エアトランザット、パイロット組合が12月10日からストライキが可能に

バンクーバー空港に駐機中のAir Transat機。2025年7月4日。撮影 日加トゥデイ
バンクーバー空港に駐機中のAir Transat機。2025年7月4日。撮影 日加トゥデイ

 南国リゾート地を中心に運航しているカナダの航空会社エアトランザットの、パイロット約700人がストライキ権限を圧倒的多数で承認した。投票率は98%に達し、そのうち99%が賛成票を投じたことで、12月10日以降にはストライキが可能となる。

 現時点では正式なストライキ通知は出されていないが、年末年始の繁忙期を前に緊張が高まっている。

 パイロット労働組合は、労働条件の改善、給与引き上げ、生活の質向上、雇用保障を求めている。特にカナダ最大の航空会社エアカナダや、2番目のウエストジェットの契約水準に近づけることを目指している。10年前に締結した現行契約は「業界最低水準」との批判がある。

 交渉は2025年1月から続いているが、11月18日に調停を離脱し、現在は21日間の冷却期間に入っている。これが終了する12月10日以降、ストライキ権限が行使される可能性がある。

 一方、会社側は「交渉は進展しており、顧客への影響を避けたい」と強調。運航は現時点で通常通り続いている。

 ストライキが決行されれば、欠航や遅延は避けられない。今年は8月にエアカナダの客室乗務員がストライキを決行して、3日間に渡り全便欠航という事態が発生。利用客は代替手段を探して移動するなどの不便を強いられ、夏休み終盤に混乱が続いた。

 現時点では航空会社も組合も「ストライキは望まない」と発言しているという。

(記事 北野大地)

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