ビクトリアで日系カナダ人記念公園の建設開始

Image from The Government of British Columbia
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 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州は10月28日、第2次世界大戦中に強制移動や土地・財産の没収、抑留を受けた州内の日系カナダ人を称える記念公園の建設が、州都ビクトリア市で始まったと発表した。

 この記念公園は、日系カナダ人歴史遺産協会(JCLS)との協働で建設が進められている。場所はビクトリア市セントアンズ・アカデミー国定史跡のすぐ南で、州議事堂やビーコンヒル・パークからも徒歩で行ける距離。

 公園の中心となるのは壁型の記念碑で、ここには1940年代にBC州内で故郷を追われた約22,000人の日系人の氏名が刻まれる。多くはカナダ生まれで、強制移動後に生まれた3,000人の名前も含まれるという。さらに壁の周囲には日本風の庭園が造られ、完成は2026年秋の予定。

 同プロジェクトは、2022年5月にBC州が発表した1億ドルの補償措置(リドレスパッケージ)の一部。ニキ・シャーマBC州司法長官は声明で、日系カナダ人の強制移動と収容について「人々の権利と尊厳を守るべき政府がその義務を怠った重大な不正義」だったとし、公園建設は、苦難を乗り越えた日系の人々を称えると共に、歴史の風化を食い止め、未来に向けて過去から学ぶための取り組みであると述べている。

 JCLSのCEOスザンヌ・タバタ氏は声明で「日系コミュニティの先人たちを称えることで、かつて故郷と呼んでいたコミュニティと彼らの名前を再びつなぎ、世代を超えた心の傷を癒していく」と述べている。

(記事 高城玲)

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