トランプ大統領「カナダとは合意していない」

 カナダを含む各国と貿易交渉を進めているアメリカのドナルド・トランプ大統領は7月25日、記者団に対し「カナダとは合意していない」と発言した。

 7月10日にはマーク・カーニー首相あてに書簡を送り、8月1日よりカナダからの輸入品に対して35%の関税を課すとした。さらに、カナダが報復措置を取った場合には関税をさらに引き上げる可能性もあると示した。ただし関税の対象となるのは両国間の自由貿易協定に含まれていない製品に限られる。

 トランプ大統領は、交渉期限の8月1日にはほとんどの国と合意が成立しているという見通しを述べ、欧州連合や中国、オーストラリアとは交渉が進んでいることを示した上で、「カナダとは、あまりうまくいっていない。カナダは関税を払うだけになるかもしれない」と話した。交渉を阻害している具体的な要因については述べなかった。

 カナダはすでに、アメリカによる鉄鋼、アルミニウム、自動車への関税の影響を受けている。また8月1日からは銅への関税も導入される見通しとなっている。

 前日24日には、ドミニク・ルブラン米国貿易担当大臣がアメリカのハワード・ラトニック商務長官や超党派の上院議員らとの会談後に「好感触を得た」と述べていた。ルブラン大臣はアメリカとの非公開交渉は「複雑」であり、8月1日までに合意に至らない可能性も示唆した。またカーニー首相は22日に「署名に値する合意でなければ受け入れない」と発言している。

(記事 高城玲)

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