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Naomi Mishima

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自力整体のご案内  2025年5月~9月

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6月の金曜日クラス 6月6日(金)・20日(金) AM10:30~11:30
   日曜日クラス 6月15日(日) 正午~13:00

7月の金曜日クラス 7月11日(金)・25日(金) AM10:30~11:30
   日曜日クラス 7月20日(日) 正午~13:00

8月の金曜日クラス 8月8日(金)・22日(金) AM10:30~11:30
   日曜日クラス 8月17日(日) 正午~13:00

9月の金曜日クラス 9月12日(金)・26日(金) AM10:30~11:30
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カナダ・カーニー首相、日本の石破首相と電話会談

 カナダ連邦下院総選挙で4期目の政権が決まった自由党。自身も当選して議員として首相に就いたマーク・カーニー氏は、精力的に各国首脳との電話会談を行っている。

 首相事務所によると、29日はフランスのマクロン大統領とアメリカのトランプ大統領、30日はウクライナのゼレンスキー大統領とコスタ欧州理事会議長、そして5月2日には日本の石破首相と電話会談したと発表した。

 石破首相との会談の詳細については触れていないが、発表によると、石破首相はカーニー首相に選挙で自由党が第一党となったことを祝福、「カーニー首相はインド太平洋地域の重要性と、太平洋国家としてのカナダの役割を強調。両首脳は、貿易、防衛、商業関係の深化についても議論した」としている。両首脳は緊密な連絡を保ち続けることで一致したという。

 カナダは今年のG7(先進7カ国)会議の議長国で、6月にアルバータ州で行われる際に首相として初めて顔を合わせる。

(記事 三島直美)

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バンクーバー・ガスタウンにキャラクターグッズ専門店「The Little Things」オープン

店内にはジェリーキャット商品がずらり。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
店内にはジェリーキャット商品がずらり。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 観光客や地元の人でにぎわうバンクーバー市のガスタウンにキャラクターグッズ専門店「The Little Things」が4月18日にオープンした。

 当日は11時30分のオープン前から店舗の前に50人以上の長蛇の列。お目当てはいま大人気の「ジェリーキャット」だ。

11時30分のオープン前にすでに列を作って待つ人々。2025年4月18日、バンクーバー市。写真提供 The Little Things
11時30分のオープン前にすでに列を作って待つ人々。2025年4月18日、バンクーバー市。写真提供 The Little Things

 広々とした白を基調とした明るい店内の中央にさまざまな種類のジェリーキャットが並べられている。The Little Thingsを運営するCrescent Moon Enterprisesはカナダでも数少ないジェリーキャットの取り扱い正規店で、レアなジェリーキャットを求めて来店するファンも多いという。この日はお目当ての商品がすでに売り切れで泣いてしまった客もいたと店舗を切り盛りする裕香さんは話す。

グランドオープンに多くの人が店を訪れた。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
グランドオープンに多くの人が店を訪れた。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 The Little Thingsは隣にあるギフトショップGifts and Thingsの姉妹店としてオープンした。ジェリーキャットをはじめとするキャラクターグッズはGifts and Thingsで販売されていたが、今回姉妹店をオープンしたことで、Gifts and Thingsではギフト商品やエコグッズを、The Little Thingsではキャラクターグッズを販売する。

 Crescent Moon Enterprisesオーナーの佐藤広樹さんは、「チャンスがあったらキャラクターグッズだけの専門店を作りたいと思っていました」と構想を語った。店内にはジェリーキャット以外にも、ジブリを中心とする日本のアニメキャラクターやハローキティなどのサンリオ商品、ハリーポッター、スターウォーズやディズニーなどを揃えている。

 オープン初日は閉店まで客足が途切れることはなかったという佐藤さん。2号店に大きな手ごたえを感じている。

広いショーウィンドウではジェリーキャットが通りをゆく人々の目を引き付ける。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
広いショーウィンドウではジェリーキャットが通りをゆく人々の目を引き付ける。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 ガスタウンには観光客や地元の人、夏はクルーズ船の乗客が押し寄せる。いまカナダはアメリカと関税をめぐり厳しい対応を迫られているが、観光業には影響は少ないのではと話す。「アメリカの旅行客は変わらずカナダに来ていますし、カナダの人はカナダ国内で旅行をしようとしていますので、追い風になるんじゃないかなと思っています」。

 そうした機を捉えて、次はショッピングモールに出店したいと計画中だ。Crescent Moon EnterprisesはウィスラーにもギフトショップSmile Giftを展開している。3店舗では日本人の店員が多く活躍し、雇用にも一役買っている。

 店長の久保ゆうやさんは佐藤さんについて「次々とビジネスのアイデアが湧いて来るようなんです」と話す。それを一緒に実現していくのが楽しいとも。今回のオープンも店舗を引き渡されてからグランドオープンまで準備期間は3週間もなく、大忙しだったというが楽しそうだ。

 いつも「若い人の感性を大事にしたい」と語る佐藤さん。店内でキビキビと働く若い店員たちに優しい目を向けながら、次のビジネスの構想を練っているようだった。

The Little Things
355 Water Street, Vancouver

Gifts and Thingsと並ぶ、姉妹店The Little Things。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
Gifts and Thingsと並ぶ、姉妹店The Little Things。2025年4月18日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

