カナディアン・ロッキーの観光名所アルバータ州バンフ国立公園で6月19日に大規模な落石が起き、ハイカーが巻き込まれた。
事故があったのはレイク・ルイーズの北にあるボウ湖近く。同日午後1時30分ごろ、警察に「複数のハイカーがボウ・グレイシャー滝付近で落石に巻き込まれた」と通報があった。
警察とパークス・カナダ(カナダ国立公園局)は同日に、1人が死亡、3人が負傷したと発表した。後日、死亡したのはカルガリー在住で昨年退職したばかりの作業療法士、ジュッタ・ヒンリッヒさんと判明した。また、負傷者のうち1人は救急車、2人は救急ヘリコプターで病院に搬送され、いずれも重症だが容態は安定しているという。
20日には2人目の遺体を収容したとの発表があった。遺体は19日午後に捜索救助犬チームによって発見されていたが、現場状況が不安定だったため、その夜のうちに収容できなかったという。身元については21日時点で公表されていない。
現場では20日も赤外線センサー・ドローンやサーマルイメージング・カメラを使った捜索が続けられた。しかし、がれきの中に人の存在を示す反応がなかったこと、さらに行方不明者の届け出もなく、登山口のボウ湖で所有者不明の車両も確認されていないことから、捜索は打ち切られた。
CBC電子版は、パークス・カナダのフランソワ・マッセ氏の話として、地質工学的な調査によると、今回の落石は山岳地帯で起きる自然発生的現象とみられるとし、防ぐことも予測することもできなかっただろうと伝えている。
(記事 高城玲)
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