序盤から波乱の幕開けだった。いきなりレッドカードを受けたホワイトキャップスは10人で善戦したが、一歩及ばず惜敗。西カンファレンス2位でプレーオフ進出となった。
10月18日(BCプレース:26,741)
バンクーバー・ホワイトキャップス 1-2 FCダラス
11分にラボルダ(#2)がレッドカードで退場処分、18分にコーナーから決められ0-1。それでも28分にはミュラー(#13)がPKを決め同点に。しかし後半早々の47分にゴールされ1-2。後半の猛攻も実らずホワイトキャップスは追加点が奪えなかった。
高丘、再三の好セーブもレギュラーシーズン最終戦は惜敗
11分にキャップスDFラボルダがレッドカードで10人での試合を強いられたが、GK高丘の動きはシャープだった。先制されるまで立て続けの好セーブが光った。後半に入っても1失点したものの、スーパーセーブを連発した。
試合後、「10人になってオープンな展開になりましたが、そういう場面にも常に準備してましたし、ある程度自分の仕事はできたと思います」と振り返った。試合内容については「もちろん勝ちたかったですけど、アクシデント的に退場者が出た中で、良い試合を10人でもある程度できたと思います」と前向きに捉えた。ただ2失点したことは「悔しい」とプレーオフに向けてしっかりと準備したいと語った。
勝利か引き分けで西カンファレンス1位を確定する大事な試合。序盤から緊張感ある展開を壊したのは審判の判定だった。11分にラボルダが受けたのはイエローカード。しかしその後ビデオ判定でレッドカードとなり、ホワイトキャップスはいきなりディフェンダーを失うことに。ソレンセン監督は「(ラボルダは)ファールだとは思ったけどレッドは厳しすぎる」と語った。ただビデオ判定で「そう判断したのだろう」と冷静な対応を見せ、「あとでまた分析する」と語った。
10人でもチームは「特に後半は攻撃面で力強いプレーができたと思う。全体的にエキサイティングな試合だった」と振り返った。

キャプテンを務めたミュラーは「審判の判定については触れたくないが」と前置きして、もう少しよく見てれば判定が違ったところはあったと思うが「判定は判定だ」と審判を責めることはなかった。チームとしてはいくつかミスがあり、それが勝てなかった要因だったと思うが「(負けはしたが)内容的には良い試合だったと思う、次に向けて調整していければいい」と前を向いた。
高丘、今季は13無失点試合でMLS最多、ホワイトキャップス歴代最多タイ
この日でレギュラーシーズン全34試合を終え、高丘は個人成績では13クリーシートはMLSリーグ最多、GKとして今季18勝はリーグタイとなった。
クリーンシート13はホワイトキャップス歴代ゴールキーパーではウーステッド選手の記録に並んだ。

現在MLSでは今月24日まで、MLS Save of the Yearの投票を受け付けている。候補プレーの中に高丘も含まれている。候補プレーの動画はこちらから。投票についてはMLSの該当ページを参照。https://www.mlssoccer.com/news/vote-for-the-2025-mls-save-of-the-year
日本代表ブラジル戦での勝利に刺激
日本代表が初めてブラジルに勝利した10月14日(日本時間)の試合をバンクーバーで観戦していたという。「ブラジル相手の0-2の難しい展開でしたけど、そこから逆転できる力を持っているっていうのはすばらしい」と称賛。
日本代表については「ワールドカップ(2026)で優勝を目指しているグループなので、僕自身もそこに食い込めるようにやっていかないといけないと思っています」と語り、海の向こうでの代表の活躍に「良い刺激をもらっています」と笑顔を見せた。
高丘は来週から始まるプレーオフについて、「また同じ相手とできるので、今日の反省も生かしつつ、しっかり修正して勝てるようにしたいと思います」とこの日の敗戦にも手ごたえを感じているようだった。
プレーオフはFCダラスと10月26日から
18勝7敗9分、勝ち点63で西カンファレンス2位となったホワイトキャップスのプレーオフ1回戦は、この日対戦した同7位のFCダラスが相手。10月26日にBCプレースで4:30pmキックオフ、第2戦は11月1日にダラスで、第3戦までもつれ込むと11月7日にBCプレースで行われる。
昨季の覇者で吉田麻也率いるLAギャラクシーは今季は西カンファレンス最下位に沈み、プレーオフ進出はならなかった。MLSプレーオフ全日程はMLSサイトを参照。
(取材 三島直美/写真 斉藤光一)
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