ブリティッシュ・コロンビア(BC)州から隣接するアメリカ・ワシントン州への陸路での渡航が5カ月連続で減少している。
Whatcom Council of Governmentsのデータによると、今年6月のBC州からワシントン州への国境通過は前年同月比で約43%減少した。BC州にあるピースアーチ、パシフィックハイウェイ、リンデン、スーマスの国境検問所を合わせて、国境通過は前年の206,978件から118,292件と88,686件少なくなっている。
カナダ人のアメリカへの渡航は2月以降、大幅に減少している。背景にはトランプ大統領の関税問題やカナダ併合発言による反米感情の高まりがあるとみられる。
アメリカ側ではベリンハムやブレインなどカナダ国境に近い都市がカナダ人観光客の減少による経済的打撃を懸念している。5月にはベリンハム市議会の議長と市長が連名でBC州の各都市に書簡を送ったとの報道があった。
一方BC州ではデビッド・イービー州首相らが「地元支援」を呼びかけている。BC州観光局クレア・メイソン氏は、CBC電子版で観光による宿泊は改善傾向にあり、1月から5月にかけて、バンクーバー、ビクトリア、カムループス、ケローナ、ウィスラー、リッチモンドなど主要観光地のホテル稼働率が前年同期比で上昇していると述べている。
(記事 高城玲)
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