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Naomi Mishima

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七夕マーケット

今年も日系文化センター・博物館で、賑やかな七夕マーケットを開催します!会場は七夕飾りで彩られ、特別な一日をお届けします。ぜひ浴衣を着て七夕飾りといっしょに写真を撮りに来てください。

お買い物と食の楽しみ

  • クラフトマーケット&フリーマーケット: 素敵な手作り雑貨や掘り出し物が見つかる、見逃せないマーケットです。
  • プラントセール: 屋内・屋外の様々な植物を取り揃えています。
  • 日本食とドリンク: その場で味わえる美味しいお食事やドリンク、ご自宅で楽しめるお持ち帰り食品も充実しています。

家族で楽しむ七夕体験

  • キッズコーナー: 七夕をテーマにした楽しいアクティビティがいっぱいです。
  • 願い事を飾ろう: 願い事を書いた短冊を笹に飾る、七夕ならではの体験ができます。
  • 工作コーナー: 七夕飾りなどの楽しい工作に挑戦できます。
  • 輪投げ: 日系祭り(8月30・31日開催)チケットが当たるチャンス!腕試しをしてみませんか?
  • 盆踊り: 大人から子供まで、みんなで一緒に盆踊りの練習に参加できます。

ステージパフォーマンスと25周年記念

今年は特別に、「楽一」「ひととせ」による魅力的なステージパフォーマンスが、七夕マーケットをさらに盛り上げます。忍者にも会えるかも!

日系文化センター・博物館は今年、25周年を迎えます。七夕マーケットで皆様と一緒にお祝いできることを心より楽しみにしております。

日時:2025年7月6日(日)午前11時から午後4時

場所: 日系文化センター・博物館 (6688 Southoaks Crescent, Burnaby)

サイト:https://centre.nikkeiplace.org/events/tanabata-market2025/

2026年サッカーW杯北中米大会開幕1年前記念式典、バンクーバーで開催

シム市長、ハーバートBCスポーツ大臣ら関係者がカウントダウン時計と。2025年6月11日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
シム市長、ハーバートBCスポーツ大臣ら関係者がカウントダウン時計と。2025年6月11日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 カナダ・アメリカ・メキシコの3カ国が共同開催するFIFAワールドカップ男子北中米大会の開幕まであと1年となった6月11日、バンクーバー市BCプレースのテリー・フォックス・プラザで記念式典が開催された。

 365日前から始まるカウントダウン時計がお披露目されると、時は確実に1秒ずつW杯開催に向け刻んでいた。

 式典には、バンクーバー市ケン・シム市長をはじめ、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ツーリズム・芸術・文化・スポーツ省スペンサー・チャンドラ・ハーバート大臣、FIFAビクター・モンタグリアニ副会長のほか、先住民族からMusqueam Indian Bandのウェイン・スパロー首長、Tsleil-Waututh Nationのジェン・トーマス首長も共に開催1年前を祝った。

 会場には未来のカナダ代表を目指す若い選手たちも駆けつけた。2026年開催にちなんで全員が背番号26を付けて、チーム・シンクレアとチーム・リケッツに分かれてミニピッチで対戦。子どもたちの真剣な戦いに会場は盛り上がった。

 シム市長はこの日を「サッカーデー」に設定すると発表。1年後、バンクーバー市は世界中からのサッカーファンや家族を受け入れる準備ができていると語った。

 ただまだ課題も多い。世界中からのファンを受け入れる宿泊施設は明らかに不足している。ハーバート大臣はバンクーバーの試合を観戦するファンは「想像力を働かせて」宿泊施設を確保する必要があると語った。バンクーバーだけでなくナナイモ市もフェリーを使えば十分に宿泊圏内に入るのではとの見解を示した。

 宿泊施設の他にもセキュリティ面も課題の一つ。バンクーバー市でフェスティバル会場に車が突っ込む事件が4月にあったばかりだが、シム市長は十分な投資をしてバンクーバー市内での安全を確保すると記者団に語った。

 BC州政府、バンクーバー市共に、W杯開催にかかる費用について公表していない。ハーバート大臣は6月後半ごろに費用について発表する予定にしていると明らかにした。

 3カ国共催のW杯北中米大会は、2026年6月11日にメキシコシティとグアダラハラで開幕する。カナダでは6月12日、トロント市BMOフィールドでのカナダ代表第1試合で幕を開ける。トロントではベスト32の1試合を含めて5試合、バンクーバーでは6月13日からカナダ代表戦2試合を含む予選ラウンド5試合、ベスト32の1試合、ベスト16の1試合、合わせて7試合が行われる。

 トロントでの開幕1年前イベントは、同じオンタリオ州のナイアガラ・フォールズ市にあるナイアガラの滝の近くで行われた。

式典で行われたミニゲームに参加する子どもたち。中央には、ハーバート大臣や元カナダ女子代表クリスティーン・シンクレアさんも並んだ。2025年6月11日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
式典で行われたミニゲームに参加する子どもたち。中央には、ハーバート大臣や元カナダ女子代表クリスティーン・シンクレアさんも並んだ。2025年6月11日、バンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

(取材 三島直美)

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第25回「それ、あなたの問題じゃないんですか?」〜死後のことを“自分ごと”として考えない人たちへ~Let’s 海外終活~

終活は新しい大人のマナー

叶多範子

6月、卒業シーズンですね。ダウンタウンでも、着飾った、でもどこか初々しい、これから新しい一歩を踏み出す若者たちの姿をちらほらと見かけるようになりました。

若いっていいなあ、青春だなあ〜と、眩しく見つめる私は正真正銘、立派なおばちゃんの自覚あり!です(笑)。

さて、今日はいつもより、ちょっと真面目なお話を。

最近、自分の中にある感情に気づきました。
それは、終活をしない人への、ちょっとした怒りにも似たモヤモヤです。

個別相談や雑談などを通して、カナダで特に身寄りのないおひとり様の方から、よくこんな言葉を耳にします。

「死んだあとのことは、自分には関係ない」
「誰かがなんとかしてくれるでしょ」

でも、その「誰か」って誰でしょう?
友達? ご近所さん? 仕事仲間?
元気なときは、案外そこまで想像しないんですよね、これが…。

カナダで身寄りがいない場合、実際に動くのは、あなたの友人・同僚・クラスメイト・ご近所さんなど。

そんなあなたが認知症になったり、亡くなったりしたときーー。
 
最初は「友達だから」「お世話になったから」と手伝っていた人たちも、何も準備されていなければ、やがて疲れ、悩み、心身ともに限界を感じてしまいます。

そこにお金の問題が絡むと、事態は一気に複雑になります。

「じゃあ、潤沢なお金を残せば安心?」

でも、それだけでは足りないんです…。

遺言も委任状もないまま亡くなれば、葬儀を出してくれた同僚、日本の家族と連絡を取ってくれた友人、部屋の片づけや荷物の処分をしてくれた近所の人たちには、一円も支払われません。

すべての財産は法律上の血縁者へいきます。その血縁者が、実際に手伝ってくれた人たちへ、相応の謝礼を払ってくれたらいいのですが、必ずしもそうとは限りません。

周囲の人の善意だけに甘えて何もしないことが、あなたの矜持なのでしょうか?

私が言いたいのは、「ちゃんとやってください」じゃないんです。

でも、「やらない選択」が、誰かを困らせることになるのは避けたいなって、思うんです。

もちろん、

・頼れる人がいない
・委任状をお願いしづらい
・引き受けたくない

そんな気持ちも、よく分かります。

でも、だからといって「何もせずに放っておくことは、誰かに大きな負担を押しつけること」になるのです。そしてその“誰か”は、いつかあなた自身になるかもしれません。

例えば災害のニュースを見て、「何かしたいけれど、私には何もできない」と感じたことはありませんか?

