ウエストジェット、リクライニングなし座席を導入

 カナダ第2の航空会社ウエストジェットは2025年秋からボーイング737-8 MAXと737-800型機にリクライニング機能を廃止した固定座席を導入した。これにより、通常のエコノミー席は背もたれが一定角度で固定され、乗客が自由に倒すことはできない。リクライニング可能な座席は「エクステンデッド・コンフォート」や「プレミアム」として販売され、追加料金を支払うことで利用できる仕組みとなった。同社は9月23日に声明で発表した。

 新しい座席構成では、エコノミー席に調整可能なヘッドレストやクッション強化が施される一方、背もたれは固定。機内前方には36席の「エクステンデッド・コンフォート」と12席の「プレミアム」が設けられ、いずれもリクライニング機能を備える。「多様なニーズに応えるための選択肢」と説明し、個人スペースの確保を強調している。

 しかし、専門家からは「単なる収益目的」との批判も出ている。近年、座席を倒す行為をめぐるマナー論争が広がる中、ウエストジェットの新方針は「快適性を求める乗客は追加料金を払う」という新たな市場モデルを提示した形だ。

 導入は2025年9月末から順次開始されている。航空業界において「リクライニング=有料オプション化」という新しい料金体系が定着するか、エアカナダなどの今後の動向が注目される。

 また、ウエストジェットは現在今年12月末が期限の客室乗務員労働組合との労使交渉中で、交渉次第ではストライキ決行の可能性も残されている。客室乗務員労働組合のストライキでは今年8月にエアカナダが実施して3日間全便欠航となった。

 ウエストジェットはアルバータ州カルガリーから東京・成田に直行便を運航している。

(記事 北野大地)

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