(記事 三島直美)

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「カナダ“乗り鉄”の旅」第24回 国民の審判を仰いだカーニー首相、対トランプ政権の手本となりそうな「とても難しい決断」

改修工事前の2017年8月のカナダ連邦議会議事堂(大塚圭一郎撮影)
改修工事前の2017年8月のカナダ連邦議会議事堂(大塚圭一郎撮影)

大塚圭一郎

 マーク・カーニー首相(自由党党首)がカナダ連邦議会下院を解散し、2025年4月28日に総選挙を実施して国民の審判を仰いだ。大きな焦点となったのが「カナダがアメリカの51番目の州になるのを見たい」と暴言を吐き、輸入品への関税引き上げで経済を揺さぶるアメリカのドナルド・トランプ大統領(共和党)におかしいことには明確に「ノー」を突きつけ、良識ある政策で対抗することが問われている。カナダの首都オタワの連邦議会議事堂では22年前、カーニー氏にとって手本となりそうな「とても難しい決断」が下された。

【カナダ連邦議会議事堂】上院と下院の二院制となっているカナダ連邦の立法府。イギリスから独立してカナダ連邦が建国された1867年に発足し、主な建物が1859年から1866年にかけて建設されて議場などに使われた。

改修工事前の2017年8月、カナダ連邦議会議事堂の図書館(2017年8月、大塚圭一郎撮影)
改修工事前の2017年8月、カナダ連邦議会議事堂の図書館(2017年8月、大塚圭一郎撮影)

 1916年2月3日に起きた火災で建物の大部分は消失したものの、図書館は職員が機転を利かせて鉄製の扉を閉めたため守られた。近代ゴシック復興様式の現在の議事堂は1922年に完成し、シンボルとなっている「平和の塔」も1927年に完成。

 老朽化に伴って大規模な改修工事が2019年にから進められており、完成は2031年の予定。改修費用は計45億~50億カナダドル(約4600億~5200億円)に達すると見込まれている。改修工事の期間中は、上院は仮設の移転先として旧オタワ・ユニオン駅舎(詳しくは本連載第23回「カナダ首都の名門ホテル、現在地にある理由とは…」参照)の建物、下院は議事堂西側の建物をそれぞれ活用している。

カナダ連邦議会上院の仮設の移転先として使われている旧オタワ・ユニオン駅舎(2023年9月、大塚圭一郎撮影)
カナダ連邦議会上院の仮設の移転先として使われている旧オタワ・ユニオン駅舎(2023年9月、大塚圭一郎撮影)

カナダ政治史の“ショーケース”

 VIA鉄道カナダのオタワ駅で下車すると、脇にはオタワ・カールストン地域交通公社(OCトランスポ)のトレンブレイ停留場がある。ここから鉄道O―トレインの次世代型路面電車(LRT)のオタワを東西に結ぶ路線「コンフェデレーション線」の東へ向かうタニーズパスチュール行きに乗り込むと、12分でオタワ中心部にあるパーラメント停留場に到着する。

オタワ・カールストン地域交通公社(OCトランスポ)の鉄道O―トレインの路線「コンフェデレーション線」を走る超低床電車(2023年9月、大塚圭一郎撮影)
オタワ・カールストン地域交通公社(OCトランスポ)の鉄道O―トレインの路線「コンフェデレーション線」を走る超低床電車(2023年9月、大塚圭一郎撮影)

 コンフェデレーション線は中心部では地下を通り、五大湖を構成するオンタリオ湖畔のキングストンまでの全長202キロに及ぶ世界遺産のリドー運河をくぐる。

 地上に出て目に入るのが、オタワ川沿いにある近代ゴシック復興様式の連邦議会議事堂だ。現在は改修工事のため一部が覆われた建物の下院の議場で2003年3月、当時首相だったジャン・クレティエン氏は「とても難しい決断」の結論を告げた。

 その中身について知ることができるカナダ政治史の“ショーケース”が、近くのスパークス通り沿いの建物の1階にある。ここは連邦議会について発信する展示施設「連邦議会―没入型体験」で、映像と光、音を駆使して議場の雰囲気を疑似体験できるようになっているのだ。事前予約が推奨されており、無料で見学できる。見て回るのにかかる時間は約45分間だ。

オタワのスパークス通り沿いにある連邦議会について発信する展示施設「連邦議会―没入型体験」の内部(2023年9月、大塚圭一郎撮影)
オタワのスパークス通り沿いにある連邦議会について発信する展示施設「連邦議会―没入型体験」の内部(2023年9月、大塚圭一郎撮影)

「ゾウ」の要求を拒否

 会場内では議事堂の建物の構造や名所を紹介するとともに、カナダの歴史に残る首相らの名演説、成立してきた法律を知ることができる。カナダ史に残る名演説の一つに数えられるのが、1993~2003年に第26代首相を務めたクレティエン氏が2003年3月に自らの政治生命を懸けて下院で訴えた言葉だ。