たしかに、すべての被災地に寄付したり、炊き出しに行くのは難しいかもしれません。
でも、自分の“もしも”に備えることなら、今すぐにでもできるはずです。

死後や認知症になったときのための準備は、誰かの負担を減らす小さな優しさであり、そして何よりも、最後まで自分の人生に責任を持つことだと思います。

私がこの活動を続けているのは、「誰かのためにやりなさい」と言いたいからではありません。

自分にできることをやって、愛と思いやりを循環させていけたら、もっとあなたも周りの人も幸せになると思うからです。

私も完璧にできているわけじゃないです。でも「これだけは、やっておいてよかったな」と思える準備を、ひとつずつ増やしていくことが、大切だなあと感じています。

そんなシンプルな想いを、これからも私は伝えていきたいと思っています。そしてその一歩が、やがて家族や社会の平和へとつながっていくと、私は心から信じています。

*このコラムへのご感想やご質問もお待ちしております。
本コラムは終活に関する一般的な情報提供を目的としています。内容には十分配慮しておりますが、必要に応じてご自身での確認や、専門家へのご相談をおすすめします。なお、本コラムをもとに行動されたことによる不利益については、免責とさせていただきます。

「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。

叶多範子(かなだ・のりこ)

グローバルライフデザイナー
2015年、友人の孤独死と相続問題をきっかけに、カナダのバンクーバーで遺言・相続専門の弁護士アシスタントとしてキャリアをスタート。2020年には終活アドバイザー資格を取得し、終活の視点を取り入れた知識と実務経験を活かしたノート術とコンサルティングを提供しています。
「終活せずに困った!」という後悔の声を「やってて良かった」「ありがとう」と笑顔で未来を彩ることをライフワークとしており、これまで300名以上に国境を越えた安心感を届けています。国内外問わず、すべての人が大切な未来をデザインできるようサポートしています。 家族はカナダ人の夫、2人の息子、愛猫1匹。日々の活動や最新情報は、メルマガ、ブログ、SNSで発信中。

メルマガ:https://www.shukatsu.ca/mailmagazine
ブログ: https://globalmesen.com/
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著書「海外在住日本人のための50代からの終活」:​​https://a.co/d/ad4OeLw

モントリオールから6月のイベントのお知らせ

モントリオール近辺での日本人日系カナダ人関連の催し物など

2025年お花見、5月18日。モントリオール植物園日本館での茶道デモンストレーション
2025年お花見、5月18日。モントリオール植物園日本館での茶道デモンストレーション

在モントリオール総領事館お知らせ

日本の放送大学が、2026年4月から海外在住の邦人・日系人の方々の受け入れを開始します。

*放送大学は、文部科学省・総務省所管の正規の通信制大学であり、「大学の教育機会に対する広範な国民の要請にこたえること」などを目的とし、法令や予算の面で通常の私立大学とは異なる国の関与の下、放送大学学園法に基づき特別に設置・運営される私立大学です。

www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/mext_00100.html
www.ouj.ac.jp/lp/oujglobal/

第10回JLPP翻訳コンクール

日本の文化庁が、「活字文化のグローバル発信・普及事業」の一環として、日本の文学作品の優れた翻訳家を発掘・育成することを目的に第10回JLPP翻訳コンクールを開催します。

応募受付期間:6月1日(日)~30日
www.jlpp.go.jp/competition10/

第19回日本国際漫画賞

海外への漫画文化の普及と漫画を通じた国際文化交流の促進を目的として2007年から外務省が行う日本国際漫画賞。第19回の今回は、6月30日(月)まで作品応募を受付けています。

www.manga-award.mofa.go.jp/index.html

フェスティバル

YATAI MTL:ASIASIE主催:6月5日(木)‐8日。

6月5日:17:00-22:00
6月6日:17:00-22:00
6月7日:12:00-22:00
6月8日:12:00-20:00

30分前に開場、入場料$5、前売り:$4、12歳以下、65歳以上入場無料
https://www.asiasie.com/en/yataimtl

会場:Hangar 1825, Entrance via rue des Éclusiers
https://maps.app.goo.gl/f8bUzYag9bssQvRG8

その他の催し

モントリオール植物園 Montreal Botanical Garden, 4101 Sherbrooke E.
https://espacepourlavie.ca/en/botanical-garden

日本庭園日本館:514-872-0607、9:00 -17:00
https://espacepourlavie.ca/en/japanese-garden

JAPANESE TABLE WARES:日本の食器展示
茶庭見学:6月21日‐9月1日、10:30‐12:00
茶道デモンストレーション:茶道裏千家淡交会モントリオール支部によるデモンストレーション:6月21日‐8月30日(毎土曜日):13:30‐14:15、15:00‐15:45、バイリンガル、お茶だけ$3、菓子共とお茶$7
日本の鯉:7月6日10:00‐16:00、Mountain View Koi club会員による説明など。日本庭園、雨天順延

(植物園内では中国庭園、先住民庭園での特別展示も行われています。)

モントリオール日系文化会館、8155, rue Rousselot, Montreal, H2E 1Z7

地下鉄:Jarry下車、バス197 E.
電話:514-728-1996、514-728-5580
www.jcccm-cccjm.ca/?language=en
www.facebook.com/jcccmcccjm/ 
(jcccm_yh@bellnet.ca)

(日系文化会館のニュースの引用についてはスーザン・レベックの了解を得ています。)

改装工事は、5月末から6月初めに竣工予定です。

年次総会:6月14日(土)15:00-17:00、会員限定。

<ドロップインカフェ>:6月12日(木)12:00-14 :00、簡単な米飯。

<シニア・ドロップイン>:6月26日(木)10:30‐14:00、会費:$10、ラブレックホールで開催見込。申込は、6月23日までに。申込先:reiko_leojp@yahoo.jp、もしくは、会館電話(514-7 28-1996 )まで。

‐会話Exchange:6月8日、22日(日)13:30‐15:30、Salle St.Paul-Ibaraki 

MATSURI:7月5日、6日
festivalmatsuri

北米で活躍する金継ぎ師Shuichiの金継ぎ講座:6月13日(金)、14日(土)、場合により、15日(日)11:00-15 :30 、$200、https://introjapan.ca/nihonchamakie/

於Pottery Hazama, 7255 Alexandra, #103, Montréal H2R 2Y9514-483-4547 info@potteryhazama.com
www.potteryhazama.com

トロント

JCCC TORONTO JAPANESE FILM FESTIVAL  2025:25本の日本映画を上映。6月12日‐26日、JCCC、トロント https://jccc.on.ca/event/2025/06/toronto-japanese-film-festival-2025 

KAMPAI TORONTO 2025:6月12日(木)、18:30-21:00、Wychwood Barns、601 Christie St, Toronto
www.sakeinstituteofontario.com/events/kampai-2025/ 

JSS(ジャパニーズソーシャルサービス):会員登録をすると、オンラインでの講座などにも参加できます。https://jss.ca/en/ 

国際交流基金トロント日本文化センター:E-libraryで日本の本、マンガや雑誌などを読めます。
https://jf.overdrive.com
https://tr.jpf.go.jp

ケベック市

ランゲージ・エクスチェンジ(仏語-日本語):ラヴァル大学院生が主催するオンライン・ランゲージ・エクスチェンジが、毎週土曜日朝8時(カナダ東部時間)から開催されています。
www.meetup.com/en-AU/canasian-station/
問い合せ先:Pascal Paradis pascal.paradis.2@ulaval.ca

