第44回バンクーバー国際映画祭「映画で見る世界中の文化」

記者会見の様子。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
記者会見の様子。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

 見たことのない世界の映画に触れて、自分の中で何かを感じる。そんな価値ある体験が意味ある変化を生み出すと、1982年に発足したThe Greater Vancouver International Film Festival Society。毎年バンクーバー国際映画祭の開催と、選りすぐった映画の上映をVIFF Centreで1年を通して提供している。

 2025年の今年も10月2日から12日まで、バンクーバー国際映画祭(VIFF)が開催される。今回は26本の世界プレミアを含む170本の長編映画と100本の短編映画(合計435回以上の上映)を、マクミラン・スペースセンター、グランビル・アイランドシアターやアリアンス・フランセーズを含む10カ所の映画館で上映。さらにシネマと音楽が合体するライブのショー、インサイダーが語る本音のトークイベントなどが、来加するトップアーチストや映画関係者によって上演される。

 オープニングはリチャード・リンクレーター監督による「Nouvelle Vague」。これはフランスのニューウェーブの始まりに関するコメディドラマで、レトロでフランスならではの楽しい画面の移り変わりが必見。クロージングはドイツのイド・フルク監督の「Köln 75」。1975年、16歳の音楽好き少女ベラ・ブランデスが偶然から当時最も売れたキース・ジャレットのケルン・コンサートを生み出す様子が描かれる。当日はピアニストChris Gestrinさんのピアノライブ付き。

 今回初の試みSpotlight on Koreaは、パク・チャヌク監督「No Other Choice」、ホン・サンス監督「その自然が君に何と言うの(What Does That Nature Say to You)」をはじめ、7本の韓国映画を一気に上映。新人監督(俳優はまだ未定)の舞台あいさつ付きで上映される。

 An Evening with Marc Maronでは、コメディアンでポッドキャストで有名なマーク・マロンの「Are We Good?」を上映後、彼との長いQ&Aが予定されている。カナダのマシュー・ランキン監督は今回ゲストとしてLeading Lightsセクションを担当。日本でも有名なアキ・カウリスマキ監督の映画をはじめ監督が厳選した映画数本が上映される。

 期待のプレミア上映はジム・ジャームッシュ監督の「Father Mother Sister Brother」や、パオロ・ソレンティーノ監督の「La Grazia」などに加えて、カンヌ国際映画祭でジャファル・パナヒ監督が最高賞に輝いた「シンプル・アクシデント(It Was Just an Accident)」、さらにヨアキム・トリアー監督の「Sentimental Value」、またベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の「Young Mothers」も見逃せない。カナダのブリティッシュ・コロンビア部門では日系カナダ人の吉田真由美監督をはじめ地元の監督の新作が続々と登場する。

 個性的なラインナップとなった日本映画も気になるところ。上映作は以下の通り:

「国宝」李相日監督
「ルノワール」早川千絵監督
「見はらし世代」団塚唯我監督
「西海楽園」鶴岡慧子監督
「あかし」吉田真由美監督(カナダ)
「レンタル・ファミリー」Hikari監督(言語:英語)

 VIFFエクゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏は「この世界が緊張と不安定な財政に苦しむ中、VIFFが成長して開催できることは光栄です」と語り、VIFF Board ChairのAm Johal氏は「この映画祭は今年もスタッフチームとボランティアの情熱で築かれています」と述べた。さらにプログラム・ディレクターのCurtis Woloschuk氏は「映画祭は観客にとって芸術が創造される興奮や、純粋に文化を伝えようとする作り手の決意に触れられる良い機会です」と締めくくった。

VIFFエクゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏(右)とプログラム・ディレクターのCurtis Woloschuk氏(左)Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFFエクゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏(右)とプログラム・ディレクターのCurtis Woloschuk氏(左)Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

 今年のArtist &Industryプログラムのテーマは“Create. Connect. Transform”(作る、繋ぐ、変革する)。多様文化によるコラボを通して、シネマという共有ビジョンがさらに進化して形成されていく。

 一般チケットは8月28日12pmから発売されている。大人1枚21ドル、6枚もしくは10枚のチケットパックも購入できる。VIFF+や19歳から25歳のユースメンバー割引もある。プログラムはviff.orgと来月発行されるパンフレットで詳細が確認できる。

バンクーバー国際映画祭

期間:2025年10月2日~12日
会場:バンクーバー市内10カ所
ウェブサイト:viff.org/
チケット:大人21ドル、シニア19ドル、学生・ユース16ドル、6枚チケットパック120ドル・10枚チケットパック180ド(チケットパック学生シニア料金あり)、その他詳しくはviff.org/ticket-infoを参照

(取材 Jenna Park)

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