 2001年9月のアメリカ中枢同時テロに見舞われた当時のアメリカ大統領、ジョージ・ブッシュ(子)氏は、イラクのサダム・フセイン政権が大量破壊兵器の開発を進めていると主張してイラクへの軍事侵攻ありきで動いていた。これに対し、クレティエン氏は「軍事行動が国連安全保障理事会の新たな決議なしで実施されるのならば、カナダは参戦を拒否する」と訴えて「ノー」を突きつけたのだ。

 ジャスティン・トルドー前首相の父で、第20代・第22代首相を務めた故ピエール・トルドー氏が「アメリカの隣に暮らすことは、ゾウの隣に寝ているようなものだ。この動物がどんなに友好的で冷静でもほんの少し動いたり、鼻を鳴らしたりしても、隣に寝ていると影響を受けるのだ」と論じたように、カナダはアメリカの一挙手一投足に翻弄される。

 ましていわんや戦争をや、である。ピエール・トルドー氏は「どんなに友好的で冷静でも」と控えめな注釈を付けたものの、カナダのある外交官は「アメリカは言うことを聞かないと嫌がらせをする厄介な大国」だと指摘する。クレティエン氏はそのことを百も承知で「ゾウ」、あるいは百獣の王の「ライオン」かもしれない相手に背を向けたのだ。

議場での反応は…

 クレティエン氏が打ち明けた「難しい決断」に対し、議場からははっきりとした意思表示が示された。なんと政権与党の自由党の議員にとどまらず、新民主党などの野党議員も立ち上がって拍手するスタンディング・オベーションでたたえたのだ。

改修工事前の2017年8月、カナダ連邦議会下院の議場(2017年8月、大塚圭一郎撮影)
改修工事前の2017年8月、カナダ連邦議会下院の議場(2017年8月、大塚圭一郎撮影)

 クレティエン氏が迷った末に下したのが英断であり、スタンディング・オベーションで応えた大勢の議員らの評価も正当だったことは歴史が証明している。

 ブッシュ氏はイラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保有しているとの誤った分析を信じ込み、大量破壊兵器を使って攻撃されると警戒感を募らせていたとされ、2011年まで続いた泥沼のイラク戦争になだれ込んだ。

 フセイン政権崩壊後も混乱に陥ったイラクでは数十万人が犠牲になったとされる。一方、アメリカ兵も4千人を超える死者を出し、出費は2兆アメリカドルを超えた。しかも血眼になって探しても大量破壊兵器は見つからず、ブッシュ氏がイラクを侵攻した大義名分は完全に崩れ落ちた。

 現在はトランプ氏にその地位をすっかり取って代わられているが、アメリカの民主党支持者が「わが国が選んでしまった愚かな大統領」と揶揄した時に指すのはブッシュ(子)氏を指すのが相場だった。

退任前の「別れのキス」

 大統領職退任を控えていたブッシュ氏は2008年12月にイラクの首都バグダッドを電撃訪問し、記者会見に臨んだ時にアメリカに対する厳しいイラクの世論について身をもって知ることになる。

 当時衛星テレビ局の記者だったイラク人男性のムンタゼル・ザイディ氏が「イラク人からの別れのキスを受け取れ、この犬め!」「夫を失った女性、親を失った子どもたちからだ」とアラビア語で罵声を浴びせながら、履いていた左右の靴をブッシュ氏に向かって投げつけたのだ。

 アラブ諸国では人に靴を投げつける行為は極めて侮辱的な行為だと見なされており、ザイディ氏は拘束された。これに対し、ザイディ氏の釈放を求めるデモが起きるなど英雄視する向きが広がり、イラク国民の反米感情が全世界に伝えられた。

 私の知り合いの米国民は「イラク戦争は、ブッシュ氏が自身に献金と票をもたらした軍需産業を潤わせるために起こした謀略だったのではないか」と疑いの目を向け続けている。

最後に笑うのは

 対照的にカナダ国民が犠牲となる事態を防ぎ、今も輝きを失っていないのがクレティエン氏のアメリカに背を向けて参戦を拒否した決断だ。クレティエン氏は2023年10月にカナダの放送局、CTVのインタビューで「とても難しい決断だった」と振り返るとともに、最大の貿易相手国である米国との取引に支障が出ることを恐れた企業から「極めて強い懸念を聞いていた」とも打ち明けた。

 クレティエン氏は「謙虚な人柄」(カナダ政府関係者)とされ、後世に語り継がれることは間違いのない自身の「先見の明」についても決して自慢することはなかった。

 ただ、当時を述懐した後に見せた笑みは、胸の内に秘めた確信を物語るのに十分だった。自身の決断がカナダおよび国民にとって最善だったことと、もしも逆の選択をしていれば敬意を持ってその日について耳を傾けてもらえる日が訪れていなかったことを。

 アメリカの共和党のシンボルは「ゾウ」だが、今日のアメリカはもはやピエール・トルドー氏が唱えた「ゾウ」ではなくなってしまったようだ。知人の元政府職員は「ロナルド・レーガン元大統領らの時代の共和党には一定の良心があった。トランプ氏が率いるようになってから良い伝統が完全にぶちこわされ、独裁者のイカれた命令に振り回される『カルト集団』でしかない」と嘆いていた。

