カナダ全国でインフルエンザ拡大、子どもの感染率が高い傾向

 カナダ全国でインフルエンザが広がっている。12月19日に発表されたカナダ公衆衛生庁のデータによると、12月第2週(7~13日)にはカナダ全体で新たに11,646件のインフルエンザ感染が確認された。国内で行われた検査のうち27.7%が陽性だったという。前週の新規感染者は6,799人で、陽性率は20.2%だった。

 インフルエンザ感染増加は全国的な傾向だが、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州、アルバータ州、オンタリオ州など11州・準州では、広範囲にわたる流行が報告されている。

 新たに確認された感染者の44%は19歳以下だった。BC州疾病管理センターも12月19日付けの報告で子どもの感染率が高いことを指摘している。

 世界保健機関(WHO)によると、カナダで現在主流となっているのはインフルエンザA型の亜型であるH3N2。BC州ボニー・ヘンリー衛生管理局長は、H3N2は他の株と比べて重症化しやすい可能性があると述べた。

 今シーズンはワクチン接種率が低いことへの懸念も強まっている。多くの州で接種対象者のうちワクチンを接種した人は約20%にとどまっている。BC州での接種率は12月14日時点で23%だという。

 ヘンリー局長は、現在提供されているワクチンはこの株に一致してはいないものの、重症化や入院を防ぐ上で強い効果を持っているとし、接種を呼びかけている。

(記事 高城玲)

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