カナダポスト労働組合全面ストへ、政府の郵便局改革計画に反発

 全国のカナダポスト職員が全面ストライキに入った。カナダポスト従業員55,000人を代表するカナダ郵便労働組合(CUPW)は9月25日、組合員は再びピケを張ると発表した。昨年11月には32日間のストライキを実施したばかり。

 突然の全面スト宣言は、連邦政府がカナダポストの大規模改革を発表した数時間後に行われた。政府は財政難のさなかにあるカナダポストに対し、戸別配達の終了や農村地域の郵便局を閉鎖する権限を与えると発表。CUPWはこれに強く反発、「政府による郵便事業と労働者への攻撃に対応する」ために全面ストに入るとした。

 カナダポストによると、スト期間中は郵便・小包ともに処理や配達は行われない。受付済みの郵便物や小包は安全に保管され、業務再開後できるだけ早く配達を行うとしつつ、スト期間にかかわらず、業務が通常どおりに戻るまでには時間がかかるとしている。また新規郵便物の受付は一連の混乱が収まった後になるという。

 ただし、政府の給付金小切手(老齢年金、児童手当、CPPなど)や生きた動物の配達はスト中も継続される。

 カナダポスト職員は現在、労働規約がなく、賃金やパートタイム導入をめぐって、約2年間労使交渉を続けている。今月初め、CUPWは政府の13%賃上げ案を拒否し、19%を要求した。

 CUPWは5月以降、残業拒否や順法闘争などのストを継続、今回の全面ストはそれを拡大した形となっている。

(記事 高城玲)

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