バンクーバー日本語学校の2025年度入学式が9月6日に同校で行われた。今年度は、キンダー、小学科1年生、基礎科Aのクラスに、合わせて87人が入学した。
広々としたホールで行われた入学式は新入生入場でスタート。拍手の中、最初に入ってきたのはキンダーの生徒たち。先生の誘導で整列する初々しい姿の中にもちょっぴり不安そうな表情をのぞかせていた。続いて入場したのは小学科1年生と基礎科Aの生徒。笑顔が多く、余裕が感じられる入場となった。入学式のすぐあとに始業式が行われるため、続いて在校生が入場。今年度は330人以上になるという生徒が一堂に会し、新しい年度を共に迎えた。

在バンクーバー日本国総領事館・髙橋良明総領事は祝辞で新入生に、「今回、入学されるみなさんの中には、初めて日本語に触れる方もいれば、すでに日常会話として日本語を話している方もいると思います。みなさんが新しい気持ちで、それぞれ目標を目指してがんばろうとしていること、それだけで充分にすばらしいことだと思います」と述べた。
日本語は簡単な言葉ではなく途中でやめたくなることもあるかもしれないが、「自分のことを信じて進めば、いつかその困難を克服できると思います。将来、日本語で動画を楽しんだり、友達にすごいねと驚かれたり、うらやましがられたりすることを想像しながら勉強に励んでください」と激励した。
バンクーバー日本語学校並びに日系人会館の町田友成共同理事長は「今日からみなさんは、このコミュニティの一員です」と新入生とその保護者を暖かく迎えた。「新しい環境に入ることは不安もあると思いますが、この学校は日本語や日本文化を学ぶだけではなく、友情を育み、思い出を作る場所でもあります。どうぞ安心して楽しんでください」と語りかけた。

最後に今年度より校長に就任した久田琴絵氏があいさつ。18年間同校の教壇に立ってきた「こと先生」が壇上に現れると、在校生たちから歓声が上がった。「新しく入学したみなさん、おめでとうございます」と元気な声で生徒たちに語りかけた久田校長。初めての校長としての職務に「少しどきどきしています」としつつ、「この学校は、みなさんが安心して楽しく勉強できる場所です。そして、ただ新しい言葉を学ぶだけではなく、友達を作ったり、助け合ったりしながら、みんなで成長していけるといいなと思っています。みなさんと一緒に楽しい学校を作っていきたいと思っています」と初々しいあいさつとなった。
始業式では、教師紹介のほか、理事会、オフィススタッフ、ボランティア活動も紹介された。来年120周年となる歴史と規模を誇る同校では多くの人々が生徒たちの学びを支えている。
入学式後に久田校長は「来年は120周年を迎える歴史ある学校ですから、今までの歩みを継続しつつ、みなさんの考えやお知恵を拝借しながら進んでいきたいです」と意気込みを語った。これからは直接生徒を指導することはなくなるが、「保護者の方とのつながりを大切に、コミュニティとしてみんなで協力しあっていければと思っています。私はいつも職員室にいますので、いつでも気軽に立ち寄ってほしいですね」と笑顔を見せた。
(取材 宗圓由佳)
合わせて読みたい関連記事