メトロバンクーバーの穀物ターミナル(穀物を貯蔵する施設)6カ所で9月24日、労働者約650人がストライキに入った。
組合グレイン・ワーカーズ・ユニオン・ローカル333と、雇用者側のバンクーバー・ターミナル・エレベーターズ・アソシエーション(VTEA)は、2023年11月から労使交渉を続けてきた。しかし12月に契約が失効後、交渉は行き詰まり、組合側は今年9月21日にスト通告を出した。争点となっているのは賃金、年金、福利厚生、スケジュールという。
ストが行われているのは、バンクーバー市とノースバンクーバー市にある6カ所のターミナル。生産者組織グレイン・グローワーズ・オブ・カナダ(GGC)によると、昨年はカナダ産穀物の50%以上がこれらのターミナルを利用しており、経済やサプライチェーンに与える影響は甚大で、輸出額の損失は毎日3500万ドルになるという。
組合側と雇用側が互いに非難し合う状況のなか、収穫シーズン中の生産者は懸念を示し、GGCは連邦政府の介入を呼びかけている。スティーブン・マッキノン労働大臣はX(旧ツイッター)に、23日に両者と会談し政府の調停のもとで両者が交渉再開で合意したと投稿した。
CTVニュース電子版は、食糧政策を専門とするダルハウジー大学シルヴェイン・シャルボワ教授の話として、「食料安全保障にも影響が出る可能性がある」とし、ストが1週間以上続けば消費者は商品不足や価格高騰に直面するだろうと伝えている。
(記事 編集部)
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