カーニー新内閣発足、28人中24人が新入閣

 マーク・カーニー首相による新内閣が5月13日に発足した。顔ぶれは前政権から大きく変わり「カーニー色」を前面に打ち出している。

 新内閣は大臣28人、さらに国務長官に10人が選ばれた。そのうち24人は初の閣僚・国務長官就任で、13人は先月の下院総選挙で初当選したばかりというフレッシュな顔ぶれとなった。

 カーニー首相は記者会見で「約10年にわたったトルドー前政権の後、国民が求める変化に応えるための内閣刷新」と語り、「変革の使命を迅速かつ決然と遂行する」と述べた。トルドー政権からの大臣男女同数は踏襲している。

 一方で経験豊富なベテラン議員は対応が分かれた。フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ議員は引き続き財務大臣を務めるほか、新たに国家歳入を兼任。ドミニク・ルブラン議員も対アメリカ貿易および州政府関係の職務を継続する。要職から外れたのはメラニー・ジョリー前外務大臣で産業大臣兼ケベック地域経済開発担当大臣に就任。トルドー前政権で財務大臣兼副首相だったクリスティア・フリーランド議員は第1次カーニー政権同様運輸・国内貿易大臣に収まった。ビル・ブレア前防衛大臣、ジョナサン・ウィルキンソン前天然資源大臣は入閣しなかった。

 新内閣は全ての州と1準州から閣僚・国務長官に入閣、ブリティッシュ・コロンビア州からは5人の議員(うちメトロバンクーバーからは3人)が選ばれた。住宅担当大臣にはバンクーバー元市長のグレゴール・ロバートソン議員が就任した。

 カーニー首相は新内閣について「より小規模で焦点を絞った」構成だとし、各大臣が、逐一首相官邸の承認を得ることなく意思決定できる「真の内閣運営」を目指すと話している。

カーニー内閣・閣僚名簿

首相 マーク・カーニー

予算庁長官 シャフカット・アリ

先住民担当大臣 レベッカ・アルティ

外務大臣 アニータ・アナンド

公共安全大臣 ゲイリー・アナンダサンガリー

財務・国家歳入大臣 フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ

北部・北極圏担当大臣およびカナダ北部経済開発庁担当大臣 レベッカ・シャルトランド

環境・気候変動大臣 ジュリー・ダブルサン

法務大臣兼司法長官兼アトランティック・カナダ機会庁担当大臣 ショーン・フレイザー

運輸・国内貿易大臣 クリスティア・フリーランド

カナダ文化・アイデンティティ担当大臣兼公用語担当大臣 スティーヴン・ギルボー

先住民サービス大臣 マンディ・ガル=マスティ

雇用・家族大臣兼北オンタリオ経済開発庁担当大臣 パティ・ハイドゥ

エネルギー・天然資源大臣 ティム・ホッジソン

産業大臣兼ケベック地域経済開発担当大臣 メラニー・ジョリー

枢密院議長兼カナダ・アメリカ貿易、州政府間関係、および「統一カナダ経済」担当大臣 ドミニク・ルブラン

政府改革・公共事業調達大臣 ジョエル・ライトバウンド

農業・農産食料大臣 ヒース・マクドナルド

下院院内総務 スティーヴン・マッキノン

国防大臣 デイビッド・J・マギンティ

退役軍人問題大臣兼国防副大臣 ジル・マクナイト

移民・難民・市民権大臣 レナ・メトレッジ・ディアブ

保健大臣 マージョリー・ミッシェル

緊急管理・コミュニティ回復担当大臣兼プレーリー地帯経済開発庁担当大臣 エレノア・オルシュスキー

住宅問題・インフラ大臣兼太平洋地域経済開発庁担当大臣 グレゴール・ロバートソン

国際貿易大臣 マニンダー・シドゥ

人工知能・デジタルイノベーション担当大臣兼南オンタリオ経済開発庁担当大臣 エヴァン・ソロモン

漁業大臣 ジョアン・トンプソン

女性・ジェンダー平等担当大臣兼スモールビジネス・観光担当国務長官 レチー・バルデス

(記事 高城玲)

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