第45回カナダ連邦下院総選挙はマーク・カーニー党首率いる与党・自由党が政権を維持することが決まった。自由党政権は4期連続となる。
4月28日に行われた投開票の結果は総議席数343のうち、自由党169、保守党144、ケベック連合党22、NDP(新民主党)7、グリーン党1。第一党となった自由党は得票率が43%だったものの単独過半数の172議席にわずか3議席届かず、少数派政権となる。
自由党マーク・カーニー党首は、アメリカのトランプ大統領の関税問題などを背景に、今年初めには敗北が確実視されていた党の情勢を逆転させた。日付が変わってからの勝利宣言では「内閣や党内でチームとして統治すること、国会の全ての党と建設的に協力すること」を重要視するとし、「住んでいる場所、言語、支持政党に関わらず、全てのカナダ国民のために政治を行う」と述べた。
一方の保守党も41パーセントと高い得票率を記録し、16議席増やしたが、政権を奪還できなかった。しかもピエール・ポワリエブル党首が落選するという事態となった。同党首は2004年から議席を保持してきたオタワ市のカールトン選挙区から出馬したが、自由党のブルース・ファンジョイ氏に敗れた。それでも落選が確定する前の支援者へのスピーチでは党首続投を表明している。
今回の選挙は自由党と保守党の2大政党一騎打ちとなり、そのあおりを受けたのがNDP。同党は大幅に議席を減らし、12議席必要な公式政党の資格を失った。ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー・セントラル選挙区から出馬したジャグミート・シング党首も落選、自由党のウェイド・チャン氏に議席を明け渡した。シング党首は引責辞任を表明している。
ケベック連合党も議席を減らしたがNDPほどではなく、イヴ=フランソワ・ブランシェ党首は自由党との協力に前向きな姿勢を示している。
カーニー首相は一夜明けた4月29日には早速トランプ大統領と電話会談したことを明かした。
(記事 高城玲、三島直美)
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