昨年のクリスマスシーズンに1カ月以上ストライキを実施したカナダの郵便公社カナダポストの労働組合が5月に再度ストライキを実施する可能性が出てきた。
カナダポストと労働組合は現在の労働協定が有効期限を迎える5月22日を前に調停役を入れて話し合いをしているが、組合側によると話し合いは「厳しい」状況だという。決裂すれば、労働組合の再度のストライキ、もしくは、カナダポストの施設封鎖の可能性がある。
2024年に組合が実施したストライキは11月から12月にかけて32日間続いた。クリスマスシーズンだったため、クリスマスギフトやカードが滞るだけでなく、ビジネスの流通にも大きな影響が出た。結局前回はカナダ労使関係委員会が介入しストライキが終了。その後、話し合いは継続されていたが3月に決裂し、有効期限を前に再開されたという。
5月にストライキが実施される場合、カナダポストが最も忙しいクリスマスシーズンとは違い、一般利用者への影響はそれほど大きくないのではと見られている。一方で、アメリカのトランプ大統領が実施している関税の影響などもありビジネスはただでさえ不安定な中、さらにストライキで流通が滞るのは経済に大きな打撃になるとの見方もある。
カナダポストは、現在の経済が不安定な状況で、現時点までに新しい労働協定で合意できていることを期待していたが、今後も安定を提供できるように努力すると4月29日の声明で語っている。
労働組合は、賃金、安全衛生手当、雇用保障、年金に引き続き重点を置いているという。ただカナダポストの経営状況は厳しく、昨年も管理職などを解雇している。
(記事 編集部)
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