連邦政府がカナダポスト改革、戸別配達廃止も視野に

 連邦政府のジョエル・ライトバウンド政府改革担当大臣は9月25日、カナダポストの近代化計画を発表した。2025年は15億ドルの赤字見通しなど、財政難にあえぐカナダポストの安定化と存続を図る。

 主要項目のひとつは、郵便の戸別配達を廃止し、コミュニティメールボックスでの受け取り移行を可能にすること。政府によると、すでに国内人口の約4分の3はコミュニティメールボックスを利用しており、残り約400万戸を移行することで年間4億ドルの節約になるという。移行にかかる期間は約9年を予定しているが、最初の4年間で大部分が完了する見込み。高齢者や障害者は、週1回の戸別配達や別の手段を選択できるようにする。

 さらに郵便物の減少という現状から、緊急性の低い郵便物については航空便から陸送への切り替えを可能にする。これにより年間2,000万ドルを節約できるという。ただし、現在2〜4日の普通郵便の配達日数が3〜7営業日になる。

 また、農村地域における郵便局の閉鎖禁止措置も解除される。4,000局が対象となっているこの措置は約30年間見直されておらず、当時農村だった地域が現在は郊外や都市部となっているという。ただし、郵便局が必要な農村、遠隔地、先住民地域については運営を維持する。

 ライトバウンド大臣は、「カナダポストは何世代にも渡ってコミュニティをつなぎ、不可欠なライフラインを提供してきた。今日においても国民は依然としてカナダポストに頼っている」とし、サービス存続のためには果敢な行動が必要と述べた。

(記事 高城玲)

合わせて読みたい関連記事