アカデミー賞受賞作『イングリッシュ・ペイシェント』で共演したイギリス出身のレイフ・ファインズとフランス出身のジュリエット・ビノシュが、『The Full Monty』などで知られるイタリアのウベルト・パゾリーニ監督のドラマ映画『The Return』で再共演。今年のトロント国際映画祭で世界プレミアとして大きなスタンディングオベーションを受けた。
『The Return』は、ホメーロスの『オデュッセイア』をリメイクしたもの。トロイ戦争に出征して帰って来ないオデュッセウス王(ファインズ)は、過去の家臣達から新しい王を選ぶように迫られている妻ペネロペ(ビノシュ)と、命を狙われている息子テーレマコス(チャーリー・プラマー)を救おうと自ら乞食となって王国に戻る。妻子を捨てた過去の自分と向き合い、欲に溺れた昔の家臣達を相手に命がけの戦いを繰り広げる。
主人公のレイフ・ファインズは5カ月間のダイエットと運動で全裸のシーンにも挑戦。撮影はほとんどギリシャで行われ、美しい水面やサーファーが喜ぶような波のシーンなど、全て自然の光で撮影された。パゾリーニ監督の静かな皮肉やユーモアは映画ファンの期待を裏切らない。演技派俳優揃いで最後まで楽しめる作品。
12月6日よりFifth Avenueやシネプレックスで公開。
(記事 Jenna Park)
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