米国防長官、カナダの人気絵本キャラクターで麻薬密輸船攻撃の偽造画像投稿が非難浴びる

 アメリカのピート・ヘグセス国防長官が、麻薬密輸容疑船への攻撃に関してカナダの人気絵本の偽造画像をSNSに投稿し、非難が噴出している。

 問題となっているのは、ヘグセス国防長官が11月30日にXに投稿した、絵本「Franklin the Turtle」の偽の表紙画像だ。腕に星条旗をつけたカメのフランクリンが、ヘリコプターの中から笑顔でバズーカを発射している。フランクリンが狙うのは銃を抱えた男性と積荷を乗せたボートで、本のタイトルは「フランクリン、麻薬テロリストを狙う」とされている。

 これは、現在物議を醸しているアメリカ軍の「麻薬密輸容疑船」への攻撃をパロディ化したものとみられる。投稿には「クリスマスのウィッシュリストにどうぞ」と書かれている。

 この投稿に対しては、X上のみならず、政界からも非難が殺到した。「Franklin the Turtle」の出版社のKids Can PressはXに声明を発表。「フランクリンは、何世代にも渡って子どもたちに愛されてきたカナダのアイコンであり、優しさ、思いやり、包摂性を象徴している」とし、「これらの価値観に反する、フランクリンの名前や画像の侮辱的、暴力的、無許可の使用を強く非難する」と述べている。

 「Franklin the Turtle」の絵本シリーズは20冊以上あり、これまでに世界で2000万部以上が出版されている。著者ポーレット・ブルジョワ氏とイラストレーターのブレンダ・クラーク氏は共にカナダ勲章を受章している。

(記事 高城玲)

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