カナダ全国で「パン集団訴訟」や「牛乳の集団訴訟(milk settlement)」の和解金を装ったテキストメッセージ詐欺が発生している。
「パン集団訴訟の和解金」詐欺は3月31日にカナダ不正対策センター(Canadian Anti-Fraud Centre:CAFC)がXに注意喚起の投稿をしている。「パン集団訴訟」は実際にあった集団訴訟で、カナダの大手スーパーマーケット、ロブロー・カンパニー社とその親会社ジョージ・ウェストン社に対して起こされたパン業界全体による価格操作に関連した集団訴訟。しかしこの訴訟については2025年12月に請求手続き期限は終了している。
一方「牛乳の集団訴訟の和解金」については、オンタリオ州ウォータールー市警察が4月3日にソーシャルメディアに「牛乳集団訴訟の和解金」のテキストメッセージは詐欺だとして注意を呼びかけた。投稿には、実際に送られてきたメッセージや、精巧に作られた偽ウェブサイトの画像が掲載され、「(リンクを)クリックしない」「返信しない」「メッセージを削除する」「公式サイトをチェックする」などの注意事項が記されている。
しかし「パン集団訴訟」と異なり、「牛乳集団訴訟」は実際には存在していない。ただ、似たような件として、リステリア菌発生でリコールされた植物性ミルクに関する訴訟があり、最近和解が成立している。この集団訴訟の公式サイトでは、請求手続きはまだ開始されていないこと、さらに運営側がテキストメッセージを送信することはないことを明言している。
どちらも「集団訴訟の支払い対象となっている」という内容で、リンクをクリックさせてクレジットカード番号などの個人情報入力を促す。CAFCも、警察も、こうしたテキストメッセージを受け取った場合は安易に返信しないよう注意し、CAFCに報告するよう呼びかけている。
CAFCのデータによると、2025年にカナダ人の詐欺による損失は7億400万ドルを超え、2022年以降に報告された損失総額は現在24億ドルを上回っているという。さらに実際に報告される詐欺は全体の5〜10%のため、この損失額は被害全体のごく一部に過ぎないと警鐘を鳴らしている。3月は詐欺防止月間だった。
(記事 高城玲)
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