モントリオールでのフェスティバル

FTA: FESTIVAL TRANS AMÉRIQUE:6月5日まで。https://fta.ca/en 

FRINGE FESTIVAL:6月15 日まで。www.montrealfringe.ca/

TOUR DE L’ÎLE DE MONTRÉAL :モントリオール島内を回る自転車競技、6月1日、協議のため、市内の一部の道路が閉鎖されます。www.velo.qc.ca/en/event/go-bike-montreal-festival/tour-de-lile-de-montreal/classique/

MURAL FESTIVAL:ビルの外壁に描く、壁画などのフェスティバル。6月5日‐15日
https://muralfestival.com

FRANCOS DE MONTRÉAL :フランコフォンの音楽フェスティバル、6月13日‐21日
https://francosmontreal.com/en

FORMULA 1/2025 CANADA:Formula 1のレースは6月13日‐15日
www.formula1.com/en/racing/2025/canada 

国際花火大会:La Rondoでの花火大会、6月26日から。6月26日‐viva Latino、7月3日‐イタリア、7月6日‐日本、7月10日‐カナダ、7月17日‐スイス、7月24日‐米国、7月31日‐フランス、7月31日‐テイラー・スウィフト。

音楽と共に楽しみたい方はLa Rondoの会場で入場券をお求めください。花火だけを楽しむなら。Jacque Cartierの橋の上、旧港付近からも見えます。www.sixflags.com/larondeen/events/linternational-des-feux

モントリオール国際ジャズフェスティバル:6月26日‐7月5日、Oacar Peterson生誕‐100周年記念、その他、多数のミュージシャンのコンサートが複数の会場で。また、無料コンサートもあります。https://montrealjazzfest.com/en

トロント

LUMINATTO FESTIVAL:トロントのさまざまな文化を反映した大規模なフェスティバル、6月4日‐22日。www.luminatofestival.com/ 

オタワ

OTTAWA JAZZ FESTIVAL 2025:6月20‐29日 www.ottawafestivals.ca/calendar/ottawa-jazz-festival  

展覧会・展示

MONTREAL MUSEUM OF FINE ARTSwww.mbam.qc.ca/en/ MMFA

-MARIE-CLAIRS BLAIS: Streaming Light:6月13日‐2026年1月4日

WORLD OF WONDER: The Surrealist Journey of Alan Glass:9月28日まで。

-BAD GIRLS ONLY:Women and the Seven Deadly Sins:8月10日まで。

-WORLD WONDER:The Surrealist Journey, Alan Glass:9月28日まで。

-Two by Two, Together : Recent additions to MMFA’s Collection:10月5日まで。

-BERTH WELL, Art Dealer of the Parisian Avant-garde:9月7日まで。

美術館アクティビティサイトwww.mbam.qc.ca/en/calendar/?filters=7 

MAC:Musée d’art Conemplain de Montréal  http://macm.org/ (改装中)展示はPVM, Place Ville Marieで。

-SKYSCRAPERS BY THE ROOTS:8月10日まで。
-Online Workshops:https://macm.org/quoi-faire-au-mac/#activites

MCCORD STEWART MUSEUM:www.musee-mccord-stewart.ca/fr/expositions/  

-Petite-Bourgogne-Montréal en mutation:9月28日まで。
-Battle le pavé:10月26日まで。
-Costume Balls-Dressing Up History, 1870-1927、8月17日まで。

MUSÉE POINTE-À-CALLIÈRE, cité d’archéologie et d’histoire de Montréal : https://pacmusee.qc.ca/en/

-Knights :10月19日まで。
-Marie Claire Kirkland: A Woman of Major Firsts, 6月6日まで。

PHI FOUNDATION FOR CONTEMPORARY ART:https://phi.ca/en/

-Lap-See Lam :Shadow Play :9月14日まで。
-Nico Williams : Bingo, 9月14日まで。

市外

NATIONAL GALLERY OF CANADAwww.gallery.ca/  NGC、オタワ

-PUCKER UP! The Lipstick Prints of Joyce Wieland:10月26日まで。
-RADIO ACTIVE: A selection of Nuclear Ephemera and Record from John O’Brian’s Atomic Collection:8月3日まで。
-FOCUS SERIES:6月26日まで。
-JIN-ME YOON: HONOURING A LONG:2026年3月まで。
-SKEWEN NATI: WELCOME TO THE DREAM HOUSE:9月1日まで。
-NADIA MYRE: WAVES OF WANT:5月30日‐9月1日
-ERICA RUTHERFORD: HER LIVES AND WORKS:6月13日‐10月13日

OTTAWA ART GALLERY:オタワ

OAG https://oaggao.ca/whats-on/

-AT A GLANCE:6月22日まで。
-REVIVAL: PRINT MAKING IN NUNAVIK ( 2014-2019):8月24日まで。
-NORMEE EKOO MIAK:8月24まで。
-GROTTO:2026年2月8日まで。
-RACHEL KALPANA JAMES : BRITHT ORIENTAL STAR:6月8日まで。
-CHAOS BLOOM-TIDAL WAVE:2026年6月6日まで。

ROM:www.rom.on.ca/en/ 、トロント

‐Auschwiz: Not long ago and Not far away、9月1日まで。
‐Nature is Brilliant Colour:8月17日まで。

オンライン展示

‐AFTERSHOCKS-Japanese Earthquake Prints:

‐The Burgess Shale, Bluewhale Discoveredなど。
www.rom.on.ca/en/exhibitions-galleries/exhibitions/aftershocks-japanese-earthquake-prints 

ART GALLERY OF ONTARIO、トロント。https://ago.ca/exhibitions 

-Yayoi Kusama’s Infinity Mirrored Room-LET’S SURVIVE FOREVER:2026年5月まで。
-Louise Noguchi: selected Works/1986-2000: 7月27日まで

JFT(Japan Foundation Toronto):https://tr.jpf.go.jp/ 

‐「構築環境‐もうひとつの日本ガイド」建築写真展:7月15日まで、入場無料、要予約
-HIROSHIMA APPEALS: A Poster Exhibition of Global Message:12月20日まで。

コンサート・パフォーマンス

各地での夏のフェスティバルは6月にプログラムが公開されます。

ORCHESTRE SYMPHONIQUE DE MONTRÉAL:音楽監督 Rafael Payare, www.osm.ca/fr/

ORCHESTRE METROPOLITAIN https://orchestremetropolitain.com/en/

ORHHESTRE CLASSIQUE DE MONTRÉALhttps://en.orchestre.ca/ 

BOURGIE CONCERT HALL:BCH
www.mbam.qc.ca/en/bourgie-hall/

‐FESTIVAL DE MUSIQUE DE CHAMBRE DE MONTRÉAL:6月7日‐22日、https://festivalmontreal.org/en/

GRANDS BALLETS CANADIENS https://grandsballets.com/en

‐DON QUIXOTE:6月7日まで。14:00、20 :00、$79‐164、SWP、https://grandsballets.com/en/performances/detail/don-quixote/ 

OPÉRA DE MONTRÉALwww.operademontreal.com/en

DANSE DANSEhttps://www.dansedanse.ca/en

TANGENTE DANSE: https://tangentedanse.ca/

CENTAUR THEATRE: https://centaurtheatre.com/prices-subscriptions/

CENTRE SEGAL : www.segalcentre.org/en/hom

市外

オタワ

NAC‐National Art Centre https://nac-cna.ca/en/season  オタワ

トロント

TORONTO SYMPHONY ORCHESTRA www.tso.ca/concerts-and-events/

永田社中:(和太鼓)
-Nagata Shachu, https://nagatashachu.com/
-6月21日Arts in the Park, Cerebrate Japan in Scarborough. https://nagatashachu.com/events/arts-in-the-parks-celebrate-japan-in-scarborough/