 カナダとイギリスの中央銀行の総裁を歴任した「金融界のスーパースター」のカーニー氏にとって、正論が通用しない「カルト集団」とも呼ばれる相手に理不尽な関税交渉などを迫られるのはさぞかし苦痛であろう。難局が続く中でも筋を通し、「最後に笑うのは誰なのか」を自ら示したクレティエン氏のような英断を期待したい。

【筆者より】いつもご愛読いただきましてありがとうございます。本稿で示した視点や見解は筆者個人のものであり、所属する組織や日加トゥデイを代表するものではありません。

共同通信社元ワシントン支局次長で「VIAクラブ日本支部」会員の大塚圭一郎氏が贈る、カナダにまつわる鉄道の魅力を紹介するコラム「カナダ “乗り鉄” の旅」。第1回からすべてのコラムは以下よりご覧いただけます。
カナダ “乗り鉄” の旅

大塚圭一郎(おおつか・けいいちろう)
共同通信社経済部次長・「VIAクラブ日本支部」会員

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科を卒業し、社団法人(現一般社団法人)共同通信社に入社。2013~16年にニューヨーク支局特派員、20~24年にワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。24年9月から現職。国内外の運輸・旅行・観光分野や国際経済などの記事を多く執筆しており、VIA鉄道カナダの公式愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員として鉄道も積極的に利用しながらカナダ10州を全て訪れた。

 優れた鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅(てつたび)オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS(よんななニュース)」や「Yahoo!ニュース」などに掲載されている連載『鉄道なにコレ!?』と鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/column/railroad_club)を執筆し、「共同通信ポッドキャスト」(https://digital.kyodonews.jp/kyodopodcast/railway.html)に出演。
 本コラム「カナダ“乗り鉄”の旅」や、旅行サイト「Risvel(リスヴェル)」のコラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)も連載中。
 共著書に『わたしの居場所』(現代人文社)、『平成をあるく』(柘植書房新社)などがある。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の広報委員で元理事。

「卯月*よろこび訪れる」

カナダde着物

第70話
*人形町・問屋街で東京着物ショー*

 卯月(ウズキ)とは、卯の花(ウツギの花)が盛りになる月で、田植えをするという意味から「植月(うづき)」という説もあるそうです。

 只今、超高齢者の両親に会いに、日本に来ております。
 カナダからの家族も東京に滞在しており、毎日、行き来をしてますが、都会の喧騒から少し離れて、緑鮮やかな茶畑や田園を見ていると、心がふっと軽くなるのを感じます。

 両親の顔を見るたびに、元気でいてくれることのありがたさをしみじみと感じる、そんな静岡の午後です。

「静岡市 三保の松原、駿府城公園にて」 コナともこ
「静岡市 三保の松原、駿府城公園にて」 コナともこ

*今日の着物*Today’s Kimono

「かつての問屋街で東京着物ショー」

 春に日本へ帰る楽しみの一つに、東京で開催される“東京着物ショー”があります。
 こちらのイベントは、着物の魅力を再発見し、現代のライフスタイルに合わせた新しい形での着物文化を紹介しているものです。
 今年は、4月18日から20日まで、東京都中央区日本橋人形町界隈の20会場で開催されました。

 今回も、静岡の幼なじみと一緒に会場を回りました。彼女は、ただの着物好きにとどまらず、型染めや仕立てまで手がけてしまう、まさに着物の達人です。

 イベントの楽しみのひとつは、会場に集まった着物姿の方々を眺めること。
 マネキンに着せられた着物も素敵ですが、やはり人が実際に着ている姿はいいものですね。
 その人らしいコーディネートが施されていて、とても魅力的です。

 旅行中の友人と私は、洋装でしたが、次回は是非着物で訪れてみたいです。

「東京着物ショー 人形町にて」コナともこ
「東京着物ショー 人形町にて」コナともこ

*人形町界隈の歴史と文化的魅力について*

 東京・中央区の人形町(にんぎょうちょう)界隈は、江戸時代から続く深い歴史と、現代の都市文化が交錯する魅力的なエリアです。

 人形町の名前の由来は、江戸時代にさかのぼります。​この地には、江戸幕府の命により、京都から人形師が移住し、御所人形や武者人形などを製作する「人形町」が形成されました。​また、近くには「人形町通り」があり、現在でもその名残を感じることができます。

*人形町と問屋街——江戸の商いの心を今に伝える街*

 東京・中央区の人形町界隈は、江戸の情緒を色濃く残す一角でありながら、現在もなお「商いの町」として活気に満ちた表情を見せてくれます。とりわけ、この地域に広がる問屋街は、江戸の経済と文化を支えた商人たちの息吹を感じさせる存在です。

 江戸の粋を現代に伝える人形町と問屋街。ここを歩けば、「モノ」だけでなく、「コト」や「ヒト」の豊かさに出会えることでしょう。

「人形町界隈の歴史と文化を感じる街」コナともこ
「人形町界隈の歴史と文化を感じる街」コナともこ

*参照*

「人形町の魅力 | 東京日本橋 人形町」
https://www.ningyocho.or.jp/contents/charm/index.html

「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから

コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
14年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘がおり、バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
インスタグラム https://www.instagram.com/wa_no_gakkou_tozenji/
フェイスブック https://www.facebook.com/profile.php?id=100069272582016

