今年広島長崎原爆投下80年を迎え、カナダで関連イベントが相次いで開催されている。広島市と姉妹都市のモントリオール市(ケベック州)では、市が主催するパネル展が8月4日から開催される。

モントリオール市国際課のArber Fetiuさんは、トロント市(オンタリオ州)在住の広島で被爆した平和活動家サーロー節子さんから連絡があり、モントリオール市で開催することになったと説明した。昨年から準備していたという。
さらに広島市松井一實市長からも公式に書簡でパネル展開催にモントリオール市の協力を要請されたと明かした。モントリオール市と広島市は1998年5月19日にモントリオール市で姉妹都市提携の調印をして以来、積極的な文化・経済的交流が続いている。
今年は2人の若者が8月6日の平和式典に参加するために広島を訪問する。滞在中はホームステイなどを通して広島を体験するという。

モントリオール市でも毎年日本時間の8月6日午前8時15分と同時刻の東部標準時8月5日午後7時15分に記念式典が行われている。場所は、モントリオール市植物園内にある日本庭園。広島市から寄贈された平和の鐘の前で行われる。今年は80年という節目の年ということで8月6日には鐘を80回鳴らす予定だ。
今回のパネル展は原爆投下80年に合わせたイベントの一つとして8月6日を含めた4日から8日まで “Survivre et témoigner: témoignages dessinés des survivantes et survivants d’Hiroshima”と題して広島の被爆者が描いた当時の様子を絵で紹介する。展示されるのは25作品。会場はThe Conseil des arts de Montréal。
モントリオール市は早くから平和首長会議にも参加。1985年8月に「世界平和連帯都市市長会議」として第1回が開催され、モントリオール市は1987年7月に加盟。現在は副会長都市として、また地域グループを管轄するリーダー都市としての役割を担っている。今年は8月7日~10日(日本時間)に長崎で開催される。Fetiuさんは、今年は秋に選挙が控えているため「残念ながら市長や市議の参加は見送られる予定」と話す。それでも平和への思いは変わらない。
今回のパネル展を通してより多くのモントリオール市民に平和について考える機会になってほしいと語った。
“Survivre et témoigner: témoignages dessinés des survivantes et survivants d’Hiroshima”
(広島の被爆者による被爆体験絵画展)
日時:2025年8月4日~8日
会場:the Conseil des arts de Montréal(1210 Sherbrooke St. E, Montréal, Québec, H2L 1L9)https://www.artsmontreal.org/en
入場料:無料
ウェブサイト:https://www.facebook.com/mtlville/?locale=fr_CA
(取材 三島直美)
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