講座、講習、ワークショップ

和太鼓:Stephen Chan
onikenbai.mtl@gmail.com
www.instagram.com/onikenbai.mtl

AU PAPIER JAPONAIS:店舗のみ営業、火曜‐土曜11:00-17:00、APJ

宮本食品店:日曜ワークショップ:すし、味噌造り、練切菓子、抹茶、https://miyamotomontreal.com/

MF

日本の踊り:こまちモンレアル、練習の問合せは、mtlkomachi@gmail.com/
514-886-8129

三味線ワークショップ:JacintheのMTL三味線プロジェクト、問合せ先:Jacinthe info@mtlshamisenproject.com/  

茶道裏千家淡交会モントリオール協会:chadomontreal@hotmail.com/

-小西真美子(宗真)指導、許状取次可(初級から上級)、市内、ウエストアイランド教室、514-630-0260 mamikoni54@hotmail.com/

-クーパー達子(宗立):全級、昼間、夜間、514-934-0410 

古流松藤会: kazuko.dorangeville@gmail.com
草月流いけばな清美会:連絡先:Alain Carriere, Alain.carriere@hotmail.com

桃扇書道教室(JCCCM):師範シマード桃扇(美紀子)
水曜:10:00‐12:00ラブレックホール
土曜:10:00‐12:00地下集会室
tosen.shodo@gmail.com/  514-298-4966

書道教室(NDG)有元合歓
稽古日:月曜日13:30-16:30 (月3回)
連絡先:arimotoakiko@gmail.com

和田翠苑書道教室:LaSalle、ダウンタウン教室。和田扶美、514-750-3543、438−939−5643
info@japaneseshodo.com/    
www.japaneseshodo.com/

間由加里陶器アトリエ:陶器ワークショップ、ギフトの注文承りなど。Studio Pottery Hazama, 7255 Rue Alexandre #103, Montreal, QC H2R 2Y9、514-483-4547

ORIGAMI  MONTREAL:問合せ:origami@sympatico.ca/

Makiko Hicher:陶器制作、www.facebook.com/makikohicher/ 

LANGUAGE TEA TIME:NUMA INSTITUTE、月曜—仏語、木曜‐英語、水曜‐日本語、15:30-17:30。

武道

志道館柔道クラブ:中村浩之指導、毎日、全クラスを指導 http://shidokanjc.ca/?lang=en 

CLUB JUDO METROPOLITAN INC:http://club.judo.com/

CLUB DE JUDO HAKUDOKAN INC: http://judohakudokan.com/

マギル剣道クラブ:Christian D’Orangevilleほか指導
https://mcgillkendoclub.wordpress.com/

モントリオール剣道クラブ:戸井田健寿七段ほか、指導
www.montrealkendoclub.com/index.php?l=en 

志道館剣道・合気道クラブ:www.shidokanmontreal.ca/ 

市外

HEATHER MIDORI YAMADA: www.ARTyamada.com/ 

JSS ONLINE PROGRAM:https://jss.ca/en/services/programs/online-programs/

映画

モントリオールの映画館、上映作品の情報:www.cinemaclock.com/qc/montreal/

https://hotdocs.ca/festivals/hot-docs-festival

トロント

JFT Theater:国際交流基金による日本映画の配信が無料で行われています。フランス語字幕の映画もあります。https://en.jff.jpf.go.jp

イベント会場

AGO Art Gallery of Ontario, 317 Dundas St. W.

APJ Au Papier Japonais, 24 Av. Fairmount O., 514-276-6853

AQHP Agora de l’Assemblée nationale du Québec Hôtel du Parlement、1045, rue des Parlementaires, Québec

BCH Bourgie Concert Hall, 1339 Sherbrooke W.

BDM Biodome of Montreal, 4777 Pierre-de Coubertin

BNM Basilique Notre-Dame de Montréal, 110 Notre-Dame W.

CCL Centre Communautaire de Loisirs Sainte-Catherine d’Alexandrie, 1700 Atateken

DZB Dazibao, 5455 de Gaspé Ave., suite 109 (GF) 

IM Insectarium, 4581 rue Sherbrooke E.

JCCC Japanese Canadian Cultural Centre, 6 Sakura Way, Toronto

JCCCM Japanese Canadian Cultural Centre of Montreal, 8155 Rousselot Street, 514-728-1996

JFT The Japan Foundation, Toronto, 2 Bloor St. E., 3rd Floor of Hudson Bay Centre, suite 300, 418-782-2277

LC La Cenne, 7755 boul. Saint-Laurent, suite 300

LN Le National, 1220 Ste-Catherine E, 514-845-2014, http://lenational.ca  

MAC Museum of Contemporary Arts, address →PVM

MCC Monkland Community Centre, 4410 West Hill, NDG

MBG Montreal Botanical Garden, 4101 Sherbrooke E., Japanese Pavilion, 514-872-0607 pavillon_japonais@ville.montreal.qc.ca.

MCSM McCord Stewart Museum, 690 Sherbrooke St.W., 514-861-6701

MF Miyamoto Foods, 382 Victoria, 514-481-1952

MMFA Montreal Museum of Fine Arts, 1410 Sherbrooke W.

MSM Maison symphonique de Montréal, 1600 St-Urbain

NAC National Arts Centre, 53 Elgin, Ottawa, 613-947-7000 ext. 565, 1-888-991-2787

NGC National Gallery of Canada, 380 Sussex Dr., Ottawa, 613-234-6306

OAG Ontario Art Gallery, 50 Mackenzie King Bridge, Ottawa

OSM Orchestre symphonique de Montréal, 260 Maisonneuve W., 514-842-9951, www.osm.ca

PAC Pointe-à-Callière, 350 Place Royale

PDA Place des Arts, 175 Ste-Catherine W., 514-842-9951, www.pda.qc.ca

PDC palais des congrès de Montréal1001 Pl. Jean-Paul-Riopelle

PHIC PHI Centre, 451 & 465 rue Saint-Jean

PRT Planetarium Rio Tinto Alcan, 4801 Pierre-de Coubertin

PVM Place Ville Marie

ROM Royal Ontario Museum, 100 Queen’s Park, Toronto, 416-586-8000, www.rom.on

RTH Roy Thompson Hall, 60 Simco St., Toronto

SPF Studio Pottery Hazama, 7255 Rue Alexandre #103, Montreal, QC H2R 2Y9

SWP Salle Wilfrid Pelletier, PDA

TM Thèatre Maisonneuve, PDA

YW YWCA Westmount, 4585 Sherbrooke W.

6月のモントリオール/モントリオールからのアルバム

閉店の決まったHudson’s Bay、モントリオールダウンタウンの店。売り場に並ぶマネキン。写真:鎌田淳平

Montérégie地方のMont Saint-Grégoireの風景。写真:鎌田淳平

***

Mont Saint-Grégoireの風景。写真:鎌田珠代

枝垂れ桜と花びらの道。写真:鎌田珠代

プラムと木蓮の花。写真:鎌田珠代

建友会、ジャパンフェア風車作りで集まった募金をBCチルドレンズ・ホスピタルに寄付

建友会、和田さん(左)と松原会長。BCチルドレンズ・ホスピタルに寄付。2025年5月23日、バンクーバー市。写真提供 建友会
建友会、和田さん(左)と松原会長。BCチルドレンズ・ホスピタルに寄付。2025年5月23日、バンクーバー市。写真提供 建友会

 建友会は5月23日、松原昌輝会長と会計を担当する和田健治さんがバンクーバー市BCチルドレンズ・ホスピタルを訪問し、集まった募金730ドルを寄付した。

 寄付金は、4月13日、14日にバンクーバー市バンデューセン植物園で開催されたバンクーバー桜まつりの日系イベント「さくらデイズ・ジャパンフェア」で、同会の「風車作り体験コーナー」に募金箱を設置して募った。