東漸寺Tozenji Temple https://tozenjibc.ca/

コナともこ
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「東漸寺🌸春🌸2024」Manto Artworks
「東漸寺🌸春🌸2024」Manto Artworks

バンクーバーで「海活」 魚食を通じて繋がる日本文化とカナダ先住民の文化

今回のイベントを主催したUBCの留学生さんたち。2025年4月20日、バーナビー市。(提供写真)
今回のイベントを主催したUBCの留学生さんたち。2025年4月20日、バーナビー市。(提供写真)
中央着席している右が登壇者のウィルフレッド・ウィルソンさん、左が疋田拓也さん。2025年4月20日、バーナビー市。写真提供 TSUKIJI FIRH MARKET Inc.
中央着席している右が登壇者のウィルフレッド・ウィルソンさん、左が疋田拓也さん。2025年4月20日、バーナビー市。写真提供 TSUKIJI FIRH MARKET Inc.

 ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で4月20日、「海活」が開催された。会場では、漁業に関わる日本人とカナダ先住民の登壇者によるパネルディスカッションや試食会を行い、魚食と漁業をテーマに日本とカナダ先住民の文化をつなぎ、サステナブルな漁業への可能性なども提示した。UBC有志学生8人の主催で、Tsukiji Fish Market Inc.とHummingbird Projectの共催。

 UBC(ブリティッシュコロンビア大学)に在籍する日本からの交換留学生8人が中心となって開催した今回のイベント。学生の一人である蛭川恒さんは「帰国前に現地でお世話になった日本人コミュニティーに何か貢献できないかと考え、幅広い世代が共に学び交流できる場を作ろうと企画した」とイベント開催のいきさつを話す。

 「企画の段階で、バンクーバー沿岸の清掃活動『海活』を通じて地域に貢献している疋田拓也さんと知り合ったことから、バンクーバーの『海文化』をテーマとした交流会にしようと決めた。バンクーバーの海文化を深く知ってもらうには先住民の方のことも知ってもらう必要がある。そこで日本人とカナダの先住民の生活に根付いている『魚食文化』を中心に、双方の文化をつなぎ学び合う場にしようとなった」とも。

会場の様子。2025年4月20日、バーナビー市。撮影 日加トゥデイ
会場の様子。2025年4月20日、バーナビー市。撮影 日加トゥデイ

 登壇者の疋田拓也さんは、バンクーバー周辺の漁業や流通システム、日本の漁港との違いなどを説明。バンクーバーエリアでは生食用の魚の多くは日本から輸入されている現状もあげ、「環境への負荷を考えても地元産の魚を消費することは必要」とサーモン以外にも多様な地元産の魚を生食用として流通させる可能性に触れた。

 「自然を保護しながらも漁獲を続けることは可能か?」との問いには「四季折々に漁獲する魚を変えるという仕組みを守り、もうかる魚だけ集中して採ることは止めなければいけない。魚を食べ続けたいから魚を守る、という考え方を広めていきたい」と話した。

先住民の伝統食サーモンキャンディ。2025年4月20日、バーナビー市。撮影 日加トゥデイ
先住民の伝統食サーモンキャンディ。2025年4月20日、バーナビー市。撮影 日加トゥデイ

 先住民で漁業に長く関わるウィルフレッド・ウィルソンさんは、環境汚染、乱獲が原因でサーモンをはじめとする魚の減少が深刻な状態であることを説明。「漁獲量を減らすなどの対策は取られているが十分ではない」と訴えた。ウィルソンさん自身は父親から漁業を学び漁を続けているが「若い世代で漁業に携わる人数は減っているし魚を食べる量も減っている。時代に合わせながら継承してゆければ」とも話した。

 「子どもの頃から知り合いに日本人がいる。自然や仕事に向き合う精神に共感を覚えることが多く、その仕事ぶりにも信頼を寄せてきた。日本人は魚についても深い知識を持っていると知っている」と話し、「今日聞いた話では、地元で旬の魚を必要なだけ取り、無駄なく消費するという考え方に共感を覚えた。将来の環境を守るために共に何かできるならすばらしいこと」とも。

今回のイベントを主催したUBCの留学生さんたち。2025年4月20日、バーナビー市。(提供写真)
今回のイベントを主催したUBCの留学生さんたち。2025年4月20日、バーナビー市。(提供写真)

 司会進行を担当した西薮彩良さんは、「企画を始めた2月からずっと忙しい中準備をしてきたので、無事に終了してほっとしている。先住民の文化についても知らないことが多かったので直接お話しが聞けたのも良かった」と感想を話した。会場では、幅広い年齢層からの参加者らによる活発なディスカッションも見られた。「世代を越えた交流を生み出すという企画当初からの目的も達成できたのでは」と安堵の笑顔を見せた。

