カナダ・カーニー首相、トランプ大統領とワシントンで5月6日に会談

 カナダのマーク・カーニー首相は5月2日、選挙後初めての記者会見を開き、5月6日にホワイトハウスでアメリカのドナルド・トランプ大統領と会談すると発表した。貿易と安全保障について協議する予定だという。 両首脳が直接会って対話を行うのは初めて。

 カーニー首相は「早急に取り組むことが重要だ。それは私とトランプ大統領が常に意図してきたことだ」と述べ、包括的な会談への意欲を示した。

 首相は選挙戦の柱にトランプ大統領との交渉を掲げてきた。自分はアメリカとの貿易戦争および大統領の「カナダ併合」の脅威にさらされたカナダを導くのに最もふさわしい人物であると主張してきた首相にとって会談は正念場となる。

 ただし、今回の会談によって関税問題が直ちに解決するわけではないとしている。また、トランプ政権との交渉の条件として関税撤廃を主張するかとの問いには、公共の場でそれを述べるつもりはないと答えた。

 カーニー首相は、会談が行われること自体は良い兆候だとする一方で、選挙期間中と同じように「これまでのアメリカとの関係は終わった」と繰り返し言及、他国との新たな貿易関係の構築を目指すと述べた。

 さらに、アメリカへの依存を減らす経済構造を作るべきだと強調。そのために「カナダ国内でやるべきこと」はたくさんあるとし、カナダ経済の統合、国家プロジェクトの推進、生産性の向上、政府の無駄の削減、国内投資の促進などを挙げた。

(記事 高城玲)

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