 今年のジャパンフェアは晴天に恵まれ、多くの人が来場。風車体験コーナーは本格的な風車作りが無料で楽しめるとあって毎年大人気で、今年も初日には用意した材料が午後の早くに終了してしまうほどの盛況ぶり。参加したたくさんの人が建友会の活動に賛同して多くの募金が集まった。

 松原会長はジャパンフェアへの参加について「本業とは違う活動だが、地域とのつながりが生まれるのがうれしい」と話す。

 昨年は1月1日に起きた能登半島地震の被災者支援として寄付したが、毎年BCチルドレンズ・ホスピタルに寄付している。

 建友会はバンクーバー地域の建築・建設関係者のコミュニティ。グレーターバンクーバーとその近郊を中心に活動する建築・建設及び周辺産業に従事する会員が互いに切磋琢磨し、幅広く深い技術力を持った集団に成長することと、会員それぞれの事業の発展を促す環境整備と相互協力を深めることを目的に、2012年11月に設立された。

 ジャパンフェアでの募金活動は建友会の「地域社会への貢献」の一環として行っている。

(記事 三島直美)

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Love in The Big City (邦題:ラブ・イン・ザ・ビッグシティ)イ・オニ監督

Photo courtesy of TIFF
Photo courtesy of TIFF

 今日ご紹介するのは6月13日から日本全国で上映開始となる「Love in The Big City」(邦題:ラブ・イン・ザ・ビッグシティ)。昨年のトロント国際映画祭(TIFF)で個人的に一番好きだった映画がやっと公開になりました。大ヒットした「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」に出ていたキム・ゴウンさんと、「パチンコ」で注目を集めたノ・サンヒョンさんが主演の作品です。

あらすじ:ストーリーは、主人公のジェヒ(キム・ゴウン)とフンス(ノ・サンヒョン)が出会った大学生時代から始まります。自由奔放で周囲に流されないタイプのジェヒは学生の間でも少し浮いている存在。内に秘めた悩みがあるフンスは人と距離を置くタイプ。そんなふたりが知り合い、お互いを認めあって同居をはじめるようになります。不器用な二人が大学生から大人になっていく過程で、時に傷つきながらも支え合い、自分らしい生き方を見つけてゆきます。

 観る前はふたりの可愛いラブストーリーなのかな、と思っていたのですが、実は二人が築いてゆく友情と人生の物語でした。自由で素直な魅力あふれるジェヒと優しいイケメンなのに孤独だったフンス。お互いを想い助け合う関係がすごく良くて、もう恋愛相手いらなくない?と思うくらい。社会の枠組みの中で自分らしく生きることの難しさを知っている二人だからこそ、相手の寂しさが理解できるしお互いに優しくできるんだろうな。そんな二人が失敗しながらも成長していく姿はすごく眩しかったし応援したくなりました。

 笑って泣けるストーリーはもちろんだけど、キム・ゴウンさんの笑顔も最高です。あとは二人が食べて飲んでるシーン!!酔って羽目はずして後悔して、ラーメン食べてまた飲んじゃう。それがまた美味しそうなんだ。なのでそこもお楽しみに。

 自分らしく生きることに自信を持って!と言ってくれる、笑顔になれる映画です。

 カナダではVikiで配信中。日本では6月13日に全国公開です。

Lalaのシネマワールド
映画に魅せられて

バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライターLalaさんによる映画に関するコラム。
旬の映画や話題のドラマだけでなく、さまざまな作品を紹介します。第1回からはこちら

Lala(らら)
バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライター
大好きな映画を観るためには広いカナダの西から東まで出かけます
良いストーリーには世界を豊にるす力があると信じてます
みなさん一緒に映画観ませんか!?

「カナダ“乗り鉄”の旅」第25回  「将来のカナダ首相」と目される主要大臣、和やかな表情が一瞬にして曇った「人名」とは

東急電鉄の電車5050系の東海道・山陽新幹線デザインラッピング編成(大塚圭一郎撮影)
東急電鉄の電車5050系の東海道・山陽新幹線デザインラッピング編成(大塚圭一郎撮影)

大塚圭一郎

 カナダのマーク・カーニー首相(自由党党首)が2025年4月28日の連邦議会下院の総選挙で勝利して続投が決まり、5月13日に新内閣を発足させた。主要大臣である財務相に留任し、「将来の首相」の呼び声が高いのはフランソワフィリップ・シャンパーニュ氏(54歳)だ。来日時にカナダ産木材が使われている東京・代官山の線路跡に建てられた商業施設を見学して上機嫌だったシャンパーニュ氏は、私がある「人名」を口にしたとたんに表情を曇らせた。

【東急電鉄東横線】東急の子会社の東急電鉄が運行する主要路線で、東京都心部の渋谷駅と横浜駅の24・2キロを結んでいる。旧東京横浜電鉄が1926年2月に一部区間を開業したのがルーツで、2023年度の1日平均輸送人員は106万6422人。

 東京メトロ副都心線(小竹向原―渋谷)や横浜高速鉄道みなとみらい線(横浜―元町・中華街)などと相互直通運転をしており、利便性が高い。沿線に目黒区自由が丘や大田区田園調布といった高級住宅街があるなどイメージも良く、リクルートが2025年に首都圏で実施した調査では住みたい沿線ランキングで3位だった。

東急電鉄東横線を走る横浜高速鉄道Y500系(大塚圭一郎撮影)
東急電鉄東横線を走る横浜高速鉄道Y500系(大塚圭一郎撮影)

都心部の“憩いの空間”

 今や地下約30メートルを電車が行き来している東急電鉄東横線の渋谷駅。かつて、JR東日本山手線と隣接する高架駅だった。建築家の故坂倉準三氏が手がけた改良工事が1964年に完成すると、プラットホームを覆う特徴的なカマボコ屋根が脚光を浴びた。

 その駅が役割を終え、地下にもぐって東京メトロ副都心線との直通運転が始まったのは2013年3月16日のこと。一晩にして“無用の長物”となってしまったのは高架駅にとどまらなかった。東横線が行き来していた渋谷―代官山間(1・4キロ)の地表に出ていた線路も、代官山駅から地下へもぐる線路に切り替わった。

 代官山駅付近の線路跡地の長さ約220メートルに及ぶ木々が生い茂る遊歩道に沿って、2015年4月に開業したのが商業施設「LOG ROAD DAIKANYAMA(ログロード代官山)」だ。コテージ風のデザインにした木造建築にレストランやカフェ、アパレル販売店などが軒を連ねている。

「ログロード代官山」の案内図(提供写真)
「ログロード代官山」の案内図(提供写真)

 都心部にありながらどこか牧歌的で心が安らぐ“憩いの空間”に一役買ったのが、ログロード代官山の建物に使われたカナダ産木材だ。

現在の「ログロード代官山」の様子。木立に沿って木造建築が並んでいる様子は、まるで「都会のオアシス」のようだ(2025年5月、大塚圭一郎撮影)
現在の「ログロード代官山」の様子。木立に沿って木造建築が並んでいる様子は、まるで「都会のオアシス」のようだ(2025年5月、大塚圭一郎撮影)

 「カナダ産木材が遠く離れた東京で縁の下の力持ちとなっている様子を是非視察したい」との情熱を持ち、2017年5月26日に現地に足を運んだのが当時国際貿易相だったシャンパーニュ氏だ。

「気に入った」日本のキャンペーン

 「気さくな方で、どんな質問も答えてくださいますので是非来てくださいよ」。私が携帯電話の着信を取ると、駐日カナダ大使館の清水いりや報道官(当時)は電話越しにそう水を向けた。私は「どんな質問も」という言葉に心を動かされた。特に聴きたいテーマがあったためだ。