 約60人が参加した会場ではサーモンやキハダなどの試食会も実施。来場者からは「魚食文化を通して、日本文化と先住民文化の共通点があると知ることができた」、「スーパーで魚の選択肢が少ないのを見て、カナダではサーモン以外の魚を食べる習慣があまりないとのだと思った」、「刺身用の魚は日本食料品店まで買いに行くのだが、近くの店でも手に入るようになればうれしい」、「食文化を通して他の文化を知ることができ大変勉強になった」などの感想が聞かれた。

提供されたキハダマグロの漬け。2025年4月20日、バーナビー市。撮影 日加トゥデイ
提供されたキハダマグロの漬け。2025年4月20日、バーナビー市。撮影 日加トゥデイ

(取材 Michiru Miyai)

訂正:オリジナル記事でTtsukiji Fish Market Inc.表記した社名は正しくは「Tsukiji Fish Market Inc.」でした。訂正してお詫びいたします。

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<バンクーバー日系人合同教会から2025年5月のお知らせ>

  • バンクーバー日系人合同教会はすべての人に開かれた教会です。キリスト教会が初めてという方も大歓迎です。
  • 毎週日曜日午前11時から12時礼拝を行っています。聖書について話し、讃美歌を歌い、礼拝後は軽食を囲み交流の時を持っています。ワーキングホリデー、留学生の方々の情報共有も行われています。
  • 5月11日(日)午前11時からクリスチャンファミリーサンデーとして、日本語と英語のバイリンガル礼拝が行われます。
  • オンラインZoomで聖書を読む会(火曜、水曜)があります。聖書を読むことに興味がある方はお問い合わせください。
  • ボランティアしてみませんか?
    ダウンタウンイーストサイドのホームレス、Foodlessの方々に配るサンドイッチ作りと配布のお手伝い。木曜日午前9時から教会でサンドイッチとコーヒーの準備、11時から11時半配布のボランティアをしてみませんか?(場所はカーネギーコミュニティーセンタ―横)
  • 教会で行われている会合の紹介
    合気道(火、木曜 午後6時半~)、カトレアコーラス(木曜午前10時~、Zumba(金曜午後5時半~)Line ダンス(土曜午前11時~)、沖縄友愛会(土曜午後7時)バトミントン(日曜午後7時から)、詳しくはメールで問い合わせください。
  • 結婚、葬儀、その他の人生相談をお伺いします。

お問合せ:604-618-6491(テキスト可)、vjuc4010@gmail.com  牧師 イムまで
住所:4010 Victoria Dr, (Between 23rd and 25th Ave East), Vancouver

  • Zoom(ID 5662538165、パスコード1225)
    ホームページ、Facebook “バンクーバー日系人合同教会”で検索

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サレーNorthwood 合同教会 日本語会衆
5月18日(日)イースター礼拝 午後3時より。
住所:8855 156 St, Surrey, BC, V3R 4K9

お問い合わせ:604-618-6491(テキスト可)イム、kuniokazaki98@gmail.com 岡崎まで 

日本語認知症サポート協会「オンライン de Cafe・笑いヨガ」2025年5月

「笑顔の力」を引き出そう〜「笑いヨガ」で、元気な心と体づくり〜

毎月、「笑いヨガ」を行っています。自宅にいながら参加できる、オンラインでのセッションです。初めての方も大歓迎。楽しく、一緒に笑いましょう!

日時:2025年5月15 日(木)午後8時〜午後9時
会場:Zoom
参加費:初回無料、2回目からドネーション(e-Transfer、PayPalまたは小切手にて)

申し込み締め切り:2025年5月13日(火)
申し込みリンク:https://forms.gle/Av23W6EaqVTfsHDs6

*お申し込みいただいた方には、追って参加方法をご案内いたします。

お問い合わせ先:orangecafevancouver@gmail.com
主催:日本語認知症サポート協会(Japanese Dementia Support Association)
http://www.japanesedementiasupport.com

メッシ率いるインテル・マイアミにホワイトキャップス快勝!GK高丘は無失点

インテル・マイアミのメッシのシュートに構えるGK高丘。2025年4月24日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
インテル・マイアミのメッシのシュートに構えるGK高丘。2025年4月24日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 メッシがバンクーバーにやってきた。2024年のMLSレギュラーシーズンでは人工芝を理由にバンクーバーにやってこなかったメッシが、今回はBCプレースでプレーした。結果はホワイトキャップスの快勝。超満員のファンも大満足の一戦だった。

4月24日(BCプレース:53,837)
バンクーバー・ホワイトキャップス 2-0 インテル・マイアミ

 CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)チャンピオンズシップ準決勝第1レグ。相手はメッシ率いるスーパースター軍団インテル・マイアミ。ホワイトキャップスのホームグランドBCプレースにはMLSに昇格して初めての超満員5万3千人が詰めかけた。

 先制ゴールは今季絶好調のFWホワイト。24分に決め、1-0とリードした。2点目はMFバーハルター。85分に、右から中央に出されたボールを左から走りこんできたバーハルターが決めインテルを引き離した。

コーナーキックに備えるGK高丘。2025年4月24日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
コーナーキックに備えるGK高丘。2025年4月24日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 守っては攻撃らしい攻撃のチャンスを与えずクリーンシート。GK高丘は36分にメッシの放ったミドルシュートを正面で止めた。その後も危なげない守りでインテルに得点を許さず無得点に抑えた。

