。
展示作品には、金継ぎをした初の作品も数点含まれている。「窯も粘土も違うため思ってもみない割れ方をした物があった。美術館を通して紹介を受けたBC(ブリティッシュ・コロンビア)州在住のアーティスト福丸直子さんの助けもあり、金継ぎをしてみた。今までとはまた違う感じの作品ができたのでは」と振り返る。
二つ目の展示室は日本のスタジオをイメージ。陶器、彫刻作品と共に絵画作品も多く展示。大谷さんオリジナルの怪獣「タニラ」や子どもの顔をモチーフにした作品、大谷さんが子どもの頃からアーティストになるまでの道のりを描く絵本「Monsters in My Head」の原画などで大谷さんの世界感を紹介する。
作品で見る者を引き付けるのは素朴な雰囲気の「顔」。顔を多く扱うことについては「彫刻を勉強したのだが、顔というのは一番ダイレクトな感じがする。見る人が興味を持ちやすいというか」と説明。キュレーターのダイアナ・フロンドルさんが「時に埴輪を思わせるような目は静かにいろいろな思いを伝えている、大谷作品の大切な要素」と評した「目」については、「目は一番大事だと思っている。目に(特定の)感情を込めて描いているというよりも、作っている時に作品の中で表情が動く瞬間があり、これだなと思う」とそのプロセスも。
大谷さんは「初めての美術館での個展なので、ぜひ楽しんでもらえれば」と期待を話した。
同時に開催される「Written in Clay:From the John David Lawrence Collection」では1回西側半分を使い、美術収集家ジョン・デービッド・ローレンスさんの1500点以上にわたる陶芸コレクションの中からブリティッシュ・コロンビア州の作家による1920年代~2000年代までの作品約200点を厳選。地元の陶芸シーンの発展に影響を与えたアーティストたちの作品を展示する。
フランドルさんは「土の匂い、作品の質感、作品から広がるイマジネーションなど全ての感覚を使って楽しめる展示だと思う」とし、「今回の二つの展示の共通点は陶芸なのだが陶芸という器だとも言える。陶芸作品自体が花瓶、ティーカップなどさまざまな形で花や水の器となるように、陶芸作品は経験、記憶、物語の器にもなることができる」と話す。「双方の展示を合わせてアートの持つクリエイティビティとイマジネーションの美しさを体感してもらえれば」とも語った。
「Otani Workshop:Monsters in My Head」
期間:2025年5月25日~2025年11月9日
開館時間:10時~17時。金曜のみ20時まで
会場:Vancouver Art Gallery (750 Hornby St. Vancouver)
入場料など詳細はウェブサイトを参照:https://www.vanartgallery.bc.ca/
(取材 Michiru Miyai)
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カナダ・バンクーバー市UBCロブソンスクエアで5月18日、早稲田大学ビジネススクールの長谷川博和教授による特別講演が行われた。主催PacPeak、後援は在バンクーバー日本国総領事館、日本カナダ商工会議所(JCCOC)、企友会。
「最新のアントレプレナーシップ」と題された今回の講演。証券アナリストを経てベンチャーキャピタル代表として数々のスタートアップ企業に投資をした長谷川教授が、専門とするアントレプレナーシップについて解説、日米のスタートアップの違い、企業のグローバル化、AIの活用とデジタル化の必要性などについて話した。
野村総合研究所での証券アナリストとしての勤務ののち、ベンチャーキャピタル「グローバルベンチャーキャピタル株式会社」を起業した長谷川教授。日本、アメリカ、台湾、中国などグローバルに投資。「インダストリーよりも人に投資しようと、基本的に人やチームを見て会社設立の初期から投資するスタイルでやってきた」と、インターネット総研、スカイマークエアライン、オイシックスなどを上場企業に育てあげた経験を話した。「当然上手くいかなかった会社も数多くある。研究者となった時に失敗談も失敗に関するデータもたくさんあるのでケーススタディや統計分析に役立っている」と振り返った。