 かくしてログロード代官山の集合場所に足を運ぶと、紺色の背広をまとった男性が「やあ、こんにちは。きょうはプレミアムフライデーなのに働かせちゃって悪いね」と話しかけてきた。当時のイアン・バーニー駐日カナダ大使と連れだって現れたシャンパーニュ氏で、確かに大臣とは思えないぐらい気さくだ。

 プレミアムフライデーとは、毎月末の金曜日の仕事を早めの時刻に切り上げ、個人の消費やライフスタイルを豊かにすることを経済産業省が提唱したキャンペーンだ。シャンパーニュ氏が口にしたのは「その前の日本政府との会合で説明され、気に入ったからです」と清水さんが後で耳打ちしてくれた。

2017年5月に「ログロード代官山」のカナダ産木材の外壁に触れるシャンパーニュ氏(提供写真)
2017年5月に「ログロード代官山」のカナダ産木材の外壁に触れるシャンパーニュ氏(提供写真)

 しかし、そのことを聞く前だった私は「プレミアムフライデーなんてほとんどの日本人が知らないか、無視していますよ」と直言してしまった。今やプレミアムフライデーという言葉自体が死語になっていることを踏まえると間違ってはいなかったが、やや無粋だったかもしれない(苦笑)。

 シャンパーニュ氏は、建物の外壁に使われたカナダ産木材に手で触れながら「木の良い香りがするねえ!」と感嘆の声を挙げた。ただでさえ高いテンションが加速し、ベンチで休憩していた女性の2人連れに「こんにちは」と話しかけて握手し、「私はカナダの大臣です。この建物に使っている木はカナダ産なのですよ」と説明するほどだった。

「どんな質問も」のはずが…

 シャンパーニュ氏が大満足の様子で遊歩道を歩き終えると、清水さんが報道陣に「これから質問をお受けします」と語りかけた。シャンパーニュ氏がログロード代官山を視察した感想などについて笑みを浮かべて饒舌に語り終えると、清水さんが「他に質問はありますか」と問いかけた。

2017年5月、記者団の質問に答えるシャンパーニュ氏(提供写真)
2017年5月、記者団の質問に答えるシャンパーニュ氏(提供写真)

 手を上げた私が質問を始めて「アメリカの…」と人名を言うやいなや、シャンパーニュ氏の晴れやかだった表情が一瞬にしてこわばった。聞き終えると、シャンパーニュ氏は「君の質問が、私をファイティングポーズ(闘うための構え)にしたんだぞ」とボクサーのように拳を前に突き出し、目は笑っていなかった。

 もうお分かりだろう。私はその約4カ月前にアメリカ大統領に就任したドナルド・トランプ氏(共和党)の名前を出したのだ。トランプ氏がカナダ、メキシコと結んでいる北アメリカ自由貿易協定(NAFTA)を「ひどい失敗作だ。見直すことになるだろう」と見直しを求めて再交渉すると明言していたことを踏まえ、国際貿易相としてどのような姿勢で臨むのかを尋ねたのだ。

 これは他の記者も尋ねたかった質問だったと確信している。ところがシャンパーニュ氏があまりにもご機嫌だったため、へそを曲げるような質問をしづらい雰囲気があった。仕方なく私が火中の栗を拾ったのだ。

 シャンパーニュ氏はNAFTAの再交渉に関して「アメリカ側がいろいろな議題を持ち出すのは分かっている」と警戒感をあらわにしつつ、「いつでも協議する用意があり、既に準備を進めている」と説明した。その上で「カナダの労働者、権益を確実に守る」と強調した。

 自身を「タリフマン(関税の男)」を自称するトランプ氏だけに、アメリカ商務省は2017年4月にカナダが木材輸出を不当に補助しているとして制裁関税を課す方針を決めたばかりだった。シャンパーニュ氏は、カナダが木材を安定的に輸出できるように「(相手国を)多角化する絶好の機会だ」と訴え、輸出拡大に向けて「アジア太平洋地域にもっと目を向けるべきだ」とアメリカ以外への輸出拡大に意欲を示した。

 カナダの2023年の輸出額のうち、国・地域別で圧倒的な首位のアメリカは約77%に当たる5482億カナダドル (約57兆円) を占めている。この図式は当時から変わっておらず、シャンパーニュ氏はアジア太平洋地域への木材の輸出拡大を目指す姿勢を鮮明にしたのだ。

 アジア太平洋地域の主要国の一つである日本の、しかもカナダ産木材が実際に使われている現場で繰り出すにはピッタリな、しかも世界が“トランプ砲”に揺れていた中でタイムリーな質問だったと受け止めている。

 私は翌2018年にもシャンパーニュ氏にインタビューをしており、その際は人工知能(AI)がテーマだったため機嫌を損ねることは皆無だった。

 トランプ氏という相手が悪すぎたのだ…。

「スーパースター」の金言も、成り上がりには馬耳東風

 シャンパーニュ氏に不快感を与えてファイティングポーズにした「ドナルド・トランプ」というNGワードは8年経過した今、驚くべきことに世界最大の経済大国の大統領に返り咲いた。第2次政権でも貿易相手国に「相互関税」といった関税引き上げを強要する“トランプ砲”を放ち、日本やカナダを含めた世界各国を動揺させ続けている。

カナダのマーク・カーニー首相(カナダ自由党のホームページから)
カナダのマーク・カーニー首相(カナダ自由党のホームページから)

 トランプ氏は2025年5月6日のカナダのカーニー首相との首脳会談で、カナダが「アメリカの51番目」に併合されれば大規模減税や軍事を通じて恩恵を受けられる「素晴らしい結婚になる」と改めて主張した。カナダとイギリスの中央銀行総裁を歴任した「銀行界のスーパースター」(金融関係者)のカーニー氏は、「不動産では決して売らない場所がある。ここ(ホワイトハウス)もそうだ」と一介の不動産業者から成り上がったトランプ氏でも分かるように説いた。

 ところがトランプ氏は「決してないとは言えない」と反論し、馬耳東風だった。シャンパーニュ氏を含めたカーニー内閣の閣僚は今後、「一般常識が通用しない相手」(外交当局者)との交渉に頭を抱えることは間違いない。

 というのも、私たちはトランプ氏の支離滅裂ぶりを第1次政権で学んでいるからだ。NAFTAを葬り、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)という「アメリカ第一主義」という独善的な名称の協定に塗り替えられた。アメリカのバラク・オバマ元大統領(民主党)らが尽力し、日本やカナダなども加わった環太平洋連携協定(TPP)から離脱し、アメリカ産牛肉などの関税が引き下げられて輸出拡大につながる千載一遇のチャンスを失った。

 さらに、トランプ政権は新型コロナウイルス禍での感染拡大防止策も後手に回り、犠牲者が後を絶たない地獄絵図の様相を呈した。疾病対策センター(CDC)によると、アメリカの新型コロナ感染による累計死者数は2025年3月6日時点で122万2603人と世界最悪だ。

 日本政府によると2024年8月時点の日本での累計死者数は13万2258人、カナダ政府によるとカナダの24年9月時点の累計死者数は6万871人なので、人口の差に鑑みてもアメリカの死者数が群を抜いているのが分かる。この背景には、日本やカナダと比べて低所得者層や失業者向けの医療保険制度が整っていないという「超格差社会」アメリカの“致命的欠陥”がある。

 この“致命的欠陥”を熟知していたオバマ元大統領は、無保険者をなくすことを目指し、国民全員を医療保険でカバーするために保険加入を義務づける通称「オバマケア」を2010年に成立させた。にもかかわらず、「就任初日にオバマケアを廃止する」と公言し、富裕層からの献金集めに明け暮れる金持ち優遇・低所得者無視のトランプ氏が16年11月の大統領選で当選した。

