エアカナダが計画的減便を実施、バンクーバー発シンガポール行きなどが欠航へ

 エアカナダと客室乗務員労働組合の労使交渉が決裂したことを受け、エアカナダは13日に予告した通り、14日から計画的欠航を実施した。

 まずは国際線長距離路線が対象となり、バンクーバー空港を出発するシンガポール行き、マニラ(フィリピン)行き、シドニー(オーストラリア)行きの欠航が決定。トロント空港発インド行きも欠航が決まっている。

 エアカナダによれば、15日夜までに約500便が欠航する予定。ただ報道によれば14日は約10便にとどまるという。

 エアカナダは欠航や変更が決定している便を予約している場合には、事前に利用者に連絡があるとして対応策も発表している。対象者は、同日のエアカナダ、もしくは他社の同路線に振り替えるか、後日の便を利用するか、もしくは返金に応じるとしている。

 エアカナダと労働組合は14日、それぞれに記者会見を行った。エアカナダの会見では労働組合員がデモをする場面も見られた。エアカナダは協議する用意があること、政府介入の選択肢もあることを訴えた。組合は交渉の席から去ったのはエアカナダ側で、組合は協議に応じる用意がいつでもあると語った。

 組合が要求しているのは主な争点は、賃金引き上げと賃金対象となっていない無給労働への100%の対応で、引き下がるつもりはないとしている。

 エアカナダはストライキ決行までに何らかの合意に至らなければ、16日午前1時(東部標準時)からエアカナダ、エアカナダ・ルージュが全便欠航になると改めて明らかにした。全便欠航となった場合、バンクーバー空港では15日午後10時から影響が出る。

 カナダ政府は組合に15日正午までに政府の介入を受け入れるか回答するよう通知したと明らかにした。

 現在14日以降の予約をしている場合は、運航状況を必ず確認することが必要。エアカナダの労使交渉はしばらく流動的な様子を見せている。

 エアカナダは世界65カ国に路線を持つカナダ最大の航空会社。1日約13万人が利用している。ストライキで全便欠航となれば国内外に大きな影響が出る。

(記事 北野大地)

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