早稲田大学ビジネススクールでは「アントレプレナーシップ」を専門に研究。新しい事をゼロから始める「ベンチャー」、大企業の進めるイノベーション「新規事業」、世代交代に伴い新しい取り組みをする「ファミリービジネス」、の3つの領域の重なるところを「アントレプレナーシップ」と定義し研究を続け、次世代のアントレプレナーを指導する。
講演では日米ともにスタートアップへの投資額は落ちており、世界的に内向き志向になっている現在の経済状況も説明。関税対策など短期的な対策は必要だが、グローバルな目線で長期的な経営戦略を考える必要性も話す。「企業のグローバル化に必須なのがAI化とデジタル化なのだが、現状は効果的に導入できていない企業が数多くある」と説明。「AI化、デジタル化に遅れている業界にこそ(導入による)革新が起こる可能性がある」とAI開発だけでなく、AIの産業化にもビジネスチャンスがあると説いた。
AIの登場、世界経済の状況から現在は「変動の時代だ」とし「このような変化の時だからこそ、資金力のないアントレプレナーにもチャンスがあると言える」と話す長谷川教授。「以前は単純労働がAIに奪われると考えられていたが、近ごろは高度な経験のいる仕事の方がAIに取って代わられるとされている」とも話し、「AIによる変化を予測し上手く適応するところにビジネスの可能性がある」と講演を締めくくった。
会場には日系ビジネス経営者、投資家、若い起業家や留学生など約30人が来場。講演後の質疑応答では質問が多く寄せられた。「アメリカや中国と比べると日本にはスタートアップ企業が少ないと思うのだが、何が差をつけているのか」という質問には、「シリコンバレーなどは世界中から起業家が集まって来るし、スタートアップの専門家が多くいるので、(必要な人に)出会う機会も多いというのはあると思う」と答え「ただサンフランシスコは物価が高く生活するだけでも大変だ。少しでも早く成果を出さなければ資金が続かないという必死さが、日本の起業家と比べて格段に強いというのも大きな理由では」と考えを述べた。
カナダで注目しているスタートアップや分野はあるか、との問いには「カナダに関しては詳しくないのだが」と前置きをし「若いスタートアップが多くあると聞いた。アメリカに近いという地理的な利点もあるので、アントレプレナーの領域でもっと日本とカナダの若い世代の交流が進めば面白いことができるのでは」と期待を表した。
(記事 Michiru Miyai)
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皆さん、こんにちは。心地よい風が吹く日が増え、夏の気配を感じる季節になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?気がつけば、前回のコラムを書いてから、早くも2年が経ってしまいました。
今回は、歯科医院で行うボツリヌス治療についてお話ししたいと思います。私が勤務しているクリニックではこの治療を導入しており、待合室にもパンフレットを置いています。
ただ、「ボツリヌス治療=美容医療」というイメージがまだ強いためか、患者さんからは「どうして歯医者でボトックスをするんですか?」と尋ねられることも少なくありません。
そこで今回は、ボツリヌス治療と歯科医療との関わりについて、少し詳しくご紹介したいと思います。
ボツリヌス菌は、土壌や水中など自然環境に広く存在する細菌です。このボツリヌス菌が産生する「ボツリヌストキシン」と呼ばれる神経毒素を医療用に安全に加工したものが、現在のボツリヌストキシン製剤です。「ボトックス」とはアメリカ・アラガン社製のボツリヌストキシン製剤の製品名になります。
ボツリヌストキシンには筋肉の緊張をゆるめる働き(筋弛緩作用)があり、1970年代にアメリカの眼科医がこの作用を斜視(目の向きがずれる病気)の治療に応用しました。この臨床効果が認められたことから、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、脳卒中後の痙縮など、さまざまな神経・筋疾患への治療にも広がっていきました。
その後、眼瞼けいれんの治療を受けた患者さんの目元のしわが目立たなくなったことから、美容分野での応用が進み、現在では世界中で広く知られるようになりました。
そして歯科分野でも、咀嚼筋へのボツリヌス治療が有効に活用されています。