 しかも、トランプ氏は20年4月23日のホワイトハウスでの記者会見で、新型コロナ患者に対して「消毒液はあっという間にウイルスに効くようだ。注射したりできないものだろうか」という科学的根拠に反する暴言で国民を命の危険にさらした。

 加えて20年11月の大統領選で民主党候補だったジョー・バイデン氏(前大統領)に敗北すると、大統領選の結果を覆そうと画策して連邦議会襲撃をあおる始末だった。トランプ氏は連邦議会襲撃事件を含めた4件の刑事事件の被告となった。

「同じ石でつまずく」病める大国

 2024年11月の前回大統領選では元カリフォルニア州司法長官の民主党候補のカマラ・ハリス氏(前副大統領)と、刑事被告人だったトランプ氏の対決という「正義と悪」の構図が際立つ対決となった。第1次トランプ政権が失政を重ねたことも踏まえれば、どちらが常識的な選択なのかは自明なはずだ。

 ところが、逆の結果になったのは「病める大国」と呼ばれるゆえんであろう。

 2025年5月13日に89歳で死去したウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領は16年4月にアメリカが原子爆弾を投下した広島平和記念資料館(広島市)を見学後、「倫理がない科学は考えられないような悪の道具になる。歴史は、人間が同じ石でつまずく唯一の動物と教えている。私たちはそれを学んだだろうか」と記帳した。

 悲しいことに、アメリカ国民の多くについては「否」と言わざるを得ない。アメリカでは原爆投下が第2次世界大戦終結に大きく貢献したとの世論がいまだ根強い。民間調査団体のピュー・リサーチ・センターが2015年に実施した世論調査では、広島と長崎への原爆投下についてアメリカ人の56%が「正当だった」と回答し、日本人の79%が「正当ではなかった」と答えたのとは対照的だった。

 そして前回大統領選でも「同じ石でつまずく」ことを証明した。そんなアメリカに対し、同盟国の離反の動きが止まらない。カナダ総選挙と同じ週の2025年5月3日に投開票があったオーストラリアでも、トランプ氏への対抗姿勢を示したアンソニー・アルバニージー首相が率いる与党の労働党が大勝した。

 トランプ氏の再登板で「分断」がより深刻化し、同盟国が相次いで距離を置く「病める大国」にはどのような前途が待ち受けているのだろうか。

 【筆者より】いつもご愛読いただきましてありがとうございます。本稿で示した視点や見解は筆者個人のものであり、所属する組織や日加トゥデイを代表するものではありません。

共同通信社元ワシントン支局次長で「VIAクラブ日本支部」会員の大塚圭一郎氏が贈る、カナダにまつわる鉄道の魅力を紹介するコラム「カナダ “乗り鉄” の旅」。第1回からすべてのコラムは以下よりご覧いただけます。
カナダ “乗り鉄” の旅

大塚圭一郎(おおつか・けいいちろう)
共同通信社経済部次長・「VIAクラブ日本支部」会員

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科を卒業し、社団法人(現一般社団法人)共同通信社に入社。2013~16年にニューヨーク支局特派員、20~24年にワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。24年9月から現職。国内外の運輸・旅行・観光分野や国際経済などの記事を多く執筆しており、VIA鉄道カナダの公式愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員として鉄道も積極的に利用しながらカナダ10州を全て訪れた。

 優れた鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅(てつたび)オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS(よんななニュース)」や「Yahoo!ニュース」などに掲載されている連載『鉄道なにコレ!?』と鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/column/railroad_club)を執筆し、「共同通信ポッドキャスト」(https://digital.kyodonews.jp/kyodopodcast/railway.html)に出演。
 本コラム「カナダ“乗り鉄”の旅」や、旅行サイト「Risvel(リスヴェル)」のコラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)も連載中。
 共著書に『わたしの居場所』(現代人文社)、『平成をあるく』(柘植書房新社)などがある。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の広報委員で元理事。

2nd Annual Ichari-Van Night

ホワイトキャップス ホームで無敗記録更新、次はメキシコシティでCCC決勝に挑む

ミネソタ・ユナイテッド戦。2025年5月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
ミネソタ・ユナイテッド戦。2025年5月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 バンクーバー・ホワイトキャップスは5月28日、BCプレースでミネソタ・ユナイテッドと対戦した。結果は引き分け。無敗記録を15に伸ばした。

5月28日(BCプレース:17,012)

バンクーバー・ホワイトキャップス 0-0 ミネソタ・ユナイテッド

 圧倒的にホワイトキャップスが攻めるものの、ミネソタの堅い守りに阻まれて無得点に終わった。シュート数は21。それでも1本もネットを揺らすことはなかった。

 怒涛の攻めを見せるキャップスだったが守りでも隙はなかった。この試合も無失点とし、GK高丘は今季MLSシーズンで7つ目のクリーンシート試合となった。

試合後、ファンに手を振る高丘とホワイトキャップスの選手たち。ミネソタ・ユナイテッド戦。2025年5月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
試合後、ファンに手を振る高丘とホワイトキャップスの選手たち。ミネソタ・ユナイテッド戦。2025年5月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

次はホワイトキャップスにとって前人未到のCONCACAFチャンピオンズカップ決勝に挑む

 ホワイトキャップスにとってまだ一度も経験したことのない領域、CONCACAFチャンピオンズカップ決勝。いよいよその日が6月1日にやってくる。

 5月21日にはGK高丘への日本メディア共同会見もオンラインで行われた。決勝にあたり、個人としてもチームとしても目指していたタイトルへの挑戦まであと約1週間となり、いい準備をしてしっかり結果を出せるようにしたいと語った。

 高丘はMLSに挑戦した日本人選手としては初のゴールキーパーで、優勝すればもちろん日本人として初めての北中米ナンバーワンGKの称号を手に入れることになる。

 バンクーバーの街もにぎわっている。ホワイトキャップスのホームグランドBCプレース前のテリー・フォックス・プラザではファイナルウォッチ・パーティが行われる。2,500人分のチケットはすでに完売。6月1日はファンも街も盛り上がる。

CCC決勝に向けファンの期待も高まる。ミネソタ・ユナイテッド戦。2025年5月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
CCC決勝に向けファンの期待も高まる。ミネソタ・ユナイテッド戦。2025年5月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 試合は、6月1日午後6時(太平洋標準時)開始。場所はメキシコシティ。相手はメキシコプロリーグLIGA MX(リーガMX)のCruz Azul(クルス・アスル)。

 ホワイトキャップスはチーム史上初の栄冠を手に入れることができるのか。カナダでは、 テレビ(英語)は、OneSoccer、FuboTV Canada、TELUS channel 980、ラジオでは、730 CKNW、 101.1 HD3、cknw.comで視聴できる。

6月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

6月8日(日)6:00pm シアトル・サウンダーズ戦
6月25日(水)7:30pm サンディエゴFC

(記事 三島直美)

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バンクーバー美術館で大谷工作室展「Otani Workshop:Monsters in My Head」

大谷工作室さん。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai
大谷工作室さん。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai

陶芸・絵画・バーナビー市でのレジデンシー期間に制作した作品などを展示

大谷工作室さん。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai
大谷工作室さん。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai

 バンクーバー美術館(Vancouver Art Gallery)で5月25日、大谷工作室さんの個展「Otani Workshop:Monsters in My Head」が始まった。陶芸展「Written in Clay:From the John David Lawrence Collection」との同時開催。キュレーターはダイアナ・フランドルさん。

 一歩足を踏み入れると、まるで森の中に迷い込んだかのような印象を受ける照明を落とした展示場内。メープルリーフや小枝に囲まれた切株には森の妖精のように可愛らしい陶器の作品が並ぶ。来場者が最初に入る展示室は、昨年8月に大谷さんが「Deer Lake Artists Residency」で約1カ月滞在したバーナビーの森をイメージ。現地で調達した素材を使い、現地の窯で作り上げた作品16点を展示する。

