アメリカのドナルド・トランプ大統領は2月9日、カナダ・オンタリオ州ウィンザー市とアメリカ・ミシガン州デトロイト市を結ぶ新しい橋「ゴーディ・ハウ・インターナショナル・ブリッジ」の開通を阻止すると警告した。
大統領はソーシャルメディアで、この橋が「アメリカが関わることなく建設された」と不満を述べ、「カナダ政府が(橋の)カナダ側、アメリカ側とも所有している」と主張。「我々はこれほど多くのものを(カナダに)与えてきたのだから、この資産(ゴーディ・ハウ橋)の少なくとも半分は我々が所有すべきかもしれない」と投稿している。
これを受けマーク・カーニー首相は2月10日にトランプ大統領と電話で会談したことを明らかにした。首相は橋の建設費をカナダが全額負担していること、橋はカナダとミシガン州の共同所有であることを伝えたと記者団に語った。さらに、橋の建設にはカナダとアメリカ双方の労働者が関わり、両国の鉄鋼が使用されたとも説明した。
首相によると大統領との会話は「前向き」なものだったという。ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事、デトロイト地域商工会議所会長兼CEOサンディ・K・バルーア氏も橋の開通を支持している。
建設工事の費用64億ドルはカナダ政府が全額負担し、橋はほぼ完成している。開通は今年前半の予定。開通後には通行料を徴収し、カナダが建設費を回収した後には、橋による収益はカナダ政府とミシガン州が折半することになっているという。
ゴーディ・ハウ橋については、近くにある既存のアンバサダー橋所有者であるデトロイトのモローン一族が通行料徴収の独占権を侵害すると主張、カナダ政府に対して補償を求めている。
モローン一族はトランプ大統領第1次政権時にゴーディ・ハウ橋建設を阻止するよう訴えた。しかしトランプ大統領は2017年、ジャスティン・トルドー首相(当時)との共同声明でこの橋を「両国にとって重要な経済的リンク」と呼び、優先プロジェクトとして支持していた。
ニューヨーク・タイムズ紙は10日夜に掲載した電子版で、マシュー・モローン氏はトランプ政権のハワード・ラトニック商務長官と9日にワシントンで会い、その後、ラトニック商務長官がこの件についてトランプ大統領と電話で話したと伝えている。2人の高官が匿名を条件にタイムズ紙に話したという。その直後、大統領が開通阻止を投稿している。
橋の名称「ゴーディ・ハウ・インターナショナル・ブリッジ」は、NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)のデトロイト・レッドウィングスで活躍したカナダ出身のホッケー選手ゴーディ・ハウに由来する。25シーズン現役選手として活躍したカナダのレジェンド選手であり、チームを何度も優勝に導いたデトロイトにとってもレジェンドである。
(記事 高城玲/北野大地)
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