咬筋は、耳の内側から顎にかけて位置する、噛む動作に関わる非常に強い筋肉です。上下の歯をギュッと噛みしめたとき、頬の横に硬く盛り上がる部分が咬筋です。
この筋肉は、食事のときだけでなく、無意識の歯ぎしりや食いしばりの際にも働いています。咬筋が過度に緊張したり、発達しすぎたりすると、歯の摩耗や詰め物・被せ物の破損、顎の痛みなど、さまざまな症状があらわれることがあります。
こうした症状に対しては、ナイトガード(マウスピース)の装着や、咬筋へのボツリヌス治療(いわゆるボトックス注射)を行うことで対応する場合があります。
咬筋にボトックスを注射すると、筋肉の過剰な緊張がゆるみ、噛みしめる力が自然に軽くなります。その結果、歯や顎関節への負担が減り、痛みや違和感の軽減が期待できます。
一方、側頭筋は、こめかみから耳の上にかけて広がる筋肉で、咬筋と同じように噛む動きに関わっています。側頭筋が強く緊張していると、こめかみの痛みや緊張性の頭痛の原因になることがあります。
この側頭筋にもボツリヌス注射を行うことで、筋肉の緊張がやわらぎ、頭痛やこめかみ周辺の不快感が改善されるケースがあります。
多くのクリニックでは、ボツリヌス治療を行う前にカウンセリングと診察が行われます。
ご本人は「顎の痛みは筋肉のせい」と思っていても、実際には顎関節自体に問題がある場合や、かみ合わせの問題で食いしばりが起きていることもあります。ボツリヌス注射が症状の緩和にあまり効果を発揮しないケースもあるので、ボツリヌス治療が本当に適しているかどうかを判断することが大切です。また、注射に使うボトックスの量は人によって適切な量が異なります。筋肉の大きさや症状の強さに応じて、医師が一人ひとりに合わせて判断しています。
また、妊娠中または授乳中の方など、ボツリヌス治療が適応ではない場合もあります。ボツリヌス治療の後はマッサージや激しい運動、また横になるのを避ける、など注意事項があります。
治療自体は10分程度で終了し、効果は通常、2〜3日後から徐々に現れ始め、効果の持続期間は3~4か月程度です。
ボトックスの副作用は少ないですが、噛む力が一時的に弱くなることがあるため、施術後しばらくは硬いものが食べづらくなる場合があります。注射による内出血や注射部位の痛みが出ることもあります。
私自身も、これまでに3回ボツリヌス治療を受けた経験があります。もともと歯ぎしりの癖があり、ナイトガード(マウスピース)を使っていましたが、マウスピース矯正をしていた時期に、歯ぎしりがひどくなってしまい、顎の痛みが強く出る日が続いていました。
そのときは、筋肉の緊張をゆるめる薬や痛み止めを飲んで対処していたのですが、薬の副作用で胃の不調などの消化器症状が出てしまい、同僚に咬筋へボツリヌス注射をしてもらいました。私の場合は筋肉の張りが強く、痛みもかなりあったため、最初は少し多めの量を打ってもらいました。すると、数日後には顎の痛みがなくなりました。
でも、3か月ほどすると再び痛みが出てきたので、2回目は同じ量を注射してもらいました。その後は5か月ほど痛みが出なかったため、3回目は少なめの量で試してみました。今はその注射から半年以上経ちますが、痛みも出ずに快適に過ごせています。
左が私自身の咬筋のボツリヌス治療前、右が治療後の写真です。
審美を目的とした治療ではありませんが、咬筋の緊張が軽減され、筋肉が小さくなっているのがわかりやすく写っているため、比較の参考として掲載しています。
ボツリヌス治療は、これまで神経や筋肉の疾患に広く用いられてきた、安全性の高い治療法です。歯科領域においても、歯ぎしりや食いしばり、顎の痛みといった症状に対して効果が期待でき、日常生活の質を高める手助けとなります。
私自身は、歯科治療の延長線上で咬筋や側頭筋へのボツリヌス治療を行っていますが、同僚の中には表情筋に注射を行い、しわ予防やガミースマイルの改善に対応している歯科医師もいます。気になる方は、ぜひかかりつけの歯科医院で相談してみてください。
プロフィール
歯科医師 楠瀬智子
2004年北海道大学歯学部卒業
日本の歯科医師免許、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の歯科医師免許、BC州の歯科衛生士の免許を保有
2016年よりキツラノのDr. Wayne Okamura Inc.にて勤務(火曜、木曜、金曜と、月1回土曜日)
Dr. Wayne Okamura Inc.