バーナビーの森をイメージした部屋。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai
バーナビーの森をイメージした部屋。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai

 6週間ほど滞在したカナダの印象を「穏やかで親切な人が多いな、という印象を受けた」と話す大谷さん。「バスを降りる時に皆が運転手さんに『ありがとう』と声をかけていたり、小さなことでも優しい言葉を言う人が多いと感じた」。滞在したスタジオの周囲には湖や森があり自然が豊かな場所。「町からそれほど離れていないのに、緑が多くビーバーやフクロウ、コヨーテがいる静かな環境だった」と楽しんだ様子も。

 展示作品には、金継ぎをした初の作品も数点含まれている。「窯も粘土も違うため思ってもみない割れ方をした物があった。美術館を通して紹介を受けたBC(ブリティッシュ・コロンビア)州在住のアーティスト福丸直子さんの助けもあり、金継ぎをしてみた。今までとはまた違う感じの作品ができたのでは」と振り返る。

 二つ目の展示室は日本のスタジオをイメージ。陶器、彫刻作品と共に絵画作品も多く展示。大谷さんオリジナルの怪獣「タニラ」や子どもの顔をモチーフにした作品、大谷さんが子どもの頃からアーティストになるまでの道のりを描く絵本「Monsters in My Head」の原画などで大谷さんの世界感を紹介する。

大谷さんのスタジオをイメージした部屋。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai
大谷さんのスタジオをイメージした部屋。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai

 作品で見る者を引き付けるのは素朴な雰囲気の「顔」。顔を多く扱うことについては「彫刻を勉強したのだが、顔というのは一番ダイレクトな感じがする。見る人が興味を持ちやすいというか」と説明。キュレーターのダイアナ・フロンドルさんが「時に埴輪を思わせるような目は静かにいろいろな思いを伝えている、大谷作品の大切な要素」と評した「目」については、「目は一番大事だと思っている。目に(特定の)感情を込めて描いているというよりも、作っている時に作品の中で表情が動く瞬間があり、これだなと思う」とそのプロセスも。

 大谷さんは「初めての美術館での個展なので、ぜひ楽しんでもらえれば」と期待を話した。

 同時に開催される「Written in Clay:From the John David Lawrence Collection」では1回西側半分を使い、美術収集家ジョン・デービッド・ローレンスさんの1500点以上にわたる陶芸コレクションの中からブリティッシュ・コロンビア州の作家による1920年代~2000年代までの作品約200点を厳選。地元の陶芸シーンの発展に影響を与えたアーティストたちの作品を展示する。

同時開催のWritten in Clay: John David Lawrence Collectionで説明するジョンさん。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai
同時開催のWritten in Clay: John David Lawrence Collectionで説明するジョンさん。2025年5月25日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai

 フランドルさんは「土の匂い、作品の質感、作品から広がるイマジネーションなど全ての感覚を使って楽しめる展示だと思う」とし、「今回の二つの展示の共通点は陶芸なのだが陶芸という器だとも言える。陶芸作品自体が花瓶、ティーカップなどさまざまな形で花や水の器となるように、陶芸作品は経験、記憶、物語の器にもなることができる」と話す。「双方の展示を合わせてアートの持つクリエイティビティとイマジネーションの美しさを体感してもらえれば」とも語った。

「Otani Workshop:Monsters in My Head」

期間:2025年5月25日~2025年11月9日
開館時間:10時~17時。金曜のみ20時まで
会場:Vancouver Art Gallery (750 Hornby St. Vancouver)
入場料など詳細はウェブサイトを参照:https://www.vanartgallery.bc.ca/

(取材 Michiru Miyai)

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「最新のアントレナーシップ」早稲田大学ビジネススクール長谷川博和教授 特別講演

長谷川博和教授。講演会場で。2025年5月18日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai
長谷川博和教授。講演会場で。2025年5月18日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai

 カナダ・バンクーバー市UBCロブソンスクエアで5月18日、早稲田大学ビジネススクールの長谷川博和教授による特別講演が行われた。主催PacPeak、後援は在バンクーバー日本国総領事館、日本カナダ商工会議所(JCCOC)、企友会。

 「最新のアントレプレナーシップ」と題された今回の講演。証券アナリストを経てベンチャーキャピタル代表として数々のスタートアップ企業に投資をした長谷川教授が、専門とするアントレプレナーシップについて解説、日米のスタートアップの違い、企業のグローバル化、AIの活用とデジタル化の必要性などについて話した。

 野村総合研究所での証券アナリストとしての勤務ののち、ベンチャーキャピタル「グローバルベンチャーキャピタル株式会社」を起業した長谷川教授。日本、アメリカ、台湾、中国などグローバルに投資。「インダストリーよりも人に投資しようと、基本的に人やチームを見て会社設立の初期から投資するスタイルでやってきた」と、インターネット総研、スカイマークエアライン、オイシックスなどを上場企業に育てあげた経験を話した。「当然上手くいかなかった会社も数多くある。研究者となった時に失敗談も失敗に関するデータもたくさんあるのでケーススタディや統計分析に役立っている」と振り返った。

 早稲田大学ビジネススクールでは「アントレプレナーシップ」を専門に研究。新しい事をゼロから始める「ベンチャー」、大企業の進めるイノベーション「新規事業」、世代交代に伴い新しい取り組みをする「ファミリービジネス」、の3つの領域の重なるところを「アントレプレナーシップ」と定義し研究を続け、次世代のアントレプレナーを指導する。

 講演では日米ともにスタートアップへの投資額は落ちており、世界的に内向き志向になっている現在の経済状況も説明。関税対策など短期的な対策は必要だが、グローバルな目線で長期的な経営戦略を考える必要性も話す。「企業のグローバル化に必須なのがAI化とデジタル化なのだが、現状は効果的に導入できていない企業が数多くある」と説明。「AI化、デジタル化に遅れている業界にこそ(導入による)革新が起こる可能性がある」とAI開発だけでなく、AIの産業化にもビジネスチャンスがあると説いた。

 AIの登場、世界経済の状況から現在は「変動の時代だ」とし「このような変化の時だからこそ、資金力のないアントレプレナーにもチャンスがあると言える」と話す長谷川教授。「以前は単純労働がAIに奪われると考えられていたが、近ごろは高度な経験のいる仕事の方がAIに取って代わられるとされている」とも話し、「AIによる変化を予測し上手く適応するところにビジネスの可能性がある」と講演を締めくくった。

 会場には日系ビジネス経営者、投資家、若い起業家や留学生など約30人が来場。講演後の質疑応答では質問が多く寄せられた。「アメリカや中国と比べると日本にはスタートアップ企業が少ないと思うのだが、何が差をつけているのか」という質問には、「シリコンバレーなどは世界中から起業家が集まって来るし、スタートアップの専門家が多くいるので、(必要な人に)出会う機会も多いというのはあると思う」と答え「ただサンフランシスコは物価が高く生活するだけでも大変だ。少しでも早く成果を出さなければ資金が続かないという必死さが、日本の起業家と比べて格段に強いというのも大きな理由では」と考えを述べた。

 カナダで注目しているスタートアップや分野はあるか、との問いには「カナダに関しては詳しくないのだが」と前置きをし「若いスタートアップが多くあると聞いた。アメリカに近いという地理的な利点もあるので、アントレプレナーの領域でもっと日本とカナダの若い世代の交流が進めば面白いことができるのでは」と期待を表した。

講演中の長谷川教授。2025年5月18日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai
講演中の長谷川教授。2025年5月18日、バンクーバー市。撮影 Michiru Miyai

(記事 Michiru Miyai)

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