 次の試合で、勝てば文句なく、引き分け、もしくは1点差での負けでも決勝進出となる。第2レグはフォートローダデールで4月30日に行われる。

5月に6試合、ホームは4試合

 5月のホワイトキャップスの試合スケジュールがかなり厳しい。毎週土曜日の試合、プラス水曜日に1試合が組まれている。

 4月もまだまだ終わっていない。27日にはミネソタでレギュラーシーズン戦が、30日にはフロリダでインテル・マイアミとCCC第2レグが予定されている。

 シーズンが始まってここまで好調のホワイトキャップス。タイトなスケジュールで一気に波に乗るのか。前半戦の最大の山場となりそうだ。

5月のホームゲーム

5月3日(土)6:30pm レアル・ソルトレイク戦 
5月11日(日)4:00pm LAFC戦 
5月28日(水)7:30pm ミネソタ・ユナイテッドFC戦 
5月31日(土)6:30pm ポートランド・ティンバーズ戦 

人工芝でドリブルするインテル・マイアミのメッシ。昨季は人工芝を理由にバンクーバーに来なかったためかファンからはブーイングが...。2025年4月24日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
人工芝でドリブルするインテル・マイアミのメッシ。昨季は人工芝を理由にバンクーバーに来なかったためかファンからはブーイングが…。2025年4月24日、BCプレース。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

(記事 編集部)

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「人と違う幸せを望む道」On Swift Horses

左からリー(ポウルター)、ミュリエル(エドガー=ジョーンズ)、ジュリアス(エロルディ)。Courtesy of 2025 Sony Pictures Classics
左からリー(ポウルター)、ミュリエル(エドガー=ジョーンズ)、ジュリアス(エロルディ)。Courtesy of 2025 Sony Pictures Classics

 舞台は50年代のアメリカ。年頃の男女は普通に結婚して家を買い、家庭をもうけるのが当たり前だった時代。ミュリエル(デイジー・エドガー=ジョーンズ)はカンザスで親から受け継いだ家で婚約者のリー(ポールター)と住んでいる。ある日韓国での兵役を終えたリーの弟、ジュリアス(ジェイコブ・エロルディ)が訪ねてくる。「大好きな弟だけど、彼は僕たちとどこか違うんだ」とリーは忠告するが、ミュリエルとジュリアスはソウルメートのように仲良くなる。やがてカリフォルニアに住みたいというリーの願いでミュリエルはサンディエゴへ、ジュリアスは一人でラスベガスへと向かう。ストーリーはミュリエルとジュリアス、それぞれのギャンブルと同性愛など二人の共通点を並行しながら進む。

 監督はこれが長編映画2作目となるダニエル・ミナハンで、主演は過去に「プリシラ(2023)」でエルビス・プレスリーを演じたカリスマ性のあるジェイコブ・エロルディと、可憐なデイジー・エドガー=ジョーンズ。共演も素敵なキャストでウィル・ポールター、ディエゴ・カルヴァとサーシャ・カレ。カナダ人シネマトグラファーのルーク・モンペリエによる撮影テクニックも見逃せない。どちらかというとハリウッドの賞狙いでなく、内容もレアで濃い。昨年のトロント国際映画祭でプレミア上映した作品。

 目の前にある普通の幸せより自分の本質に忠実になりたい。だが人と違う道には新たな試練がある。主人公たちの行方を見守りながら、友達と一緒に最後のシーンについて語りたくなる映画。バンクーバー公開は4月25日から。

Coutesy of 2025 Sony Pictures Classics
Coutesy of 2025 Sony Pictures Classics

(記事 Jenna Park)

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カナダ総選挙、支持率で保守党が追い上げ自由党に迫る 決戦の投開票は4月28日

 カナダ連邦下院選挙の投開票が3日後に迫った。今年1月にジャスティン・トルドー首相が辞任を発表すると、それまで低迷していた自由党への支持率が急上昇。3月9日に自由党の党首にマーク・カーニー氏が就任するとさらに支持率は上がり、一時は保守党に24%も支持率でリードされていたが、3月19日にはついに逆転した。その後も自由党の支持率は上がり続け、保守党との差を広げてきた。

 しかし選挙戦後半に入ると保守党がジリジリと差を詰めている。4月24日の各世論調査会社の発表によると、Nanosでは自由党が4%リード、メインストリートとリエゾンストラテジーは3%リード、そしてイノベイティブは38%で自由党と保守党が並んでいる。

 首相にふさわしい党首では、自由党カーニー党首が約10%、保守党ポワリエブル党首をリードしている。

 一方、自由党と保守党の一騎打ちで厳しい選挙戦を強いられているのが新民主党(NDP)。すでに支持率は10%を下回り、現時点での予想議席獲得数は5。ジャグミード・シング党首(ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー-サウス選挙区)ですら落選するのではと予想されている。現在NDPが最も議席を持っているのがBC州。ここで党首すら当選しないのではという予想がその厳しさを物語っている。