TEL:604‐736‐7374
住所:2732 W Broadway #202, Vancouver, BC, V6K 2G4
診療日:火曜から隔週土曜 7:30 am – 6:00 pm(曜日により診療時間は異なります)
診療内容:定期健診、クリーニング、虫歯の治療、根管治療、抜歯、マウスピース矯正などの歯列矯正治療、インプラント手術、ホワイトニング、ボトックス注射など
紅花(べにばな)は鮮やかなオレンジから真っ赤に変化する花で、開花の時期はまだ先ですが「紅花栄(べにばなさかう)」とは、この季節に「紅い花が花盛りを迎える」という意味で使われるそうです。
カナダの住宅街や公園でも目にする、サツキやツツジの花々は、今の新緑と合わさりいっそう鮮やかに映ります。
私は先月に引き続き、日本に滞在しておりまして、皐月の小さな旅を楽しんでいます。
「新緑に生える桜色・一斤染/茶道会館で茶事の稽古」
江戸時代から、化粧や京染めとして貴重な天然染料だった紅花は、オレンジ色、ピンク、赤、と華やかな色を出すことで、大変に人気があり重宝されたそうです。
紅の濃染が高価であった平安時代は、一斤染の色が上限である紅の聴色(ゆるしいろ、許色)とされ、これより濃い染は禁色(きんじき)と言われていたようです。
人々を魅了するものに規制がかかるのは、いつの時代も同じですね。
さて、今回の里帰りにあたって、ぜひ参加したいと思い、早々に申し込んだ東京の茶道会館での茶事教室。当日は、早朝に静岡を出発して東京へ向かいました。
一日中着物姿で、4時間以上にわたり正座をするという、まさに修行のような体験ではありましたが、素晴らしいお茶室と庭園に囲まれながら、正午の茶事を存分に楽しむことができました。
茶事とは、茶道において、亭主が親しい客を招いて、懐石料理(茶懐石)や濃茶、薄茶などを供え、静かに茶をたしなむ、格式を重んじた正式な茶会を指します。
当日にご指導いただいた北見先生を始め、諸先生方が、遠方から来た私を快く受け入れてくださり、大変に感謝しております。
茶道会館は、以前、Youtubeの番組内で木村拓哉さんも訪れたことで、話題になりました。こちらでは、一般向けのお茶会も毎月行われていますので、是非、皆さまもご参加されてみてはいかがでしょうか。
そして、茶道のお稽古に向いている着物についてですが、一般的には控えめな色柄のものが好ましく、帯は名古屋帯の方が、長時間のお稽古には適しているかと思います。
今回、私は一つ紋付きの色無地を選びました。桜色の地に、紋綸子縮緬(もんりんずちりめん)の地紋が入った着物です。
5月の着物選びは、気温によって判断が難しいのですが、今年は雨が多く肌寒かったため、袷の着物でも問題ありませんでした。
最近は気候の変化が激しいため、暑い日には単(ひとえ)の着物を選ぶのが一般的になってきているようで、教室にいらしていた生徒さんたちも、そのようなお話をされていました。
ご一緒に参加した皆さんとは、どこかご縁を感じるようなひとときを過ごすことができ、心に残るお稽古となりました。
「次回はバンクーバーでのお茶会でお会いしましょう」と約束を交わして別れました。
追伸
「今回の季節のお茶会や着物について、表現してみて欲しい」とChatGPTに聞きましたら、このような返事がありました。
なかなかの出来で、感心しております(笑)
紅花(べにばな)の朱が
陽にほどけて
風は名を持ち、
肌にふれてくる
まだ春の余白
もう夏の気配
そのあわいに、
心も衣替えをする
*参照*
一斤染とは
https://kimono-rentalier.jp/column/kimono/ikkonzome/
茶道会館
http://www.sadoukaikan.com/
「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから。
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
14年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。
*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。
カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘がおり、バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
インスタグラム https://www.instagram.com/wa_no_gakkou_tozenji/
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東漸寺Tozenji Temple https://tozenjibc.ca/
コナともこ
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みなさん、こんにちは。カナダの西海岸でも夏の気配が感じられるようになり、気持ちの良い日が続いています。
私はこの7月、奈良県で開催される日本渡航医学会の学術集会に参加するのにあわせて、日本に一時帰省する予定ですが、酷暑に耐えられるかどうか、今からとても不安です。日本の医療関係者に聞けば「最近の日本の夏は“暑い”を通り越して“危険”だから!」というではないですか。
25年前の学生の頃は、真夏の日中に汗だくになりながら一日中テニスをして青春を謳歌していた私も、今やただの運動不足のオッさんとなり、その間に地球温暖化は激しく進行しました。たまにしか日本に帰らない私としては、かなりビビっています。
実際、こうした気候変動に伴い、世界各地で蚊を媒介とする感染症が拡大しています。中でも、デング熱やチクングニア熱といった病気が、これまで見られなかった地域でも流行するようになってきました。
デング熱はデングウイルスによる急性のウイルス感染症で、主にネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊を介して感染します。語源には諸説あり、国立感染症研究所では、英語の “dandy” に由来し、背中の激痛で体をこわばらせて歩く様子が「気取って歩く姿」に見えるという説を紹介しています。一方、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)では、スワヒリ語の “ki denga pepo” に由来するとの説を挙げており、「悪霊に取り憑かれたような発作」を意味するそうです。
熱帯・亜熱帯地域で広く流行しており、特に都市部やその周辺で多く見られます。2014年には、東京・代々木公園でデング熱の流行が報告されたことを覚えている方も多いと思います。
症状は、突然の高熱、激しい頭痛、眼の奥の痛み(眼窩痛)、筋肉痛、関節痛(「骨が折れるような痛み」とも)、発疹、吐き気、嘔吐、腹痛などが挙げられます。現在、有効な抗ウイルス薬はなく、治療は主に対症療法です。
デングウイルスには4つの血清型(DEN-1〜DEN-4)があり、一度感染するとその型に対する免疫は得られますが、別の型に再感染した場合、重症化のリスクが高まります。これは「抗体依存性感染増強(ADE)」と呼ばれる現象によるものです。
ワクチンについては、カナダではまだ承認されていませんが、世界では使用が進んでいます。武田薬品工業が開発した「QDENGA(キューデンガ)」は、4つの血清型すべてに対応した4価弱毒生ワクチンで、インドネシア、EU、英国、タイ、アルゼンチン、ブラジルなどで承認されており、入院リスクを90.4%減少させると報告されています。
チクングニア熱は、チクングニアウイルスによる感染症で、ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介します。「チクングニア」という名称はアフリカの現地語で「かがんで歩く」という意味で、強い関節痛のために前かがみで歩く患者の姿から名付けられました。
主な症状は、突然の高熱、激しい関節痛(特に手首・足首・指・膝・肘・肩など)、発疹、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、吐き気、リンパ節の腫れなどです。関節痛は、症状が軽快した後も数週間〜数年続く場合があり、重症例では脳症や劇症肝炎も報告されています。
フランスのValneva社が開発した「IXCHIQ」は、弱毒化生ワクチンで、18歳以上が対象です。2024年にカナダ保健省(Health Canada)により承認され、1回の筋肉内注射で接種されます。臨床試験では、28日後の血清反応率が98.9%と非常に高い結果が報告されています。ただし、65歳以上では心臓や神経系の重篤な副反応が報告されており、欧州や米国では高齢者への接種を一時的に制限しています。
また、デンマークのBavarian Nordic社が開発した「VIMKUNYA」は、ウイルス様粒子を使用した組換えタンパク質ワクチンで、12歳以上を対象とし、2025年2月にFDAおよび欧州委員会により承認されました。現在、カナダでも承認申請中です。
これからチクングニア熱の流行地域に渡航される方や、現地で生活している方は、厚生労働省の「FORTH」(https://www.forth.go.jp/index.html)やCDCの渡航者向け情報サイト(https://wwwnc.cdc.gov/travel)、最寄りのトラベルクリニックなどで最新情報を確認し、必要に応じてワクチン接種を検討してください。また、DEET配合の虫よけや長袖の着用など、蚊に刺されないための対策も忘れずに行いましょう。
私も、日本の7月の猛暑で熱中症にならないように気をつけて行ってきます。
*薬や薬局に関する一般的な質問・疑問等があれば、いつでも編集部にご連絡ください。編集部連絡先: contact@japancanadatoday.ca
佐藤厚(さとう・あつし)
新潟県出身。薬剤師(日本・カナダ)。 2008年よりLondon Drugsで薬局薬剤師。国際渡航医学会の医療職認定を取得し、トラベルクリニック担当。 糖尿病指導士。禁煙指導士。現在、UBCのFlex PharmDプログラムの学生として、学位取得に励む日々を送っている。 趣味はテニスとスキー(腰痛と要相談)
全ての「また お薬の時間ですよ」はこちらからご覧いただけます。前身の「お薬の時間ですよ」はこちらから。
カナダ・バンクーバー市のケン・シム市長は5月22日、再犯リスクの高い人物が拘束を解かれるのを防ぐため、州と連邦政府に「具体的な行動」を求める声明を発表した。
これは4月15日に同市スタンレーパークのシーウォールで起きた無差別暴行事件の容疑者が釈放されたことを受けたもの。バンクーバー市警察によると、同事件のピーターハンズ・ヌング容疑者(34歳)は「身体的危害を加える暴行」の罪で起訴されたが4月23日に保釈された。その後、容疑者は医療施設に移送されたが5月20日に退所、今後はバンクーバー市内で自宅軟禁下に置かれるという。
この決定は5月19日に起きた暴行事件のハートリー・ロナルド・ダックホーン容疑者(35歳)の保釈審理が近づくなかで下された。同容疑者はスタンレーパークのセカンドビーチプール近くの女性用更衣室で見知らぬ女性への性的暴行や強盗などで起訴された。さらに2020年にサレー市のスカイトレイン駅付近で女性を襲った事件でも有罪判決を受けている。
シム市長は「捜査機関は容疑者の特定や逮捕という役割を果たしているが、司法制度が繰り返し被害者を裏切り、再犯リスクの高い人物を社会に戻している」とし、加害者がすぐに釈放されるような状況では人々は司法制度への信頼を失うと懸念を表明。「なぜこのようなことが続くのか、ニキ・シャルマ司法長官は市民に納得のいく説明をするべきだ」と主張している。
(記事 高城玲)
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