 なぜこれほど自由党が復活したのか?やはりアメリカ・トランプ大統領の影響が大きいようだ。関税や「アメリカ51番目の州」発言などカナダを攻撃するトランプ大統領に「どう対応するのか」が有権者の最大の関心事となっていることが自由党の支持を復活させたと見られている。

 カーニー党首がカナダとイギリスの中央銀行総裁を務めた経験を持っていることも有利に働いている。ただカーニー党首は政治家としての経験はない。その辺りを有権者がどう判断するのかが注目だ。

 すでに期日前投票は締め切られている。カナダ選挙管理委員会によると、期日前投票で約730万人が投票したという。これは記録的な数字で、通常、期日前投票は投票日の締め切り時間の1時間前から開票が始まるが、今回は2時間前から開票作業に入るという。

 多くの有権者が関心を示す今年の総選挙。投開票は4月28日。

(記事 三島直美)

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「夢の夢25」~投稿千景~

エドサトウ

 もし、仮に日本の古墳のアイデア(考え)が、前回に書いたように沖縄のお墓のような考えからきているとすれば、沖縄には古くから南方の文化があったように想像される。沖縄諸島の海底にある人工的に作ったとみられる建造物みたいな遺跡は、自然なもので遺跡ではないという説もあるが、まだ、沖縄諸島が台湾や大陸と陸続きの時代、縄文時代の初期の一万四千年ぐらい前には、祭事に利用されたのかもしれない。たとえば、奈良の三輪山とか、伊勢の夫婦岩のような自然信仰みたいなものがあったように想像もできる。日本の神話は南方起源としているものと似ている話が多くあると言うから、海底であるが、当時は陸地であるから、何らかの神事が行われた遺跡かもしれない。

 鹿児島のずいぶんさきの種子島の海に鬼界島があって多くの縄文人が暮らしていたが火山の噴火により海中に消えてしまった。その後、南方の文化は宮崎県に落ち着き、そこで大きくなり、北九州に広がったとすれば、大阪の古墳のアイデアが沖縄あたりからきたことに納得がゆく。朝鮮にある古墳の天井が大きな岩ではなく、多くは材木で塞がれているのを見れば、あの大きな石で天井を塞いだ日本の古墳は台風などの大風を意識した建築物のように見えることは、大阪や奈良にジマ(島)大国の卑弥呼の源流である南日本のアイデアがあるようにも思える。だから、ジマ大国の卑弥呼は奈良に拠点を遷都したのではないかというのは、小生の夢想である。

 沖縄では、1970年ころ、友の話ではシャーマン的な女性がいて、村を取り仕切っていたことは、女王卑弥呼につながるみたいで興味深い。

 紀元200年ごろは、弥生時代からの寒冷期で気温が1度ぐらい平均的に低かったようである。気候の不順で作物の不作も考えられる。そのためか日本への渡来人が多かったのかジェノサイド(虐殺)もあったのではないかと言われている。283年、百済の王、裁衣工を貢上。この年弓月君百済より渡来する。284年、百済の王、阿直岐を遣わして良馬二匹を貢上する。また、289年、倭漢直の祖阿知使主が、その子都加使主および党類十七県を率いて来帰する。(おそらく300人ぐらいかと思います)」

 かつて、多くの渡来人が出雲や福井の海岸から日本の内陸に進み定住したように想像すれば、「ーーー大和に置いてあおによし奈良山を越え、どのように思いになったのか、天離る都であるが、石走る淡海(渤海)の国の楽浪の大津の宮治めはここにあったと聞くけれどーーー」、ここにある「渤海の楽浪の大津の宮」と言うのは、北朝鮮にあった先進文化があったであろう中国の植民地の出先機関のような楽浪郡のことと言うのであれば、ひょっとしたら琵琶湖周辺には多くの渡来人が定住していたように想像もできる。ヤマトタケルが日本を統一しようとしたその帰り道に伊吹山で大けがをして、彼の同胞が住んでいたと思われる米原市の磯神社で治療を受けて滞在したことは納得がいく話である。

 また、日本海の島根県の出雲から鉄を携えて大阪や大和に入ってくる朝鮮半島からの倭人も琵琶湖の周辺に定住して、半農半漁の自給自足の生活をしていたのではなかろうか?おもに、縄文人は岐阜県や愛知県の河川や海岸線に多く住んでいた。日本はまだ小さな縄文人集団が住んでいて、日本という大きな国の集団はできてなかったのを、新しい馬と鉄の文化を持ったヤマトタケルの軍団が日本という国のもとを創り上げたようにも想像もできる。全国にある神社、いわゆるお宮さんは、今でいうところの役所ではなかったのではと僕は思う。

 神主さんは、指導者として水田と米作の指導や絹の生産を指導した文化人ではなかったのか?

 冬になり、農作業がなくなれば、男達は大阪や奈良に向かい、泊まり込みで古墳などの建造にあたったのかもしれない。エジプトのピラミッドの建造のように、多くの人は奴隷ではなく、ご飯を食べ、お酒を飲み、楽しく力を合わせて大古墳の建造に携わっていたのだろうと僕は夢のような想像をする。多くの異なる地域の人々が交流して、「日本国家」の機運が高まってゆくのであろう。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

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